岐阜市議会 2018-06-03
平成30年第3回(6月)定例会(第3日目) 本文
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ウィンドウで開きます) 平成30年第3回(6月)定例会(第3日目) 本文 2018-06-15 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ
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発言者一覧 選択 1 : ◯議長(
信田朝次君) 788頁 選択 2 : ◯議長(
信田朝次君) 788頁 選択 3 : ◯議長(
信田朝次君) 788頁 選択 4 : ◯議長(
信田朝次君) 789頁 選択 5 : ◯3番(渡辺貴郎君) 789頁 選択 6 : ◯議長(
信田朝次君) 794頁 選択 7 : ◯市長(柴橋正直君) 794頁 選択 8 : ◯議長(
信田朝次君) 796頁 選択 9 :
◯行政部長(後藤一郎君) 796頁 選択 10 : ◯議長(
信田朝次君) 798頁 選択 11 :
◯教育委員会事務局長(石原徹也君) 798頁 選択 12 : ◯議長(
信田朝次君) 799頁 選択 13 :
◯農林部長(安田直浩君) 799頁 選択 14 : ◯議長(
信田朝次君) 800頁 選択 15 : ◯3番(渡辺貴郎君) 800頁 選択 16 : ◯議長(
信田朝次君) 802頁 選択 17 : ◯8番(石井浩二君) 802頁 選択 18 : ◯議長(
信田朝次君) 807頁 選択 19 : ◯市長(柴橋正直君) 807頁 選択 20 : ◯議長(
信田朝次君) 808頁 選択 21 :
◯行政部長(後藤一郎君) 808頁 選択 22 : ◯議長(
信田朝次君) 810頁 選択 23 : ◯教育長(早川三根夫君) 810頁 選択 24 : ◯議長(
信田朝次君) 811頁 選択 25 : ◯健康部次長兼健康政策課長(吉村栄治君) 811頁 選択 26 : ◯議長(
信田朝次君) 812頁 選択 27 : ◯まちづくり推進部長(黒木秀哉君) 812頁 選択 28 : ◯議長(
信田朝次君) 814頁 選択 29 : ◯8番(石井浩二君) 814頁 選択 30 : ◯議長(
信田朝次君) 817頁 選択 31 : ◯市長(柴橋正直君) 817頁 選択 32 : ◯議長(
信田朝次君) 818頁 選択 33 : ◯副議長(谷藤錦司君) 818頁 選択 34 : ◯6番(石川宗一郎君) 818頁 選択 35 : ◯副議長(谷藤錦司君) 820頁 選択 36 : ◯市長(柴橋正直君) 820頁 選択 37 : ◯副議長(谷藤錦司君) 821頁 選択 38 :
◯教育委員会事務局長(石原徹也君) 821頁 選択 39 : ◯副議長(谷藤錦司君) 822頁 選択 40 : ◯企画部長(牧ヶ野敏明君) 822頁 選択 41 : ◯副議長(谷藤錦司君) 823頁 選択 42 : ◯6番(石川宗一郎君) 823頁 選択 43 : ◯副議長(谷藤錦司君) 824頁 選択 44 : ◯5番(黒田育宏君) 824頁 選択 45 : ◯副議長(谷藤錦司君) 830頁 選択 46 : ◯健康部次長兼健康政策課長(吉村栄治君) 830頁 選択 47 : ◯副議長(谷藤錦司君) 831頁 選択 48 : ◯福祉部長(高橋弘行君) 831頁 選択 49 : ◯副議長(谷藤錦司君) 832頁 選択 50 : ◯自然共生部長(松井重雄君) 832頁 選択 51 : ◯副議長(谷藤錦司君) 833頁 選択 52 : ◯市民病院長(冨田栄一君) 833頁 選択 53 : ◯副議長(谷藤錦司君) 834頁 選択 54 : ◯まちづくり推進部長(黒木秀哉君) 834頁 選択 55 : ◯副議長(谷藤錦司君) 835頁 選択 56 : ◯防災監兼都市防災部長(田中光弘君) 835頁 選択 57 : ◯副議長(谷藤錦司君) 836頁 選択 58 : ◯市民参画部長(田中啓太郎君) 836頁 選択 59 : ◯副議長(谷藤錦司君) 837頁 選択 60 : ◯5番(黒田育宏君) 837頁 選択 61 : ◯副議長(谷藤錦司君) 838頁 選択 62 : ◯13番(和田直也君) 838頁 選択 63 : ◯副議長(谷藤錦司君) 843頁 選択 64 : ◯議長(
信田朝次君) 844頁 選択 65 : ◯市長(柴橋正直君) 844頁 選択 66 : ◯議長(
信田朝次君) 846頁 選択 67 : ◯代表監査委員(服部 剛君) 846頁 選択 68 : ◯議長(
信田朝次君) 846頁 選択 69 : ◯企画部長(牧ヶ野敏明君) 846頁 選択 70 : ◯議長(
信田朝次君) 847頁 選択 71 : ◯教育長(早川三根夫君) 847頁 選択 72 : ◯議長(
信田朝次君) 848頁 選択 73 :
◯教育委員会事務局長(石原徹也君) 848頁 選択 74 : ◯議長(
信田朝次君) 849頁 選択 75 : ◯13番(和田直也君) 849頁 選択 76 : ◯議長(
信田朝次君) 851頁 選択 77 : ◯市長(柴橋正直君) 851頁 選択 78 : ◯議長(
信田朝次君) 853頁 選択 79 : ◯13番(和田直也君) 853頁 選択 80 : ◯議長(
信田朝次君) 854頁 選択 81 : ◯市長(柴橋正直君) 854頁 選択 82 : ◯議長(
信田朝次君) 855頁 選択 83 : ◯9番(小堀将大君) 855頁 選択 84 : ◯議長(
信田朝次君) 859頁 選択 85 : ◯健康部次長兼健康政策課長(吉村栄治君) 859頁 選択 86 : ◯議長(
信田朝次君) 860頁 選択 87 : ◯福祉部長(高橋弘行君) 860頁 選択 88 : ◯議長(
信田朝次君) 863頁 選択 89 : ◯防災監兼都市防災部長(田中光弘君) 863頁 選択 90 : ◯議長(
信田朝次君) 864頁 選択 91 : ◯9番(小堀将大君) 864頁 選択 92 : ◯議長(
信田朝次君) 866頁 選択 93 : ◯議長(
信田朝次君) 866頁 ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 開 議
午前10時 開 議
◯議長(
信田朝次君) これより本日の会議を開きます。
本日の日程はお手元に配付申し上げたとおりであります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
第1 会議録署名議員の指名
2: ◯議長(
信田朝次君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
本日の会議録署名議員は、会議規則第87条の規定により、議長において19番江崎洋子君、20番井深正美君の両君を指名します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
第2 第73号議案から第17 第88号議案まで及び第18 一般質問
3: ◯議長(
信田朝次君) 日程第2、第73号議案から日程第17、第88号議案まで、以上16件を一括して議題とします。
───────────────────
〔議 案 掲 載 省 略〕
───────────────────
4: ◯議長(
信田朝次君) 昨日に引き続き、質疑とあわせて日程第18、一般質問を行います。
順次発言を許します。3番、渡辺貴郎君。
〔渡辺貴郎君登壇〕(拍手)
5: ◯3番(渡辺貴郎君) おはようございます。
〔「おはようございます」と呼ぶ者あり〕
それでは、議長のお許しをいただきましたので、発言通告に従いまして質問を大きく4点させていただきます。
まず最初に、自動車の自動運転技術に対する本市の考え方について、質問をさせていただきます。
2020年には東京で自動運転車が走り回っていると2015年10月、安倍首相が宣言されました。これは車の自動運転に強い期待を示した中での発言ですが、技術的にも法的にもハードルがあるため、日本政府として環境の整備に全力を尽くすということで2015年6月に閣議決定された「日本再興戦略」改訂2015で完全自動走行を見据えた環境整備の推進が取り上げられました。
自動運転技術は交通事故の削減、交通渋滞の緩和、高齢者や過疎地における移動手段の確保、観光振興、物流業界の人材不足の解消など、さまざまな効果が期待されていることから、早期実現に向けた研究開発が進められております。
今月4日には、安倍総理は首相官邸で開催した第17回未来投資会議の場で自動運転を重点分野として位置づけ、プロジェクトを推進していくとしています。一方で、自動走行が社会に浸透していくためには、先ほども申し上げました技術の開発や法制度の整備を進めていかなければなりませんし、また、自動運転車に対する認知や理解、ニーズ、そして、事故を含めた不安の解消など課題もクリアにしていかなければなりません。
いずれにしても、未来の高度道路交通システムの構築に向けた国家戦略の1つでもある自動運転の技術は、今後急速な発展が見込まれていますし、期待もしているところです。
この自動運転技術の活用については、市長も重要政策の1つとして掲げられており、今回の6月補正予算では、公共交通自動運転技術活用調査として350万円が計上されています。
そこで、大きく以下3点、市長に質問させていただきます。
1点目、今回の調査内容についてお聞かせください。
2点目、自治体においては、車の自動運転技術が普及する社会を見据えて、実用化に向けた公道での自動走行の実証実験を始めているところもあります。特に国家戦略特区の中で近未来技術実証特区に指定された神奈川県藤沢市や宮城県仙台市、秋田県仙北市、そして、愛知県では、2015年以降、道路交通法など規制が緩和される中、公道での自動走行実証実験などを積極的に行っています。
特に愛知県においては、県として特区をとっていますので山間地や道路・周辺環境が異なるさまざまな県内のエリアにおいての実証実験や無人での自動運転といった最先端の遠隔型自動運転システムの実証実験、また、高齢者や障がい者、交通対策、観光、駐車場対策など、行政課題を設定した実験と全国に類を見ないほどの大規模な実証実験を積み重ねながら、実用化に向けた動きを加速しております。
これは、トヨタ自動車を初めとしたグループ会社や各種企業、名古屋大学など産学官の連携が十分に機能している結果だと考えます。
今後、本市が自動運転技術の導入に向けて実験や検証を進めていく上で、こうした国家戦略特区や岐阜県や愛知県との連携、また、産学官の連携などが必要ではないかと考えますが、御見解をお聞かせください。
3点目、自動運転技術を岐阜市民に対して、どのような活用を展開していきたいのか、市長の思いをお聞かせください。
続きまして、2点目になります。
ふるさと納税について質問をします。
ふるさと納税については過去にも質問させていただいておりますが、年々制度に関しては方針や抱える課題など、改善も含めいろいろとありますので、改めて確認したいこともあり、質問させていただきます。
2008年度に始まったふるさと納税も制度として定着し10年が経過しました。ふるさと納税の理念の1つでもある生まれ故郷を初め、お世話になった地域や応援したい地域に対して力になれる制度ということで、近年では地震や台風に豪雨、噴火など自然災害により大きな被害を受けた被災自治体に対し、ふるさと納税を活用した支援についても浸透してきているように思われます。
また、制度自体も各自治体での返礼品の充実や2015年度からは寄附金から2,000円を差し引いた額が住民税や所得税の控除対象額になりますが、この控除額の上限が2倍になったことや寄附先が1年間で5自治体までなら確定申告をしなくとも控除を受けられるワンストップ特例制度が設けられたこともあり、制度を活用される方も右肩上がりに増加をしております。
総務省の資料によりますと、全国のふるさと納税の受入額は制度が始まった2008年度が約81億円、2014年度が約389億円、新制度が設けられた2015年度が約1,653億円、翌2016年度が前年度の1.7倍となる約2,844億円と当初の約35倍にまで膨れ上がっております。
制度を活用される方がふえる一方で、当初掲げられた理念が忘れ去られ、ニュースなどでも取り上げられますが、自治体間の返礼品競争はおさまることなく、昨年の4月には総務省から返礼割合が3割を超えないものを返礼品とするよう対応を求める通知がされましたが、まだまだ改善には至っていないようです。
課題の1つとして、例えば、岐阜市への寄附金額より岐阜市民の方が本市または他の自治体へ寄附をされたことによる税控除額が上回ると税収赤字となります。税収赤字は、特に地方出身者が多く特産品が少ない都市部において顕著にあらわれており、総務省の2017年度の現況調査資料からすると2016年度のワースト3は横浜市の約55億円、名古屋市の約31億円、東京都世田谷区の約30億円となっております。
本市でも直近で明らかにされている2016年度の決算で個人からの寄附金の受入額が約5,900万円、岐阜市民の方が市内外へ寄附をし、翌年度に受けられる本市の市民税控除額が約4億2,100万円であり、差し引き3億6,000万円の赤字となっております。また、2017年度もこうした赤字の拡大が見込まれているとのことです。
そこで、ふるさと納税における現状や課題を踏まえて、本市の今後の対応について、2点質問させていただきます。
総務省はふるさと納税で得られた資金を地域で有効に活用するため、各地方団体においてふるさと納税を活用する事業の趣旨や内容、成果をできる限り明確にすることを推奨していますが、これはクラウドファンディング型ふるさと納税のことになります。
本市においては、ふるさと納税制度に対応した元気なぎふ応援寄附金のホームページ上で活用事業とともに活用額を明記しております。また、本市にはクラウドファンディング型ふるさと納税として、特定事業メニューでありますFC岐阜の活動支援、ぎふ市民活動育み寄附金、2017年度より寄附の受け付けを開始した鵜飼観覧船事業への寄附を設けてきました。
これら特定事業の2016年度決算における寄附実績につきましては、FC岐阜の活動支援は22件、51万円、ぎふ市民活動育み寄附金は4件、約6万円となっており、2017年度の寄附状況につきましても一定の実績で推移しているとのことです。
こうして新たにこの5月から新庁舎建設事業寄附金の募集が始まったところです。新庁舎の建設にふるさと納税を活用する動きは、大垣市を初め、他の自治体でもあるようですが、募集を始めて1カ月が経過しました。
そこで、行政部長にお尋ねをします。
今回、新庁舎建設事業寄附金を始めた趣旨と現状の実績や反応について教えてください。
次に、2点目として、教育委員会事務局長にお尋ねをします。
クラウドファンディング型ふるさと納税の活用については、2年前の6月議会でも質問させていただいたところですが、現在は総務省のふるさと納税ポータルサイトでも各地のクラウドファンディング型ふるさと納税の好事例を取り上げるなど、国としても返礼品から使途、使い道へと本来の理念に戻るべく、意識の転換を図っているようにも見られます。
事例を見てみますと、教育・子育てやまちづくり・スポーツ、地域・産業振興、観光に文化・歴史とさまざまな分野での事例が挙げられております。
愛知県刈谷市では、刈谷城の本丸、二の丸の部分を中心とした城址公園となっている亀城公園において、刈谷城の復元や歴史博物館の整備を行う事業費としてふるさと納税を活用しております。
刈谷市にお尋ねをすると、制度を活用し始めた2016年10月から約1,100万円の御寄附をいただいているそうです。
本市においても市長の肝いりとも言える岐阜城山上の整備として、石垣発掘調査があります。ことしの秋から調査に入るための事業費1,500万円の予算案も今議会に上げられております。
本物を求める歴史ファン、城郭ファンの方は全国にもみえると思いますので、そういった方々を初め、多くの方々に石垣発掘調査の事業をアピールすることは事業の早期実現にもつながるのではないでしょうか。
総務省が推奨していることもあり、クラウドファンディング型ふるさと納税を活用する自治体は今後、さまざまな事業メニューを用意してくると思います。ぜひ、本市においても山上の石垣整備にこのクラウドファンディング型ふるさと納税を活用してみてはと考えますが、御見解をお聞かせください。
次に、岐阜市中央卸売市場の再整備に向けた取り組みについて質問をします。
現在の岐阜市中央卸売市場は、開設から47年が経過しており、施設の老朽化とともに流通形態や
消費者ニーズの多様化など、市場を取り巻く環境も大きく変わってきています。
こうした時代の流れの中で、本市としても市場規模や機能、課題などについて調査や審議を行うため、平成27年より場内業者の方や学識経験者などによる岐阜市中央卸売市場のあり方検討委員会が計7回開催され、昨年夏に答申がまとめられ、市長へ提出されたところです。
私も数回傍聴させていただきましたが、委員会では市場関係者を初め、さまざまな意見や課題について議論がなされていたことを記憶しております。全国の卸売市場は昭和40年代ごろに建てられた施設が多く、どこの施設も老朽化が進み、多くの市場が再整備を実施し、また、検討しているところです。本市も今後は施設整備を進めていくことになると思われますが、整備費用の財源の一部には国庫補助の充当が不可欠になり、全国の施設で再整備、検討がされている中において、国の予算状況からしてみても単なる老朽化に係る整備だけでは補助対象事業として採択されることが難しい状況にあるとも言われております。
しかし、本市の市場における青果部や水産物部の取扱数量の合計は全国に38ある市場の中で10番目に多く、また、県内市場流通量の8割以上を本市市場が占めている点からも重要な位置づけにあり、再整備が必要だと考えます。
一方で、年間6,000万円から8,000万円とも言われる修繕費や施設の使用可能年数も他市場の状況などから勘案して、平成35年度までとの試算も出ているようですので、再整備については喫緊の課題だとも言えます。
あわせて今後は、仲卸業者や関連店舗についても規模の縮小とともに人材の確保、育成といった課題も具体化してきます。こうした中、今議会では中央卸売市場経営展望策定及び整備手法検討として、1,720万円の予算案が計上されました。
そこで、以下3点、農林部長にお尋ねをします。
1点目、今予算は経営展望や整備手法についてコンサルタント会社に委託する予算だとお聞きしますが、その内容や施設整備に向けた次年度以降の取り組みについて、お聞かせをください。
2点目、あり方検討委員会の答申では、人材の確保、社員教育の徹底や他市場との差別化、PR戦略、機能的な施設整備など7項目にわたる課題が提示されました。また、特に施設機能については以前からコールドチェーン化やトラックヤードや荷さばき場、加工場などの必要性が言われております。
単なる老朽化による再整備では国庫補助が受けにくいと言われる情勢の中で、本市として施設整備に向けた考え方についてお聞かせをください。
3点目、施設使用料についてお尋ねをします。
現在、市場では卸売業者、仲卸業者、関連業者など、それぞれが条例に従い、市場や駐車場などの使用料をお支払いいただいております。今後は、場内業者アンケートなどからも規模の縮小などが想定されておりますが、理由の1つに経営的なものがあります。使用料が全てではありませんが、多少なりとも負担になっているのも事実です。
今後、施設整備に伴う施設使用料の見直しについて、どのようなお考えをお持ちでしょうか、お答えをください。
4点目の質問になります。
無人航空機ドローンの規制について質問をします。
無人航空機ドローンの歴史は古く、第2次世界大戦時には軍事用として訓練時のターゲットとして、また、爆撃や偵察のための無人航空機として利用されていたようです。そして近年になり、2010年にフランスの会社が空撮用のドローンを販売したことで、それまで軍事用、産業用のイメージが強かったドローンも一般消費者の目にとまるようになり、今では一般的に広くその存在が知られるようになりました。
そのドローンも現在あらゆる分野で活用されるようになり、空撮はもちろんのこと農業や物流、監視、点検整備、測量などドローンビジネスとしての需要も高まってきております。また、ドローンレースなどエンターテイメントの分野での活用も進んでおるようです。
ドローンをネットで検索してみてもさまざまなドローンが販売されており、カメラつきのドローンでも1万円を切るものから10万円を超えるものまでと種類豊富にそろっております。2022年までには2,100億円を超える市場規模との予測もされております。
一方で、首相官邸の屋上でドローンが見つかる事件や、姫路城内や善光寺境内に墜落するなど事故が多発し、逮捕者までが出るなど問題視されるようにもなりました。
そのため、平成27年10月には航空法においてドローンやラジコン機などの無人航空機を飛行させる際のルールを義務化させ、違反した場合には50万円以下の罰金が課せられることとなりました。ここでいうルールとは飛行禁止区域と飛行方法について義務づけられており、飛行禁止区域とは空港周辺、150メートル以上の上空、人口の集中地域とされております。
また、飛行方法とは、日中での飛行、目視範囲内での飛行のほか、人や建物、車両から30メートル以上の距離を保つこと、多数の人が集まる催し場所の上空での飛行、危険物の輸送、物を投下しないこととなっております。
こうした法改正もあり、各自治体においては独自規制を設けるようになり、東京都では都立公園、都立庭園など計81カ所で飛行が禁止されております。また、大阪市では全ての公園で飛行が禁止されており、コンサートやイベントで利用する際には届け出が必要とされております。
岐阜県においても、岐阜メモリアルセンターや可児市の花フェスタ記念公園、各務原市の世界淡水魚園、各務原公園、関市の百年公園など7カ所を対象にドローンの飛行を禁止しており、違反者には1万円以下の過料を科すこととしております。
また、国土交通省は今後、ドローンの飛行に関して自治体が独自に規制できるようにする方針を打ち出しております。そうなりますと、地域の事情に応じエリアや時間帯など、きめ細かく対応ができるようにもなり、また、ドローンの普及の障害にならないような安全確保と利用の促進の両立を目指すことも検討していかなければならなくなると考えます。
そこで、行政部長にお尋ねをします。
記憶に新しいところですが、昨年11月、大垣市の公園でのイベント中に高さ10メートルのところからドローンが落下し、男女6人が軽傷を負う事故が発生しました。また、事故にはなりませんでしたが、先日、ある小学校での運動会において保護者の方がドローンを飛ばして、競技に参加しているお子さんを撮影してみえました。そのとき、周りの保護者の方も気づいてはいるものの、それ自体が禁止されているのかどうかの判断ができずに戸惑っているようにも見えました。学校長とともに注意を促して事なきを得ましたが、多くの児童がいる上空での飛行と非常に危険な行為でした。
航空法が改正されルールが設けられましたが、それだけでは問題の解決には至りません。ドローンの規制に関しては以前、郷議員も質問されているところですが、安全に正しくドローンを飛ばしてもらうためにも環境を整備していく必要があると考えますので、改めて質問をさせていただきます。
1、ドローンの飛行がされる可能性のある公園や学校といった公共施設またはまちなかでのイベントなどについて、本市における規制または条例での対応についてお聞かせください。
2、安全にドローンを飛行してもらうため、また、周囲から注意を促せるようにするため、法のルールや条例について広く周知する必要があると考えますが、現状と今後についてお聞かせください。
次に、教育委員会事務局長にお尋ねをします。
今回の小学校の運動会における事例があったように、今後カメラやビデオカメラの撮影と同じ感覚でドローンを使って撮影を考える保護者の方もみえるかもしれません。落下など、事故があってからでは手おくれになります。
そこで、学校敷地内でのドローンの飛行に関する規制や今後の対応について、御見解をお聞かせください。
以上で1回目の質問を終わります。(拍手)
6: ◯議長(
信田朝次君) 市長、柴橋正直君。
〔柴橋正直君登壇〕
7: ◯市長(柴橋正直君) おはようございます。
〔「おはようございます」と呼ぶ者あり〕
渡辺議員の自動運転技術に関する御質問にお答えをいたします。
本市では、持続的発展が可能な集約型の都市を目指し、幹線バス、支線バス、コミュニティバスが有機的に連携した利便性の高い公共交通ネットワークの構築を図るため、幹線軸の強化策としての岐阜市型BRTと市民協働のコミュニティバスを柱とした先駆的な取り組みを進めております。
また、市が策定した地域公共交通網形成計画に基づき、バス路線再編を進めることでバス運行の効率性を高め、それらの相乗効果として平成19年度まで続いていたバス利用者の減少が下げどまるとともに、市民の公共交通に対する満足度も2倍以上に増加しているところで、本市のこうした取り組みは全国でも高い評価をいただいております。
しかしながら、人口減少やこれまで拡散されてきた市街地形成により、今後バス需要の減少や希薄化が課題になると考えられることや、バス運転手不足による運行コストの増大など、公共交通を取り巻く環境はこれからも一層厳しさを増し、公共交通の維持が容易でなくなることが考えられます。
こうした交通の課題に対し、自動運転技術の導入は安全性の向上や運送効率の向上、さらには新たな交通サービスの創出などが図られ、大きな生産性の向上に資する可能性が期待されることから、その実現に向け国を挙げてルールの整備や実用化に向けたシステムの実証が進められているところでございます。
自動運転技術を取り巻く現在の国の動向でありますが、ことしの4月には自動運転車の実現のための道路交通関連の法制度の見直しに関して、国全体の方向性を取りまとめた自動運転に係る制度整備大綱が政府の未来投資会議において公表されたところであります。
また、議員御紹介のとおり先日・6月4日に同会議において示された未来投資戦略2018の素案では、プロジェクトに自動運転による移動サービスなどが位置づけられており、公道での地域限定型の無人運転移動サービスを2020年までに開始し、2030年までに全国100カ所以上に広げることを掲げております。
そこで、1点目の自動運転技術の調査内容に関する御質問についてお答えします。
これまで本市が進めてきたバスネットワークの構築をこれからも着実に推進する一方で、今後、ますます厳しさの増す公共交通を取り巻く環境の変化に対応し、持続可能性を高めていくため、さきに述べました本市の直面する交通の課題を解決する手段として自動運転技術を活用できる可能性について、国の動向も見きわめつつ調査検討をしていきたいと考えております。
その具体的な内容でありますが、まずは自動運転技術に関する情報収集を行った上で、本市の公共交通ネットワークにおいて課題解消が期待できる場面や新技術の活用を想定した場合の条件の整理などをしてまいります。
次に、2点目の今後の進め方に関する御質問についてお答えします。
実用化に向けた取り組みにつきましては、全国各地においてさまざまな実証運行等が開始されております。
具体的には、経済産業省及び国土交通省が主体の最寄り駅などと最終目的地を自動運転移動サービスで結ぶラストマイル自動運転、また、国土交通省が主体の高齢化が進行する中山間地域における人流、物流を確保するための道の駅等を拠点とした自動運転サービス、さらには、ニュータウン等における多様な自動運転サービスや基幹的なバスにおける自動運転の実証実験、社会実装に向けた検討などが始められております。
そのほかにも、議員の御質問にもありましたが、内閣府が行う国家戦略特区事業や戦略的イノベーション創造プログラム事業、さらには自治体、民間企業、大学などがコンソーシアムを組む実証実験などがあり、近隣では愛知県による産官学連携の実証実験が広く知られているところでございます。
そうした中で、さきにお答えした全国の事例などの情報収集と本市の公共交通ネットワークへの自動運転技術の導入可能性の検討を踏まえ、さまざまな手法を視野に入れながら効果的で戦略的な進め方についても検討を進めてまいりたいと考えております。
最後に自動運転技術の活用の展開について、お答えします。
本市の公共交通ネットワークにおける課題を解消するため、自動運転技術が活用できるのはどのような場面であるのかは今回の検討項目の1つではありますが、想定される活用方法としましては、超高齢化の進展によりコミュニティバスのバス停までも歩くことが困難な高齢者への対応も踏まえ、現在のコミュニティバスシステムを補完する新たな交通システムとしての導入や維持困難な路線の存続、さらにはまちの回遊性を高めるため、中心市街地における循環バス路線への活用など、さらなる公共交通の充実策として活用できないかと考えております。
