上越市議会 > 2000-09-25 >
09月25日-02号

  • "飯交差点"(/)
ツイート シェア
  1. 上越市議会 2000-09-25
    09月25日-02号


    取得元: 上越市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-25
    平成12年  第4回(9月)定例会        平成12年第4回上越市議会定例会会議録(2日目)                                 平成12年9月25日(月曜日)出 席 議 員    1番   栗  田  英  明          2番   岩  崎  哲  夫    3番   佐  藤     敏          4番   古  澤     弘    5番   仲  田  紀  夫          6番   森  田  貞  一    7番   渡  辺  明  美          8番   近  藤  彰  治    9番   上  松  和  子         10番   水  澤  弘  行   11番   杉  本  敏  宏         12番   樋  口  良  子   13番   大  島  武  雄         14番   山  岸  行  則   15番   坪  井  正  澄         16番   市  村  孝  一   17番   小  林  克  美         18番   早  津  輝  雄   19番   西  沢  幹  郎         20番   永  島  義  雄   21番   小  林  林  一         22番   船  崎  信  夫   23番   牧野島      清         24番   田  村  恒  夫   25番   本  城  文  夫         26番   星  野     実   27番   市  川  文  一         28番   小  林  章  吾   29番   渡  辺   一太郎         30番   石  平  春  彦説明のため出席した者 市    長  宮  越     馨 副  市  長  山  口  弘  司       副  市  長  永  井  紘  一 副  市  長  大  野     孝       副  市  長  藤  原   満喜子 副  市  長  横  田  直  幸       副  市  長  井  上  隆  邦 収  入  役  松  苗  正  彦       教  育  長  斉  藤     弘 政策審議局長  中  川  周  一       総務課長    東  條  邦  俊 財務課長    三  上  雄  司        都市計画課長  野  口  和  広                          介護・健康 農林水産課長  駒  沢  定  雄               高  橋   美智子                          づくり課長                          文化生涯 地球環境課長  寺  田  清  二               田  村     博                          学習課長                          教育委員会 ガス水道局長  佐  田  克  巳               小  池     衛                          事務局長 教育委員会         杉  山   百合子 委員長職務のため出席した事務局職員 事務局長    伊  藤   三津雄       次    長  白  石  行  雄 係    員  高  原   るみ子       係    員  川  瀬   ゆかり議 事 日 程  第1 会議録署名議員の指名  第2 一般質問本日の会議に付した事件  第1 会議録署名議員の指名  第2 一般質問 早津輝雄、近藤彰治、坪井正澄、古澤 弘、杉本敏宏、栗田英明、山岸行則、森田貞          一  会議時間の延長          午前10時0分 開議 ○石平春彦議長 これより本日の会議を開きます。 △日程第1 会議録署名議員の指名 ○石平春彦議長 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において森田貞一議員及び永島義雄議員を指名いたします。 △日程第2 一般質問 ○石平春彦議長 日程第2、一般質問を行います。 今期の通告者は14名であります。あらかじめ定めた順序によって、順次質問を許します。 念のため申し上げます。議会運営委員会の決定に基づき、1名の質問時間と答弁時間を合わせて原則として40分、1時間を超えないこととなっておりますので、質問に際して御注意願います。 18番、早津輝雄議員。          〔早 津 輝 雄 議 員 登 壇〕 ◆18番(早津輝雄議員) おはようございます。私は、さきに通告いたしました事項について市長並びに教育長及び教育委員長に2件に関し質問申し上げます。 まず、下水道工事等に伴う安全対策についてであります。具体的には、交通誘導員の労務費暴落による工事現場の安全性が危惧されている点であり、具体的には現場の実態を申し上げますと、警備会社は工事の元請会社より受注していることが多いと思われますが、不況の折から経費節減のしわ寄せが交通誘導員の労務費カットに謙虚にあらわれており、結果として工事現場の危険性を増しております。工事現場を通る市民や工事現場周辺の住民の不安が日々高まるばかりであります。重大事故が発生してからではいけません。私が今回取り上げたのは、市が関係する下水道を象徴的に見て申し上げております。下水道のほかにも、ガス工事現場、その他の施設工事現場など、市内にはさまざまの公共工事現場があります。さらに、民間の工事現場もあります。いろいろ工事現場がありますが、ここでは市の工事現場を取り上げております。 今日的問題の交通誘導員の現場での指摘点として申し上げますが、労務費が元請より強く下げられるものですから、結局は警備会社も苦しみ、交通誘導員の最初の数日間の教育訓練を省略して即現場に出しているのが全部ではありませんが、実態であります。教育訓練がいかに重要かは現場の安全性と直結しております。この意味は、御説明するには及ばないものと思います。警備会社は、教育訓練の期間は、賃金は会社負担となり、ユーザーからの収入にはなりません。ですから、教育訓練を省略して、従業員を採用した朝30分くらいやり方を簡単に教えて、即現場へ出してしまうのであります。これならその日から賃金収入になるからであります。 