また、こうした調査検討結果を踏まえ、今年度策定を予定しております第3次岐阜市総合交通戦略に今後の自動運転技術の活用の方向性を示していきたいと考えております。
いずれにいたしましても、この新たな取り組みである自動運転技術は研究開発が目まぐるしく進められている分野であることから、国などの検討状況を見きわめるとともに、自動運転技術の社会的受容性を高めることにも十分配慮し、岐阜の地域特性を踏まえた岐阜市版の自動運転の活用となるように調査検討を進めてまいりたいと考えております。
8: ◯議長(
信田朝次君) 行政部長、後藤一郎君。
〔後藤一郎君登壇〕
9:
◯行政部長(後藤一郎君) 大きく2点、ふるさと納税についてと無人航空機ドローンの規制についてということで御質問いただきました。
最初に、ふるさと納税に関連しまして、元気なぎふ応援寄附金の特定事業メニューのうち、新庁舎建設事業への寄附募集に関する御質問にお答えいたします。
議員御案内のとおり、庁舎など公共施設の整備における寄附募集は、大垣市を初め各地の自治体で行われているところでございます。
本市におきましても、「みんなの森 ぎふメディアコスモス」の整備の際に52件、約730万円の寄附をいただいており、市民の皆様の思いを事業に反映する手法の1つとして定着をしてきていると思います。
そうした中、新庁舎建設事業に対する寄附につきまして、市民の皆様からしばしばお問い合わせをいただいておりました。そこで、寄附の受け入れ先や活用先をわかりやすくお示しするとともに、官民一体で市民の皆様に開かれた新庁舎を実現するため、今般、元気なぎふ応援寄附金の特定事業メニューに新庁舎建設事業を加えることにいたしました。
募集開始から現在までの実績でございますが、この1カ月余りで寄附金につきましては41件、約61万円をいただいており、そのうち7割が市内にお住まいの方々から、残る3割が市外の方々でございます。
また、新庁舎に設置する物品の寄附につきましても、企業や各種団体の皆様、あるいは市民の皆様から多くのお申し出やお問い合わせをいただいております。これだけ多くの皆様から御支援の申し出をいただけるのは、本市百年の大計であります本事業に何らかの形で参画したい、協力したいというとうといお気持ちのあらわれと理解をしております。
そして、皆様の御厚意に感謝を申し上げるとともに、その受け皿としてこの寄附事業を知っていただくため、市のホームページや広報ぎふなどによる広報のみならず、公共施設におけるパンフレットの配布や長良川ツーデーウオークなど、市関連イベントでの紹介など、広く周知に努めているところでございます。
今後も市民の皆様に愛着を持って末永く楽しんでいただける新庁舎の実現に向けて、着実に事業を推進してまいりたいと考えております。
続きまして、無人航空機ドローンの規制についてお答えいたします。
ドローンを含む無人航空機の規制につきましては、議員から御紹介がありましたとおり平成27年12月に改正されました航空法において定められております。空港やヘリポート周辺の上空、人や家屋の密集している人口集中地区の上空、150メートル以上の上空などが原則飛行禁止とされております。
また、飛行可能とされる場所でありましても日中に飛行させること、祭礼、縁日など多数の人が集まる催し場所の上空で飛行させないこと、無人航空機から物を投下しないことなどルールが決められております。
また、こうした国による規制を基本としつつ、地方公共団体において定めたルールがある場合には、その内容に従うことが必要となります。
そこで1点目の岐阜市における規制、条例での対応についてでございます。
ドローンの飛行がなされる可能性がある施設の1つとして公園が想定されます。本市におきましては、岐阜市都市公園条例第4条において許可を得た場合を除き、都市公園の利用及び管理に支障のある行為をしてはならない旨規定をしており、ドローンを飛行させる行為は同条第7号の「公園の利用及び管理に支障のある行為」に該当するものとして規制しております。
また、本年5月の中核市を対象とした調査におきましては、特定の施設について条例等による規制を行っていると回答した都市が21市あり、そのうち市有施設全てを対象として規制を行っていると回答した都市は1市、残りの20市は岐阜市と同様、公園などにおいてドローンの飛行を危険行為または迷惑行為として禁止し、違反した場合には過料を科す旨の事項を定めておりました。その一方で、条例等による規制を行っていないと回答した市は23市ございました。
次に、2点目の市民への周知についてでございます。
国土交通省においては無人航空機の安全な飛行のためのガイドラインを、また、総務省においてはドローンによる撮影映像等のインターネット上での取り扱いに係るガイドラインをそれぞれ定め、各省庁のホームページ上において注意喚起のための記事を掲載しておられます。
このように基本的なルールについては、国から一定の周知がなされておりますことから、本市においてはこれまで市民への周知は行ってこなかったというのが現状でございます。
そのような中、議員御案内のような事例が身近においても聞かれるようになってきたこと、また、さきにも述べさせていただきました中核市調査において、市ホームページや広報紙を使って市民への周知を図っていることなどから、本市におきましても市ホームページなどさまざまな媒体を通じて、市民の皆様への周知について検討してまいりたいと考えております。
10: ◯議長(
信田朝次君) 教育委員会事務局長、石原徹也君。
〔石原徹也君登壇〕
11:
◯教育委員会事務局長(石原徹也君) 岐阜城の調査におけるクラウドファンディング型ふるさと納税の活用についての御質問にお答えします。
国史跡岐阜城跡は、岐阜市を代表する観光資源であるとともに、斎藤道三公、織田信長公の居城として全国のお城ファンに親しまれております。そして何より、まちのシンボルとして市民に愛される存在と言えます。
平成19年度から実施した山麓の織田信長公居館跡発掘調査では、金箔瓦の建物の存在とそれを取り巻く庭園の全貌が明らかになるなど、その実像に迫るさまざまな成果が得られました。
その内容は新聞、テレビでもたびたび紹介されているところであります。
今年度から実施予定の山上部の発掘調査におきましても、新たな発見に対する期待もあり多くの方から注目していただけるものと考えております。このような岐阜城跡の調査に対してクラウドファンディング型ふるさと納税を活用することは、さらに多くの方に岐阜城に対する関心を持っていただくきっかけになるのではないかと思われます。今後、他都市の事例調査や関係部局との協議を行いながら課題を整理し、その活用方法について研究してまいりたいと考えております。
続きまして、学校敷地内におけるドローン飛行の取り扱いについてお答えします。
学校敷地を含めた学校施設の利用については、学校施設の確保に関する政令の第3条において、学校が学校教育の目的に使用する場合を除いて使用してはならないことになっており、ドローンを学校敷地内で飛行させることはできないと考えております。
市教委から各学校に対しては、平成28年1月27日付の文書で学校敷地内でのドローンの飛行禁止を周知しておりますが、議員御指摘の案件を踏まえ、各学校に学校敷地内でのドローンの飛行禁止を再度周知し、児童生徒の安全確保に努めてまいります。あわせて、その内容については、PTA総会や学校運営協議会、行事の開催案内等を通じ保護者や地域の方にも周知していくよう依頼してまいります。
12: ◯議長(
信田朝次君) 農林部長、安田直浩君。
〔安田直浩君登壇〕
13:
◯農林部長(安田直浩君) 中央卸売市場に関する3点の御質問にお答えいたします。
最初に、本定例会に補正予算を提案しております業務委託についてお答えします。
今回の業務委託は、昨年7月に岐阜市中央卸売市場のあり方検討委員会から提出されました答申を踏まえまして、本市場の経営展望の策定及び施設整備案の作成を行い、今後の整備方針を検討していくための基礎資料にしようとするものであります。
その内容としまして、まず、経営展望でありますが、国が示す卸売市場整備基本方針に沿って策定するもので、本市場が置かれております状況に対する客観的な評価を行った上で、市場のあり方、位置づけ、役割、機能強化などの方向性、将来の需給予測を踏まえた施設整備の考え方、コスト管理も含めた運営方針などを明確にするものです。
また、施設整備案は答申に示されております求められる施設、機能を具現化するため、現在の基幹施設を有効活用しながら修繕、改修、建てかえなど、どのような手法で整備していくことがより効果的で経済的なのか、本市として判断し方針を決めていくための素案を作成するものであります。
これらの資料をもとにいたしまして、次年度以降、速やかに本市場の再整備などに向けた市としての方針を決定の上、その実現に向けた詳細な検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の施設整備に向けた考え方についてです。
岐阜市中央卸売市場のあり方検討委員会の答申では、本市場が将来目指すべき姿として地場産品など岐阜らしい商品の提供、拠点市場としての機能強化、集荷力の向上が挙げられています。さらに、この目指すべき姿を達成するため、現施設の改修や再整備が望まれるとした上で、生鮮食料品などを流通の過程で途切れることなく低温に保つ、いわゆるコールドチェーンの確立や荷さばき場の充実など、優先度の高い項目が示されています。
本市としましても、施設の老朽化が進み、また、食料品の流通形態などが本市場開設時から大きく変化している現状において、これら優先度の高い項目については何らかの対応が必要と認識しております。そのほか、市場の活性化に向けて求められます新たな機能などへの対応という視点もあわせ持ちながら、今回の業務委託においてより効果的、効率的な施設整備案の策定を行ってまいります。
最後に、3点目、施設整備に伴う施設使用料の見直しについてであります。
一般的に施設使用料は、施設の大規模な改修や建てかえなどに係る投資費用に相応する負担を施設使用者に平準化して求める額として設定される事例が多くございます。
今後、施設整備の方針を定め、事業化していく過程において、公営企業会計であります市場事業会計の健全性を確保できる適正な使用料の見直しが課題と考えております。
いずれにいたしましても、本市場は消費者へ安全で安心な生鮮食料品を安定的に供給する重大な使命を担っております。今後、本市の方針決定や事業化に当たりましては、費用対効果を勘案することはもとより、卸売市場法改正など国の動向や場内業者の意見など本市場を取り巻く状況を確認しながら進めてまいりたいと存じます。
〔「議長、3番」と呼ぶ者あり〕
14: ◯議長(
信田朝次君) 3番、渡辺貴郎君。
〔渡辺貴郎君登壇〕
15: ◯3番(渡辺貴郎君) それぞれに御答弁、ありがとうございました。
再質問はございませんが、それぞれに意見や要望を述べさせていただきたいと思います。
自動運転技術に関してですけれども、自動運転技術の導入は国家戦略の1つでもあり、これからの高齢化社会、人口減少社会のさまざまな課題における解決策の1つとして、その可能性には私も期待をしているところです。
岐阜市人口ビジョンでは、2035年には約36万人にまで人口減少が進み、高齢化率については33%にまで上昇すると言われております。
市長の答弁にもありましたが、人口減少によるバス需要の減少、バスの運転手不足、運行コストの増大など、本市が構築してきた公共交通ネットワークの維持が容易にできなくなるといった問題は、そう遠くない未来にやってくるのではないでしょうか。
ここ数年、よく産業を大きく変革しているとして第4次産業革命という言葉を耳にします。その中心にあるのがIoTやAI、また、ロボットやビッグデータであり、最近では世界で初めてロボットが働くホテルとして変なホテル──公式名称になりますけれども──こういったホテルが実際に稼働するようになりました。こういったホテルの稼働などは数年前まではロボットがサービスをしてくれる、こういったホテルができるなんてことはやはり思いもよらなかったことでもあります。
自動運転車ももちろん、IoTやAIやビッグデータといった技術やデータにより開発が進んでいます。専門的なことはなかなかわかりませんが、いずれ自動運転車が人を乗せて公道を走行する時代がやってくることは間違いがないと思います。それがいつになるのかはわかりませんが、実現すれば高齢者の方にとっても、公共交通システムの活用にしても夢の技術になるのではないでしょうか。
ただ、どこまで自動運転技術が信頼できるのか、不安はないのか、どれだけ需要があるのか、どのように活用していくのかについては、慎重には慎重を期し、調査検討を進めていただきたいと思います。そして、先進的に実験を進めている自治体、特に愛知県との連携や愛知県からの情報収集については、今後市長がイメージをする本市での自動運転車の導入に大きく生かされると考えますし、また、広域での産学官連携など、あらゆる手法を検討していただきながら岐阜市版の自動運転の活用に向けて進めていただきますようにお願いをします。
ふるさと納税ですけれども、先ほどもお話ししたように都市部でのふるさと納税における税収減が歯どめがかからない状況にあります。
昨年度、東京都や都内の区市町村の減収が466億円にまで膨れ上がったため、これまで返礼品がなかった東京都も、2020年東京オリンピック・パラリンピックの競技会場などの銘板に名前を刻む権利を都の返礼とする方針を固めたと先週発表がありました。
問題や課題がいろいろとあるという状況ではありますけれども、本市のふるさと納税は還元率や返礼品についても制度本来の理念から外れることなく進められていると思いますし、これからも継続していただきたいと思います。ただ、昨年3月議会でふるさと納税における本市の税収減を質問したところ、平成27年度は約2億円の赤字、また、先ほども申し上げましたが、平成28年度は約3億6,000万円、平成29年度は確定前ですがさらに赤字が拡大すると伺っております。
地方交付税の制度上、税控除額の25%が岐阜市の税収減につながり、平成28年度だと約1億円の減収になり、決して放置しておける数字ではありません。
総務省が豪華返礼品や還元率に対する要請をしたのは、こういった現状の問題を解決するための一策だと考えられますし、今後は応援したい地域への寄附という当初の理念に沿うべく、地域が進める事業に対して賛同していただいた方から寄附を募るクラウドファンディング型ふるさと納税を推奨し方向転換を図っているようにも思えます。
本市もそのような趣旨を理解し、これまでも特定事業メニューを設けてきています。今回の新庁舎建設事業につきましては、予算が決まっている事業ではありますけれども、市民の皆様からの問い合わせをいただいてのこととのことですが、開始からまだ1カ月余りですが、多くの御寄附や企業や団体、そして、市民の皆様からの問い合わせがあることもお聞かせいただきました。
本事業に対し応援をしたい、協力したいという市民の皆様からの善意のお気持ちだと思いますので、今後どのように寄附を活用させていただいたのかを報告するなど、丁寧な対応をお願いをしたいと思います。
岐阜城石垣調査における活用についても同様で、調査の先にある整備にまで期待をされている市民の方や歴史ファンの方も多いと思います。そのためにも広くPRをして多くの方の賛同をいただければ、それは寄附をしていただいた方にとっても事業を進める本市にとってもプラスだと考えます。
ふるさと納税における税収赤字については大きな問題だと認識していますが、本市の努力だけで何とかなる問題でもありません。ただ、少しでも改善できるようにふるさと納税制度についてはクラウドファンディングを初め、でき得る対応をこれからも進めていただきますように要望をさせていただきます。
中央卸売市場の再整備についてですけれども、あり方検討委員会から提出された答申については、岐阜市のホームページから見ることができますので私も目を通させていただきました。
今後は答申で示された内容を具現化するために詳細な検討を進められるとお聞かせをいただきました。
岐阜市だけでなく岐阜県の台所として、安全で安心な生鮮食料品を供給することはもちろんのこと、場内で働く皆さんにとっても働きやすい環境をハード、ソフト面で整備していくことは本市の役目です。老朽化、使用可能年数の試算も出ています。消費者が求めるニーズも年々変化してきていますので、事業化に向けては場内業者さんの意見を確認をしながらスピード感を持って取り組んでいただきたいと思います。
私もここ数年は、年末の市場開放や新年の初競りなど足を運びながら市場の現場を見学させていただいております。また、子どもも小学校の社会見学で市場を見学したことをうれしそうに話してきたりと、市場を身近に感じてきているところです。年末開放もそうですし、毎年の夏休み親子市場見学の開催など、市場としてもさまざまなPR活動をされてきています。ぜひ、これからの再整備とともに今まで以上に市民の皆様に親しまれ、にぎわいを生む、そういった市場へと変わっていくことを期待をしております。
最後に、ドローンの規制についてですけれども、本市においては岐阜市都市公園条例において規制がされているとのこと、また、1万円以下の過料も科す、そういった罰則があるということですけれども、条例を理解しドローンを飛ばしている方はなかなかみえないのではないでしょうか。
ドローン市場も拡大するとの予測もありますので、ビジネスだけではなく、一般ユーザーの方もふえてくるのではないかと思います。そうしたとき、ドローンを飛ばす練習や空撮の練習などに、公園、特に大きな公園を利用される方がみえるのではないでしょうか。
大型の公園ほど高齢者の方がグラウンドゴルフや体操、ウオーキングを楽しまれたり、また、子どもたちも遊び場としてにぎわいます。そういった場所で規制を知らずにドローンを飛ばし、事故が起きてからでは遅いのです。
ドローンが落下するにもさまざまな理由があります。風の影響やコントロールミス、バッテリー切れやモーターの故障などがあります。事故を起こさせないためには飛ばさせないことだと思います。一部公園でドローンとラジコンを禁止する簡易的な看板があるようですが、ぜひ各公園においても看板の設置や既存の公園での注意書き看板の表記など、その場で見て気づく対応を要望したいと思います。
最後に、学校敷地内でのドローンの飛行ですけども、運動会だけではなく、市民運動会やスポーツ少年団の試合や練習なども可能性としては考えられますので、改めての周知徹底をお願いをさせていただきまして、私からの質問を終えさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
16: ◯議長(
信田朝次君) 8番、石井浩二君。
〔石井浩二君登壇〕(拍手)
17: ◯8番(石井浩二君) 議長の許可をいただきましたので、発言通告に従い、順次質問いたします。
私の質問は大きく5項目です。
まず初めに、市長に飛び出す公務員サポート事業、がんばる公務員サポート事業についてお尋ねいたします。
補正予算にて行政管理費の中で行政管理事務として飛び出す公務員サポート事業16万8,000円、がんばる公務員サポート事業43万4,000円の計60万2,000円が昨日も質疑があった職員表彰という形で、そして、職員研修として飛び出す公務員サポート事業9万円、がんばる公務員サポート事業25万円の計34万円がそれぞれ自由研究活動支援、資格等取得支援という形で挙げられています。
市長も消防団活動を初め、さまざまな地域活動や市民活動を経験され、地域住民の方々や岐阜市民の皆さんと接し、かかわることにより、今皆さんが何を望んでいるか、現在、そして未来にとって何が必要なのかということを把握されてきたことと思います。
特に消防団活動では、地域の安全、安心のために一団員として頑張ってこられ、毎年春に開催される操法の大会、これで要員、つまり選手として日々訓練され、出場されました。また、そういった活動やかかわりが自分を高め、地域や市民の方々に役に立つのだという実感を得られ、ぜひとも市役所職員の方々にもさまざまな活動を通して地域や市民の皆さん、ひいては自分のためにも積極的に取り組んでほしいという思いからの予算づけであると私は思っています。
この予算は、地域貢献や地域事業や行事への参加の促進、サポートばかりではないと思いますが、私自身も7年前に職員さんが地域貢献や地域事業や行事への参加をするということについて質問したことがあります。そんな意味で大いに興味を持っているところであります。
そこで、市長には1点、お伺いします。
このような予算計上した理由と職員さんに期待することを詳しく聞きたいと思います。
そして、行政部長には以下4点、1点目、これら4項目の予算は具体的にどのような形で使うのか。
2点目、予算執行の判断基準はどうあるのか。
3点目、これらの事業に参加する職員さんは、職員として評価に影響するのか、また、どのように評価されるのか。
4点目、例えば、消防団や水防団に入団している職員さんが、大災害あるいは役所からの呼び出しがあったとき、優先順位は誰がどのように判断するのか、教えてください。
次に、新庁舎建設市内業者活用について、行政部長にお尋ねいたします。
新庁舎建設に関しては、この議場において、さまざまな角度から多くの質問がなされてまいりましたし、私自身も何回も質問しました。
過去には、ぎふメディアコスモス建設において、市内業者の活用や市内業者からの建設資材、物品、備品の購入を要望してまいりましたし、新市庁舎建設においてもこの議場より市内業者の活用、市内業者からの材料購入や物品・備品購入を要望してまいりました。
また、このような建築案件ばかりでなく、岐阜市が行う入札やプロポーザル等によるさまざまな案件に関しても、仕様書づくりの段階からより多くの市内業者が参加できるよう要望してきたところです。もちろん、このようなことを要望するのは岐阜市の経済活性化のためであり、また、市内業者の郷土愛に応えることや、彼らの市内業者としての岐阜の仕事にかかわるというプライドのためでもあります。
実際、建設関係の多くの業者さん、また、何らかの形で新庁舎建設にかかわることができる業者さん、個人からは、このような大きな建物はこれから50年、いや100年はないと思う。自分が生きている間、また、自分の子どもが生きている間、ずうっと目の当たりにすることになり、そして、岐阜に生まれた、岐阜に住んでいる自分としては何としても建設にかかわり、市役所へ来るたびに市役所を見るたびに、ああ、ここは自分が建設にかかわったんだなという思いに浸りたい。さらに、建設にかかわる立場にあるのにかかわれないということは心底残念だと思うし悲しいことでもあり、業者としても納税し続けているのに納得できないという内容の話をよくよく聞きます。
さて、新庁舎建設工事は3月議会での承認を得て、建築主体工事や電気・空調・衛生工事の施工業者と契約を結び、その後、起工式を経て工事が本格的にスタートしました。業者選定に関しては3月議会で我が会派の代表質問に立った竹市議員の質問に対して、各入札者の技術提案とともに企業の技術者の能力や地域の経済や業界への貢献、市内業者の活用の要素を加味して、総合的に評価し落札者を決定したと行政部長は答弁されました。
この地域の経済や業界への貢献、市内業者の活用について、今回の入札において過去にないほど高い活用率などを提示したことは、岐阜市の経済活性化の一助になることが期待でき、大変に評価できるところであります。
そこで、行政部長に1点お尋ねします。
工事受注者から提案された数字やラインがクリアされていれば、──市内業者活用率のラインのことですが、──それでよしというわけでなく、それ以上に市内業者の活用を図り、市内業者からの材料購入や物品・備品購入に努めていただくことが大切であると思います。
また、市内業者でできる仕事であるにもかかわらず、市外の業者へ発注されてしまうんではないかな、市内業者から購入できるのに市外の業者から購入されてしまうんではないかなという声をよく耳にします。これらについてもどう考え、対応されるのか、お聞かせください。
次に、教育長にお尋ねします。
過去にも電子黒板、デジタル教科書、コミュニティ・スクール、ALT教育、「ペッパー」、いじめ問題、部活動のあり方、生徒の評価など、学校教育についてさまざまな質問をしてまいりましたが、今議会では「アゴラ」について教育長にお尋ねします。
「アゴラ」は市内22の全中学に開設され、生徒たちがさまざまな会議や話し合い、打ち合わせをする場所、空間であり、少人数で使用する場合や大人数で使用する場合があります。
私は地元の梅林中学校の同窓会役員を務めたり、コミュニティ・スクールにかかわっておりますので、中学を訪れる機会がしばしばあり、先生方とさまざまな話をする中で、特に校長先生や教頭先生と話をしてまいりましたが、その利便性や有効性、効果、成果については十分お聞きしております。
また、生徒たちが、教室とはちょっと違った空間でもあり、教室の椅子や机とはちょっと違った学校の備品を使用して話し合っている光景を実際に何度か拝見しましたが、自由な感じを受ける空間であることもあり、本当に生き生きとリラックスし、気楽な姿勢で目を輝かせて話し合いをしていました。
その「アゴラ」ですが、もともとはギリシャ都市の中心広場であり、本来は市民集会を意味する言葉ですが、集会の場所そのものを示すようになったと言われています。
さて、今回の補正予算でこの「アゴラ」を市内全小学校に開設されるということで、7,000万円が計上されています。精読では、岐阜市内の小学校にはまだ「アゴラ」がないため、昨年加納小学校で試行したところ、大変な効果があったと伺いました。そして、この補正予算の7,000万円は全小学校に「アゴラ」を開設するため、主に机や椅子、エアコンなど備品購入をするための予算であると伺いました。
そこで、教育長に5点お尋ねいたします。
1点目、試行した小中学校ではどんな結果が出ていますか。
2点目、小学校での「アゴラ」活用方法、中学校ですと自分たちで申請して場所を予約すると思うんですが、なかなか小学生ではそんなことはできないと思うんですが、小学校ではどのような活用方法をするのか教えてください。
3点目、小学校での「アゴラ」の設置は子どもたちにとってどのような効果があるのか、将来に向けてどのような効果を期待するのか。
4点目、備品購入は学校1校単位なのか、数校あるいはブロック単位なのか、どういう単位で購入するのか。
そして、5点目も備品についてですが、椅子、机などはある程度こういうものを買いなさいという仕様があるのか、自由なのか、その辺も教えてください。
次に、民泊の今後の対応について健康部次長にお尋ねいたします。
この民泊に関する質問は、昨年6月9日に住宅宿泊事業法が成立したことを受け、昨年9月議会で我が会派の渡辺貴郎議員や他の議員も質問いたしました。
そのときの質問は、違法民泊の可能性があることを懸念しながらも、観光振興を図る上で民泊事業は大切であると思うが、岐阜市の民泊に対する見解や今後の対応について、また、民泊についての危機管理という点から、岐阜市の民泊の実態把握状況について、対応について、管理体制について、事業者の納税、税金に関してというものでした。
それぞれに対して御答弁をいただきましたが、皆さんも御存じのとおりです。
さて、住宅宿泊事業法はことし3月15日から既に受け付けが開始されており、くしくも本日・15日から施行されています。
2月には全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会理事会において、住宅宿泊事業法についての勉強会が開催されましたし、先月5月15日は岐阜県により住宅宿泊事業者向け説明会が行われました。県の説明会は住宅宿泊事業の概要、届け出前に確認しておくべき事項、届け出方法、遵守するべき事項、届け出後に必要な手続、監督等の項目についての説明でした。
私もその資料を貸していただき、一通り目を通しました。改めて住宅宿泊事業についての法的な部分を見てみますと、住宅宿泊事業法第18条、ちょっとここから難しいですが、条例による住宅宿泊事業の実施の制限において、都道府県、保健所設置市は第68条第1項の規定により同項に規定する住宅宿泊事業に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止するため必要があるときは、合理的に必要であると認める限度において、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、区域を定めて、住宅宿泊事業を実施する期間を制限することができるとされており、同法施行令第1条にも、住宅宿泊事業法第18条の政令で定める基準も記されています。