こうした実態の中から、社会保険の加入を今まで入っていたのを中止したりなど、身分の保障がどんどん低下、悪化してまいりました。社会保障が高まる新しい時代とはこの業界は逆行し始めました。大変困った現象であります。最初の教育訓練の義務づけは、警備業法で規定されていますが、最近ではこのような極めて苦しい労務費状況から警備業法違反の実態であります。業界の団体としては、県に社団法人新潟県警備業協会というものがあります。この団体の実質的最高責任者が専務理事と思われ、その専務理事が県警幹部の退職者であり、歴代こうした人事状況であります。 この団体がかかる実態に危惧を感じて新潟県や北陸地建などに要望陳情をいたしました。この要望文書の中に公共工事設計労務単価は、交通整理員の場合あくまで直接賃金であり、裸単価であるにもかかわらず、警備料金と誤解し、値下げを要求するという混乱が起きており、労働時間短縮や警備料金低落の追い打ちで苦しい環境下にある。交通誘導員の業務が騒音や排気ガス、汗とほこりにまみれ、かつ誘導の是非によっては過失致死傷害罪に問われるほど責任のある業務と説明しております。交通誘導員の現場における業務の重大責任とあわせ、一日じゅう立ちんぼの仕事は、朝から夕方までの長時間見た目よりははるかに大変な仕事であり、理解してあげるべきであります。業界が県土木部長への要望活動の席上、県土木部長は交通整理員の業務は、実に大変責任ある業務と理解している。交通整理員の労務単価は裸単価であることは、至極当然であり、徹底していないならば今後とも会議等でさらに徹底するように努めさせると回答されました。市におかれても、こうした経緯を深くしんしゃくされて対応してほしいと考えますが、答弁を求めるものであります。 市には、入っていないということでありますが、建設省から県にはこの趣旨の件で通達がなされております。さらに、私の手元には入手しておりませんが、平成11年12月に再度建設省から労務単価で異例の通達が出されております。この件で質問の結論を申し上げます。工事現場における交通整理員の訓練不足や労務費の問題などからして、市民の危惧が広まっていることへの対応はどうかということ、建設省や県が認識しているように、労務費に間接経費を上乗せした額の適正化に関し、どのように考えておられ、また改善をどう進められようとしているかをお聞きしたいと思います。諸法令に基づく料金試算例の他県での実例数値を入手しておりますが、答弁をいただいてから判断した上で再質問のときに事例として明らかにしてみたいと思います。 毎年10月労務単価決定のために調査対象工事を選定し、対応されておりますが、実例は月額給与の日額換算、交通費、社会保険、賞与引当金、退職金引当金、被服装備費、福利厚生費、教育訓練費、一般管理費で積算して実行している某県の事例があり、模範的と言ってよいと思われます。元請と交通誘導員、または警備会社の間における賃金の問題は、当事者間の問題であり、自由経済競争の原則から市は介入しないと言われるかもしれませんが、市民を危険から守る点と、市が発注者という点で自由競争の範疇と言って逃げることはできないと考えます。 さらに、こうした実態にかんがみ、市の新しいあり方として、市の公共工事に関し、今後は本体工事と交通整理などの警備業務を別に入札する方法は検討課題にならないかをお聞きしたいと思います。 次に、教育行政について教育長並びに教育委員長にお尋ねをいたします。まず、いつものように年度当初より夏休み終了時の8月末日ころまでの間の児童生徒の問題行動についてすべて明らかにしてください。学校名や個人名をお聞きしておりませんので、先般のように意識的に隠すようなことのないようお願いをしておきます。 次に、学校給食衛生管理の基準に関し、過去3カ年の対応経過と今般発生した雪印加工乳による黄色ブドウ球菌食中毒事件に伴う対応経過について説明してください。なお、学校給食衛生管理の基準については、食材の購入に関し、食材納入業者の選定、食材納入業者の衛生管理、食材の選定について7項目の基準に照らして上越市ではどうなのかを明らかにしてください。そして、この基準とは異なる形をとっているものがありますが、それはどういう理由からか。そして、それは具体的には何かを明らかにしてください。以上2件は斉藤教育長にお尋ねをいたします。 これから2件は杉山教育委員長にお聞きしてまいります。なお、具体的な質問に入る前に申し上げておきますが、私は教育委員会の件を時々一般質問で取り上げているのは、御承知のとおりであります。これは単に問題事案を興味本位で取り上げて得意になったり、教育委員会を困らせようなどという考えでは毛頭ありません。恐らくそのようにはとっておられないとは思いますが、くれぐれも誤解のないように先般も申し上げましたが、再度申し上げておきます。 私は、個人的には斉藤先生や杉山先生をだれよりも尊敬しております。子供たちの健全育成という目的では、考え方が一致しているものと思います。そのための職務同志の論議というように深く御理解をいただきたいのであります。問題事案を通して、教育委員会の姿勢が私には顕微鏡のように見えてきます。問題行動に対する対応ばかりが教育委員会の仕事だなどとは考えておりません。問題なく健全に勉学に励んでいる児童生徒の方が圧倒的に多いこと、指導助手など、さまざまな形で現場の本分の遂行に市と教育委員会が他市の模範とも言える努力が続いていることは私の最も高く評価しているところであります。しかし、一方でクラスにおいては、わずか一握りの児童生徒の問題行動だとはいえ、クラス全体に現実として精神環境の上で、また幼児期の微妙な心理に深く悪い影響を与えることを心配するからであります。上越市には、財産はたくさんあります。港も、春日山も、公園も、数え切れないほど有形の財産があります。しかし、それも大事でありますが、それらのどれよりも最大の財産は上越市の子供であります。上越市の宝は子供であります。この哲学が教育の指導機関である教育委員会の哲学でなければならないと私は考えます。そして、問題行動の完全解消が理想であります。理想状態は現実としては無理だとしても、減少へのたゆまぬ努力は常に課題であると思います。そして、このような問題行動は、当事者や学校、家庭と教育委員会だけで解決できるものではありません。他人の子も我が子と思ってというスローガンのように市民総ぐるみの日常対応機運が必要であります。この哲学に基づいて、以下杉山教育委員長に質問をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。 昨年7月17日の高校生や有職少年による中学生への集団リンチ傷害事件のことについて先々回の一般質問に引き続き質問をさせていただきます。