こんな中、県が行ったパブリックコメントで私が聞いた意見では、民泊を制限してほしい地域や期間の要望などがありました。これらのことを踏まえて、健康部次長に4点お尋ねいたします。
1点目、本市の最新の民泊の現状。
2点目、岐阜県の考え方と対応。
3点目、予想される問題と対応。
4点目、最新の本市の今後の対応策をお答えください。
最後に、空き家対策について、まちづくり推進部長にお尋ねします。
今回の補正予算案において、まちづくり推進費として空き家の管理・利活用推進として空き家対策費が254万円計上されています。
また、先月・5月には岐阜市空家等対策計画が発表され、我々議員のもとにも配付され、読んだところです。
254万円の補正予算については議案精読において空き家の管理・利活用推進事業に200万円、これは他都市での事例収集を行い、本市での活用を検討することや利活用の事例収集、市場調査、利活用モデルの作成をするなどの予算、計画の施策や建物の適正管理の責務を周知するため、その内容を記載したリーフレットを18万部作成する予算が54万円と説明をいただきました。
また、5月に岐阜市から発行された冊子には、2月に行われた岐阜市空家等対策計画案に対してのパブリックコメントでの意見も大変反映されていると思いますが、現在の空き家の状況と課題をしっかり把握し、空家等対策計画の基本方針を打ち出し、対策としての具体的な施策を示し、計画推進のための体制と今後の課題について書かれています。
こういったことからも全国的にも空き家に関して問題となっていますが、現在の岐阜市でも真剣に腰を据えてしっかり、しかもスピード感を持って解決していかなくてはならない本当に大問題であると思っております。
さて、岐阜市空家等対策計画に記されている問題点において3つ、所有者側の問題、市場・流通の問題、制度・行政の問題が挙げられ、それぞれの問題点において幾つかの項目があり、こちらのほうも岐阜市のほうがよく把握されていると思います。
そして、そういった問題が起こり得るであろう事案の市民相談の場として、市民相談窓口の設置が挙げられています。
これらのことから、以下3点お聞きします。
1、18万部作成するリーフレットの中でも紹介されますが、空き家総合窓口の具体的な役割をわかりやすく教えてください。
2点目、次に地域の特徴に応じた空き家の流通、活用の促進対策として空き家バンクの活用の検討が挙げられています。この空き家バンクというものは日本全国どれぐらいの範囲や自治体件数のネットワークがあり、どこまでの情報をどのように得ることができるものなのか、また、現時点で実際に成果があるのか、知り得る範囲で教えてください。
3点目、空き家に関する問題の中に所有者側の問題として管理者の意識が低かったり、管理者不在、相続人がいない、解体、除去の費用がないなどの理由で放置状態が長く続き、老朽化したり、朽ち果てたり、ごみの放置場となったり、野良犬や猫が住みついたりし危険空き家となっている空き家があり、市民から私のもとへの相談、いろんな相談が来るわけですが、現在で最も多い相談の1つです。こういった相談や要望に対する対応は危険が伴うことなのでスピーディーに行うべきであると思いますが、その対策を教えてください。
以上、1回目の質問とします。(拍手)
18: ◯議長(
信田朝次君) 市長、柴橋正直君。
〔柴橋正直君登壇〕
19: ◯市長(柴橋正直君) 石井議員の質問にお答えいたします。
まず、石井議員におかれましては、先日の岐阜市中消防団特別点検、大変御活躍、お疲れさまでございました。(笑声)先ほど御質問の中で私の消防団員としての経験も踏まえていただきましたので、あのときは大変ですね、私の経験も思い出されて大変御苦労されているなと敬意を表したいと存じます。
〔私語する者あり〕
飛び出す公務員・がんばる公務員サポート事業についての御質問にお答えをいたします。
私は市長就任前の4年間、たくさんの方にお会いをし、地域の皆さんのさまざまな御意見を伺い、地域の課題や実情を直接自分の目で見て、手で触れ、肌で感じることを実践してまいりました。この経験から私は住む人・来る人・働く人をふやす成長都市を実現する礎として、行政と地域との連携が欠かせないものと考えております。
こうした観点から、よりよい行政サービスを提供するには、サービスの受け手である地域住民の実情を知ること、サービスの担い手である職員が生き生きと働けること、この2点が重要であるという認識のもと、飛び出す公務員とがんばる公務員への支援を掲げたところでございます。
まず、飛び出す公務員につきましては、公務とは別に一住民として市役所を飛び出し、地域貢献活動などを行う職員を後押しするものでございます。職員が地域社会での活動に携わり、さまざまな考え方に触れることは、職員としての資質の向上や意識改革につながるだけでなく、市民の皆さんの立場に立った事業を推進するためにも大変有意義でありますので、1人でも多くの職員がみずから飛び出すことを期待をしております。
次に、がんばる公務員につきましては、日常業務を地道に継続して頑張る職員に光を当て、表彰支援を行うものでございます。地方自治体には政策の企画立案や組織の内部管理といった業務がある一方、窓口のある職場のように市民の皆さんに身近に接し、市民の皆さんの声を直接聞く業務もございます。どの業務も市政運営において必要でありますので、どちらかというとふだん目立つことのない業務を主に行う職員に対しても表彰や支援を行うことにより、職員のモチベーションを高め、私が掲げました働きがいのある職場づくりを実現したいと考えております。
いずれにいたしましても、飛び出す公務員とがんばる公務員はともに職務の質を高め、頑張ろうとする職員を市役所として支援するものでございます。
飛び出す公務員への支援とがんばる公務員への支援とが相乗効果を発揮し、市役所全体が活性化することで市民の皆様に、より質の高い行政サービスを提供し、さらには職員が変わった、岐阜市が変わったと変化を実感していただけるよう努めてまいりたいと思っております。
〔私語する者あり〕
20: ◯議長(
信田朝次君) 行政部長、後藤一郎君。
〔後藤一郎君登壇〕
21:
◯行政部長(後藤一郎君) 大きく2点、飛び出す公務員サポート事業及びがんばる公務員サポート事業についてと新庁舎建設事業に係る市内業者の活用についてということで、2点いただきました。
最初に、飛び出す公務員・がんばる公務員サポート事業に関する御質問にお答えします。
1点目と2点目の御質問は関連がございますので、それぞれ事業ごとにまとめてお答えいたします。
まず、飛び出す公務員サポート事業でございますが、地域や社会に貢献する活動に取り組む職員を飛び出す公務員として認定し、また、3年以上継続して活動する職員を表彰しピンバッジを授与いたします。
この認定に当たっては、できるだけ多くの職員が関心を持ち、飛び出しやすくするよう、PTAの役員やスポーツ少年団のコーチなど、幅広く認定を行ってまいります。また、職員の自主研究グループが時間外にセミナーを開催する際の講師謝金を一部サポートすることで、さまざまな分野への飛び出しを支援いたします。
職員がこのような活動に参加することは、地域活動の担い手の不足や人材確保が困難な状況にあって、市職員の参加は地域の期待に応えるという側面があります。また、その一方で、ふだんは交流のない分野の方々とのネットワークの形成やコミュニケーション能力の向上、さらには広い視野に立ったものの見方を学べるなど、さまざまな効果が期待できますことから、職員の育成につながるものと考えております。
次に、がんばる公務員サポート事業でございます。
所属長が日常業務を地道に継続して頑張る職員、他の模範となる職員に褒めたたえる意味のGoodJobカードを授与し、その枚数が多い職員にはピンバッジを授与します。また、職員同士が感謝の意をあらわすサンクスカードを渡すことにより、職場の中で認め合い、支え合う文化を定着させ、生き生きと働ける場所が形成されることを目的としております。
あわせて、業務に有益な資格免許の取得を目指し、頑張る職員に対しては取得に係る費用の一部を支援することで自己研さんを後押ししてまいります。
補正予算に計上しました額は、これらの表彰の際のピンバッジの購入費のほか、セミナーの講師への謝金や資格免許取得に係る費用の支援に用いるためのものでございます。
次に、3点目の職員に対する評価に関する御質問でございます。
本市では人事考課制度がございまして、職務における業績や職務において発揮された能力をもとに評価しております。当然のことながら職員の評価は本来業務において行っております。今回、飛び出す公務員やがんばる公務員としての活動は職務へプラスに作用すると考えられることから、些少ではありますが能力開発目標として加点評価することを予定しております。
最後に4点目の消防団、水防団に関する御質問でございますが、大規模災害などの際は市職員としての責務を果たすことが優先されますので、市職員としてそれぞれの持ち場において、その職務を果たすべきものと考えております。
そのため、常日ごろからこのような場合を想定して地元の方々に御理解をいただけるような関係構築をつくっておくことが大切であると考えております。
続きまして、新庁舎建設事業における市内業者の活用についての御質問にお答えします。
新庁舎の本体工事は、本年3月定例会にて本契約の締結を御決定いただき、去る4月27日に関係各位の御協力を得て起工式をとり行い、そして現在、建物本体の基礎工事に向け地盤の掘削作業を進めております。
さて、新庁舎建設事業は、本市の発注工事として事業費が大きく、しかも高い技術力が求められることから、これらに市内業者を活用することは地域経済への波及効果や雇用の創出、維持のみならず、市内業者の技術力向上にもつながる絶好の機会であると認識しております。
このようなことから、平成26年12月に策定した新庁舎建設基本計画では、市内業者の積極的な活用を重点課題として掲げるとともに、その後の実施設計では市内業者が参入しやすいよう一般に流通している資材を採用するなど、さまざまな配慮を施しております。また、価格と企業の技術力を総合的に評価する総合評価落札方式によるさきの業者選定では、市内業者の活用につながるよう入札参加条件において建設工事共同企業体、いわゆるJVの構成員数を拡大するとともに、初めての試みとして市内業者を下請業者に活用する割合を設定いたしました。
さらに、技術提案においてJVを構成する市内業者の出資比率や下請率について、これらを入札参加条件以上に高めた提案を加点することにし、市内業者のさらなる活用を促したところでございます。その結果、新庁舎本体の建設工事及び設備工事ともにJVの構成員に数多くの市内業者を採用し、JVを構成する市内業者の出資比率や下請率が入札参加条件を大きく上回ったJVをおのおのの工事の受注者に選定いたしました。
このように本事業では、これまでに発注した本市の建設工事に比して積極的に市内業者の活用を図りました。しかしながら、多くの市内業者の皆様が本市百年の大計たる本事業に高い参加意欲を示しておみえになることや、本市の建設工事に共通する特記仕様書には受注者の包括的な取り組みとして、工事の下請業者には市内業者を活用するよう努めることと定めていることから、受注者には提案内容を満たすにとどまらず、今後現場で必要となる資材や備品などの調達も含め、でき得る限り市内業者の活用をするよう働きかけを行ってまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、市内業者の活用はさきにも申し上げましたとおり地域経済の活性化など多様な効果が期待できることから、今後、発注予定である新庁舎立体駐車場や外構建設工事も含め、きめ細かくその活用に取り組んでまいりたいと考えております。
22: ◯議長(
信田朝次君) 教育長、早川三根夫君。
〔早川三根夫君登壇〕
23: ◯教育長(早川三根夫君) 小中学校の「アゴラ」について、5点質問いただきました。
1点目の先行実施の実績です。
中学校では9割の生徒は「アゴラ」が好きと答え、それを裏づけるようにふだんは人に説明するのが難しいと答える生徒の割合が7割近くあったものが、授業直後には2割程度に減るという好結果になっております。さらに、岐阜大学の吉澤准教授と岐阜市の共同研究では、学力代理変数に対して一番関連性があったのは「アゴラ」への参加度であったということもわかりました。
人型ロボット「ペッパー」を活用したプログラミング教育で全国優勝し、シリコンバレーを訪問した青山中学校の生徒たちは、アメリカのベンチャー企業はホワイトボードがどこにでもあり、自由に論議しアイデアを出し合っている「アゴラ」みたいな場所がいいなと改めて思ったと市長に報告しております。
小学校の実績では、先行実施した加納小学校の児童を対象にした調査によると、『普通教室に比べて「アゴラ」は意見を言いやすいと思いますか』という質問に対して、92%が「そう思う」、「どちらかというとそう思う」と回答しております。
具体的にはホワイトボードやタブレットを使ってすぐに相談したり、自分の考えを確かめやすい。友達と比べやすく、詳しく内容がわかり、みんなで楽しくできるといったようなことが挙げられております。
「アゴラ」での学習が21世紀型スキルを身につける場として主体的、対話的な深い学びを生み出し、学習意欲や思考力、判断力、表現力の醸成に極めて有効であると言えます。
2点目の活用方法についてです。
小学校でも中学校と同様、各教科、学級活動、総合的な学習の時間での活用が考えられます。小学校における特徴的な内容として、低学年では、誕生日集会や国語の音読劇、英語でのコミュニケーション活動など、身体操作を伴う学習活動に多く活用されるものと考えます。
高学年では、話し合って物事を決めていく学級活動など「アゴラ」を議論する場として使っていく中で、小学校においても自主的に活用できるよう指導していくことが必要だと考えております。
3点目の期待する効果についてです。
データでお示ししたように数々のよい結果が上がっております。中学校から始めるのではなく、より早い時点から取り組むことに大きな効果が期待できます。自分の考えをきちんと論理的に主張でき、多様な仲間との交流の中から、よりよい方向を見つけ出していくという営みは、グローバル社会に生きる子どもたちに重要な力であり、アクティブラーニングは新学習指導要領の目玉となっております。その空間を他に先駆け実現するのがこの取り組みであり、文科省も注目しているところです。
4点目、備品購入についてです。
学校の余裕教室を「アゴラ」にするか、図書室等に役割を加えるかなど、設置場所によって備品の種類や数は異なります。自校の子どもたちにとってアクティブラーニングを促すのにふさわしい空間づくりによって、学校がインテリアのセンスを生かして学校単位で決定し、発注することになります。
したがいまして、通常の備品のように事務職員や教頭で相談して購入するのではなく、主体的で対話的な学びを促す「アゴラ」になるよう、先生方やPTA、校区のインテリアデザイナーや建築家のアドバイスを求めるなど、場合によっては主役である子ども自身の意見も聞きながら知恵を絞ってつくり上げる、やりがいのある作業になるものと考えます。
5点目、ある程度の仕様は示すのかという御質問にお答えいたします。
備品の購入に当たり、教育委員会といたしましてもユニバーサルデザイン等にも十分配慮した上で、個人差や多様な学習形態に対応可能な多様性ある空間を目指し、先行導入した中学校や小学校の物品事例を紹介するなど、目的に合わせた学習空間になるよう働きかけていきます。
大切なことは、子ども一人一人にとって大好きな自慢の空間である「アゴラ」で話し合いや活動がしたいというオーナーシップを持てるようにすることであり、そのために市教委は学校を支援してまいります。
24: ◯議長(
信田朝次君) 健康部次長、吉村栄治君。
〔吉村栄治君登壇〕
25: ◯健康部次長兼健康政策課長(吉村栄治君) 民泊への今後の対応について、4点の御質問にお答えします。
国は訪日外国人観光客の増加への対応や観光産業の発展のため、住宅を活用した宿泊サービスが提供できるよう住宅宿泊事業法を制定し、本日施行されました。
現在、岐阜県が県内の住宅宿泊事業の所管として3月15日から届け出の受け付けを開始しております。
まず、1点目の本市の民泊の現況についてであります。
県に住宅宿泊事業法の市内施設の届け出状況を確認したところ、6月8日現在の届け出件数は7件であり、そのうち3件を受理したとのことでした。
次に、2点目の岐阜県の考え方と対応につきましては、県は岐阜県住宅宿泊事業条例を制定したほか、市町村との連絡会議や事業者説明会を開催し、県の生活衛生課に民泊ワンストップ相談窓口を開設しております。県の条例には宿泊者等の安全を確保するため、消防法令適合通知書の添付の義務化、住宅宿泊事業の実施の制限に関する事項などを調査審議させるための岐阜県住宅宿泊事業審議会の設置などが盛り込まれており、適正な事業運営がなされても、なお生活環境の悪化が著しい場合などには、この審議会において改めて実施の制限等が審議されることになります。
3点目の想定される問題点と対応についてでございます。
これまで、住宅宿泊事業法が施行される前に、住宅を活用した宿泊サービスをめぐっては、他都市におきまして地域住民との騒音、ごみ出しのトラブルや犯罪などもあり、住民から不安の声が上がるのも事実であります。
そこで、住宅宿泊事業法では、事業者に届け出住宅ごとの民泊であることを明示する標識の掲示、周辺地域の住民から苦情及び問い合わせに対する適切かつ迅速な対応などを義務づけました。
本市としましては、同法に関する苦情があった場合には、県の生活衛生課へ速やかに連絡いたします。また、無届けの施設に対しましては市が所管します旅館業法に基づき、事業者に指導してまいります。
次に、4点目の本市の今後の対応についてであります。
住宅宿泊事業法では、本市を含む保健所設置市などは、都道府県にかわって住宅宿泊事業など関係行政事務を処理することができるとされております。国の調査では、東海3県の保健所設置市などの6市のうち、都道府県にかわって事務処理を実施するのは名古屋市のみであります。
また、中核市54市では奈良市、那覇市などの15市が実施いたします。うち10市が学校周辺及び住宅専用区域等における実施の制限を条例に盛り込んでおりますが、これらは先ほど申し上げました騒音やごみ出しなどの苦情やトラブルの対応に苦慮されている中核市であり、住宅宿泊事業法施行要領でも実施の制限の例として学校等の運営に支障を来すほどに生活環境が悪化するおそれがある場合と記されております。
本市では、これまで騒音やごみ出しなどの苦情はないため、議員御案内の住宅宿泊事業法第18条に規定する実施の制限について、生活環境の悪化を防止するため合理的に必要であると認められる状況でないことから、実施の制限をかけることは困難であり、都道府県にかわる事務処理は実施しないことにいたしました。しかし、今後、他都市のような諸問題が起こるようであれば、必要に応じ実施の制限を含め岐阜県へ要望するなど、県のほか国や関係部局と連携し対応してまいります。
26: ◯議長(
信田朝次君) まちづくり推進部長、黒木秀哉君。
〔黒木秀哉君登壇〕
27: ◯まちづくり推進部長(黒木秀哉君) 空き家対策に関する3点の御質問にお答えします。
本市では、全国的な社会問題の1つとなっている空き家等への対策を総合的かつ計画的に進めるため、外部の有識者や弁護士、土地家屋調査士、建築士、空き家関連NPOなど、空き家対策の専門家で構成する岐阜市空家等対策協議会において議論を重ね、本年5月に岐阜市空家等対策計画を策定したところでございます。
本計画では空き家の発生の抑制と適正管理の促進、地域の特徴に応じた空き家の流通、活用の促進、市民の安全、安心を確保するため、管理不全な空き家への対応の推進の3つの基本方針を掲げ、各種の対策を展開することといたしております。
御質問の1点目の空き家総合窓口の具体的な役割についてでございます。
本年6月1日より、南庁舎1階のまちづくり景観課に空き家総合窓口を開設しました。窓口では大きく3つの役割を果たしてまいります。
1つ目に、空き家の適正管理について周知、啓発してまいります。空き家の管理は所有者の責務でありますことから、維持管理の重要性についてリーフレットを約18万部を作成し、空き家の所有者を含む建物の所有者に対しまして御案内をしてまいりたいと考えています。今後もふえ続ける空き家が管理不全な状態とならないよう入り口の段階での周知、啓発が重要であると考えております。
2つ目に、空き家所有者や市民の皆様からの相談を受けてまいります。昨年度、空き家所有者に実施いたしました建物の管理、利活用に関する調査の結果から、行政に期待している役割として空き家に係るさまざまな問題への相談に乗ってほしいという意見が数多くございました。そこで、窓口で直接困っている内容などを丁寧にお聞きすることで、問題の所在を明確にした上で、外部の空き家対策の専門家につないでまいりたいと考えています。加えて、空き家の利活用などに関する地域の皆様からの要望にも対応してまいりたいと考えています。
3つ目に、管理不全な空き家の情報を受けてまいります。議員御案内の危険な空き家に関する情報は空き家総合窓口で一括して受けることとし、その後、直ちに関係各課へつなぐことにより初動の対応を迅速に行ってまいります。
以上の役割を果たすことを通して、寄せられたさまざまな情報を整理し、より効果的な空き家対策が図れるよう継続的に検討してまいります。
御質問の2点目の空き家バンクの現状についてでございます。
空き家バンクとは、空き家の所有者と利用希望者をマッチングするシステムでございます。
国では、本年4月から全国版空き家バンクの本格運用を開始し、登録されている全国の空き家の価格や写真などの情報をインターネットで検索し閲覧することができます。
この全国版空き家バンクには5月の時点で338の自治体が約4,500件の物件を掲載しており、昨年10月からの仮運用期間も含めまして、これまでに142件の成約事例があると伺っております。一方、空家等対策協議会の議論の中で、価格の算定方法や建物に係る瑕疵担保などに関する課題を指摘されておりますことから、本市といたしましては、空き家バンクをできる限り早い時期に導入すべく、引き続き空き家の専門家と検討を進めてまいります。
御質問の3点目の管理不全な空き家への対応についてでございます。
空き家総合窓口を開設したことによりまして、市民の皆様が迷わず管理不全の空き家の通報ができることとなり、この情報を受け、担当部署において現地の確認、所有者の特定など初動の対応を迅速に行うよう努めてまいります。
その上で管理不全な空き家につきましては、所有者みずからの責任により解決していただくよう粘り強く丁寧な指導を継続してまいります。
いずれにいたしましても、今回開設いたしました空き家総合窓口を核に庁内関係部局や空家等対策協議会を構成する関係団体と連携を図り、総合的な空き家対策を進めてまいります。
〔「議長、8番」と呼ぶ者あり〕
28: ◯議長(
信田朝次君) 8番、石井浩二君。
〔石井浩二君登壇〕
29: ◯8番(石井浩二君) それぞれ、御丁寧な御答弁ありがとうございました。
意見と要望、そして、1点の再質問をしたいと思います。
先ほど、ちょっと発言通告と違った順番になりまして、ちょっと申しわけありませんでした。
まず、飛び出す公務員サポート事業及びがんばる公務員サポート事業についてですが、両方とも大変有意義なもんであると思いますが、ややそのちょっと基準というか、どうしたら渡せるとか、ちょっと基準が今の段階で私は曖昧というか、基準が定まっていないような気がします。
また、既に地域活動に飛び出している職員さんも多くみえますし、また、皆さん十分頑張ってみえます。
私は梅林というところで生まれ育って、今、白山というところに住んでいますが、地域行事で本当に市役所の職員さんで川掃除、普通の川掃除なんですけど、普通の格好をして来てくださる、本当に立派な方もおみえになります。
また、行政部長の御答弁で人事考課制度について、些少という言葉をお使いになられましたが、些少というのは少しなのか、ほんの少しなのか、そこら辺もやはり、職員さんとしては大変にそういった評価がある以上気になるところとなります。
本来は努力して頑張った結果、周りからの信頼を得て評価を得る自然な形であるもんですが、ややもすると評価のために頑張る、例えば、俺は、私はこういうことをしておって、あの人はこういうことをしておったのに、私のほうが何か評価がなかったとか、そんなようなことになって庁内、ぎくしゃくするということも考えられないことはないですので、基本的な考えとかすばらしいものだと思いますので、その辺をしっかりと配慮しながら職員さんのやる気や能力、職場で、地域で十分発揮できるような施策にしていただきたいと思います。
次に、ちょっと前後しますが「アゴラ」について。
「アゴラ」に関しましては、活用方法や効果と備品購入というソフトとハード、両面についての質問となり、御答弁いただきました。
教育長の御答弁により、グローバル社会に生きる子どもたちにとって大きな効果が期待できるということが本当によくわかりましたし、より早い小学校の段階から始めていくということが本当に意義があるということもよくわかりました。
私も電子黒板、デジタル教科書が入ったときや「ペッパー」が導入されたとき、それぞれ地元の小学校、中学校へ見に行って、子どもたちがどのように接しているか、また、先生方がどのようにそれを使いこなしているかということも見に行きましたので、また、地元の小学校に「アゴラ」が設置されたら、その現場をぜひ見に行きたいと思います。
中学生においては自主的にこの「アゴラ」を使用することができるんですが、やはり小学校、特に低学年では自分たちがこういうことで使いたいよということはなかなか学校側に提案できない、そんな中、自主的に使えるように指導していくというふうに御答弁されましたので、ぜひとも自分たちの力でこの「アゴラ」を使いたい、使ってみたいんだというふうな発想ができるように、小学生の子どもさんたちを指導していただけるとありがたいなと思っております。
また、要望ですけども、備品購入においては学校単位で決定し発注されるということですが、やはり子どもさんたちが「アゴラ」で使用する備品ですので、子どもありきというか子どもたちが使うことだけをほぼ前提にして、ややもするとちょっとこういった備品、大人も使える備品かなというようなほうにいく可能性もなきにしもあらずですので、必ず子どもさんたちのためにという選定を強く要望しておきます。
次に、民泊についてです。
このリーフレット、18万部というのはどういうふうに使うんかなと思っておったら、主に空き家の持ち主に配るということで、それは了解しました。
また、この総合窓口ですけれども、これから窓口の存在を知る市民の方々がふえると、さっき言いましたように、今僕にいろんなことを御相談してくる中で、本当に空き家のことが一番多いので、かなり市民の皆さんが知るところとなると問い合わせがあると思いますので、そこら辺の対応を、例えば、お待ちくださいとか言うと、やっぱり市民の皆さんはすぐに電話がつながらないことにいら立ってくると思いますので、かなりそういう件数がふえてくる可能性が私は高いと思いますので、そちらのほうの対応もよろしくお願いします。
また、この民泊営業ですけども、本来法令や規則に沿った正当な民泊営業は外国人観光客を招きたい日本や我々岐阜市にとっても重要な存在の役割を担うと思っています。
このところちょっと報道などを見ていますと、本日から住宅宿泊事業法が施行されるということで、ネットで外人の方々が予約したんやけども、そのネットで予約を受けた業者が断ったり、また、違約金を払っても断ったりして、その外国人の方々が日本へ来るんやけども、どこに泊まりゃいいかわからへんと。こういう予算立てをして安いところに泊まろうと思ったのに、えらい高いところの予約しなあかへんというふうに本当に日本に、あるいは岐阜に来て観光を楽しもう、有意義な時間を過ごそう、思い出を残そうと思った外国人の方々に迷惑をかけている、あるいは本当に嫌な思いをさせているというのも事実であると思います。そういったところもこれからしっかり解決していけるといいなと思っております。
さらに、こういった民泊においては一番心配されるのはやはり闇民泊。表に出ないところでの情報交換、闇民泊業者であり安心、安全が脅かされます。特に、子どもさんたちのような弱者が不安に思ったり、怖い目にあったりすることが心配です。
先ほど、答弁でありましたように日本のほかの都市では、学校あるいは住宅地、文教地から離れたところ、例えば、100メートル離れたところに設置しなさいというような決まりをつくったというところがあります。そんな中で、先ほどの答弁の中で、住宅宿泊事業法施行要領では実際の制限の一例として、学校等の運営に支障を来すなど、生活環境が悪化するおそれがある場合とされていて、かなり厳しいものとなっています。