今回はなぜ教育長に答弁を求めず、教育委員長にさせていただいたかと申しますと、先々回の一般質問で教育長の答弁がなされており、この件ではそれ以上は無理なのだろうと判断したからであります。あのときは事件は7月にあり、9月議会でも12月議会でも委員会などで何らの報告もなく、12月議会最終段階の一般質問で私の方から事件発生の事実を初めて明らかにしたのであります。ですから、私の一般質問の翌日、新聞に初めて大きく報道されました。私は、事件の当事者の氏名や学校名を求めませんでした。私のねらいは、当事者だけでこの種の問題はとても解決できるものではないので、少なくとも議会や関係機関に事件の概要を速やかに知らしめて、総ぐるみで再発防止に取り組むべきだと申し上げながら、教育委員会の姿勢を見せてもらったわけであります。 そのときの教育長の答弁は、ここに議事録を持参しておりますが、ちょっとだけ議事録の該当部分を読み上げさせていただきますが、「傷害事件とともに、相当深刻ないじめ事例等は市内の中学校に存在しておりまして、非常に緊迫性のある事態がございます。私が申し上げるのはあれですが、やはり常に不安を感じながら学校の対応を見守っているところでございます。しかし、対応の仕方としましては、皆さんの御要望にこたえるような積極性、緊迫性があったかどうかと言われますと、十分であったとは申し切れないことも重ねて申し上げたいと思います。しかし、事態の深刻性につきましては、常に十分配慮し、できるだけの体制づくりに努めているところであります。例えば警察犬の導入ももちろん行っております。また、関係機関との綿密な連携も行っております。」というのが答弁であります。答弁はされておりますが、傷害事件についての私の最も願っている点に関しては答えておられません。議事録の文言を詳細に分析した結果であります。 この種のリンチ事件は、場合により殺人事件に発展することがよくあります。この辺の認識にどうも私とは大きなずれがあるようであります。そして、私が本件を通して求めた事件の概要の報告の速やかな措置や再発防止の善後策等、これらのことが具体的に伝わってこないのであります。抽象的な言葉で答弁が並べられているのみと断定いたしました。答弁が立派だったからもうそれは解決などとは私は見ていないのであります。答弁の後、次の一般質問までの間の教育委員会や現場を強い関心を持って点検しております。私が現場に入っている実態は御承知のとおりであります。現場を知ることで皆さん方の指導部の実態がよく把握できるからであります。真剣に考えてこの傷害リンチ事件を取り上げた私の質問に、正面から受けて誠意を持った答弁をいただけず、抽象的な答弁に終始されたことは、大変残念でなりません。私と皆さんとの信頼関係はこれを機に最悪の方向と判断しております。最悪の方向と表現しているには、それなりの意味があるのであります。このことについては、いずれ明らかにしてまいります。 この事件については、上越で私が初めて公表したのでありましたが、当時は私の情報も十分ではありませんでした。しかし、時間がたつにつれてわかってまいりました。さらに、はっきりしてきたことは、教育委員会が秘密に秘密を重ねておく必要があったとは思えないということであります。再度申し上げますが、個人名や学校名の公表を迫ったわけではありません。なぜ事件の概要を一日も早く公開し、議会にも報告し、広く市民の皆さんに総ぐるみでの再発防止啓発ができなかったのかという点であり、質問の要旨もここにあるわけで、改めて教育委員長に同じ質問をし、答弁を求めるところであります。 その後警察も本件傷害事件の概要を公表しております。その文言は、有職少年及び高校生5名による傷害、暴行事件と事件名をつけ、さらに事件の概要としては、少年等は砂浜にいた中学生グループに態度が生意気だとして因縁をつけ、中学生4名の顔面、腹部等に殴るなどの暴行を加え、2名に傷害を負わせたというものであります。教育委員会もなぜこの程度の内容で概要を事件後速やかに対応できなかったのかということであります。春日中学の伊藤君の死亡事件があって、全国に上越市のことが報道され、いじめ事件の象徴的都市として関心を全国的に集め、再発防止にあらゆる努力を払ってきたはずであります。私にはとてもこれらの経過を考えますと、本件に対する対応のありさまはとても考えられません。 再度教育委員長にも申し上げますが、事件を興味本位で何度も取り上げているのではありません。事案を通して指導機関である教育委員会の姿勢をお尋ねしたり、市民総ぐるみの対策を模索するためであります。私のこの考え方が間違っていましたら本会議の場であっても構いませんので、私に注意の指摘をしていただいて構いません。もし私の考え方が誤っていれば、即刻素直に改めます。よろしくお願いをいたします。私は子供のことでは日々真剣であります。この件で誠意ある答弁がなされるまで、今後一般質問で何回でも繰り返し繰り返し取り上げてまいります。私も教育関係の一般質問を過去何回かやっておりますが、今回は最も厳しい言葉で表現させていただいております。なぜ早津がそこまでになっているのかそのことは理解できますか。リンチ事件を私は過去2回の一般質問で取り上げました。議事録を詳細に読み返してみましたが、きちんとした形での事件の経過や報告をしていない状況です。答弁では触れておりません。指摘は甘んじて受けるとか、警察犬だとか、関係機関との密接な連絡などという用語を並べての答弁では、私からするとお話になりません。真剣に子供たちのあすのことを考えて申し上げているのに、真剣に答えておられません。提案や問題提起を率直に受けとめて、具体的な方向性や対応方針を明らかにされるのでなければ、子供の将来が不安だという前に教育委員会の将来と現在が不安だと言わざるを得ません。 リンチは、いじめ事件の範疇であり、延長線上の最大の行為と認定されています。これは現在、社会の判定であります。いじめが死亡事件として再発した上越市において、当時いじめ解消からいじめ根絶に切りかえて、宮越市長を先頭に行政、教育委員会、学校、PTA、家庭など、市民総ぐるみで誓い合ったはずでありませんか。あれは何だったんでしょうか。あのときの気持ちはどこかへ吹っ飛んだんでしょうか。中国の有名なことわざにのど元過ぎれば熱さを忘れるという言葉がありますが、時期が過ぎたら誓い合った心をすっかり忘れたということになりませんか。私の指摘が間違っていたらこの場で反論を、指摘をしてください。私から言わせると、今のあなた方はとても視野が狭く、マンネリ化しているのではないかと日々不安が高まるばかりであります。反論の指摘を答弁でどうぞしてください。 日本政府は、ようやくここ数年の子供たちの現状を見て、このままでは日本の将来が危ないと気づき、次の国会は教育国会にするとまでランクを上げて取り組み始めました。最低でも10年遅いんです。そして、教育現場に奉仕活動を取り入れたり、その他教育改革案を打ち出しました。それはそれでよいのですが、私に言わせるともう一本の柱が大きく欠如していると言わざるを得ません。現場だけで逆立ちする努力をしても、まず目的達成は無理であります。それは、国民総ぐるみでというのがないからであります。国民総ぐるみ、県民総ぐるみ、市民総ぐるみということが大切なんです、こういう事態のときは。杉山教育委員長はそう思われませんか。答弁してください。 その根底には、何回も申し上げますが、我が子も人の子もという思想が大切なんです。昔の日本はそうでした。それがここ20年から30年の間に吹っ飛んでしまったのです。この思想を取り戻すための第一歩を踏み出すべきであり、10年かかって今の子供たちを不安定にさせたとすれば、その回復には10年から20年はかかるでしょう。でも、始めなければ取り返しがつかなくなるのです。はっきり言えることは、子供が悪いのではないということです。国の子供の将来が、県の子供の将来がという前に足元の我がまち上越市で市民総ぐるみでという運動の展開の考え方を進められる考えがあるのかないのか。この際はっきりと答弁してください。それを受けて今後の対応の参考にします。私の質問にメモをとりながら答弁漏れのないようによろしくお願いをいたします。 9月16日の新聞に新潟市の主婦がこんな投書をしております。生徒たちの余りの乱れた行動に憤慨しています。衣服の乱れ、頭髪、化粧違反は序の口、コンビニ前で買った弁当をしゃがんで食べ散らかし、容器をけったくっていたグループ、平気で通行人の邪魔をして化粧直しをする女の子、たばこを吸い、ジュースを飲み、その場に散らかす、やりたい放題、このままでは我が国の将来はない。新潟も同じだと嘆いておられます。杉山教育委員長は、問題行動の現状をどう認識しておられますか。認識を明らかにしてください。私は、上越はここまで落ちているとは思いたくありませんが、将来が危ないという認識は新潟の主婦の方と同感であります。少しずつでもよいから、市民総ぐるみでの対応が必要と考えます。 触らぬ神に祟りなしという言葉もありますが、こうした最近の世の中では本当に日本のあすはないと思います。よその子も我が子と思ってという思想をもう一度考える必要があると思いますが、お考えをお聞きしたいと思います。もし同感であれば、この思想と実践の具体策を明らかにしてください。協力精神、世のため、人のために尽くすという貢献精神、他人の子にも声をかける愛和の精神、これらが日本からすっかり消えてしまいました。自己中がはやり言葉となり、世相を象徴しております。この辺で大きくカーブさせ、しっかりした日本、しっかりした上越を目指そうではありませんか。その目標はやはり上越の宝である子供たちへの市民総ぐるみの取り組みだと信じます。 最後に、高校生をターゲットにした宗教事案に伴う中学生への影響を懸念する問題認識と現場及び父兄への指導をどうしているかをお尋ねをいたします。 以上質問させていただきましたが、よろしくお願いをいたします。 ○石平春彦議長 宮越馨市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 初めに、私に対する質問にお答え申し上げます。 下水道工事等に伴う安全対策についてでありますが、まず交通整理員の労務費下落に伴い工事現場の安全対策にしわ寄せが来ているのではないかということでございますが、当市はみどりの生活快適都市・上越を目指して各種の社会資本整備を積極的に進めているわけであります。特に公共下水道については、毎年重点事項として整備をしておりますことは、既に御案内のとおりであります。一部下水道に対して異論があるようなところがありますけど、このことがきょうの新聞にも出ておりますが、日経の調査によりまして上越市が大変先進的な取り組みで行政サービス、またいろんな改革度が全国一ということが調査結果で出ておりますけど、この下水道整備もここのところ私が市長になってから相当進めてきた結果として、行政サービスが相当進んできたという高い評価を得ております。これは、私どもの市ばかりでなく、全国的にまだまだ下水道整備が低いということで、公共事業、こういったことをやりますと、また従来型の公共事業ということで批判されている面もありますけど、とんでもない話をしていまして、特に下水道整備は何にも増して進めていかなきゃならんということで、私ども上越市におけるみどりの生活快適都市を実現するためにも欠くことのできない非常に重要な事業であるわけでありますが、その結果各地区で下水道工事が全面的に展開をしておりますから、多少市民生活に御不便を来していることに対しては、まことに申しわけないわけでありますが、一たんこういった特に下水道整備みたいなものについては、終末処理場をつくって、一体的にネットワークを組むわけでありますから、手がけたら早く完成させるという、こういう性格のものでありますから、あちらこちらで事業がふくそうしているぐらい進展しておりますが、これは市民からいただいた税金やら、いろんな財源を有効適切に使っているということで、ぜひこれは御理解をいただかんと前へ進まないわけであります。 ところで、こういった交通整理員が警備業法によって都道府県公安委員会の認定を受けた警備業者に所属する者と定められており、通常、各工事現場には元請業者との契約に基づいて警備業者からそれぞれ交通整理員を派遣する仕組みになっております。そして、交通整理員は交通の安全と車両の円滑な流れの確保等重要な役割を担っておりますことから、警備業法では警備業者において交通整理員に対する安全教育の実施と必要な指導監督を行わなければならないと定められております。公共下水道工事などで交通整理員の配置が必要な工事箇所の実施設計に当たっては、作業工程により算出された交通整理員の人数に労務単価を乗じて安全費として計上するとともに、安全訓練等に要する経費や福利厚生費などの現場管理費と一般管理の経費も加算した額を設計に組み入れております。 また、交通整理員の設計単価については、県土木部の土木工事設計単価表により積算しておりますが、平成8年度の実施された会計検査院の全国的調査によって、市場価格として公表されている財団法人建設物価調査会の単価と比べ、その単価が約45%も高いことが指摘されました、会計検査院の調査によって。ですから、もともと高かったということで、平成9年度に現在の単価方針へと改められたものです。これ下落というよりも、検査院のチェックによって高過ぎるから適正に是正せよということで改められたものであります。ちなみに新潟県における交通整理員の労務単価は、全都道府県中高い方から数えて5番目であることを申し添えさせていただきます。ですから、下がったといっても新潟県全体の水準は高いということで御認識いただきたいと思います。 