本市では、これまで騒音やごみ出しなどの苦情はないため、同法第18条に生活環境の悪化を防止するため、合理的に必要であると認められる限度においてと記載されていることや、同要領の例示から実施の制限をかけることは困難であるというふうに判断されましたが、そういうところにおいては、県の条例では、岐阜県住宅宿泊事業審議会などの設置が盛り込まれていますが、岐阜市としても関連部局で庁内連絡協議会等を設置し、しっかりと横の連携を持って対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
次に、空き家についてです。
この空き家の御答弁というのは、やはり決まった条例がありますので、その手順でやっていくしかないと思います。
なかなか私も皆さんから相談を受けるばっかで、自分の家の隣が空き家で、土地の持ち主と建物の持ち主が違って、建物の持ち主が今どこへ行ったかわからへん、3年以上帰ってこない空き家で大変、3階建てなんですけど、植木鉢は落ちてくるし、木は折れるし、夏なんか虫は湧くしで大変なことになっております。
そんな空き家、本当に危険空き家です。そういった空き家への対応というのは御答弁でいただいたことで対応するしかないと思いますが、ぜひ危険空き家に対しては常に情報をとって、また、相談されてきた、これから相談窓口で相談があると思いますが、危険で心配されてみえますので、そういった方に早く何らかの形でお伝えいただきたいと思っています。
最後になりますが、市内業者活用についてであります。
こちらのほうは御答弁、了解いたしました。やはりこのように議会でも議場でも取り上げ、前向きな御答弁をいただいたわけですので、受注した各業者さん、建築、電気、設備、衛生、そして、設計者、設計者の方にもしっかりとお伝えいただきたく思います。
私もこれからの建設工事の進捗状況を見守り、また、納得いかないときは再び9月議会で登壇して質問します。
〔私語する者あり〕(笑声)
市内業者25%という条件さえクリアすればよいというものではなく、やはり市内業者さんの意欲とプライドを重んじていただきたい。先ほど、寄附において、業者さんではないですが、少しでも百年の大計にかかわりたいというふうで寄附をしてくださる、多くの人が寄附をしてくださると言ってみえました。業者となればもっとかかわりたいのは当たり前のことです。その旨を改めて受注業者さんと設計業者さんにもしっかりとお伝えいただくことを強く要望いたします。
そこで、関連して市長にお尋ねします。
私は議員になる前、そして、議員になってから、一貫して岐阜市の発注案件、購入物件などは市内業者へと全ての業種、業界において要望してまいりました。
市長の3月議会の所信表明の中、産業振興において岐阜市の経済を支える中小企業や小規模事業者は依然として好景気とは言えない。このような状況を踏まえ、岐阜市信用保証協会を活用した融資制度の活用の拡充とともに、信用保証料の補填を継続する。幅広い業種の企業が参加する合同企業説明会を開催するとともに、より魅力ある労働環境を望む求職者ニーズに応えられるよう、市内中小企業を対象としたセミナーを開催するなど、人材確保と定着率向上に対する支援の拡充をする。第4次産業革命を見据えたAIの関連企業の育成を促進するなど、産業振興策を表明されました。
岐阜市の経済発展の1つとしてやはり岐阜市の発注工事、発注業務、購入物件は市内業者の受注をふやすべきであると思いますが、この点について市長のほうからどのようなお考えか1つ、再質問としてお伺いしたいです。
以上、2回目の質問です。
〔私語する者あり〕
30: ◯議長(
信田朝次君) 市長、柴橋正直君。
〔柴橋正直君登壇〕
31: ◯市長(柴橋正直君) 市内業者の活用についてお答えいたします。
市内業者は事業所税や法人市民税といった市税を本市へ納入されるとともに、地域住民の雇用の創出など、地域経済の活性化に大きな役割を担っていただいております。
また、各地で自然災害が発生する中、地震や洪水、土砂崩れなどの災害時の支援活動のほか、道路や水道を初めとした市の施設の緊急対応など、さまざまな分野で地域の安全、安心に尽力をいただいております。
さらに、私が市政運営の基本方針の1つとして掲げるオール岐阜によるまちづくりには民間活力の活用が必要不可欠であり、市内業者の健全な発展は大変重要であると認識しております。
こうした中、本市の契約においては、これまで継続して市内業者の活用に努めてまいりました。例えば、市内業者で履行可能な契約案件は、原則として市内業者を優先して発注しているほか、入札参加条件や落札者の決定方法を初め、さまざまな観点から市内業者が受注できる機会を確保し、その健全な経営の維持を図っているところであります。
いずれにいたしましても、公契約で求められる公正な競争や透明性、さらには工事や業務の品質を確保しつつ、今後も引き続き市内業者の健全な経営発展のため、技術力や競争力の向上を図るとともに、積極的に市内業者の活用に取り組んでまいりたいと考えております。
32: ◯議長(
信田朝次君) この際、しばらく休憩します。
午前11時54分 休 憩
━━━━━━━━━━━━━━━━━
午後 1時 2分 開 議
33: ◯副議長(谷藤錦司君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑並びに一般質問を続行します。6番、石川宗一郎君。
〔石川宗一郎君登壇〕(拍手)
34: ◯6番(石川宗一郎君) それでは、通告に従いまして、順次質問させていただきます。
まずは、住む人・来る人・働く人をふやす施策について、柴橋市長にお尋ねをいたします。
市長が掲げる住む人・来る人・働く人をふやす成長都市についてでありますが、少子・高齢化、人口減少社会は、岐阜市にとって大変重要な課題であることは言うまでもなく、持続可能な市民の生活、福祉を守っていくためにも、市長の言われる住む人・来る人・働く人をふやすといった定住人口の増加、交流人口の増加に向けた施策の必要性を強く感じております。
この問題は岐阜市だけの問題ではなく、近隣の市町も同様であり、それぞれに定住人口の増加、交流人口の増加に向けた取り組みをされているところであります。
また、近隣というところから目を広げて岐阜県という枠で考えても同様なわけでありますが、特に県内の中山間部では少子・高齢化の度合いやスピードは深刻で、それぞれに問題意識を持って取り組んでおられるところであります。
そのような中で、岐阜市に住む人・来る人・働く人をふやしていかなくてはならないわけでありますけれども、岐阜市は、近隣市町、また、県内全域の中でも、県都としてリーダーシップを発揮しながら、お互いに協力し取り組んでいくべき問題に思います。
そのような社会情勢、近隣との関係も踏まえ、定住人口、交流人口の増加策についてお答えをください。
続きまして、放課後児童クラブの運営について、教育委員会事務局長にお尋ねをいたします。
岐阜市では、親の共働き等、ライフスタイルの変化などから、放課後の居場所がない児童のために放課後児童クラブを開設しておりますが、ニーズの増大により受け入れ人数の拡大や受け入れ時間の延長等、行っているところであり、今後もクラブを必要とする児童がふえつつあるといった認識をしております。
私の住む三里地域では三里小学校の教室で開設されているところですが、現在、放課後児童クラブの教室が足りないということで、この4月から一部を同じ校区内にある陽南中学校の教室を利用されております。
放課後児童クラブは、留守家庭児童会といった名称だったように、学校での授業を終えた児童が帰る自宅が、留守の児童の放課後の居場所であって、ただいまと帰る場所であります。また、支援員の方からもお帰りと迎えられております。
このように、帰る場所として放課後児童クラブがあると考えると、私は学校施設の敷地外に向かう形というのも、児童の気持ちの切りかえもでき、本来の趣旨にも合うところではないかなと思うところであります。
今回紹介した三里小学校の放課後児童クラブと同じ校区内の陽南中の教室の活用のほかにも、既に、同じ校区内にある中学校の教室を活用している例や児童館、公民館を活用しているというような例もありますが、今後の学校敷地外での放課後児童クラブの開設について、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
また、地域で子どもたちを育てるという考えから、そこで地域の人材の活用もできれば、より児童の居場所として、帰る場所としてすばらしい、そんなふうに思いますが、放課後児童クラブの地域の人材の活用について、お聞かせをください。
3点目に、夜間の公共交通、バス路線の充実について、企画部長にお尋ねをいたします。
岐阜市の中心市街地であり、飲食店も集まる夜の柳ケ瀬地域についてでありますが、このところの柳ケ瀬は、会合等で出かけると、夜のまちとしては少々早い時間から人通りもまばらで閑散としているイメージがあります。かつては、美川憲一さんの歌にも歌われ、全国的にも有名な繁華街であって、そんなころからのにぎわいを考えると寂しい思いがあります。
さまざまな理由、社会情勢も考えられますが、それぞれの店舗の皆さんも頑張っておられる中で、岐阜市として、この現状に対して何か考えることはできないだろうかと常々思っているところであります。
夜のまちのにぎわいは、岐阜市の活性化にとっても大変重要に思っております。このところ、柳ケ瀬で複数の御商売を頑張っておられる飲食店の店主の方に、どうしたら柳ケ瀬ににぎわいが戻るだろうかというような問いをする機会があり、そういった際には、もう少し遅くまで駅に向かうバスがあればというような声も返ってきます。また、そうした声をお客さんからもよく聞くようであります。私も、市外から岐阜に来られる方から直接、柳ケ瀬に行くのはよいが帰りにくいと言われたこともあります。
柳ケ瀬──失礼しました。──名古屋では、深夜遅くまで地下鉄が運行しており、仕事帰りに飲みに行っても帰りの時間を気にする必要はありません。
一方、岐阜市では、現在、柳ケ瀬発のバスの最終時刻は22時台となっております。電車は日付の変わる直前まであるわけでありますが、夜間に運行するバスがもう少し便利になれば、柳ケ瀬のにぎわいにもよい影響が出てくるのではないかと思うところであります。
また、そのように便利になれば、岐阜市の重要な観光のコンテンツでもある長良川鵜飼のお客さんも、鵜飼を楽しんだ後、柳ケ瀬に寄り、岐阜の夜をダブルで楽しんで、バスから電車で帰られるというような日帰りコースも考えることができるのではないでしょうか。
岐阜バスでは帰り時間の遅い利用者に対して深夜バスを運行しておりますが、現在は、岐阜駅から北方面、東方面、西方面に向かうバスはあっても、南の方面に向かうバスはありません。柳ケ瀬よりも南にJRや名鉄の駅があるわけでありますので、柳ケ瀬を始発として岐阜駅を通って南部へ向かう深夜バスの新設ができればと、そんなふうに考えておりますが、そのような観点で、夜間のバス路線の充実についての考え方を教えてください。
以上で1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)
35: ◯副議長(谷藤錦司君) 市長、柴橋正直君。
〔柴橋正直君登壇〕
36: ◯市長(柴橋正直君) 議員御質問の住む人・来る人・働く人をふやす施策についてお答えをいたします。
都市は多くの人が同じ空間に集まり、居住はもとより、商業や医療、教育、文化など、さまざまな機能を享受することで活気づき、ひいてはまちの魅力につながります。そのことからも、定住人口と交流人口の増加を図り、未来に向け持続可能な都市づくりを進めることは極めて重要であり、その認識のもと、住む人・来る人・働く人をふやす成長都市を目指すことを申し上げております。
本格的な人口減少社会を迎える中、生産年齢人口の減少による地域経済の縮小や税収減、地域全体の活力低下が懸念され、本市にとりましてもその対応は喫緊の課題であります。
そこで、本市では、平成27年度に岐阜市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、ひとの創生を第一としながらも、仕事やまちの活性化に資するさまざまな施策を実行してきたところであります。
しかしながら、平成29年度の社会動態については1,596人の転出超過となり、年齢別では20代、30代の転出が多く、未来の担い手として期待される若年層の転出傾向は、本市にとってゆゆしき状況であります。
こうした流出を防ぎ定住促進を図るためには、本市の価値を高め、若者にとっても魅力となる成長都市の基盤づくりが必要であり、まずは中心市街地の活性化を図ることが重要であるとの認識のもと、岐阜市の玄関口である岐阜駅前における活性化方策の検討を初め、全世代にとっても住みよい岐阜市につながる子どもファーストの考え方から、子育て世帯への新築住宅取得時の助成額を上乗せするまちなか居住支援事業、出生後4カ月までの母子を対象とした産後ケア事業、さらには、初めて就職する若者の市内へのUターンや居住誘導区域への定住を支援する事業などを実施するため、必要な経費を早速この6月議会に補正予算として計上させていただいております。
また、平成28年度中に、名古屋市などへ転出した若者を対象とした本年2月の実態調査では、本市の現況や主な取り組みを知らなかったという回答が約5割あり、まだまだ本市の施策が若い世代に浸透していない事実を知らされたところであります。
こうした状況を踏まえ、教育、医療、産業、まちのにぎわいなどのさまざまな分野において施策を積み重ね、対象となる層に届くよう情報発信に努めることで転出抑制や市外からの転入促進を図らなければならないと考えております。
情報発信に努めることは交流人口の観点からも重要であり、交流人口の増加は地域経済の活性化につながるとともに、域外の多くの人々から本市の価値が認められていることが市民にとってのシビックプライドの醸成になると考えます。結果として、定住促進やさらなる交流人口の増加という好循環を生むことから、定住人口とともに、極めて重要と言えます。
そこで、地域資源を活用しながら観光振興を図り、人々の交流を通じた経済、文化、まちの活性化につなげていくため、本物志向の観光まちづくりを推進することも重要で、史跡岐阜城跡整備事業や岐阜公園再整備事業などもあわせて補正予算として計上させていただいております。
加えて、経済的な結びつきが強い本市への通勤・通学割合が10%を超える周辺市町の合計人口は90万人を超え、多様な産業や歴史などを有する近隣自治体と双方の強みを生かし、互いが魅力を高め合う足し算から掛け算の都市づくりを進めることが重要で、魅力ある岐阜連携都市圏を形成することなどにより、近隣市町と一体となって定住・交流人口増加を図りたいと考えており、そのため、県都である本市は、その中心的な役割を果たさなければいけないと考えております。
いずれにいたしましても、人口減少社会に真正面から向き合い、多様な分野における総合的な取り組みを通じて本市の魅力を磨き高め、住む人・来る人・働く人をふやす施策を展開しながら、市民誰もが笑顔にあふれ、持続発展できる岐阜市を目指してまいりたいと考えております。
37: ◯副議長(谷藤錦司君) 教育委員会事務局長、石原徹也君。
〔石原徹也君登壇〕
38:
◯教育委員会事務局長(石原徹也君) 放課後児童クラブの運営に関する御質問についてお答えいたします。
放課後児童クラブの利用ニーズが年々増加傾向にあり、施設の確保が課題になっております。校区によっては、利用する児童数の増加により、余裕教室がない小学校もあり、中学校や児童館など、近隣の公共施設や民間施設を利用して実施しているところもございます。
現在、小学校外で開設している放課後児童クラブは11カ所、16教室あり、今後、ふやしていくことも検討してまいります。なお、放課後児童クラブを小学校外で開設する場合は、利用する児童を高学年にすることや自宅が施設周辺にある児童とするなど、学校から放課後児童クラブへの移動の安全を第一に考え、実施しているところであります。
地域との連携につきましては、放課後児童クラブごとに運営委員会を設置し、原則として小学校の校長が運営委員長となり、運営委員に自治会連合会長、PTA関係者、民生委員・児童委員などの地域の方々にお願いし、御意見をいただきながら運営しております。
また、夏休みなど長期休業期間において、放課後児童クラブのイベントなどを計画し、その担い手として地域の皆さんにお願いして実施しております。
今後、さらに地域との連携を深めるための新たな取り組みとして、放課後児童クラブの補助員を「ぎふスーパーシニア」の方々に担っていただくことで、地域の方々と利用児童との交流を図ってまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、子育てには家庭、学校、地域などの連携が必要と考えており、今後とも地域に根差した放課後児童クラブの運営を進めてまいりたいと考えております。
39: ◯副議長(谷藤錦司君) 企画部長、牧ヶ野敏明君。
〔牧ヶ野敏明君登壇〕
40: ◯企画部長(牧ヶ野敏明君) 夜間の公共交通の充実に関する御質問にお答えをいたします。
本市の路線バスは、岐阜駅を中心に郊外に向かって放射状に広がっており、早朝から夜遅くまで、平日で約2,400本が岐阜バスにより運行され、公共交通による市内移動を担っております。
市内のバス利用は、長良橋通りや忠節橋通りを中心とした岐阜市北部と岐阜駅を結ぶ路線の利用が特に多く、その他の路線も含めて、需要に応じた運行本数やダイヤが設定をされております。
また、路線バスは平日朝夕の通勤、通学が需要の中心であるものの、通院や買い物、飲食など、さまざまな目的に利用されており、市民生活に不可欠な移動手段でございます。
このように、本市にとって重要な社会基盤である路線バスを将来にわたって維持していくためには、何より多くの市民に利用していただくことが大切であり、そのためには通勤・通学利用はもちろん、それ以外の利用においてもバスの利便性を高めていく必要があります。
こうした取り組みの一環として、岐阜バスでは通勤・通学以外の利用に目を向け、平日に比べ利用の少ない土・日、祝日の利用を促すため、行楽シーズンの春と秋に期間限定で全線乗り放題の土日祝限定1日乗車券を500円で販売しております。
また、市内均一運賃区間のバスが乗り放題となる1日乗車券を450円で通年販売しており、昨年度はそれぞれ約4万7,000枚と1万4,000枚を売り上げ、大変好評であったと聞いております。
さらには、議員御質問の深夜バスにつきましては、帰宅が遅くなった利用者の利便に配慮し、夜11時以降に運行しているもので、現在、JR岐阜駅を起点として、名鉄岐阜駅や徹明町を経由し、北部の高富、東部の大洞、関、西部の御望野、北方の5つの方面に向けて運行をしております。
運行本数につきましては、高富方面が平日で2便、土曜日1便、他の方面が平日のみで1便で、運賃は通常の2倍になるものの、タクシーを利用するよりも安価で気軽に利用できるということもあり、柳ケ瀬や岐阜駅周辺で飲食をされた方々に、帰りなどに利用をされております。
岐阜バスによりますと、特に高富方面は利用が多く、また、他の方面についても一定の利用があり、利用者にとっても便利といった好評な意見をいただいているということでございます。
〔私語する者あり〕
そこで、岐阜市南部方面への深夜バスの新設についての御質問にお答えをします。
深夜バスにつきましては、利用者の利便性向上の観点に加え、中心市街地活性化の観点からも有効な取り組みであると考えます。
一方で、バス運転手不足といったバス事業者が抱えている課題がある中、運転手の就業時間が遅くなり、翌日の勤務に影響するといった労務面の課題があることや、新設に際しては利用者のニーズを十分調査する必要があると考えられます。
いずれにいたしましても、こうした課題を踏まえた上で、御提案の柳ケ瀬を始発としたルートを含め、岐阜バスに要望していきたいと考えております。
〔私語する者あり〕
〔「議長、6番」と呼ぶ者あり〕
41: ◯副議長(谷藤錦司君) 6番、石川宗一郎君。
〔石川宗一郎君登壇〕
42: ◯6番(石川宗一郎君) それぞれに答弁ありがとうございました。
再質問はいたしませんが、それぞれに要望させて、また、意見も述べさせていただきたいと思います。
まずは、住む人・来る人・働く人をふやす施策について市長にお答えいただきまして、ありがとうございました。
定住人口、交流人口をふやしていく、そういう考え方についてをお答えいただき了解しているところでありますけれども、人口をふやしていくというところで、質問の中で述べたように、この近隣においても同様に、人、定住、ふやしていく、また、交流人口をふやしていこう、そういう取り組みをやっている中で、この地域の中で人のとり合いみたいなことになってもいけないと、そんなふうにも思っているわけでありまして、また、人をふやしていくというところで、どういう人に、どういうところからこの岐阜に来ていただくんだということも、具体的なイメージ、またあとその直接的なアプローチも必要ではないかなと、そんなふうに思っているところです。
また、岐阜に住んでいる人にとどまってもらうというか、この岐阜の魅力を感じてここでずっと暮らしていこうと、そんなふうに言う方にしっかりと定着してもらう、またそこで子どもを産み育ててもらう、そういったことも大事でありますし、また、流入人口をふやしていくということになりますと、どこかから人に来てもらわなきゃいけないということで、それをどういう方に、どういうところから来てもらうんだということも具体的なイメージが必要かと思います。
例えば、隣町の各務原市でいいますと、ものづくりの人材を集めるというようなことで、全国の工業高校に当たって、その卒業生を我がまちにというような取り組みもされているようですし、また、岐阜の山間地域では、農的生活というようなことで、山間部で農業をしながら生活をしていきたいみたいな、都市部にいて、そういう志向のある方にアプローチをしてみたりと、そういう具体的な取り組みというのも今後、必要になってくるのではないかなと、そんなふうに思う中で、岐阜ではどういう方にどういうアプローチをして、どういう取り組みをしていくかというところをより具体的に考えていってほしい、そんなふうに思います。
2点目の放課後児童クラブの運営について御答弁、ありがとうございました。
これからニーズの増大によって、今後も学校の施設以外のところで開設の可能性もあるようでありますけれども、ただ、この通学、通学ではなく、放課後児童クラブに通うときには登会と言われる──登る会で登会ですかね──登校と同じように登会と言われるようですが、その登会中の安全面等を考えて、基本的には小学校の敷地内ということでありますし、また、その施設外に行くときにはそこを第一にということでありますが、通常、うちに帰られる児童は、学校から自分の自宅まで、集団下校であったり集団でない場合もありますが、自分の足で帰宅しているわけでありまして、それも地域で、地域と、また保護者と、PTAなんかも含めて、安全な通学路を決めて、そこを小学校1年生も歩くわけでありますので、そういったことも、安全面にも大事にしていきながらでありますが、ただ、本当に子どもの帰る場所としての放課後児童クラブと考えたときに、私の述べた考え方みたいなことも、頭に残していただけるとありがたいなと思います。
また、地域の人材の活用については、今後、放課後児童クラブの補助員をスーパーシニアの方々に担っていただくということであったり、またその地域の皆さんにも運営委員をお願いしながら取り組まれているということでありまして、地域の中で子どもたちを支えながら、また守っていくといいますか育てていく、そんな放課後児童クラブにしていただきたい、そんなふうに思います。
3点目の夜間公共交通、バス路線の充実についてでありますけれども、岐阜バスに要望していただけるということで、前向きな答弁として捉えさせていただきました。
〔私語する者あり〕
利用者ニーズでありますとか、またこれから考えなければいけないこともたくさん答弁の中にもあったわけでありますけれども、まずは要望して、そして、南に向かうこのバスがないということで、それについては、あとはこの南部のほうでも、私たちも柳ケ瀬で会合があったときにはなかなか、タクシーやら、あと今は代行であったり、いろんな手段があるわけですが、元気な方は歩いて帰るわけですけれども、なかなか六条までですね(笑声)歩くのも大変なところもありまして、
〔私語する者あり〕
こうした、
〔私語する者あり〕
ただ、元気な方は市橋でも鶉でもどんどん歩いていかれるということもありますけれども、そういった公共交通が充実して、またこの中心部にこの南部であったり、また北部であったり、その東部であったり、いろんなところからの交流があって、まちのにぎわいが生まれていく、そんなふうに思いますので、どうか、岐阜バスさんのほうには岐阜市のほうから強く要望をしていただくよう、お願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
43: ◯副議長(谷藤錦司君) 5番、黒田育宏君。
〔黒田育宏君登壇〕(拍手)
44: ◯5番(黒田育宏君) 発言のお許しをいただきましたので、質問させていただきます。
なお、一部、順番を変えて質問させていただきますので、よろしくお願いをいたします。
まず、初めに、フレイル予防の取り組みについて質問します。
65歳以上のうち、介護が必要になる人が7年後の2025年度には全国で現在より約141万人ふえ、1.22倍の約770万人になると推計されることが、47都道府県の介護保険事業支援計画をもとにした集計でわかったと報道されました。
2025年は、団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者に到達する年で、高齢になれば疾病などにかかるリスクも高まり、社会保障費の大幅な増加が予想されます。
また、厚生労働省の3年前の集計では、2025年度の要介護者は約826万人と推計されており、今回の推計により約56万人減ったことになりますが、7年後には現在より増加するという推計が出ていますので、要介護者の増加をさらに抑えるためには介護予防の取り組みが大変重要になると思います。
そこで、健康部次長にフレイル予防の取り組みについてお尋ねします。
なお、このフレイル予防については、昨年の11月議会で公明党の江崎議員がフレイル予防の周知、啓発、取り組みの今後の方向性について質問されておりますので、今回は、平成30年度の取り組み内容について質問します。
フレイルとは、加齢に伴い気力や体力など、心身の活力が低下した状態を言います。健康と要介護状態の中間的な状態で、放置すると健康や生活機能を損なうおそれがある半面、適切な介入、支援により、生活機能の維持向上が可能な状態と言われています。
健康部では、昨年度の健幸創造会議でこのフレイル予防がテーマに取り上げられております。また、3月議会での予算の提案説明でも高齢者の健康づくりとして、新たに食、運動、歯科口腔保健をテーマにしたフレイル予防に取り組むとされていますが、今年度のフレイル予防の取り組みについての事業内容を具体的に教えてください。
次に、介護現場における外国人の就労支援について質問します。
7年後の2025年度は団塊の世代が全て75歳以上となるなど、国では今後の高齢者の増加に伴い、認知症高齢者や介護が必要な要介護者がさらに増加するものと想定しています。こうしたことから、介護現場での人材不足に向けた対策が早急に必要になると言われています。
また、岐阜県では、2025年には75歳以上の後期高齢者が35万8,178人と推計される一方で、生産年齢人口が減少することにより、介護人材で7,118人が不足すると算定しています。こうした状況では、今後介護の現場は成り立たなくなり、海外の人材に頼らざるを得ない状況になりつつあると思われます。
そこで、国においては現在、外国人を介護の現場で受け入れやすくするための制度の見直し等が順次図られています。
大きくは3点の内容となります。
1つ目は、経済連携協定、いわゆるEPAに基づく介護福祉士候補者の受け入れ拡大についてです。
平成20年度のインドネシアとの協定による受け入れ開始以降、平成21年度からはフィリピン、そして、平成26年度からはベトナムと、現在、3カ国からEPAにより介護福祉士候補者を受け入れており、平成29年10月1日現在、国内累計受け入れ数は3,529名で、そのうち544名が資格を取得している状況となっています。
なお、EPAで来日する介護福祉士候補者については、例えば、インドネシアでは、母国において3年以上の高等教育機関を卒業し、インドネシア政府の介護士認定を取得またはインドネシアの看護学校を卒業するとともに、日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる程度の語学力を備えることが条件とされています。現地では、いわゆるエリートである方々とも言えるような外国人を受け入れている状況となります。
また、2つ目として、外国人技能実習制度の見直しです。
これまで、農業や漁業、製造業等の分野に限られていた職種に、昨年11月から介護職が加わりました。平成29年6月末時点で、全国に約25万人が在留しており、貴重な人材の1つとして期待される制度の拡大となりました。
なお、EPAで来日する介護福祉士候補者ほどではないものの、基本的な日本語を理解することができる者とされています。
さらに、3つ目として、出入国管理及び難民認定法が改正され、昨年9月からは介護福祉士の資格を取得した留学生の在留資格として介護が創設され、この人材活用も見込まれています。
また、政府が今月5日に発表した経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太方針案では、これまでの技能実習生に対して5年間の就労延長を想定した新資格の創設が明記されています。実現すれば、最長10年の就労が可能となり、来年4月からの導入を目指している状況となっています。
こうした国における海外の人材活用の拡大の動きの中、まだ最近始まったばかりの見直し等もありますが、果たして、岐阜市では、現在どのような状況であるかといったことが気になるところです。
そこで、1点目として、岐阜市内の介護事業所に就労している外国人について、具体的に把握されているのでしょうか、お聞かせください。
次に、2点目、EPAの介護福祉士候補者を含め、日本で新たに生活する外国人は日常生活の習慣の違いなど、さまざまな困り事もあると思われます。
一方で、外国人介護労働者を受け入れる介護事業所についても、その対応に苦慮することがあると想定されます。
そこで、このような中、今後海外からの介護人材を受け入れて、育成、確保するために、岐阜市として何か支援策等は考えられないでしょうか。
以上、2点について福祉部長にお尋ねします。
次に、雑がみの回収率向上について質問します。
雑がみとは、新聞と折り込みチラシ、段ボール、雑誌、紙パック以外の菓子箱や包装紙、封筒、ダイレクトメールのチラシなどのリサイクル可能な紙のことで、日常の生活を見回すと相当量が燃えるごみとして排出されています。
岐阜市の平成28年度のごみ焼却量は約12万9,000トンで、ピーク時である平成9年度から約2万7,000トンが減少しているものの、ここ最近は約13万トン前後の焼却量で横ばいの傾向にあり、目標とする10万トンの達成には、さらなるごみ減量・資源化の取り組みが必要ではないかと思います。
岐阜市では、平成28年度にごみ減量・資源化指針を改定し、従来から掲げてきた5つの作戦に加え、新たに紙ごみを減らす作戦を掲げ、ごみの減量・資源化の取り組みを進めています。
この指針には、岐阜市の家庭から出されるごみの約34%が紙類で、最も多く輩出されているとの記載があり、また、燃えるごみに出されているリサイクル可能な雑がみは、過去5年間の平均で約7,500トンあると聞いています。
そのため、雑がみの回収はごみ焼却量の減少に一定の効果があるものと思われます。
岐阜市では、これらの雑がみをごみではなく資源として回収し、ごみ焼却量を減少させるため、積極的に啓発活動を行っています。
そこで、現在の雑がみ回収の取り組み状況はどうなっているのか、また、今後さらに雑がみ回収量を増加させるための課題とその課題を解決するための新たな取り組みとして、今議会にサブカルチャーを活用した雑がみ回収推進策として、253万9,000円が補正予算として計上されていますが、その内容について、自然共生部長にお尋ねします。
次に、地域がん診療連携拠点病院としての市民病院の役割について質問します。
日本において、がんは昭和56年から死因の第1位になっています。平成28年には年間死亡総数の28.5%に当たる約37万3,000人ががんで亡くなっています。死亡数が多い部位は、男性の1位が肺、2位が胃、3位が大腸、4位が肝臓、5位が膵臓です。女性では、1位が大腸、2位が肺、3位が膵臓、4位が胃、5位が乳房です。
平成29年度には、第3期がん対策推進基本計画が閣議決定され、がん予防、がん医療の充実、がんとの共生が3つの柱となっています。
また、岐阜県においても、ことしの3月に第3次岐阜県がん対策推進計画が策定されました。
将来人口の推計では、総人口としては減少しますが、今後30年ほどは、特に現役世代である15歳から64歳が大きく減少し、65歳以上の高齢者人口は増加傾向が続き、平成54年の2042年にピークを迎えるとのことです。高齢になるほど、がんに罹患するリスクが高まることからも、がん医療のニーズは減ることはなく、医療の進歩とともに多種多様化すると予想されています。
このような中で、がん拠点病院である市民病院の役割は重要であると思われますが、今後どのように地域での役割を発揮していくつもりか、市民病院長にお尋ねいたします。
続いて、黒野北団地の今後の敷地利用について質問します。
この地区は、昭和26年から34年にかけて、敷地面積2万9,515平方メートル、建設戸数228戸の木造平屋住宅として整備された黒野北団地と、昭和60年10月25日に都市計画道路折立中線として決定され、その後、平成8年10月4日に都市計画道路城田寺中線に変更された道路計画がある地区です。
そして、この地区は、昭和46年にその一部が市街化区域に編入され、順次市街化区域が拡大されたものの、十分な土地活用が行われていない状況にあります。
また、平成4年には、市営住宅の統合整備を主眼に、土地区画整理事業が計画され、地元説明会が数回開催されたものの、地元住民の反対により計画が断念され、以来、二十数年が経過しています。
現在、黒野北団地は、わずか5世帯の方が入居されている状況であり、この古い木造住宅は建築後60年以上が経過し、耐用年数が過ぎており、台風などの際には非常に危険な住宅となっています。そして、年間二、三世帯の方が退去をされますので、数年後には入居者がゼロになることが予想されます。
また、そのような少ない入居者でも、この団地の維持管理費は建物等修繕、除草や樹木の剪定などで年間400万円ほどが支出されていると伺っております。
また、都市計画道路城田寺中線でありますが、この道路の一部区間となる岐阜大学病院へ向かう折立稲場交差点から、この黒野北団地の東の古市場西畑西交差点までを県道岐阜大野線として昭和58年2月1日に供用開始されています。
そして、この古市場西畑西交差点を右折して北上していく道路を、県道岐阜大野線、直進して西へ行く計画道路を都市計画道路城田寺中線としています。この都市計画道路城田寺中線は、西進しますと西郷地区にある都市計画道路西部縦貫道線につながります。
黒野地区では、東海環状自動車道西回りルートの整備に伴い、岐阜大学の北に(仮称)岐阜インターチェンジが計画され、そのインターチェンジに通じるアクセス道路が整備される予定となっています。
この都市計画道路城田寺中線は、西郷地区など、西のほうからの車が直進して、インターチェンジへのアクセス道路に接続できる重要な道路になりますので、このアクセス道路の整備にあわせて早期に都市計画道路城田寺中線を整備する必要があると思います。
そこで、まちづくり推進部長にお尋ねしますが、この問題について、平成26年6月議会と平成27年9月議会に過去2回質問しておりますが、いずれも当面の整備計画がないとの御答弁でした。
そこで、地元の黒野北団地に関係する4自治会では、都市計画課と区画整理課の職員の方の協力のもと、この地区の現状の確認や立地適正化計画における位置づけなどを認識し、どのような整備手法があるのか、10回の勉強会を開催したところです。
しかし、黒野北団地は約3万平方メートル、そして、そのすぐ西側には約6,700平方メートルのみどり広場という公共用地があり、こんな広大な公共用地を含む地区を、地元住民が主体になって整備するというのはいかがなものかと思います。
また、黒野北団地は、災害時の応急仮設住宅建設予定場所となっておりますが、この敷地は不整形であり、道路も狭隘で、消防車などの出入りもできない状況となっています。
こうした状況を踏まえると、この地区の早期の整備は喫緊の課題であると思います。
そして、地元住民に任せるのではなく、まちづくり推進部が主体となって、都市建設部などの関係部局の協力のもと、今後の敷地利用に向けた準備を進める必要があると思いますが、いかがでしょうか。
続いて、防災士の活用と女性防災士の育成について質問します。
一昨年4月の熊本地震で多くの行政職員が避難所運営に携わることとなり、行政が本来早急に実施すべき被害調査や罹災証明の発行等、さまざまな応急復旧対策におくれが生じたという課題がありました。
そこで、その課題を踏まえ、さらなる地域防災力の強化を図ることを目的に、地域が主体的に避難所運営や救護活動等を円滑かつ迅速に実施できるよう、防災リーダーとして必要な知識及び技術を身につけた防災士が、昨年度、市内50地域から推薦してもらい、誕生しました。
この防災士は、自助の推進として、災害の記憶の風化を防ぎ、地域での継続した防災啓発活動を行う。共助の司令塔として、地域災害対策のかなめとなり、速やかに避難所運営や救護活動等に当たる。公助との連携として、被害状況や必要物資の情報を集約し、災害対策本部との調整役になるという役割を担っております。
そこで、防災監兼都市防災部長にお尋ねします。
1点目、昨年度、50人の方が防災士の資格を取得したと聞いていますが、50地域全てにおいて防災士を育成できたのでしょうか。また、そのうち、女性は何人いるのでしょうか。
2点目、防災士には防災啓発活動を行うという役割がありますが、昨年度、資格取得後の防災士は各地域でどのような活動をされたのか把握しているでしょうか。
3点目、防災士には災害時に避難所運営という大切な役割がありますが、避難所には多くの女性が避難してきます。その際に、その女性に対し、要望や体調面などをお聞きしなければなりませんが、男性防災士には答えにくいことも多々あると思います。
そこで、多くの女性防災士の育成が必要になってくると思いますが、この点についてのお考えをお聞かせください。
4点目、防災士の避難所運営という役割を考えたときに、極端なことを言えば、避難所の数だけ必要となってくると思いますが、防災士育成の今後の方針についてお尋ねします。
最後に、自治会加入と災害時における安否確認等について質問します。
まず、自治会加入について、市民参画部長にお尋ねします。
岐阜市自治会百科事典によれば、自治会の意義として、地域のことを知り、地域に愛着を持つ住民の手により主体的にまちづくりを進めるため、地域に根差した課題の解決や安全、安心の環境を築くため重要な役割を果たしてきました。東日本大震災では、地域住民が被災者を救助するなどし、自治会の果たす役割が改めて注目を集めましたとあります。
そして、自治会には今日の高齢化社会の進展の中、お互いの見守り、助け合いなどの相互扶助の役割もあわせ持っています。
一方で、こうした自治会の役割の重要性は認識しつつも、自治会に加入しない人、入っていた自治会を高齢などを理由に退会する人が多く存在しています。災害時において、自治会へ加入していない人への対応が心配されますが、自治会加入率の現状と加入率を向上させるための方策についてお尋ねします。
この自治会への未加入、退会問題について、多くの自治会長さんと意見交換する中で、ある自治会長さんから、ある町内では、市役所の管理職の人で自治会をやめた人がいるよと言われました。私は耳を疑いましたが、どうやら事実のようであります。
自治会と行政の関係性は、多くの事業の協力要請やイベントへの参加、事業推進に係る説明会の協力依頼など、密接なつながりがあります。自治会の協力なくしては、市の事業は進捗しないといっても過言ではないと思っています。
また、今議会に職員の地域貢献活動を支援する飛び出す公務員サポート事業として60万2,000円が補正予算として計上されています。
このような中、先ほど申し上げたとおり、市職員の、しかも管理職が自治会を退会するという事態が起こっています。
市職員も地域社会の構成員であり、自治会等の地域活動への理解や参加は重要であると思いますが、このことについてどのように考えておられるのか、お尋ねします。
次に、災害時における安否確認等についてお尋ねします。
先ほどの防災士についての質問でも触れましたが、防災士には共助の司令塔として地域災害対策のかなめとなり、速やかに避難所運営や救護活動等に当たる、公助の連携として被害状況や必要物資の情報を集約し、災害対策本部との調整役になるという役割を担っています。
こうした避難所運営や被害状況の確認をするためには自治会との連携は不可欠かと思いますが、自治会に加入していない人についての安否確認等はどのようになっているのか、防災監兼都市防災部長にお尋ねします。
以上で1回目の質問を終わります。(拍手)
45: ◯副議長(谷藤錦司君) 健康部次長、吉村栄治君。
〔吉村栄治君登壇〕
46: ◯健康部次長兼健康政策課長(吉村栄治君) フレイル予防の取り組みについての御質問にお答えします。
フレイルとは、加齢により心身の活動は低下しているものの、適切な介入、支援により回復が可能な状態でございます。
多くの方がフレイルの段階を経て要介護状態になると言われていることから、市民の方にフレイルにならないよう気をつけていただくとともに、フレイルになっても早期に対処することができれば、より効果的に介護予防につなげることができます。
このような考えに基づいて、議員御案内のとおり、今年度から食、運動、歯科口腔保健を通じた一般介護予防事業としてフレイル予防の展開を図っているところでございます。
まず、食を通じたフレイル予防といたしまして、フレイルの原因となる低栄養を予防するための栄養教室、いきいきシニア食生活支援事業を食生活改善推進員と協働し、各地域で100回程度実施いたします。
また、高齢者の方が多く集う場所で、低栄養の予防につながるレシピの紹介や試食の提供による栄養指導、ミニセミナーや個別相談会を5回開催、そして、多くの方に食を通じたフレイル予防を学んでいただく、おいしく食べてフレイル予防料理教室を市民健康センターで3回実施いたします。
次に、運動を通じたフレイル予防といたしまして、ボランティアのいきいき筋トレサポーターを対象に、運動と食を組み合わせたフレイル予防について研修を行い、いきいき筋トレ体操を公民館などで約100カ所、2,500回程度実施する際に、より効果的なフレイル予防に取り組んでいただきます。
また、健康ステーションにおいて、フレイルの原因となる筋肉量減少の予防などをテーマとする運動教室や講話を4回実施してまいります。
続きまして、歯科口腔保健を通じたフレイル予防といたしましては、公民館などへ歯科衛生士などが出向き、滑舌が悪くなる、かめないなど、フレイルの要因となるオーラルフレイルの啓発とその予防のための健康セミナーを12回開催するとともに、節目歯科健診の際に、オーラルフレイルに関する情報を提供してまいります。
そして、まだフレイルを御存じでない方も多いと認識しておりますので、今年度におきましては、フレイルを周知することに注力してまいります。
具体的には、毎年800回程度、保健師が各地域の自治会、老人クラブ、社会福祉協議会の会合へ出向いて行う健康講話などにおいて、フレイル予防について理解を深めてもらうためのパンフレットを配布し、わかりやすく説明し、周知に努めてまいります。
また、本年10月に開催を予定しております元気健康シンポジウムでは、フレイル予防をテーマとし、幅広く市民の方に情報発信してまいります。
いずれにいたしましても、フレイルの予防対策により、第三次ぎふ市民健康基本計画の基本目標である健康寿命の延伸へ向け努めてまいります。
47: ◯副議長(谷藤錦司君) 福祉部長、高橋弘行君。
〔高橋弘行君登壇〕
48: ◯福祉部長(高橋弘行君) 介護現場における外国人の就労支援に関する2点の御質問にお答えいたします。
初めに、市内の介護事業所に就労している外国人の状況についてでございます。
市内の特別養護老人ホーム23施設に確認したところ、平成30年4月1日現在、11施設において、40人の外国人労働者が介護職として就労しております。そのうち9名は日本語学校等に通う留学生がアルバイトとして雇用されている状況であり、そのほかの方々は、日本で婚姻した外国人の方々などが施設に直接、もしくは人材派遣会社を通じて雇用され、介護労働者として従事いただいているものと伺っております。
なお、これまで市内におきまして、EPAを活用して介護事業所が受け入れたケースは、平成20年度のインドネシア人1名のみであり、技能実習制度を活用した事例は、昨年11月から見直された内容でもあり、現在のところ確認されておりません。
次に、海外からの介護人材を育成、確保するための今後の市の施策等についての考えでございます。
外国人の介護労働者を含め、介護人材の育成及び確保については、団塊の世代が全て75歳以上を迎える2025年に向けて、全ての自治体に共通する喫緊の課題であるものと認識しており、さらに、将来にわたって安定的な介護サービスを市民の皆様に提供するためには、介護人材の育成、確保が大きな鍵となり、その取り組みについては鋭意検討していく必要があるものと受けとめております。
しかしながら、介護人材の確保等を単独の自治体で行うことは近隣市町村間の介護人材の流入、流出に発展する可能性があること、さらには、非常に大きな財政負担が生じることも想定されることから、県に積み立てられている地域医療介護総合確保基金を活用した中・長期的な視野に立った介護人材等の確保に向けた取り組みが必要であり、広域性を有する県が主体となり展開を図っていただくことが基本と考えられるため、本市といたしましては、さらなる県との連携策を講じたいと考えております。
岐阜県におかれましては、本年度、事業所連携型外国人留学生受入事業支援補助として、介護事業所が介護福祉士養成施設と連携して受け入れる外国人留学生の日本語修学課程に係る授業料の一部を助成する事業が創設されております。
さらには、新たに外国人の介護人材受け入れに係る介護事業者向けの相談窓口が委託先の大学内に設置されたほか、在住外国人向けの相談会の実施が予定されるなど、さまざまな支援メニューの実施及び充実に取り組まれておりますので、その事業内容について文書でお知らせするほか、介護事業所に対する集団指導講習会等の場において、情報提供し、導入及び活用に向けた働きかけを行ってまいります。
なお、実際に県内の複数の介護事業所では、既に昨年9月に新たに留学生の在留資格となった介護を契機として、介護福祉士養成施設である一大学と連携協力して、海外から介護福祉士を目指す留学生を受け入れている事業所がございます。
その取り組み状況につきましては、先進的な事例として本市としても適宜、情報収集し、市内の介護事業所に対し御紹介していきたいと存じます。
そのほか、今後、市内の外国人介護労働者が介護現場で置かれている実態をより把握するため、事業所を通じてアンケート調査を行い、そこから浮かび上がる課題等について整理し、必要に応じて国等への働きかけを行ってまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、今後も国の動向及び県で取り組まれる外国人介護人材の育成、確保に関する事業等につきまして、広く市内の介護事業所に御紹介し、多くの介護事業所が外国人の介護人材の受け入れについて円滑な取り組みが図られるよう周知してまいりたいと存じます。
49: ◯副議長(谷藤錦司君) 自然共生部長、松井重雄君。
〔松井重雄君登壇〕
50: ◯自然共生部長(松井重雄君) 雑がみ回収の拡大に関する御質問にお答えします。
本市では、循環型社会の実現を目指すごみ減量・資源化指針に、平成37年度までにごみ焼却量を10万トン以下にする目標を掲げ、ごみの減量・資源化に取り組んでおります。
議員御指摘のとおり、ごみ焼却量の約3割を占める紙ごみの中から資源化できるものを回収することは、ごみ焼却量の削減及びリサイクルの推進に大きな効果があると考えております。この紙ごみを削減する取り組みとして、リサイクル可能な資源でありながら、その多くが燃やされている雑がみの回収に力を入れております。
まず、雑がみ回収の取り組み状況についてでございます。
雑がみの回収は地域で実施する資源分別回収事業の品目の1つとして、平成21年度より実施しております。地域の皆様に対して、雑がみ回収体験袋の配布や、自治会の協力のもと、運動会を初めとする地域のイベントにおける回収など、雑がみを理解し、分別することを促進する取り組みを進めてまいりました。このほかに、家庭で集めた雑がみを小中学生が登校する際に回収する雑がみ回収モデルスクール事業を実施しております。
昨年度は、長森東小学校において、月1回、雑がみ回収を行ったところ、5カ月間で880キロの雑がみを集めることができました。これにより、子どもたちの環境学習への理解を深めるとともに、子育て世帯における雑がみ回収を促進できたことから、今後も本事業を推進してまいりたいと考えております。
これらの取り組みにより、平成29年度には、過去最高となる600トンの雑がみを回収することができ、雑がみの分別が少しずつではありますが市民に浸透してきているものと認識しております。
しかしながら、本市の家庭から排出される雑がみ全体の9割となる約7,500トンが普通ごみとして燃やされていると考えております。この要因の1つといたしましては、若い世代への啓発、浸透が不十分であると考えております。
昨年12月に実施した市民意識調査によりますと、全年齢では「雑がみを分別している」と答えた人が約62%であったのに対し、20歳代では29%と、最も少ない結果となりました。また、20歳代で分別していない方のうち、約4分の3の方が雑がみのことを理解されておらず、若い世代への対応が必要であると認識しております。
そこで、雑がみ回収を拡大する新たな取り組みについては、若い世代に親しみのあるサブカルチャーである漫画を活用し、若年層への啓発を進めたいと考えております。
岐阜市を舞台にした漫画を掲載した雑がみ回収体験袋やポスターを作成し、大学生や若い社会人に配布し、雑がみの理解を深めるきっかけとして分別する習慣を身につけていただきたいと考えており、今期定例会に必要となる予算を計上させていただいたところであります。
いずれにしましても、ごみの減量・資源化には、行政だけでなく、市民や事業者などとの協働が不可欠でありますので、「ごみ1/3減量大作戦」市民運動を積極的に展開し、循環型社会の実現を目指してまいりたいと考えております。
51: ◯副議長(谷藤錦司君) 市民病院長、冨田栄一君。
〔冨田栄一君登壇〕
52: ◯市民病院長(冨田栄一君) 地域がん診療連携拠点病院としての市民病院の役割について御質問にお答えいたします。
当院は、平成17年1月に地域がん診療連携拠点病院として指定を受け、地域と連携してがんの専門医療を提供し、どこでも診療が受けられるがん医療の水準向上に寄与してきております。
当院では、がん医療の充実においては多くの専門医、指導医を確保するとともに、PET─CTなどを導入し、より精密ながん診断を実施しております。
治療では、手術、放射線治療、抗がん剤治療などをより充実させるため、体に負担が少ない手術が可能な内視鏡手術支援ロボット、腫瘍にピンポイントで放射線治療ができる高精度放射線治療装置を整備し、また、抗がん剤やオプジーボなどの免疫療法も含めた治療は、6名のがん薬物療法専門医を中心に実施してきております。
どの治療法が適しているかをがん専門の医師やスタッフによる検討、確認を経て、安全に実施しております。
また、がんとの共生におきましては、緩和ケアチームが中心となって身体的な痛みと心の不安の軽減を図るとともに、がんになっても働きたい患者さんへは、治療と仕事の両立支援などに取り組んできております。
一方、がん予防という点におきましては、近年、患者数が増加傾向にあり、症状があらわれたときには手おくれのことが多い膵臓がんについては、早期発見が特に重要となってきております。この膵臓の近くにある肝臓や胆のうのがんも同様に自覚症状が少なく、膵臓がんと合わせた死亡者数は、胃がん、大腸がんよりも多くなっています。そのため、今後、これらの膵臓、肝臓、胆のうのがんを早期発見、早期治療ができる仕組みを検討し、実施してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、地域がん診療連携拠点病院として、高度で専門的な医療を提供し、予防や支援も含めた地域のがん診療の質の向上に努めてまいります。
以上でございます。
53: ◯副議長(谷藤錦司君) まちづくり推進部長、黒木秀哉君。
〔黒木秀哉君登壇〕
54: ◯まちづくり推進部長(黒木秀哉君) 黒野北団地の今後の敷地利用についての御質問にお答えします。
黒野北団地は、議員御案内のとおり、昭和26年から34年にかけて建設された木造平屋建ての住宅団地で、建築後60年余りが経過し、この団地への入居の募集は既に停止しているところでございます。
加えて、入居されておられる方々につきましても、御希望をお伺いしながら優先して他の市営住宅への住みかえをあっせんするなど、転居のお願いに努めてまいりました。その結果、平成30年6月1日現在で入居しておられる方は5世帯、11人となっております。
御質問の黒野北団地の今後の敷地利用についてでございますが、全ての入居者の方が転居され次第、他部局と協議の上、公共公益施設の整備、民間への売却などを含めまして、有効活用を図っていくこととしております。
現在入居してみえる方々に対しまして、安全、安心の観点から、建物の老朽化に伴う地震、台風など、災害時の危険性などを丁寧に御説明し、転居に御協力いただけるよう、引き続きお願いしていくとともに、今後は住宅団地の敷地を有効に活用していくため、敷地の境界測量を行うなどの準備を進めてまいります。
55: ◯副議長(谷藤錦司君) 防災監兼都市防災部長、田中光弘君。
〔田中光弘君登壇〕
56: ◯防災監兼都市防災部長(田中光弘君) 防災士の活用と女性防災士の育成について及び災害時の安否確認等について、2点の御質問をいただきました。
初めに、防災士の活用と女性防災士の育成に関する4点の御質問にお答えします。
平成28年4月に発生した熊本地震では、議員御発言のとおり、多くの行政職員が避難所運営に携わることとなり、本来行政が早急に実施すべき被害調査や罹災証明書の発行など、さまざまな応急復旧対策におくれが生じました。
このため、本市では地域主体の避難所運営に係る体制強化を図るため、平成29年度より防災士の育成支援事業を開始したものでございます。
そこで、1点目の平成29年度の防災士育成状況及び女性防災士の内訳についてでございます。
本市では、全ての50地域に防災士を育成することを目的に、自主防災隊長に対し受講者の推薦をお願いし、進めてきました。しかしながら、地域の諸事情により、推薦に至らなかった地域もございました。結果としましては、41地域に計50名の防災士が誕生し、このうち女性は1名でございました。
次に、2点目の防災士育成後の地域における活動についてでございます。
防災士資格を取得された方の具体的な活動としましては、地域住民に対し避難所運営について講話を行ったこと、地域の防災訓練で企画立案の段階から参加したこと、地域の特性に応じた避難体制を強化する取り組みに参加したことなどがございました。
次に、3点目の避難所運営における女性目線を踏まえた女性防災士の育成についてでございます。
本市においては、女性や子どもを初め、必要な方々に配慮がなされるよう、避難所運営マニュアルにおいて、地域の防災担当に男性、女性の双方が加わっていただくことを推奨しています。
また、地域の防災担当者を対象に行う研修会においては女性講師を招くなど、女性目線も含め、あらゆる目線から避難所生活が向上できる環境づくりを進めております。
今後も、各地域の御意見を伺いながら、女性防災士の育成も含め、避難所で生活が困難となる方々に配慮できる避難所運営となるよう努めてまいります。
最後に、4点目の防災士育成に関する今後の方針についてでございます。
平常時には地域住民への防災啓発活動を行い、災害時には各地域の自主防災隊長を補佐し災害応急対策に当たるため、防災士を育成することは重要であると考えております。
現在、平成31年度までの3カ年計画で進めておりますが、各地域では高齢化が進み、防災士の受講者を推薦することが困難となるという事例もございます。
このような課題を整理した上、地域防災力の向上が図られるよう、方針の見直しも含め、検討してまいりたいと考えております。
続きまして、災害時の安否確認等に関する御質問にお答えします。
災害が発生した場合、人命の確保は自治会の加入、未加入を問わず、最優先に図られるべきことであり、あらゆる防災関係機関とともに全力で対応に当たることとしております。