したがいまして、交通整理員の労務単価の引き下げが安全対策に影響しているとは考えておりませんが、市では今後とも元請業者に対し、規律ある交通誘導の励行等について、一層の指導を行ってまいりたいと考えております。また、下水道工事等による交通の安全確保を図るため、交通量の多い道路等の工事現場における交通整理員については、警備業法で定める高度な交通誘導の技術、知識を身につけた交通誘導警備検定資格者の現場配置など、今後とも安全対策について十分配慮してまいりたいと考えております。 次に、今後市の発注工事に関し、交通整理など警備業務を本体工事と別に発注する考えはないかということでございますが、今ほど申し上げましたとおり、下水道工事は道路上で行う工事がほとんどであり、元請業者は工事に先立ち建設機械や資器材、作業員並びに交通整理員の作業工程など、綿密な工事施工計画を立て、道路使用許可申請を所轄警察署に提出しております。警察署では、特にラッシュ時における交通整理員の配置場所や人数、また交通規制標識の設置などについて細部にわたる指示がなされた上で道路使用が許可されることになっております。また、工事施工中に交通渋滞が発生した場合、警察からその都度元請業者に対し交通整理員の増員を指示されたり、掘削中に地下水が噴出した場合などの不測の事態にも臨機応変に対応しなきゃならないという性格を持った工事であります。これらのことから、交通整理員の労務費については、本体工事に含めて積算する現在の発注方法が適切であると判断しております。 いずれにいたしましても、子供やお年寄りなど歩行者が通り、また多くの車が行き交う道路上での工事に万が一にも事故が発生しないよう今後とも元請業者等に対し交通安全対策に万全を期すよう強く指導してまいりたいと考えております。 以上です。 ○石平春彦議長 斉藤弘教育長。          〔教 育 長 登 壇〕 ◎斉藤弘教育長 続いて、教育行政についてお答えいたします。 初めに、年度当初から8月末までの児童生徒の問題行動についてお答えいたします。児童生徒の問題行動をという御質問ですが、ここでは市教育委員会が把握している小中学生に絞って御報告申し上げます。 4月以来27件の問題行動の報告がありましたが、そのすべてについて個々に申し上げることは、時間的にも、内容的にも困難な点がございますので、反社会的な行動を暴力、窃盗、薬物、不良行為、その他の行為に大別して報告をさせていただきます。なお、この件数は警察署の非行少年補導状況で示される案件とは異なっておりますので、御了承いただきたいと存じます。 まず、反社会的行動全体では、小学校1件、中学校26件、合計27件、67人が報告されております。種別では、暴力が6件、加害生徒数は18人となっております。内訳は、暴行が2件の8人、傷害が1件の1人、恐喝が3件の9人となっております。窃盗は7件で、関係児童生徒は12人です。内訳は、侵入犯が2件の6人、万引きが5件の6人となっております。また、薬物関係は1件で、内訳は中学生3人が高校生の自宅に集まって行った飲酒、喫煙であります。不良行為は7件、17人で、内訳は家出、外泊が6件の13人、つきまとい行為が1件で4人となっています。家出、外泊は親が自分を理解してくれなかったとか、親と意見が対立したという考えのずれによるものであります。その他は、6件で17人が報告されていますが、その内訳は無免許運転が3件で3人、学校プールでの花火や食べかすの散らかしとエアガンでのいたずらが3件で14人が報告されています。最近の反社会的行動は、複数の学校の生徒が関係する特定のグループ数名による問題行動が多くなっているのが特徴です。本日御報告いたしました問題行動の半数は、特定のグループの生徒によるものであります。 次に、学校給食についての質問にお答えします。初めに、学校給食衛生管理の基準に関する過去3カ年の対応についてお答えします。学校給食衛生管理の基準が平成9年4月に文部省から示されて以降、施設設備の面では基準に合わせるため、ざる置き台の入れかえ、履物を消毒するための消毒マットの配備、食材が適切な温度管理のもとに納入されたかを確認するための非接触温度計の整備、年次計画による包丁、まないた殺菌庫の設置などの整備をいたしてまいりました。 また、平成9年度が単独校化の最終年度に当たった直江津小学校、古城小学校、直江津南小学校、国府小学校、直江津中学校の5校については、衛生管理の基準に合った設備となるように整備いたしました。またさらに、平成10年度に給食室を改築した富岡小学校、高志小学校についても同様に整備いたしました。施設整備以外では、平成9年4月に上越市版学校給食衛生管理マニュアルを作成いたしました。O-157対策用消耗品購入費用や調理員の検便を月2回にふやす費用、給食室の殺菌検査、衛生調査の費用等を予算化し、マニュアルに基づいた衛生管理の徹底が図られるよう、特に調理現場と連絡をとり合いながら実施しております。 食材の購入に当たっては、学校給食衛生管理の基準に従い、納入業者に対して文書での指導を行っているほか、必要に応じて会議を招集し、衛生管理の徹底及び品質の確保等について周知を図ってまいりました。また、食材点検の実施、食材の微生物検査結果表の提出等を指示しております。食材納入組合及び納入業者の代表との契約においては、衛生管理の条項を定め、各業者への指導の徹底を図ってきました。さらに、献立作成に当たっても、可能な限り無添加、有機栽培等の安全な食材の選定を心がけております。 次に、雪印加工乳による黄色ブドウ球菌食中毒発生に対する対応についてお答えいたします。雪印加工乳による食中毒発生の報道に際し、市内の学校関係者より不安や市教育委員会の対応についてのお尋ねの声が寄せられました。このことを受けて、7月7日付で上越市立小中学校、幼稚園に対し、安全性が確認されるまでの当分の間使用を見合わせることを通知しました。現在も雪印全工場の安全宣言がなされておりませんので、保護者等の不安を考慮し、10月分についても使用しないことを決めています。なお、学校給食用牛乳は従来から雪印牛乳は使用しておらず、他の乳製品でも食中毒のあった7月には雪印製品の使用はなく、4月から6月の間でヨーグルト、個人用バター、粉チーズの計3回を使用しましたが、異常はありませんでした。今後とも雪印加工乳の問題にかかわらず、学校給食における食中毒発生の未然防止のために一層の努力を継続してまいります。 以上です。 ○石平春彦議長 杉山百合子教育委員長。          〔教 育 委 員 会 委 員 長 登 壇〕 ◎杉山百合子教育委員会委員長 早津議員さんの御質問にお答えいたします。 初めに、昨年7月17日土曜日の午後6時30分ごろ直江津海岸の船見公園海水浴場で発生した傷害事件への対応についての考え方を申し上げます。 