また、災害の規模が大きくなればなるほど、全ての被災者の安否を迅速に把握することは難しくなってまいります。そのためにも、地域防災の中核となって活動していただいている自主防災組織の活動が非常に重要となります。
自主防災組織は各地域の自治連合会単位で結成され、自治会の加入者につきましては名簿などの活用により、迅速な安否確認が可能であります。
しかしながら、未加入の方に関しましては、世帯状況の詳細もわからず、迅速、確実な安否確認は困難な状況となるとの意見も伺っております。
災害が発生した場合、被害の低減を目指す減災には、特に自助、共助が必要と言われております。このうち、共助には普段から顔の見える関係が構築されていることが重要であり、自治会はこの関係づくりの一助となると考えています。
いずれにいたしましても、大規模災害の発生が危惧される中、災害時における安否確認を含む地域の防災活動は大変重要となりますので、市と自主防災組織とのさらなる連携強化を図ってまいります。
57: ◯副議長(谷藤錦司君) 市民参画部長、田中啓太郎君。
〔田中啓太郎君登壇〕
58: ◯市民参画部長(田中啓太郎君) 自治会加入に関連した3点の御質問にお答えいたします。
まず、自治会加入率の現状についてでございます。
全国的に低下の傾向にある中、本市におきましても今から10年前の平成20年度には68.1%であった加入率は、昨年度は62.2%、今年度は61.3%と、依然として漸減傾向に歯どめがかからない状況にあります。
次に、自治会加入率を向上させるための方策についてでございます。
まず、市内50地区の自治会連合会長の皆様で構成されます自治会連絡協議会におかれましては住民自治活性化委員会を設置され、加入促進を初めとした自治会の活性化に向けて取り組んでおられます。
その具体的な取り組みといたしましては、加入促進チラシを作成され、それぞれの地域で新規転入世帯や未加入世帯に対しまして自治会加入の案内をしておられます。また、このチラシについては、中国語など4言語の外国語版も作成されております。
一方、市におきましてもこうしたチラシを市民課や各事務所等の窓口において配布しているほか、アパートなどの建築情報を自治会連合会へ提供するなど、加入促進に向けて行政内の連携や地域との連携を図っているところでございます。
自治会はオール岐阜のまちづくりにおいて、協働のまちづくりを進める重要なパートナーであり、その加入率低下は地域コミュニティーの根幹にかかわる喫緊の課題と認識をしております。
今後も、自治会連絡協議会あるいは住民自治活性化委員会とともに研究を重ね、自治会加入促進を初めとする自治会の活性化に向けて、引き続き支援をしてまいります。
最後に、市職員の自治会等の地域活動への理解や参加についてでございます。
自治会や各種団体等のさまざまな地域活動においては、その活動の担い手不足や人材確保が困難といった問題が顕在化しており、行政分野における知識や経験を持つ市職員に地域活動に携わることについての期待がますます高まっているものと思います。
そのため、これまでも職員の地域活動参加促進のため、各部に市民協働推進リーダーを置き、職員研修等を通じて地域のまちづくりや公益活動への参加を呼びかけてきたところであります。
また、本年3月に改定いたしました岐阜市協働のまちづくり推進計画においても重点推進施策の1つに市職員の社会貢献活動の促進を掲げ、取り組みを進めております。
こうした中での、さきの自治会退会の件につきましては、個別の事案等について承知をしておりませんが、残念に思うところであります。
いずれにいたしましても、自治会等の地域活動への理解や参加は職員として市民協働の意識醸成につながるだけでなく、市民の皆様の思いを政策立案に反映する上でも有意義でありますことから、今後も関係部局と連携し、促進に努めてまいりたいと考えております。
〔「議長、5番」と呼ぶ者あり〕
59: ◯副議長(谷藤錦司君) 5番、黒田育宏君。
〔黒田育宏君登壇〕
60: ◯5番(黒田育宏君) それぞれ御答弁、ありがとうございました。
時間もありませんので、2項目についてのみ、要望を述べさせていただきます。
まず、黒野北団地ですが、敷地の測量を行うなどの準備を進めてまいりますとの答弁をいただきました。
3回目の質問でやっと半歩前進したかなという思いですが、しかし、この地区は、先ほどの質問の中でも触れましたが、二十数年前に市営住宅の統合、整理を目的に区画整理事業の計画があった地区です。そして、地元住民の反対があり、計画が断念されたままになっております。
その後、住宅マスタープランが策定され、市営住宅を統合、整理をするという再整備計画はなくなりました。
しかし、現在は、新たに東海環状自動車道の整備が促進されつつある中、(仮称)黒野インターチェンジが計画され、そのインターチェンジへのアクセス道路も整備が進みつつあります。そのアクセス道路へとつながる都市計画道路城田寺中線の整備が急がれるという事情が出てきました。
また、この黒野北団地は災害時の応急仮設住宅予定場所となっていますが、この黒野北団地は不整形な敷地であり、道路も狭隘です。昨日の政策総点検の議論で、見直し、廃止も大切ですが、廃止した事案も、事業も復活させることも必要であるとの意見もありました。まさしく、この黒野北団地周辺の区画整理事業も、時代の要請で復活してもいいのではないかと思います。
そこで、この地区でのまちづくりのあり方について、再度検討することを要望しておきます。
次に、自治会加入についてですが、6月1日に自治会連絡協議会がありました。
その際に、高齢福祉課から、高齢者の存否確認に関する情報提供の依頼が、連合会を通じ、自治会長にありました。
私の地元の黒野で、6月11日に自治会長定例会議がありましたので、この依頼について自治会に入っていない人も調査しますかと尋ねましたら、全員の方が、調査はしないとの返事でした。このように、自治会に加入していない人は調査対象にならず、漏れてしまいます。こうしたことが積み重なっていったときに、災害が起きたらどんなことになるんだろうと心配になります。
自治会に加入していない人にとって、災害時の支援に不平等が起きることも想定されます。そこで、一度、庁内でこの自治会未加入の人への対応について、その担当である市民参画部、それから、防災の担当の都市防災部が中心となって、対策会議を開催されたらどうでしょうか。要望しておきます。
最後に、昨日の市長答弁で、昨年度実施した岐阜市から愛知県に転出された方への転出者実態に関する調査によりますと、中学校卒業まで医療費が無料であることを知っている人は約43%、小学校全学年で英語を教科化していることを知っている人は約10%、住宅取得などを支援するまちなか居住支援事業を知っている人は5%、中核市の中で最も医療環境が充実していることを知っている人は4%、これらについて、全て知らないという人は約52%という結果が出ていますとありました。
今年度、自治会に加入していない人が約4割近くいるということを考えれば、この岐阜市の政策が浸透していない、浸透しない一因になっているのではないか、ふと、こんなところにもこの自治会未加入の影響が出ているんじゃないかなと、そんなことも思わせていただきました。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
〔私語する者あり〕
61: ◯副議長(谷藤錦司君) 13番、和田直也君。
〔和田直也君登壇〕(拍手)
62: ◯13番(和田直也君) 自民党所属のクラブ青空として質問いたします。(笑声)
初めに、マニフェストの検証と政策総点検について市長にお尋ねをいたします。
〔私語する者あり〕
去る4月16日、初めての市長懇談会に出席をいたしました。
〔私語する者あり〕
丁寧に話を聞くという姿勢について、冒頭感謝の気持ちをお伝えをいたしました。
懇談については、自由な意見交換ということで、幾つかお話をさせていただきました。とりわけ政策総点検については、前市長の施策を現市長が点検するということをわざわざ公言するという見方もあり、私は仕事の流儀として違和感があるとお伝えをいたしました。
今定例会は、市長として初めて政策予算を審議する議会であります。来年度に向けて種まきをしているとのことでありましたが、新事業について担当部に伺えば、政策プランに明記があったので、以前からやろうとしていたことをこのタイミングで予算化するよう市長に提案した。いわば、職員のそんたくによって、かいつまんで予算化されている事業も幾つかある印象も受けました。
私は、種まきというのであれば、やはり、まずは御自身の政策の実行可能性の体制構築とその検証体制というのをどのように進めていくのかということについて、一つ一つタイムスケジュールを組み立てて担当部に落とし込み、来年度の予算編成に向けじっくりと計画を練る、そして、そのチェック体制も構築するというのが先ではないかと思います。少なくとも前市長のときには、企画部のホームページ上にマニフェストの進捗状況を記した一覧表が公表されておりました。
そこでお尋ねをいたしますが、この「岐阜を動かす」政策プランというのはですね、マニフェストでしょうか、それとも単に公約でしょうか。これは、どちらかで全く意味が違いますし、職員もこれを熟読していると言っていますからとても大切な点ですので、まずお尋ねをいたします。
2点目、市長が言うスクラップ・アンド・ビルドの意味であります。
ビルドは、若手職員のワークショップから生まれるアイデアから成る新規事業もこれに含まれるだろうと思いますが、(笑声)当然、予算が伴うと考えられます。政策プランに掲げられる各種施策もそうです。幾らかかるか当然想定されていると思いますが、その財源は、スクラップとしての政策総点検で賄うのであろうと推察をいたします。
さきの懇談会の席では、そのためには着地点、つまり新施策立案のための財源確保が必要であるというふうに考えますがいかがですかというふうにお尋ねをしましたところ、財源については特に考えていないという旨の回答でありました。
経済のない行政は寝言だとのスピリットがしみ込む今日の岐阜市役所において、大きな方針転換なのでしょうか。1年勝負とも述べられ、政策総点検は全事業対象、年度内結論としております。幾つかの事業を抽出して外部委員を加え、点検、見直しをしている従来の行革より、かなり荒っぽい作業になるのではと私は懸念しております。
このたびの政策総点検は、「岐阜を動かす」に足る事業は何なのかを明示するために実施するとの説明を受けておりますが、本当に財源確保の見通しを持たないまま進めるという理解でよろしいか、この点についてお答えをください。
3点目、市長部局の事業点検、
〔私語する者あり〕
すなわちチェックというのは、
〔私語する者あり〕
本来は議会や監査の担う仕事でもあると認識をしておりますが、今回の政策総点検は、予算を伴う市長部局の事業であることから、来年度、政策総点検自体が監査の対象と理解してよろしいか。これは代表監査委員にお尋ねをいたします。
次に、子ども医療費助成の18歳までの拡大について、続けて市長に質問します。
同じ日本国民でも、住んでいる自治体によって受けられる行政サービスというのは、既に多分野にわたり異なります。
これは、先日の
〔私語する者あり〕
日経新聞の
〔私語する者あり〕
6月7日の1面でありますけれども、子ども医療費について大きく報じられておりました。ごらんになった方も多いと思います。全国では、既に3割に上る自治体がこの無料枠を拡大していると、こういう記述でありまして、特別な施策でももうなくなってきているという旨の記述もあります。人口減少時代における自治体独自の行政サービスというのは、まさに都市間競争という形で加速をしています。
御案内のとおり岐阜市では、前市長のマニフェストに基づき、平成24年度より未就学児までの対応から9年間延長して15歳に拡大をされました。係る事業予算額は、年間ざっと20億円であります。
実は、さきの市長選では、自民党候補のマニフェストに、この18歳までの拡大が明記されておりました。係る予算額は、積算3億円であります。
市長はオール岐阜を主張されますが、ともに市長選を戦った候補者のマニフェストは熟読されたでしょうか。岐阜市にとって必要な施策は取り入れ立案するのも、また、その意味に含まれていると理解いたします。
折しも子どもファーストというキャッチフレーズを掲げる市長として、この18歳までの拡大についての政策投資効果をどう考えているのか、お尋ねをいたします。
続けて、岐阜市制130周年に向けた企画立案について、これは企画部長にお尋ねをいたします。
来年・2019年というのは、岐阜市制130周年の節目に当たります。平成から新元号に変わる元年とも重なりまして大変大きな節目の1年を目前にしておりますが、この6月議会になっても、いまだ動きは見られません。
10年前の2009年というのは、市制120年の大還暦ということで、たびたび本議場でも、岐阜駅前広場の整備を初め、節目の大事業が企画立案され予算協議したことを私自身も懐かしく思い出すところであります。当時、私自身、岐阜が動いたと実感したものであります。
市長は、市民の皆さんに岐阜が動いたと実感していただけるようにしたいということでありましたら、来年の市制130周年の2019年というのは、各方面で活躍する市民の皆さんに、さまざまな形でこの岐阜のまちを今後どう発信していくかということを企画立案したり、参画したりしていただける実は絶好のタイミングなのではないかというふうに考えるわけですが、初の予算議会でその方針や提案が聞かれないのは、私は残念であります。今からでも間に合うと思います。ぜひ、市制130周年の節目に向けた企画立案を提案したいと思いますが、まずは企画部長にお尋ねをいたします。
次に、トランジットモールについて続けて質問いたします。
この質問は、たびたび取り上げてきました。今後の岐阜市中心市街地のホットスポットをどう形成していくか。もっと大きく言えば、国が規制する道路交通法の第10条に歩車分離の規定というのがありますけれども、同じ国が地方創生の名のもとに地方創生加速化交付金を出して、この歩車共存たるトランジットモールを応援してくれているという現場となった岐阜市としては、国家戦略特区を取得するに値する道の原点回帰を、楽市楽座のこの岐阜市から発信するとても意義のある事業であり、だからこそ、社会実験という大義のもとスタートした事業であると私は理解しております。そのためには、ある程度の集客をもって実証していかなければならない、これも理解するところでありまして、それが今定例会にも上程されています商工観光部のイベント部分の予算案であると理解しています。
しかしながら、イベント部分については、当該エリアが市商連の管轄エリアということで、市商連が主催するぎふ信長楽市として開催をされているものの、開催日がいずれも柳商連が母体となっているサンデービルヂングマーケットといった、もともと集客力の高いイベントと抱き合わせという形になっております。別に悪いことではありません。
しかし、トランジットモールが、目に映るイベント部分のみで評価されつつある現状に、懸念を伝えております。
実は、今回ももともと集客力の高い柳商連母体のイベントにあわせて企画されるとのことでありますが、こうした両商店街振興組合連合会の事情を岐阜市がそんたくをしているという形で企画されているのに、両者歩み寄りが見られないと。今度もその懸念があります。
私はむしろ、以前から提案しておりますように、警察、岐阜バス、市商連、柳商連など、関係する全ての機関が一緒になって企画立案を行う実行委員会という箱をですね、きちんと体制を構築して、その音頭を岐阜市がとって来年度に備えていくことが急務であるというふうに考えます。
例えば、バスフェスタというのがありますが、公共交通に関するテーマを沿道に集めるのも一例でしょうし、それによって沿道の商店主の皆さんが、ちょっと店先まで露店を広げたいと、そう思える仕掛けが大切なのだろうと思います。
トランジットモールの主眼は、イベントではありません。道は市、道の原点回帰と何度も言うように、地方創生の大きな試金石となり得る社会実験の始まりであって、テーマを持って人々が集う時代の都市のホットスポット、すなわちストレスフリーな広場を道路で形成できるか否かの鍵を握る意義ある事業であります。ぜひ、このあたりをもう一度庁内で整理をして企画立案されることを望みたいと思います。企画部長の考えをお尋ねします。
〔私語する者あり〕
次に、STE“A”M教育について、教育長にお尋ねをいたします。
S、サイエンス・科学、T、テクノロジー・技術、E、エンジニアリング・工学、M、マセマティクス・数学と、この4分野、それぞれの単語の頭文字をとったSTEM教育というのが市教委で推進されています。
しかし、近年では、従来の価値、機能や効率という視点だけでは21世紀の価値は創造できないという考えが生まれ、使う人の感情体験も現実的な価値の一部だという考え方へのシフトが起こり、アート・芸術のAがSTEMに加わり、STEAM教育という形で提唱されております。
もはや、アジア各国と比較してもデジタル後進国と言われる今の日本には、子どもたちへのSTEAM教育の前に、大人版のSTEAM教育が急務だと、そんな警鐘を鳴らされる今日において、ぜひ私自身も深掘りしたいテーマであります。
〔私語する者あり〕
ところで、故梶原 拓前岐阜県知事が、かつて各務原市のVRテクノジャパンに誘致した早稲田大学ワボットハウス研究所では、これからのロボット産業振興研究においては芸術のセンスが必要だということで、科学、技術、工学、数学のこのまさに理系の研究所に、芸術で教鞭をとる文系の研究員が送り込まれて盛んに研究報告会やセミナーを展開されていたことがあります。私も何度も通いましたので鮮明に覚えておりますが、今から15年ほど前のことであります。米国発と言われるSTEAMでありますが、実は岐阜県で先行的に発想され研究活動が展開されていたと、そんな過去を振り返って、当時の岐阜県の先進的な取り組みに誇りをも感ずるところであります。
そこでお尋ねします。
教育立市をうたう岐阜市教育委員会として、このSTEAM教育についての教育長の考えとともに、岐阜市教育の繁栄について考えがあれば、あわせてお答えを願います。
次に、公共施設マネジメントと学校プールについて、教育委員会事務局長にお尋ねをいたします。
6月は学校のプール開きのシーズンです。私たちは当たり前のように、学校にはプールがあるというふうに理解をしておりますが、実はこれは、1964年の前回の東京オリンピックのときに1学校1プールということで、旧文部省の通達による結果のようであります。
あれから半世紀が経過して時代は大きく変化し、人口減少と同時に訪れる老朽化した公共施設のマネジメントを行う時代となっております。
岐阜市の公共施設等総合管理計画でも示されますように、市が保有する箱物の実に半数近くが学校施設となっておりますが、そのほとんどがあと15年から20年で老朽化のピークを迎え、全面的な更新が求められる時代を迎えます。
今回の補正予算でも5億円の積み立てが施されようとしておりますが、こういったタイミングで稼働率という観点から全庁的な検討を加える必要性を提案したいと思います。
プールというのは、6月中旬、ちょうど今ごろですけれども、プール開きを迎えますけれども、7月中旬には夏休みに入ります。地域開放の例もありますが、真夏の8月でも毎日の稼働ではなくなります。9月に入りますと再び稼働しますけれども、今度は多くの学校で運動会のシーズンに入りますので、また使われなくなる。次使われるのは翌年6月ということで、結局のところ、1年間のうちプールとしては正味1カ月強しか稼働していない公共施設と見ることもできます。
昨今、公共施設マネジメントに関するセミナーがふえまして私も出かけるところですが、とかくプールについては、既に岐阜市内にも数多く点在する民間の健康増進施設の活用や複数の学校で供用するなど新たな事例が目立つようになっておりますし、岐阜県教職員採用試験でもプールの実技は廃止されているようですので、インストラクターなど民間活力の導入が今後期待される分野になりつつあります。
前回の質問から2年、公共施設マネジメントをつかさどる部局が財政部の行財政改革課に定まったこともありまして、ぜひ全庁的な課題として、この稼働率という点を踏まえた供用、民間活力導入など、具体的プランについてのマネジメントに着手していただきたいと思いますが、この間の検討結果と今後の方針をお尋ねをいたします。
最後に、早朝に行う児童クラブの受け入れ時間について、続けて教育委員会事務局長にお尋ねをいたします。
かねてより放課後児童クラブの取り組みに熱心なグループとの意見交換を続けております。一億総活躍社会、女性の社会進出など、国が働き方改革で旗振る背景には、子育ては地域で担うものというニーズの加速を生むのではないかと、そのための策を講ずる必要性をこの議場で多くの議員の皆さんが問題提起をしておりますが、今回、間もなく訪れる夏季休暇などにおける早朝の児童クラブの受け入れ時間についてお尋ねをいたします。
このグループに加わる熱心な有志の取り組みによって、ネット上で受け入れ時間をめぐるアンケート調査を実施しておられます。特に、夫婦共働きの世帯においては、受け入れ時間の前倒しのニーズが高まっている結果が伺えます。
これまでも市教委では、受け入れ時間の前倒しに尽力されており、現在は8時15分からとなっています。これをさらに早める可能性の検討については、昨年12月議会答弁によっていただいておりますニーズ調査によって検討のベースを築いていただきたいと、そう願うものであります。
子育ては家庭が基本。揺るがぬ基軸であると思います。ただ、多様な働き方に寛容になろうとする社会を築こうとする今日において生まれる早朝クラブ、このニーズが年々高まっていて、この多様なニーズとして応えていくことも、また大切であります。
今回の調査が、来年度予算編成に向け具体的な検討につながることを期待します。ニーズ調査の方法や今度の方針について、教育委員会事務局長の考えをお尋ねをいたします。
以上、7項目、最初の質問といたします。(拍手)
63: ◯副議長(谷藤錦司君) この際、しばらく休憩します。
午後2時48分 休 憩
━━━━━━━━━━━━━━━━━
午後3時18分 開 議
64: ◯議長(
信田朝次君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑並びに一般質問を続行します。
和田直也君に対する答弁を求めます。市長、柴橋正直君。
〔私語する者あり〕
〔柴橋正直君登壇〕
65: ◯市長(柴橋正直君) 政策プランの検証と政策総点検に関する御質問にお答えいたします。
私は、さきの選挙において、成長都市宣言として「岐阜都市圏100万人への挑戦」を掲げ、住む人・来る人・働く人をふやすため5つの重点分野、行政と地域の連携及び行政運営の基本方針の取り組みをまとめ、政策プランとしてお示しをさせていただきました。
この政策プランは私が、本市が抱える諸課題の解決に向け、取り組むべき岐阜市の方向性や施策として市民の皆様にわかりやすくお示しをするものであります。
この6月議会におきましては、早期に着手可能な成長都市の基盤づくりにつながる岐阜駅前活性化方策検討業務や、本物志向の観光まちづくりにつながる史跡岐阜城跡整備事業など、さまざまな事業の予算化についてお諮りさせていただいているところであります。
一方、行政運営は、時代の変化を踏まえ、長期的な視点や継続性なども勘案し、現在の財政面や制度面、人事面などの状況に加え、成果を十分に把握し、総合的に進めなければならないと理解をしております。
このような考え方のもと、本市が将来にわたり持続可能な都市経営を行えるよう、政策プランに示した取り組みについてもできることから着手し、進捗状況を把握しながら「岐阜を動かす」ための施策を総合的に展開してまいりたいと考えております。
次に、政策総点検による財源の確保についてお答えをいたします。
政策総点検では、今後の事業のあり方を、継続、改善、廃止のいずれかに方針を決定することとしております。
方針決定は、限られた財源を有効活用する観点から、各事業の成果についての議論を踏まえて判断いたしますが、このうち継続と判断した事業については引き続き、また、改善と判断した事業については、効率的な手法による見直しなどを加え来年度予算に計上することとなりますが、廃止と判断した事業については、それらの事業費を新たな施策のための財源として活用したいと考えております。
本市はこれまで、有識者や各種団体推薦者等で構成する行財政改革推進会議や各議員の御指摘を初め、広く市民の皆様の声に耳を傾け、行財政改革にたゆまず取り組み続け、効率的な市政運営に努めてまいりました。
平成30年度当初予算におきましても、岐阜市行財政改革大綱2015、その実施計画である岐阜市行財政改革プランに基づく事業見直し、職員定数、給与の適正化等によって約2億7,000万円の効果額を達成したところであります。
政策総点検におきましては、本来の趣旨が大切であり、その効果に見通しを持つことはその目標に向けた議論になりかねず、必要、有効な事業を廃止し、行政サービスの低下を招くことにつながりかねないと考えるものであります。
私が今回の政策総点検で大事にしたいのはプロセスであり、私は市政運営の基本方針として対話による合意形成を掲げており、政策総点検の過程におきましても、常に現場を大切にしたいという思いと、さまざまな声に耳を傾けることを重視していきたいと考え、そして、政策総点検を実施することで、職員を初め、市民の皆様が成果や改善を意識して知恵を出そうとすることが今後の市政の発展につながると確信をしております。
行財政改革、そして、政策総点検のいずれも、岐阜市の将来のために一つ一つ丁寧に取り組んでいくことが大事だと思います。
こうした中、事業の成果を検証する過程で、長年継続するうちに地域や社会のニーズに合わなくなってきたなどの理由で廃止が適当と認められる事業を1つずつ丁寧に議論し、積み重ねることによって、新たな施策の事業費が確保されるものと考えております。
いずれにしましても、政策プラン、総点検ともに、1年勝負という緊張感、使命感のもとに、「岐阜を動かす」ための施策の実現に向けて、スピード感を持って全力で取り組んでまいりたいと存じます。
子ども医療費助成制度に関する御質問についてお答えをいたします。
私が市政運営の基本方針の1つに掲げる子どもファーストは、本市が施策を検討する際に、この施策によって子どもたちの未来がどうなるか、この施策は子どもたちにとって有益なものかという視点があれば、その施策は、子どもたちだけではなくて、障がいのある方、女性、高齢者、外国人など、どの方にとっても価値のあるものとなって市民の皆さんを笑顔にすることができるという考え方です。常に子どもたちを育てやすい環境を第一に考え、未来志向の視点から施策の一層の充実を図り、子どもはもちろん、全ての市民の皆さんを笑顔にしていきたいと考えております。
そうした観点のもと、今回の補正予算において、全ての児童館、児童センターへの防犯カメラの設置や、小規模保育事業所の建設に係る助成費など、安心して子どもを産み育てることができる環境づくりに加え、新築住宅の取得に係るまちなか居住支援事業における子育て世代への支援の拡充など、定住・交流人口をふやす施策など、優先順位を整理した上で必要な予算を計上し、岐阜の未来につながる施策の構築を図ったところでございます。
子ども医療費の助成対象を高校生まで拡大した場合に必要となる財源は、1人当たりの年間助成額から試算すると約3億円必要となり、加えて、国民健康保険における国庫負担分の減額調整制度、いわゆるペナルティーとして約1,000万円削減されると試算をしております。こうした財政負担は、保険料を納める市民や企業、納税者の皆さんの負担となって回ることにもなります。
一方、行政の施策は、単に予算をつけて執行して終わりではなく、その施策が地域や社会にどのような影響を与え成果を上げたかを検証し、次の改善につなげることが重要になります。
当該制度は、多くの市町村において、子どもの保健の向上や福祉の増進は言うに及ばず、地域に子育て世代を呼び込む少子化対策、または、他都市への流出を防ぐための住民獲得の手段として実施されている現状がございますが、助成対象を高校生まで拡大した県内の先進市町におかれましては、生産年齢人口や合計特殊出生率等において、特段、施策実施前後で効果とまで見受けられる変化を確認できない状況であります。加えて、こうした施策を単一の自治体で実施することは、近隣市町との住民の獲得競争に終始することにほかなりません。
現在、本市では、3月に岐阜連携都市圏ビジョンを策定し、住民の獲得競争ではなく近隣市町と連携することにより、お互いに助け合い、不足するところを補い合う関係の構築に取り組んでおります。
本市におきましては、子どもを育てやすい環境づくりに向け、現在抱えている課題の解決策として、子育てしながら働いている親御さんが、子どもが小学校に入学しても働き続けられること、いわゆる小1の壁の解決を図る放課後児童クラブの定員拡充や開設時間の延長、保育所の待機児童対策、幼児教育の無償化など、実施すべき取り組みは数多くございます。
いずれにいたしましても、子育て世帯の育児に係る経済的負担の軽減による少子化対策は、国の責任において実施されるべきものと考えております。
今回議員に御提案いただきました子ども医療費の助成を高校生まで拡大することにつきましては、先進市町における当該制度の成果を検証するとともに、市財源の投入による市民の皆さんへの新たな負担を踏まえつつ、慎重に検討を続けていく所存でございます。
66: ◯議長(
信田朝次君) 代表監査委員、服部 剛君。
〔服部 剛君登壇〕
67: ◯代表監査委員(服部 剛君) 政策総点検に関する御質問にお答えします。
監査委員が監査することができる対象につきましては地方自治法に定められておりますが、普通地方公共団体の財務に関する事務の執行及び普通公共団体の経営に係る事業の管理がございます。
議員御質問の政策総点検についてですが、この政策総点検は予算に計上されており、予算の執行手続は財務に関する事務の1つであることから、この点で監査の対象になるところでございます。
68: ◯議長(
信田朝次君) 企画部長、牧ヶ野敏明君。
〔牧ヶ野敏明君登壇〕
69: ◯企画部長(牧ヶ野敏明君) 2点の御質問にお答えをいたします。
1点目、岐阜市制130周年に向けた企画立案についての御質問にお答えをいたします。
議員御案内のとおり、来年・2019年は、明治22年・1889年7月1日に岐阜市が誕生してから130年を迎えます。振り返りますと、今から約30年前、昭和63年に、明治、大正、昭和と激動の20世紀の歩みと発展を祝う市制施行100周年を挙行するとともに、直近では約10年前、平成21年に二度目の還暦の節目に当たる年を大還暦として、市制施行120周年を挙行し、多くの市民や団体等の協力や参加をいただきながら記念事業を進めてまいりました。
そうした中、岐阜市制130周年を迎える年となる来年につきましても、市制120周年を経てから10年間を振り返る1つの節目の年であり、改めて岐阜市の礎を築いてこられた先人の方々に感謝するとともに、岐阜市の魅力を再発見、再認識する機会になればと考えております。
2点目のトランジットモールについての御質問にお答えをいたします。
トランジットモールにつきましては、平成28年度に交通社会実験を行い、また、昨年度は信長公450プロジェクトとあわせて実施するなど、公共交通の利用促進と中心市街地の活性化に向けての取り組みを進めてまいりました。
この2年間の取り組みにおいて、実施当日のバス利用者数や歩行者交通量の増加が見られ一定の効果が得られていることから、平成30年度も継続的な実施を目指しております。
今年度予定をしております実施内容につきましては、昨年同様の市商連が行うイベントであるぎふ信長楽市と連携するとともに、JR岐阜駅、柳ケ瀬、さらには、ぎふメディアコスモスでも関連イベントを実施し、連節シャトルバスで各会場をつなぎ、公共交通の利用促進と中心市街地全体のにぎわいを創出させることを目指しております。
さらに、新たな取り組みとして、バス車両の展示やお絵かきラッピングバスなど子どもたちにも楽しんでもらえ、公共交通をPRするイベントであります公共交通フェスタと一体的に行うことにより、実施効果を高めていくことを考えております。
これまで、トランジットモールについては、市がその環境を整備するとともに、市商連の実施事業であるぎふ信長楽市と連携してまいりました。来年度以降もトランジットモールを行う場合の実施体制につきましては、今年度の実施状況や関係者の意向、沿道の土地利用の状況などを踏まえ、関係者と協議してまいりたいと考えております。
70: ◯議長(
信田朝次君) 教育長、早川三根夫君。
〔早川三根夫君登壇〕
71: ◯教育長(早川三根夫君) 小中学校におけるSTEAM教育についてお答えいたします。
STEAM教育については、アメリカのオバマ前大統領が演説の中で国家の優先課題の1つであるとして取り上げたことで知られております。
1点目、それについての私の考えをお尋ねいただきました。
アートの持つ力は、将来ますます大切になります。日本は、インターネットではおくれをとりましたが、しかし、現在進行中のディープラーニングやプログラミングと、日本の強みであるものづくり、ロボットがつながれば巻き返せる可能性があり、その可能性は若い人たちの中にあると言えます。
はやぶさのプロジェクトマネジャーを務めた川口淳一郎博士は、岐阜サイエンスフェスティバルの中で、教科書に書かれていることは全て過去のことで、大切なことは目に見えないとお話しになりましたが、未来を形にするのは、科学とアートとチャレンジ精神です。
アートの可能性を意識することは、教育でも重要です。学校の掲示を初めとする教室環境や観葉植物の配置など、アートやユニバーサルデザインの観点から再構成できないか、美術科の先生に投げかけているところです。
ぎふメディアコスモスなど、そばにいるだけでアートを感じられる空間があり、何より長良川や金華山、岐阜城のロケーションを持つ本市は、絵になる風景がふんだんにあります。そうした環境に包まれて生活する心地よさを自覚し、さらによりよいものにしていこうという営みは、美的な感性を培います。
2点目、STEAM教育の岐阜市教育への反映についてお答えいたします。
本市では、芸術分野において、全小中学校が参加する連合音楽会や岐阜市展「少年部」、劇団四季のミュージカルを招聘するこころの劇場、特別支援学校や特別支援学級の児童生徒が参加する岐阜地区ふれあい教育展などを実施し、子どもたちに芸術的分野での刺激を与え、育成を図っています。
また、多くの小中学校が合唱活動を柱に据え、毎年卒業式には感動させてくれます。
美術も音楽も環境も清掃も美しいものを求める心こそが、行動や生き方を美しくし、人生を豊かにします。アートの持つ可能性を捉え生かしていくことは重要なことであり、STEAM教育の考え方に大いに賛同しています。
今後、教育委員会が行っているさまざまな施策とSTEAM教育の関連を捉えながら、子どもたちみずからが美しいものを求め、考え、行動できるよう、教職員や子どもたちにSTEAM教育の考え方と重要性を広めていきたいと考えております。
72: ◯議長(
信田朝次君) 教育委員会事務局長、石原徹也君。
〔石原徹也君登壇〕
73:
◯教育委員会事務局長(石原徹也君) 学校プールについてお答えいたします。
現在、岐阜市の小中学校には全てに専用のプールが設置されており、6月から9月までの利用期間中に各学年とも年間10時間程度の水泳の授業を実施しております。そのほか、中学校の水泳部の練習や夏休み期間を利用した児童の泳力強化にも活用しております。
現在、本市では、学校プールにつきまして、建設されてから40年以上が経過し、老朽化が進み修繕対応が難しくなったものを対象に、順次改築を行っております。
学校プールのあり方につきましては、現在1校に1プールの方式のほかに、複数の学校が1つのプールを共用する拠点方式や民間のプールを利用する方法などが考えられます。
議員御案内のとおり、今後は学校施設全体のマネジメントを行っていくことが重要であることから、将来的な児童生徒数の推移を踏まえて、長いスパンで施設整備を進めることが求められます。
1校に1プールにこだわらず、敷地が隣接している学校や、民間プール、公営プールが近くに存在する学校について、改築や大規模改修が必要な時期を迎える際には、改築以外にも効率的で効果的な整備とするため、共用等の可能性についても検討したいと考えております。
いずれにいたしましても、今後人口減少を迎え児童数が減る中、児童生徒の安全と良好な教育環境の確保を第一に考えながら、大きな課題である学校施設全体のマネジメントの観点に立ち、プールのあり方についてさらに研究してまいります。
続きまして、放課後児童クラブに関する御質問にお答えします。
夏休み等の長期休業期間中の放課後児童クラブの開始時間につきましては、開設当初午前8時45分としておりましたが、利用者のニーズに応える形で平成22年度から30分早め午前8時15分からとし、現在に至っております。
また、旧徹明小学校及び厚見小学校で土曜日に開設している土曜児童クラブの開始時間も同じく午前8時15分としております。現状として、開始時間前に利用児童が登校し、放課後児童クラブが開始されるのを外で待っている状況があることは認識しており、開始時間を早めることは望ましいことであると考えております。
そこで、通常利用の児童と長期休業期間中の児童が確定する7月以降にニーズ調査を実施いたします。内容につきましては、早朝における開始希望時間や現状の受け入れ体制についての御意見など、学年別にどのようなニーズがあるかを把握するものでございます。
この調査結果を踏まえ、支援員の勤務形態への影響など受け入れ体制や、これに係る人件費を含め検討し、今年度中に現在8時15分の開始時間をさらに早める可能性について方針を出したいと考えております。
〔「議長、13番」と呼ぶ者あり〕
74: ◯議長(
信田朝次君) 13番、和田直也君。
〔和田直也君登壇〕
75: ◯13番(和田直也君) それぞれありがとうございました。
要望と再質問を行います。
まず、要望であります。
早朝の児童クラブの受け入れ時間についてですが、現行8時15分となっております開始時間をさらに早める可能性について年度内に方針を出すとの力強い御答弁であり、了解いたしました。ぜひ、その検討の土台となるニーズ調査については、開始時間についての最適な判断が行えるようなきちんとしたニーズ調査、把握していかれるよう要望いたします。
次に、再質問であります。
市長に幾つか再質問いたします。
1点目、マニフェストについてであります。
今回の6月の議会というのは初めての政策予算でありますので、このマニフェストについては、きちんと整理をしておくべきタイミングであるというふうに私は思います。
マニフェストとは、選挙のときに候補者が有権者に対して政策課題についての目標や期限などを明記して具体的に示すものであって、政権をとったら実現することを有権者に約束するものであります。
この政策プランですが、これがマニフェストかどうかについての答弁漏れがありましたので、お答えをください。
今日的な選挙は、マニフェストを掲げて有権者にその真意を問うと、民主党の国会議員としてマニフェスト選挙を戦った経験をお持ちの市長であれば当然認識されているというふうに思いますので、ここの中に書いてあります、例えば、18歳以降のUターンキャンペーンとか、あるいはUターン時のお帰り市民税実質ゼロと、バス路線の確保とパーク・アンド・ライド化によるターミナル化とか、いろいろお約束が書いてありますけれども、どれぐらい予算がかかると想定しておられるのかと。結果として、財源見通しはますます重要な要素というふうになると思いますが、その政策総点検は、そのためにあるという理解でよろしいか、これもお尋ねをしたいというふうに思います。
3つ目、意思表明というのはよくわかりました。ですが、その実行可能性を踏まえた体制構築というのと検証体制はどうしていくのか、これも答弁がなかったように思います。
具体的には、先ほども言いましたように、掲げた政策が実現したか否かの評価を市のホームページに公表していくのかどうか。少なくとも前市長のときには公表しておりましたのでお尋ねをいたします。
4点目、政策総点検。
プロセスを重視していくという、その思い、よくわかりますが、やはり、この前市長を今の市長が点検するという、口には出されませんけれども、私と同じ印象を吐露される市職員も多数いらっしゃることが今回の予算協議で随分感じました。
先ほど市長は2億7,000万円の効果があったという従来の行財政改革の実績を述べられましたが、これは前市長のときの成果でありまして、政策総点検に新たな財源確保はどうかという質問の答えにはなっておりません。
「岐阜を動かす」ための施策を見出す千載一遇のチャンス、あるいは1年勝負と格好よく表現されますけれども、従来の行革と手法や成果がさほど変わらないということであれば、私は政策総点検と大げさに言うほどの話でもないのではないかと思います。
やはり、仕事には流儀というものがあるというふうに思います。従来の行革を評価するのでありましたら、せめてこれを発展継承し丁寧に進めていくと、もっと謙虚な表現でこれをすべきだったんじゃないかというふうに思います。
これだけ大きく語られる政策総点検については、ビルドに資する財源確保の見通しが極めて重要な点になります。足らなかったらどうするのでしょうか。余り言いたくはありませんけれども、市長給与の削減とか退職金の返上など、身を切る覚悟で臨まれるのでしょうか。そうした決意や政治姿勢がきわめて問われることをやろうとしておられるのだと私は理解しておりますがいかがでしょうか、お尋ねをいたします。
5点目、先ほど代表監査委員から政策総点検も監査対象との答弁がございましたが、つまり、市長が旗振る政策総点検自体に予算が伴うのですから、いずれは政策総点検本部長である市長も点検される立場にあると、この認識を持って言葉どおり1年で、1年で成果を上げていく立場にあることを認識いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
6点目、子ども医療費助成、18歳までの拡大について。本来は国が対処すべきだと、こういう答弁でありました。ということでしたら、子ども手当を旗印としておられた民主党の国会議員でもありました市長は、国に対してどんなアクションを起こされますか。
7点目、こうした施策を単一の自治体で実施することは、近隣市町の住民の獲得競争に終始することにほかなりませんとも答弁されましたが、では、今日展開される都市間競争というのは何と心得ておられるかという点をお伺いいたします。御自身の政策の中にも、そういった類いの項目はたくさん含まれているというふうに思いますが、いかがでしょうか。
8点目は、では、現行の15歳までの無料の政策効果についてはどう評価しておられるか、お尋ねをいたします。
次に、市制130周年についてでありますが、これは現段階では何も企画がないということでありました。
市長に要望いたします。
「岐阜を動かす」というのは、私は非常に格好いい表現だというふうに思いますが、ただ、120周年のときの岐阜駅前広場の整備と、私も先ほど言いましたけれども、あのときも私は岐阜が動いたというふうに感じました。つまり、これまでも岐阜は動いてきているのだというふうに思います。
その上で、なお大きな課題が時代の変化とともにのしかかっているわけでありまして、私は常にそうした課題に立ち向かう人がいて、しかし、その人たちは常に地味であって、目には映らぬ多くの御労苦があるし、それは現在進行中の日々の業務の中にもあるはずであります。ああ、岐阜が動いたと、そう感ずる背景にある、そうした方々にねぎらいや感謝、あるいは、褒めたたえる文化を醸成していくことが今の岐阜市にやや欠けているのではないかと、むしろ、ここを補うことこそ、このまちが今求められているテーマではないかと思うのであります。ぜひ、来る市制130周年は、一人一人の市民の頑張りや、あるいは、特に発信はしていないけれども地味に頑張っている人々がすばらしいねというふうに褒めたたえられるような、そんな岐阜市を形づくる節目の年にしていただきたいと要望いたします。
では、再質問の部分についての答弁をお願いいたします。
〔私語する者あり〕
76: ◯議長(
信田朝次君) 市長、柴橋正直君。
〔柴橋正直君登壇〕
77: ◯市長(柴橋正直君) 和田議員の再質問にお答えをいたします。たくさん項目をいただきましたので、関連する項目は丸めて答弁をさせていただきます。
まず、マニフェストについての整理ということでございますが、マニフェストという言い方はしておりません。昨今、国政選挙におきましてもマニフェストという捉え方は、各党余りしないようにしていると思いますけれども、さまざまな教訓を生かしながら、公約というものは、それぞれの政党あるいは候補者が出しているものという認識をしております。
2つ目に、政策の検証をホームページにアップするかどうかという話がありましたが、私は、政治と行政というのは完全に一体というわけにはいかないというふうに感じております。これは、各部ともいろんな意見交換をする中で、前市長がどうやっていたかは私には関係ありませんので、それはそれということで過去の方の取り組みでありますけれども、私としては、岐阜市のホームページに私の政策、私の政治家としての個人的な政策の進捗状況については、それは岐阜市のホームページにはなじまないと考えておりますので、私の政治活動や後援会活動を通じて、広く市民の皆様方にお伝えをしていきたいというふうに考えております。
政策総点検についてでありますけれども、1年で仕上げる覚悟はあるかということをお聞きをいたしました。
今回、3月議会から申し上げておりますように、まず、来年度の予算編成を見据えながら、16年ぶりに体制が変わりましたので、これを1つの機会と捉えて全ての事業について確認をしようと、そういったことを申し上げてきたわけであります。この1年の政策総点検の活動を通じまして、さまざまな角度から見直しをかけてまいりたいというふうに思っております。
私が申し上げているのは、財源を幾らありきという、こういう考え方は非常に危ないというふうに思っております。先ほども答弁させていただきましたように、プロセスが大事であると。私が引き継ぎのときに各部の皆さんからお話をいただく中には、今取り組んでいることだけではなくて、さまざまな課題についても各部長さんを中心にいろいろと問題意識を持っておられました。ですから、そういった問題意識を、この政策総点検という形で、いろいろと、じゃ、その問題についてどういうふうにそれを実現していこうかと、こういった観点も含めまして政策総点検を実のあるものにしていきたいというふうに考えておりますので、そのプロセスをぜひごらんになっていただきたいというふうに思っております。
4番目、高校生の医療費の無償化のことについてでありますけれども、私は国がやるべきことだということを御答弁申し上げました。別の議員の方の答弁で申し上げましたように、今や岐阜県の市長会等々においてもですね、全国の首長が同じような問題意識を共有しておりますので、そういった形で広く国政に対して声を上げていきたいというふうに思っております。
都市間競争についてでありますが、私は、岐阜都市圏ということをかねてから申し上げております。このことに対する問題意識はですね、議員御案内のとおり、今、岐阜市からも多くの若い人材が他県に流出をしていっております。ですから、この地域の中で都市間競争することには余り意味がないというふうに考えておりまして、この岐阜県、ここらへんの地域から他県に人材が流出しないように、まさに連携中枢都市を初め、あるいは、個別の広域連携を通じて、地域全体でこの地域の定住人口、交流人口を増加させるという協力体制が必要であるというふうに常々考えているところでございます。その中で岐阜市の果たすべき役割は、大変大きいと思っております。
現在の無料化をどう考えるかということでございますが、今年度も予算は継続をさせていただいておりますので、そのように御理解いただければと思います。
最後に、130周年のことにつきましては、担当部長とも先日お話もしておりますけれども、私はこの岐阜市が、全国市長会等にも伺う中でですね、一番最初に、120年の歴史の中で、全国市長会、それだけの歴史があるわけですが、初代の市長会の会長は岐阜市の市長でありますし、また、第1回目が開催されたのもこの岐阜市でございます。それほど非常に重要だということを常々岐阜市長になってですね、改めて認識をしているところでございます。
したがいまして、こうした長い歴史の中で、この岐阜市に貢献してこられたさまざまな皆さんを顕彰するような、そういった機会になるといいですねと、私なりにはそう思っておりますと、そんなような話をさせていただいていますけれども、ぜひ、130年という貴重な節目を生かしていきたいというふうに考えております。
以上です。
〔「議長、13番」と呼ぶ者あり〕
78: ◯議長(
信田朝次君) 13番、和田直也君。
〔和田直也君登壇〕
79: ◯13番(和田直也君) 再々質問をしたいと思いますが、マニフェストは、昨今そういう言い方をされてないというふうにおっしゃいましたけれども、私は、言い方のことを尋ねているのではなくて、その性質のことをお尋ねしているのであります。
内容が問われるのが、まさにマニフェスト、あるいは政策のプラン、政策プランでしたかね、市長が掲げられていたものは政策プランという名前だったと思いますが、政務と公務という言い方があろうかと思いますが、これがもし政務ということになったときには、この公務としての市長の掲げるその諸施策と、この選挙のかかわり方って、非常に問われるんだろうと私は思います。イギリス発祥と言われるこのマニフェストというのは、日本では北川正恭元三重県知事が普及に大きく尽力されて、国政においては各党いろいろと掲げられるようになって、首長選挙においてもそれは非常に昨今問われるような内容になっております。
大学の講義でも、連続性が重視される行政計画とマニフェストは、どちらが優先されるかと、そういう議論があります。結果として、それは直近の民意であるマニフェストが優先されるという見方が大勢ということになっています。つまり、それだけ重要かつ実効性が問われるものなのであって、したがって、それらの検証と評価と公表、これは非常に大切な点だと思います。
前市長がやったことは前市長がやったこと、関係ないというふうに言い切られましたけれども、私は、御自身が掲げたマニフェスト、と言い切っておられませんけれども、この政策というのはですね、やはり管理体制について早期に構築されるべきだろうというふうに指摘をしたいと思いますが、これについてお尋ねいたします。
管理体制ね、ホームページには公表しないということなのでしょうけど、どのように有権者に対してこう言ってきた政策を、今、市長として公務の中で実行しようとするわけですが、そこがきちっと語られてないと思いますので、
〔私語する者あり〕
それをお尋ねしたいと思います。プロセス重視と、今、議場からも聞こえてきましたけれども、
〔私語する者あり〕
なおさら大切な点だというふうに思います。
〔私語する者あり〕
政策総点検の財源見通しについては、ないというふうに理解をいたします。目的が、16年ぶりに市長がかわったから、この際、千載一遇のチャンスだから全部見直すということで全部対象にしているんですね。
先ほども言いましたけれども、今までの行革というのは、幾つか抽出をして、そこに民間の方を入れて、丁寧に行革の委員会を開いて、そして改革をしてきたんです。そこから生まれてきた財源というものを次の政策にまた生かすということをやってきたわけですが、今回、全部対象ですから、これをぜひ実行するに当たっては、私はある程度の、このマニフェストとの連動制というのはあってしかるべきだろうと思いますが、もう一回、その点、質問しておきたいというふうに思います。
当然、選挙で掲げた政策の実現に必要な財源を見出すためにやるんだと、こういう理解でないと政治姿勢が問われるというふうに私は思っております。
これから頑張るというふうに言われる市長の芽を摘むような態度までは考えておりませんけれども、言っておられることがかなり大きなことであることは言うまでもありませんので、そういう認識を持って、従来の行革以上の成果を生んでこその政策総点検という事業なんだろうと私は理解しておりますが、この点も指摘して再々質問、先ほどの2点、お尋ねしておきたいと思います。
80: ◯議長(
信田朝次君) 市長、柴橋正直君。
〔柴橋正直君登壇〕
81: ◯市長(柴橋正直君) 和田議員の再々質問にお答えをいたします。
私の政策の進捗管理につきましては、私自身が政治家としてやりますので、そのように理解いただきたいと思います。
2つ目の政策総点検の財源の見通しはないということについての件でございますが、私が再三申し上げているのは、まず、プロセスが大事だということ。そのプロセスの中で特に重視しているのは、成果ということを今回の政策総点検で考えてもらいたいということでございます。
常々各部は、次年度の予算編成をするときには前の年度に取り組んだ予算がどうであったかということを当然考えるわけでございます。ただ、それは、予算をつけて無事執行できたからよかったということにとどまらず、じゃ、その結果としてどういう成果が上がったということを今回の政策総点検を通じて、成果の部分に着目をしましょうということを申し上げているわけでございます。
したがって、この成果について着目をするということは、別に今年度限りではなくて、新年度の予算をつくるに当たっても、その政策がきちっと成果があるかどうかと、こういったこともしっかりと念頭に置きながら、各部には予算編成に当たってもらいたいと。そういう文化をこの岐阜市役所の中でつくっていくことが、市民の皆さんにも、そして市政の発展にもつながっていくものと確信をいたしております。
82: ◯議長(
信田朝次君) 9番、小堀将大君。
〔小堀将大君登壇〕(拍手)
83: ◯9番(小堀将大君) 議長より発言の許しをいただきましたので、通告に従いまして順次質問をさせていただきます。
初めに、健康寿命延伸の取り組みについて質問をいたします。
高齢化が進展する中で、社会保障費の増加が続いています。今後さらに進む高齢化に伴う社会保障負担、とりわけ医療費、介護費用は大幅な増大が見込まれています。
5月21日、経済財政諮問会議が公表した2040年を見据えた社会保障の将来見通しでは、現在の2018年度で49.9兆円となる医療費及び介護給付費が、団塊世代が75歳以上となる2025年度には約63兆円、団塊ジュニア世代が65歳以上となり高齢化のピークを迎える2040年度には約94兆円、今の1.9倍になると試算されました。
他方、介護を受けたり寝たきりになったりせず健康で日常生活を送れる期間を示す健康寿命について、厚生労働省の調査では、2016年は男性72.14歳、女性74.79歳であり、平均寿命との差は、男性が8.84年、女性が12.35年でありました。
この平均寿命と健康寿命との差は、医療や介護を必要とする期間ということになりますが、今後、健康増進や介護予防などによって健康寿命が延び、平均寿命との差が短縮できれば、社会保障負担の軽減が期待できます。
世界有数の長寿国となった我が国が目指す方向は、健康面で支障がなく日常生活が送れる健康寿命を延ばすことであります。
本市においても、高齢化に伴い、医療費、介護費用は年々増加し、今後も増大が見込まれることから、健康寿命を延ばし、医療費を抑制する取り組みを計画的に行うことが求められます。
そこで、まず、健康寿命延伸に向けた市民の健康づくりの推進について、健康部次長に伺います。
医療・健康立市を掲げる本市は、第三次ぎふ市民健康基本計画を策定し、誰もが心も体も健康で幸せな健康都市、スマートウエルネスぎふの実現を目指し、各種事業を推進しています。この計画の趣旨に基づき、市民の健康づくり促進の取り組みとして、ぎふ健幸チャレンジ事業が展開されてきました。
この事業は、健康診断やがん検診、健康づくりイベントへの参加などにより付与されるポイントをためて応募し、抽せんでデジタルカメラやクオカードなどが当たるといった仕組みで、平成26年度から実施し、毎年300から700件ほどの応募件数があったようですが、昨年度末で応募を締め切り、事業は終了しています。
そこで、新たな健康増進の取り組みとして、みんなで健幸・みんなで歩こう推進事業が今定例会に上程されていますが、県の新規事業を活用して実施するものというふうにお聞きをいたしております。
県は今年度、健康づくりへの意識を高めようと、新たに清流の国ぎふ健康ポイント事業を創設しました。健康診査の受診や健康講座等への参加などにより健康ポイントを集め、たまった点数により健康グッズや協賛企業の割引サービスなどの特典が受けられるというものです。
この清流の国ぎふ健康ポイント事業について、ことし2月の岐阜県議会定例会において、公明党の水野吉近議員が、事業を推進するに当たっての市町村との連携について質問し、担当部局は、効果的な取り組みをポイントの対象となるよう市町村と検討し、ポイントの特典の設定等は市町村に任せたいと答弁し、実施主体となる市町村が行う健康づくりの取り組みを推進する仕組みとして、県と市町村が共同で推進していくとの方針を示しています。
実施に当たって、より多くの市民に参加していただくために、ポイントの対象となる健康づくりメニューや、それに対する特典の設定等、制度設計が重要となります。