この事件は、海水浴をしていた中学生の7人のグループが近くにいた高校生等5人のグループに眼をつけたとして4人が暴行を受けたというのがあらましであります。事件は、北警察署員の捜査によって当時の市内在住の高校1年生及び退学した少年によるものと判明しております。御質問は、この事件のような非行行為への対応に当たっては、情報を公開し、共有することが必要であり、そのことがこの種の事件の未然防止を図るための第一歩であるというお考えによるものと拝察しております。 非行事故等の報告に関しましては、教育委員会といたしましては、青少年問題の解消にかかわる会合の中で報告、協議していくことが前提であると考えます。具体的には、学校関係では校長会、地域では議員の皆様からも参加していただいている青少年問題協議会及び青少年育成協議会、さらには学校と地域が一体になっている学校地域教育ネットワーク委員会などの教育委員会関係機関において対応し、解決策を図るべきものと考えております。 なお、教育委員会が行うべき範囲を超えるような案件につきましては、被害者、加害者双方の心情、立場を十分に配慮する中で、議会にも御報告いたしたいと考えております。 御指摘のように非行事故の防止、根本的な解決、青少年の健全育成のためには、地域社会、家庭、学校が一体となっての取り組みが必要なことは申し上げるまでもありません。例を挙げますと、中学校区を単位に、情報の交換と共有化、懇談会の開催、子供理解のための研修会、関係機関の連携、強化等の事業に取り組む学校・地域教育ネットワーク委員会は、小中学生を初めとする青少年の健全育成を目指すものであります。このことで、学校、家庭、地域の連携が一層深まり、児童生徒に関する情報の共有化や健全育成に関する意識の向上が図られるものと期待しているところであります。 次に、高校性をターゲットにした宗教事案についてであります。この高校生への勧誘は、数年前から頻繁に行われてきたと聞いております。本年度に入りましても、依然として高校生に対する勧誘は盛んに行われ、4月には市内中学校の卒業生の保護者より中学校の旧担任に入信の誘いが頻繁で困っているとの相談が寄せられております。この中学校では、生徒に対して勧誘の事実があるかどうかについての実態調査を行いました。その結果、勧誘が頻発している高校に通う姉と中学生の妹が勧誘を受けたという事実を把握しております。また、学期末懇談会でも保護者の中からこの件についての情報が寄せられたということでございます。学校では、この事実から生徒に対して次の3点を指導しております。勧誘を受けたらすぐに保護者に相談すること、決して自分だけで判断して入信しないこと、勧誘されたら担任に報告することの3点でございます。また、保護者に対しても夏休み前の懇談会の機会に説明を行いました。市内の中学校1校においては、学期末の懇談会である保護者から情報が寄せられたという報告がありましたが、中学生が勧誘されたという報告は現在のところございません。しかしながら、入信の勧誘が中学生に向けられる可能性につきましては、大いに危惧しているところでございます。教育委員会といたしましては、各学校がこの問題に関心を持って生徒の実態を把握するように指導するとともに、学校は保護者の皆さんに一層子供を見守るように重ねて啓発することをお願いしていきたいと考えております。 先ほど早津議員さんから教育委員会の姿勢をとのお尋ねがございましたことについてお答えいたしますと、事件、事故への対応に当たりましては、当事者は無論のこと、市内全児童生徒への影響という点を配慮いたしまして、極めて慎重を要するものと考えております。子供は、大人と違いまして、予想外の微妙な反応を示すことがございます。議員おっしゃるとおり子供は宝でございます。その子供の長い人生にトラウマとなって心に傷を残さぬ気遣いを細心の注意を持っていたさなければなりません。教育委員会は、事件、事故に対しては、直ちに県の教育事務所への報告義務がございますので、それを果たし、当該学校への対応及び全学校への報告及び注意を喚起し、ひいては保護者の皆さんへ再発防止啓発に当たります。 議員は、全市民への情報公開をとのことでございますが、さきに述べましたような配慮を持って個々の事件、事故に対処することを御理解いただきたいと存じます。 子供の健全育成につきましては、人材教育、平等教育の視点から、児童生徒の年齢に応じた対応が真剣になされていることを現場をよく御存じの議員さんには既に御理解いただいているとおりでございます。教育委員会は、教師の専門性に信頼し、研修会、自己研さんによる一層の努力のほかにも、常に現状を把握し、広く社会の動きに敏感であることを求めております。議員は、市民総ぐるみの日常対応の必要を説いておられますが、私どもの目指すところもまさにそこでございまして、学校教育だけが私どもの守備範囲とは思っておりません。学校では、学校通信、家庭連絡という手段によって、相互の情報を交換しています。かつその中で家庭の教育力の向上のためにも率直な発言を繰り返す学校側の努力は、各家庭で御理解いただいているところでございます。夏休みなど、長期休暇前の地域と学校の連絡会、懇談会に私も参加させていただいておりますけれども、保護者のみならず、町内会長さんを初め、地域の皆さんが子供の健全育成を念じて疑問をぶつけ合い、夜遅くまで討論されている姿に深い敬意を抱いております。それをもって市民総ぐるみと断ずることはできませんけれども、学校が地域と家庭に強い協力を求め、それぞれが主体的に他人の子供を我が子と思う状況は、市内に確実に根を張っているように感じております。現在ほとんどの学校では、常時保護者の学校訪問を積極的に受け入れております。見学や相談など自由にできる雰囲気づくりに努め、学校と家庭との物理的、心理的な接近を図るなど、努力と思考を繰り返しております。 大半の児童生徒が健全に成長する中で、町中で目にする子供たちの現状には痛々しいものを感じております。純真な小学生、中学生がどのような経緯で変化していくのかに深い関心を持っております。家庭、地域の市民の皆様の強い協力を得て対処することを通達のみならず、校長会、教頭会、教師の集会などでも機会あるごとにお願いしております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○石平春彦議長 18番、早津議員。          〔早 津 輝 雄 議 員 登 壇〕 ◆18番(早津輝雄議員) 先ほど交通誘導員の件について市長から答弁いただきありがとうございました。時間もありませんので、その件は十分理解させていただきましたので、再質問はいたしません。 教育委員会の関係について若干再質問をさせていただきますが、教育長からの事件の概要もわかりました。