そこで、県の清流の国ぎふ健康ポイント事業を活用した本市の新規事業、みんなで健幸・みんなで歩こう推進事業を、ぜひ市民が主体的に健康増進に取り組め、より多くの市民が健康づくりを楽しみながら参加できる仕組みにしていただきたいと思いますが、具体的にどのように市民に健康づくりを実践してもらう制度設計を検討しているのか、お聞かせください。
続いて、高齢者の社会貢献活動の促進について、福祉部長に伺います。
高齢者の健康寿命を延ばすためには、生きがいを持って地域社会で活躍できる環境づくりが必要であり、元気な高齢者の方々の社会貢献活動を促進することが重要です。
私ども公明党は、高齢者の社会参加について公明党福祉政策ビジョン「新・支え合いの共生社会」の中で、活動寿命という概念を提起し、その延伸に取り組むべきと訴えております。
活動寿命とは、賃金を得るための労働に限らず、ボランティアや地域活動などを通して社会とかかわり、支え合いの社会づくりに貢献できる期間を指します。健康を維持しながら幾つになっても元気に働き、地域への貢献も果たしていく。生涯現役の生きがいにあふれた生活を送る。そうした人々が主役の地域社会の構築が求められます。
これまで国を支えてきた団塊の世代が2025年ごろまでに後期高齢者となり、介護・医療費などの社会保障費の急増が懸念される、いわゆる2025年問題への対策が急務となっている中、高齢者が安心して住みなれた地域で暮らせる地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みが本市でも進められていますが、その実現には、全ての高齢者が必要に応じて適切なサービスを受けられる体制をつくることが必要となります。
しかしながら、近年の社会情勢から、高齢者を公的な福祉サービスだけで支えることは難しい状況となってきており、高齢者を取り巻く生活課題に対し、きめ細かく対応するためには、地域における住民同士の支え合いが求められます。特に、ひとり暮らしや高齢者のみ世帯のごみ出しや電球交換などの日常生活のちょっとした困り事への対応は、地域の元気な高齢者がその担い手となり、日常生活に困難を抱える高齢者を支える仕組みづくりが必要であります。団塊の世代の高齢化に伴い、元気な高齢者の方々が積極的に社会参加や地域の担い手として活躍するための施策が重要となってきます。
地域包括ケアシステムの構築に向けて、また、活動寿命の延伸を図るためにも、社会参加、社会貢献活動を行いたいという気持ちのある人に対し、活動に対する相談や活動機会などの情報提供を行うなど、元気な高齢者の社会参加、社会貢献活動を支援すべきと考えます。
そこで、福祉部長に伺います。
1点目、高齢者のボランティア活動などによる住民同士が地域で支え合う仕組みづくりに向けた現在の取り組み状況と課題、今後の方向性をお聞かせください。
2点目、ボランティア活動の盛り上がりには、やる気を高めるためのインセンティブ、つまり動機づけが必要ではないかと考えますが、見解をお聞かせください。
3点目、支え合いの担い手づくりとして、本市では、支え合い活動実践者養成事業が進められていますが、養成講座の受講修了者が新たな活動を立ち上げようとする際に、どのようなアドバイスや活動の支援を行っているでしょうか。ボランティアを始めてみようと思った場合の相談窓口も必要です。担い手の養成から支え合いの仕組みにどう発展させていくのか、お聞かせください。
次に、障がいのある人に対する相談支援体制について質問をいたします。
障がいのある方や家族、介護を行う方などへの総合的、専門的な相談支援を行う岐阜市基幹相談支援サテライトが、この4月から岐阜市内4地区に開設されました。訪問や来所、電話等により専門職員が相談に応じ、必要な情報の提供や助言等を行う地域の相談窓口となり、身近な相談支援体制の整備に大いに期待をいたしております。
障がいのある方やその家族が住みなれた地域で安心して生活することができるよう支援するために、相談支援は欠かせない重要なサービスであります。障がいのある方のニーズに応じたサービスを調整し、抱える課題の解決や適切なサービスの利用など、自立した生活を支援する身近な相談支援体制の充実が求められます。
平成24年4月の改正障害者自立支援法の施行により計画相談支援が始まり、障害福祉サービスの利用を希望する全ての障がいのある方へのサービス等利用計画が作成されることになりました。
計画相談支援は、生活全体を見通したサービス等利用計画の作成と、サービス利用開始後に継続的に行うモニタリングによって、障がいのある方が希望する地域生活の実現に向けた支援を行います。
この計画相談支援の開始に伴い、相談件数の増加及び相談内容の複雑化に対応するため、障害者総合支援法では、市町村は、基幹相談支援センターを設置することができると規定されています。
基幹相談支援センターは、障がいのある方々が住みなれた地域で安心して生活できるよう各種相談や情報提供などの支援を総合的に行い、必要に応じて専門機関を初めとする関係機関と連携した相談にも対応し、地域における相談支援の中核的な役割を担います。
また、サービス等利用計画を立てる相談支援専門員への助言や指導、専門性を高めるための研修機会の確保や、困難事例への対応などの関係機関との連携等、相談支援の核として、障がいのある方やその家族だけでなく、相談支援専門員やサービス提供事業所もバックアップする重要な役割を担っています。
障がいのある方や家族に対する直接の相談支援に加え、相談支援専門員の後方支援や資質向上の機能を担う相談支援の核となる基幹相談支援センターですが、本市はこれまで、その業務を障がい福祉課の相談係と市内7カ所の相談支援事業所に業務を委託し、連携し一体となって基幹相談支援センターとして機能し対応するというふうにしていましたが、今年度より、サテライト相談窓口として、基幹相談支援サテライトとの名称で市内4地区に開設されました。
そこで、福祉部長に伺います。
基幹相談支援センター及び基幹相談支援サテライトが、どのような機能を有しその役割を担っていくのか、本市にお住まいの障がいのある方々への相談支援体制について、今後の展開をお聞かせください。
また、相談支援を行う上で、障がいのある方の障がい特性や相談歴、支援の方法や手段など、乳幼児期から成人期に至るまでの成長記録や支援内容に関する情報などが必要不可欠となりますが、本市では、その支援ツールとして岐阜市サポートブックを作成し、多くの方に利用されています。
岐阜市サポートブックは、障がいのある子や発達に心配のある子の特性や困り事などを書きとめ、教育、相談、福祉の各支援機関への情報を伝え、ライフステージを通じて、障がい特性をさまざまな生活場面で周囲の人に理解してもらい、途切れのない適切な支援を行うための支援ツールです。
このサポートブックを利用することで、各支援機関において、よりその方の特性に合った支援を考える資料となり、ニーズに応じた適切なサービスの利用や抱える課題の解決など、自立した生活を支援するための一助となることが期待できます。
そこで、各支援機関や相談支援専門員に対し、このサポートブックを積極的に活用していくよう促していくことが重要であるというふうに考えますが、岐阜市サポートブックの現在の活用状況についてお聞かせください。
次に、国土強靱化に関する本市の取り組みについて質問をいたします。
自然災害の脅威から市民生活を守るための防災・減災対策の強化は、まさに喫緊の課題であります。
我が国がこれまで、東日本大震災、阪神・淡路大震災、数々の大型台風など、さまざまな自然災害により甚大な被害を受け、そのたびに長期間にわたり多くの人的、物質的資源を投入し、復旧、復興を図ってきましたが、これらを教訓として、いかなることが起きようとも致命傷を避け、被害を仮に受けることがあったとしても、それを可能な限り最小化し、また、被った被害を迅速に回復することができる強さとしなやかさを持った国土を実現しようとする取り組みが、国土強靱化であります。
国土強靱化に向け、本市は岐阜市国土強靱化推進本部を設置し、国土強靱化地域計画の策定が進められてきましたが、ことし3月に計画が公表されました。今後は、この計画に基づき、地域の強靱化に資する取り組みを計画的に進めて行くことになると伺っております。
国土強靱化地域計画は、東日本大震災の教訓を機に、国が平成25年12月に公布、施行した、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法に基づき各市町村が定めることができる計画で、大規模災害が発生したとき、起きてはならない最悪の事態を想定し、それを回避するために事前に実施する施策ごとの達成度や進捗状況で脆弱性評価を実施する、いわば国土の健康診断であります。
それぞれの地域のどこが強くどこが弱いのかを洗い出し、市民の命を守るために必要な施策の優先順位を示し重点化するのが特徴です。
計画の策定、事業の推進により、今後どのような災害が起きても被害の大きさそれ自体を小さくすることとともに、計画策定後は国土強靱化に係る各種の事業がより効果的かつスムーズに進捗することなどが期待されます。
プログラムごとの目標設定と、工程表作成による進捗管理の導入と、その担当部局を明確にすることにより、取り組み内容や過程等を可能な限り可視化しながら、確実に進捗させることを目指していくことになります。
そこで、防災監兼都市防災部長に、以下伺います。
1点目、策定した計画の概要についてお聞きします。リスクシナリオごとの脆弱性評価及びその評価結果に基づき進める対応方策等、計画の内容について、できるだけ具体的にお聞かせください。
2点目、計画を進めるに当たり進捗管理をどう行っていくのかお聞きします。
国土強靱化の取り組みは、計画の作成がゴールではありません。計画に基づき事業を実施し、強靱な国土、地域を実現することが本来の目的であります。このため、具体的な事業として何を実施するのかをわかりやすく整理するとともに、進捗状況を適宜把握する必要があると考えます。
国及び県においては、そうした内容を整理したアクションプランを作成し、計画の進捗を図っているとのことですが、アクションプランの作成も含め、本市の国土強靱化地域計画の進捗をどのように図っていかれるのか、お聞かせください。
以上で1回目の質問を終わります。(拍手)
84: ◯議長(
信田朝次君) 健康部次長、吉村栄治君。
〔吉村栄治君登壇〕
85: ◯健康部次長兼健康政策課長(吉村栄治君) 市民の健康づくりの推進についての御質問にお答えします。
議員御案内の、岐阜県が今年度から実施します清流の国ぎふ健康ポイント事業にあわせて行う市民の健康づくりを推進するインセンティブ事業、ぎふ健幸ポイントにつきましては、健康づくりに無関心な層を含む多くの市民の方に健康づくりに取り組むきっかけを提供し、健康寿命の延伸を図る目的で実施するものでございます。
市が単独でインセンティブ事業を実施する場合と比較しまして、県との連携により、市内だけでなく、県内の事業協賛店で買い物をする際に割引が受けられるなどのインセンティブがあり、より効果的に市民の健康づくりを促せると考えております。
この健康づくりを実践してもらうため、どのような制度設計を検討しているかにつきましては、事業に参加するには、まず対象となる20歳以上の市民の方に健康づくりのきっかけとなる市が定める健康づくりメニューを掲載しましたチャレンジシートを取得していただきます。1人でも多くの方に参加していただけますよう、チャレンジシートを各市民健康センターや地区公民館などの身近な公共施設の窓口に置くとともに、御協力いただける団体を通じて配布いたします。
チャレンジシートに掲載します健康づくりメニューにつきましては、健康づくりのきっかけを提供するものでございますので、本市としましては、できるだけ幅広いメニューとなるよう、自身の健康状態を知ってもらうための健康診断やがん検診などの受診、生活習慣の改善に関する取り組みとして、栄養・食生活の改善、運動の習慣化、禁煙、適正なアルコール摂取などの実践と、職場や地域の健康づくりにつながる行事への参加などを考えており、このメニューに沿って健康づくりを実践することで健康ポイントが付与され、シートに記録してもらいます。そして、記録した健康ポイントが所定のポイントに達した方は、市民健康センターやふれあい保健センターでそのチャレンジシートを提出していただきますと、県内の事業協力店で──ごめんなさい。──協賛店で買い物をする際に割引が受けられるミナモ健康カードが交付されます。また、後日、県や市の抽せんにより景品をもらう流れであります。
いずれにいたしましても、県や他市町と意見交換しながら事業の立案を進めているところであり、ぎふ健幸ポイント事業に参加してもらうことで、1人でも多くの市民の方に、健康で幸せな生活を送っていただけるよう立案、実施してまいります。
86: ◯議長(
信田朝次君) 福祉部長、高橋弘行君。
〔高橋弘行君登壇〕
87: ◯福祉部長(高橋弘行君) 大きく2点の御質問をいただきました。
まず、高齢者の社会貢献活動の促進に関する3点の御質問にお答えいたします。
1点目の、地域で支え合う仕組みづくりの現在の取り組み状況、課題と今後の方向性についてでございますが、本市では、自治会、社協支部、民生委員、老人クラブ、介護サービス事業者など、地域におけるさまざまな人たちが集い、地域課題を抽出し、地域の強みを再発見し、自分たちでできることを確認しながら、地域で支え合う仕組みづくりを検討する日常生活圏域協議体を19カ所の地域包括支援センター全てで設置しております。
日常生活圏域協議体で抽出された地域に不足するサービスや地域の支え合い活動を具体的な形で創出することを支援するため、市と市社協の支え合いの仕組みづくり推進員が出向き、個々の地域の状況に応じたアドバイスを通じて、買い物支援や集いの場づくりを図ってきております。
地域の課題、地域の強み、実施されている活動や住民の意識などは地域ごとにさまざまであり、これまで支え合いの仕組みづくりは、地域の自発性に基づいた取り組みが重要であるとして実施してきました。
しかしながら、地域には新しい取り組みに懐疑的な方もいらっしゃり、地域の自発性を高めることは容易ではなく、サービスの創出にまで至らなかったケースや、かなりの時間を要するといった課題が見受けられましたので、本年度は、昨年度立ち上がった9カ所の協議体のうち4カ所の協議体を重点地区と位置づけ、新たに民間コンサルタントのノウハウを活用した取り組みを実施したいと考えております。
具体的には、全国の先進事例等をわかりやすく地域住民に示すことや、地域住民に対するニーズ調査や、新たな生活支援サービスを創出するための地域資源や関係者に対する意向調査を行い、地域住民との合意形成を円滑に進めるとともに、事業の流れをマニュアル化するなど、継続可能な生活支援サービスの創出を進めてまいります。
2点目のボランティアのやる気を高めるためのインセンティブについてでございます。
本市では現在、老人クラブ、NPO法人、自治会、社協支部や住民団体など、さまざまな団体が高齢者の閉じこもり防止や介護予防のための体操やレクリエーションなどの活動、あるいは認知症の人やその家族同士が気軽に情報交換できる認知症カフェなど、身近な地域で気軽に集える場づくりを実施されております。
平成28年9月からは、こうした住民主体の活動の支援やNPO、ボランティア団体等による地域の実情に応じた支え合いの仕組みづくりを推進するため、住民主体型デイサービス事業として、その経費の一部を補助する制度を実施しております。
その結果、住民主体型デイサービス事業を活用し、10カ所の老人クラブなどを中心とした元気な高齢者が担い手となる活動が実施されております。
このほか、見守り・助け合い活動の立ち上げに取り組む団体への支援としまして、岐阜市地域福祉見守り・助け合い体制づくり事業を実施しております。
本事業では、高齢者や障がい者などの支援を必要とする人に対する見守り活動の立ち上げを行う社協支部や、電球の取りかえ、庭の清掃など、高齢者、障がい者等を対象とした日常の困り事に対する助け合い活動を行うボランティア団体等に対し、のこぎりや草刈り機、脚立、パソコンなど、初期に必要となる備品等の購入に対する補助を行っております。
平成22年度から平成26年度まで実施したこの制度の前身となる岐阜市福祉コミュニティ構築推進支援事業から数えますと、これまで13の社協支部にこの制度を御活用いただいており、こうしたボランティア活動は、その多くが60歳以上の高齢者により担われていることから、これらの補助制度が元気な高齢者が活躍する場づくりの一助になっていると考えております。
3点目の担い手の養成から支え合いの仕組みにどう発展させていくのかについてでございます。
支え合い活動実践者養成事業は、基礎研修とステップアップ研修の大きく2部構成で、市社協に委託して実施しております。地域の助け合い4機能、すなわち、仲間づくり、課題発見、見守り、助け合いのうち、基礎研修では仲間づくりをテーマとして、主にふれあい・いきいきサロンの運営や住民主体型デイサービスの運営についての研修を行い、ステップアップ研修では、課題発見、見守り、助け合いをテーマとして、地域課題の抽出や見守り・助け合い活動の構築についてのノウハウを習得するための研修を実施しております。
実際に、平成28年度の養成事業の修了者のうち研修受講の翌年にアンケートに御協力いただけた51人のうち、9割近い45人が、地域の活動に参加されているという結果も出ております。
さらに、研修修了者が新たな活動グループを立ち上げる場合には、市社協がノウハウをアドバイスしたり、活動を継続できるよう相談に応じるなど支援を行っており、研修修了者によるサロン活動や住民主体型デイサービスの立ち上げにつながる事例も出てきております。
いずれにいたしましても、地域住民、とりわけ元気な高齢者が主体となる地域の支え合いの仕組みづくりを支援することで、高齢者の一人一人が生きがいを持ち地域で安心して暮らせる社会の創造を目指し、地域包括ケアシステムの深化・推進に努めてまいりたいと存じます。
続きまして、障がいのある人に対する相談支援体制についての2点の御質問にお答えいたします。
まず、1点目の基幹相談支援サテライトとの役割分担についてでございますが、これまで本市では、議員御案内のとおり、障がい福祉課内で基幹相談支援センター業務を担うほか、市内7カ所の委託相談事業所が障がい種別ごとに相談に応じる体制をとってきました。
しかしながら、市民の方にとってはどこに相談したらいいかわかりづらく、また、サービス等利用計画を作成する相談支援専門員が総合的な相談業務と兼務していたため、十分に相談に応じ切れないといった課題がありました。
そこで、本年4月から、これまで障がい福祉課内で行ってきた基幹相談支援センター業務の体制強化を図るため、市内を4地区に分け、その地区ごとに総合相談窓口として基幹相談支援サテライトを設置しました。
このサテライトには、社会福祉士や精神保健福祉士といった国家資格を有する相談支援専門員1名を専従で配置し、障がいのある方や家族に対し、多様な障がいに対する初期相談に応じることとしております。
また、地域包括支援センターや市民健康センターなどの関係機関との連携や調整が必要となる事例への支援を行うほか、相談支援事業所の相談支援専門員への助言指導や、研修実施等による人材育成、関係機関とのネットワークづくり、障がい者虐待や権利擁護に関する支援などを行います。
さらに、各サテライトごとの相談支援能力の均一化を目的として、週に一度、各サテライトの相談支援専門員と障がい福祉課とで相談事案の情報共有を図る連絡会を開催するほか、4カ所の相談支援専門員が集まって情報や取り組みの共有を図る会議を設定しております。
こうした障がい福祉課とサテライトとの連携により、市内全域を網羅する基幹相談支援の体制が整い、障がいのある方や関係機関の方にとっても相談窓口がわかりやすくなったと考えております。
2点目の岐阜市サポートブックの現在の活用状況についてですが、支援を必要とする乳幼児や就学時期のお子さんの保護者に対して、平成28年度は約1,000冊、平成29年度は約700冊を配布しております。
主な配布方法ですが、広報ぎふ6月1日号で市民に周知するとともに、教育委員会が支援者及び保護者向けに、4月から6月にかけて開催する就学に関する学習会、10月に開催する就学相談会並びに子ども・若者総合支援センター「エールぎふ」が行っている幼児支援教室において配布したほか、市内の児童発達支援事業所、障害児相談支援事業所、市民健康センターなどの窓口で希望者に対して随時配布いたしております。
また、毎年4月から5月に行う相談支援専門員を対象とする学習会や、市内の障害福祉サービス事業所に向けた集団指導の場においても岐阜市サポートブックを紹介して、活用していただけるよう御案内をしております。
さらに、本年2月に教育委員会が開催した市内小中学校の特別支援教育コーディネーターに向けた研修会において、就学、進級、進学、就職といったライフステージの移行の際に一層活用していただくために、幼児支援教室から小学校へ引き継いだ事例や、相談支援専門員が特別支援学校と情報共有を図っている事例、特別支援学級に通う児童の担任と保護者との間で情報共有することができた事例を紹介いたしました。
いずれにいたしましても、岐阜市サポートブックについて、今後も引き続き支援を必要とする乳幼児や就学時期のお子さんの保護者への周知、配布を行い、学校や障害福祉サービス事業所など、支援機関へも積極的な活用を促し、乳幼児期から成人期に至るまでの途切れない支援体制の充実に取り組んでまいります。
88: ◯議長(
信田朝次君) 防災監兼都市防災部長、田中光弘君。
〔田中光弘君登壇〕
89: ◯防災監兼都市防災部長(田中光弘君) 国土強靱化に関する本市の取り組みについて、2点の御質問にお答えいたします。
国土強靱化とは、いかなる災害が発生した場合においても致命的な被害を回避し、被害を仮に受けることがあったとしても、被害を可能な限り最小化し、迅速に回復する強さとしなやかさを確保しようとする取り組みでございます。
そこで、1点目の岐阜市国土強靱化地域計画についてでございます。
本市においては、南海トラフ巨大地震、台風や線状降水帯などによる集中豪雨により、水害や土砂災害が起こることが予想されます。このため、平成28年12月に岐阜市国土強靱化推進本部を設置し、国土強靱化基本法に基づき国土強靱化地域計画の策定に着手いたしました。
策定過程においては、まず、起きてはならない最悪の事態、いわゆるリスクシナリオを25項目設定いたしました。次に、それぞれの事態を回避するために効果がある施策について脆弱性を評価し、評価結果に基づき強靱化を進めるために必要となる対応の検討を行ったところでございます。
具体的に申しますと、情報伝達の不備等による避難行動のおくれによる多数の死傷者の発生というリスクシナリオでは、情報伝達のため整備している防災行政無線の脆弱性について、落雷によるスピーカー機能が喪失する可能性が高いと評価し、現在行っている定期的な点検に加え、落雷対策を実施することといたしました。
また、市街地での大規模火災の発生というリスクシナリオに対しましては、消防水利の確保に当たり、水道管の被災等により、消火用水を確保できないおそれのある地域があると評価し、耐震性貯水槽を未整備地域に整備することといたしました。
さらに、地域交通ネットワークが分断するというリスクシナリオに対しましては、大規模地震後の通行不能により生命に係る物資の供給や救援活動に支障が生じると評価し、現在国において整備が進められております東海環状自動車道につながるアクセス道路の整備を平成34年度を目標に進めることといたしました。
これに加え、緊急輸送道路を補完する道路ネットワーク上の橋梁の耐震化を進めることといたしました。
このようにリスクシナリオごとの脆弱性の評価結果に基づく対応策を施策分野ごとに整理の上、有識者及び関係機関への意見聴取、パブリックコメントを経て、本年3月に計画を公表したところでございます。
2点目の計画の進捗管理についてでございます。
岐阜市国土強靱化地域計画の計画期間は、平成30年度から平成34年度までの5年間としております。この中で、限られた資源で強靱化を進めるため、25項目のリスクシナリオのうち、特に優先的に取り組むべき10項目を選定して進めてまいります。
また、計画の確実な実施には、進捗状況を把握し評価していく必要がございます。
このため、今年度は計画実施の初年度となりますことから、計画に基づく施策の実施状況を確認し、その結果に基づき、来年度より年度ごとの実施内容を明確にするアクションプランを作成の上、施策の進捗を指標値により把握、評価を行い、必要に応じて施策の見直しや施策を追加するなど、計画の進捗管理に努めてまいります。
〔「議長、9番」と呼ぶ者あり〕
90: ◯議長(
信田朝次君) 9番、小堀将大君。
〔小堀将大君登壇〕
91: ◯9番(小堀将大君) それぞれ答弁いただきまして、ありがとうございました。
再質問はございませんが、意見等を述べさせていただきたいと思います。
健康寿命の延伸についてでありますが、健幸ポイント事業の制度設計につきましては、ぜひ多くの市民の方々に参加していただけるような幅広い企画立案をお願いしたいというふうに思います。
また、高齢者が地域で支え合う仕組みづくりを進める中で、地域の自発性に基づいた取り組みが重要であるが、新しい取り組みや自発性を高めることはなかなか容易ではないというふうに課題認識された答弁でありましたが、2020年、また、2040年を見据えますと、さらなる担い手の発掘が必要であります。徐々に広がりつつあるという今の補助制度に加えて、ボランティアの盛り上がりを求めるには、やはり何らかのインセンティブが必要だというふうに思います。モチベーションを引き出す動機づけとなるような多様な手法も検討していただきたいというふうに思います。
ちょうど健康部のほうで健幸ポイント事業ができますので、ポイントの対象となる取り組みの中には、ぜひボランティア活動や地域活動なども対象にしていただいて、インセンティブの1つとしてはどうかと思います。多くの市民に参加していただくためにも、また、支え合いの仕組みづくりのためにも検討していっていただきたいというふうに思います。
障がいのある方への相談支援についてでありますが、障がいにまつわるあらゆる不安や心配事に対する相談を受け付ける総合相談窓口として、大変わかりやすく、また、重層的な相談支援体制が構築されました。
身体障がい、知的障がい、精神障がい等、多様な障がいに対する初期相談に応じ、市の関係部局と連携するほか、医療機関や就労支援機関など、多岐にわたる支援団体、機関へと橋渡しを行っていただき、日々の生活の中で生きづらさを抱えている方々が、今どんな困り事があるのか、どんな生活を送りたいかということを御本人、御家族と一緒に考えていただき、解決までしっかりと見届けていただけるような包括的な相談支援をお願いしたいと思います。
サポートブックも、あらゆる機会において配布していただいて、随分浸透してきているようであります。今後も、各支援機関へも積極的な活用を促していただきながら、新たな相談支援体制の中でも一層活用していただき、円滑な支援につなげていただきたいと思います。
引き続き、途切れない支援体制のさらなる充実に努めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
国土強靱化の取り組みについてであります。
政府は、計画に対する財政支援として、平成30年度予算において、各市町村が策定した国土強靱化地域計画に基づき実施する取り組みに対し、関係府省庁所管の交付金、補助金等による支援を講じるとともに、その交付の判断において一定程度配慮するというふうにしていますので、ハード面の強靱化がより一層期待され、着実に地域住民の方の安心につながっていくものというふうに考えます。
答弁では、来年度からアクションプランを策定して、毎年の進捗状況を把握、評価しながら進めていくとのことでありました。
南海トラフ巨大地震の30年以内の発生確率が70%から80%に見直されました。刻一刻と巨大地震が迫っております。本市全域にわたる強靱な地域づくりに向けて、着実かつ迅速な推進をよろしくお願いをいたします。
以上で質問を終わります。
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延 会
92: ◯議長(
信田朝次君) お諮りします。本日の会議はこの程度にとどめ延会したいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
93: ◯議長(
信田朝次君) 御異議なしと認めます。よって、本日はこれで延会することに決しました。本日はこれで延会します。
午後4時41分 延 会
岐阜市議会議長 信 田 朝 次
岐阜市議会副議長 谷 藤 錦 司
岐阜市議会議員 江 崎 洋 子
岐阜市議会議員 井 深 正 美
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