それから、今杉山教育委員長からいろいろお話というか、答弁がございまして、昨年の7月事件発生から今答弁を自席でお聞きしながら、1年2カ月たってようやくしっかりした話をしてもらったなと、こう思っています。見解の違いがあるかもしれませんけど、それはそれとして。そして、その答弁の中身、説明についても、微妙に見解の分かれるところはありますが、例えばそれはどういう部分かというと、児童生徒の  承知をしているとおっしゃったその子供は予想外の反応を示すことがあるのでと、これは当事者なり、家庭なり、関係者を持つ学校、いろんなことを意味して言っていらっしゃるんだろうと、こう思います。それは私も十分承知していますが、したがって事件の内容、事案の経過にもよるんですが、できるだけ学校名とか、児童の姓等を明らかにするんであれば、これは大変問題ですが、こういうような趣旨の事案が先月中ごろありましたとか、こういうことでいいわけです。私もその先心配しないわけでもないんです。それが知れ渡ることによって、ああやっぱりあの子だ、あの学校だと、こうだんだんなっていくことでもとへたどり着いちゃうと、こういうこともあるかもしれません。ですから、そこはおっしゃっていることは十分理解をしたいなとは思うんですが、私も先ほど申し上げましたように、いろんなことというか、全国に報道されたああいったことを契機に、先ほども触れましたが、市長を先頭に取り組んできた上越市ですから、極力例えば先ほどおっしゃいました学校校長会、青少年問題会議、地区防犯どうのこうのたくさんあります。それも知っています。でも、私ども議会にも文教経済委員会というのもありますし、毎月議員懇談会というのをやっております。これは、議員同士の情報交換、意見交換の場ではありますが、その場をかりて実は先月中ごろこういうことがあったんで、ひとつという報告があってもいいんではないだろうかと。過去2回の委員会にそういう報告はなかったから私はここでやったわけですけど、もうそのことは今杉山委員長からある程度の答弁をいただきましたので、いいことにします。答弁は要らないことにします。 一つだけ要望を申し上げて、5分までいかんうちに終わりにしますが、きのうのオリンピック女子マラソンで優勝した高橋尚子選手、ゴールへ入ってマスコミのインタビューに答えた言葉、これ大変皆さんも御存じだと思いますが、印象的でした。確かに私は金メダルを取ったけれども、ずっと長い間監督も金メダルを目指して頑張っていました。コーチも頑張っていました。それから周囲の人も私が金メダルを取ることを頑張っていました。言葉は若干違うかもしれません。それから、はるか遠くの日本の国民も大いに支援していただいた。そのことがこの金メダルの中に含まれていますと。あの日本初めての女子マラソンで優勝した高橋尚子選手がその勝利におぼれることなく、謙虚に金メダルに何年かかったかわかりませんが、その年数と多くの人たちの結集した金メダルということを言ったあの謙虚なすばらしいメッセージ、これと今の市民総ぐるみでわずかであっても困難な問題行動を少なくあるいはできたらなくしていこうというのと話は違うよと言われるかもしれませんが、私の心の中では共通なんです。問題行動、いろんないい子供たちに影響を与えるから5のものが4、3ぐらいに少なくしていこうとするには、やっぱり市民総ぐるみで、今の高橋選手の金メダルの中身と同じだというふうに私は思っているんです。あなた方は思っていられるかどうかわかりませんが、多少すれ違いのところはありますが、きょうはある程度私の納得するあるいは私も学んだ点もあります。答弁で学んだ点もありますが、お互いに意見をぶつけ合いながら、子供たちのために再三申し上げている子供たちは上越市の宝ですから、ともにいい方向に進むことを要望して答弁要らないことにします。ありがとうございました。 ○石平春彦議長 8番、近藤彰治議員。          〔近 藤 彰 治 議 員 登 壇〕 ◆8番(近藤彰治議員) 私は、さきに通告いたしております大きな項目3点について一般質問をいたします。市長、教育長御答弁よろしくお願いいたします。 まずは、大きな項目の1点目といたしまして、高速交通体系完成に伴う主要アクセス道の整備についてであります。上信越自動車道も関係各位皆様方の御努力のおかげで、約半年も早く完成し、昨年の10月30日全線開通をいたしたところであり、我が上越市におきましても、3番目のインターチェンジ上越高田インターも供用開始したところであります。上越市においては、南北に伸びる主要幹線国道18号線バイパス、一般県道上越脇野田新井線、通称上越大通り、主要地方道上越新井線、通称山麓線の3路線が大動脈となっているわけであります。また、盛んに待望視されているこの南北の主要3路線にアクセスする東西の幹線も用地買収、一部工事着工、一部供用開始と全線開通に向け、着々と進んでいることは、我々市民にとっても大変関心があり、一刻も早く完成をと切に願うところであります。 そこで、今回は一部路線に絞って、小項目2点ほど質問をさせていただきます。1点目といたしましては、上越新井線中田原以南の今後の見通しについてであります。皆様も御存じのように、上越高田インター開通に合わせて、昨年4月にインター前下箱井中田原線まで開通いたしていることは御承知のことと思います。中田原地内から新井乙吉地内18号線バイパスまでの未完成区間は、残すところあと5キロメートルのわずかな距離であり、稲荷-乙吉間2.5キロは、既に工事着手いたしております。私ども山麓線促進期成同盟会も精力的に早期全線開通に向け、運動を展開しておるところでありますが、早々に全線開通とはいかない現状であります。事業主体も県であり、県財政も苦しい事情はわからないわけではありませんが、我々市民といたしましても、重要な路線であり、全線が開通していないということは、少し不可解なことと思われてなりません。 この地域においては、これからはJプランに示されているように、ホワイトバレー構想もあり、新幹線などの未来に向けての大プロジェクトも控えております。また、この沿線には、早々とJAさんも進出してまいりました。我々同盟会の事業計画にも記されている1、山麓線事業に対する積極的協力、2、関係機関との連携強化、3、山麓線延伸に伴う地域の協調、4、交通安全対策に関する事項など、積極的に完成に向け取り組んでおります。とりわけ現在の交通量を見ましても、上越インターが開通してから、山麓線を利用する車両が増大いたしております。また、新井方面へ向かう車両も上中田地内、上越新井線を経由する路線と灰塚地内、上越南インター線を経由する2路線に分かれて、新井方面に向かっております。この両路線を見ましても、車道幅も狭く、上越新井線上中田地内においては、歩道もありません。歩行者や自転車などの弱者に対しては非常に危険であります。私もこの地区の交通安全協会の役員として、現在行われている秋の交通安全週間ということで、毎日立哨しながら事故のないよう見守っているのが精いっぱいであります。このような現状を踏まえながら、早期完成に向けての明るい見通しをお聞かせください。 2点目といたしましても、同じく山麓線関係であります。飯から上教大前区間の4車線化の考えについてであります。この飯交差点から新大瀬川橋間1キロメートルは、国道8号線五智国府から下箱井中田原線中田原までの区間において唯一の2車線区間であります。さきの1点目の質問中にもありましたように、山麓線の交通量も増大いたしております。とりわけ朝夕の通勤時間帯においては、交通渋滞も引き起こしております。幸いにして大きな交通事故もなく、ほっとしているところではありますが、この先のことはわかりません。 今議会におきましては、決算の概況説明にも示されているように、山麓線沿いまちづくり総合構想策定事業、飯地区において連携市街地の形成を図るための先導施設として、県立多目的スポーツ施設を位置づけ、この高規格なスポーツレクリエーション機能を中核とする新時代型の都市環境づくりへ向けた全体土地利用構想を検討するとともに、スポーツ施設を中心とする運動公園の基本計画を策定したとうたっております。また、8月22日付の新聞報道によると、上越地方市町村連絡協議会総会で、県立上越総合運動公園の建設位置を同市戸野目古新田から同市飯、藤巻、藤新田に変更したいとの考えを示し、了承された。今後県などと位置変更に伴う協議に入ると図入りで報道されております。この計画が実現すれば、山麓線も工事用道路として、主要路線となることが考えられます。また、このような市民が待望している大規模な施設が完成すれば、施設を利用するため路線バスや一般車両が増大することも考えられます。現在山麓線上御殿山地内において、都市下水路工事が行われておりますが、現行4車線のため工事において2車線をつぶしても大きな交通渋滞も起きておりません。今着々と用地交渉が進んでいる東西に伸びる都市計画道路、飯門田新田線も完成すれば渋滞に輪をかけたさまが想像されます。渋滞解消と交通安全確保のためにも、4車線化のお考えをお聞かせください。 それでは、大きな項目2点目に入らさせていただきます。この答弁は教育長にお願いいたします。小中学校におけるグラウンドなどの整備について、1点目として、グラウンドにおける砂ぼこり被害対策についてであります。私もこの質問をするに当たって、小学校29校、中学校9校に赴き、校長先生、教頭先生に実態を伺ってまいりました。当然ながら付近の住民の皆様にも状況を伺ってきております。砂ぼこり被害対策のために教育委員会としてもスプリンクラーや散水専用水栓などを10校の学校に設置してありました。また、ある学校ではスプリンクラーなどでは飛散防止が間に合わないとき、教育委員会の要請で民間の散水車、または消防署より消防車を出動させていただき、砂の飛散防止を行ったとの実態もお聞きいたしたところでございます。38校を回りますと、先生方からいろいろな貴重な意見もいただきました。飛散防止のためには、やはりスプリンクラーか散水専用水栓をつけていただきたい。また、一石二鳥として、フィールド内には芝やクローバーなどを植え、飛散防止とともに、子供たちが遊べるようにしたいとの意見もありました。プールの水を活用するため、ポンプホースなどを設置してほしい要望もありました。 しかし、一番肝心な付近の住民の皆さんの意見はといいますと、子供や孫たちが世話になっているし、学校とのかかわりを大事にしたいとのことであり、余り苦情を言っていないとのことでした。しかし、余りにもひどい強風のときには、学校に電話を入れ、散水をしていただいていることもありました。この上越市においては、地形的観点から強風地域とそうでない地域に大別され、住宅密集地の学校と田畑に囲まれた学校とに分かれ、付近住民が被害をこうむっている学校は、それなりに防砂林や目の細かいネットフェンスなどを張りめぐらしてありました。だからといって、これでよいと言えば、私の質問が成り立ちません。付近の住民が少しでも砂ぼこりで被害があれば、解決してやらなければなりません。 また、学校当局も被害者であり、強風のときには暑くとも窓をあけていられない。閉めてもほこりが入ってくる。学校給食も上越市では給食センター方式をやめ、独自の給食室で調理をしております。プールにも砂ぼこりが入り、衛生上の観点からも非常に心配であります。以上のことから、砂ぼこり被害対策についてのお考えをお聞かせください。 2点目の質問であります。ビオトープを取り入れた野外広場の設置についてであります。余り聞きなれないビオトープ、辞書をひもときますと、安定した環境を持つ野生生物の生息空間、人の手で維持された動植物の生態系を見せる空間のことと解説しております。コンクリート主体の土木工事ではなく、土のうや粗朶、自然石を使い、水路や沈殿池を造成、絶滅が危惧されるヤマアオガエル、クロサンショウウオなど希少動植物の保全に成果があらわれていると先日の新聞報道にも報道されておりました。最近このビオトープに関しての新聞、テレビ報道が盛んに行われており、この上越の小学校ではどの程度の関心があるか取り上げた次第であります。1点目の砂ぼこり被害とともに、小学校の先生方にお聞きいたしました。 現在校庭内においてそのような観察池などがあり、実際取り組んでいる学校もありました。また、これから払い下げの土地を利用し、用水を取り込み、自然の動植物の生態系を観察する施設をつくるんだと張り切っていた学校も2校ほどありました。私どもの上越は、人間が手を加えながらも、自然のビオトープ空間が無数に点在いたしております。金谷山公園、滝寺のミズバショウ地帯、関川の河原、高田公園、青田川、五智・蓮池公園などがあります。しかし、これらの観察場所は、学校から離れており、危険性も伴うこともあり得るでしょう。身近な校庭内においてお昼休みでも毎日観察できるビオトープを取り入れた野外広場の設置についてのお考えをお聞かせください。 最後の質問となります大きな項目の3点目です。2009年我が県における2巡目の国体についてであります。今世界においては、20世紀最後のスポーツの祭典第27回夏季オリンピックシドニー大会が開催されており、連日連夜私たちを興奮のるつぼへと陥れております。昨日も早朝よりの女子マラソンにおいて、Qちゃんこと高橋尚子選手が過酷な練習で鍛えられ、寸分の狂いもない計算された緻密な走りによって、日本陸上女子に史上初の金メダルをもたらしてくれました。一昨日の死闘を繰り広げ、PK戦で惜敗したサッカーのうっぷんを一気に払い去ってくれました。そのほかにも我が県のホープ、タッチの差で金を逃がした水泳の中村真衣選手、バルセロナ、アトランタと連続して決勝で涙をのんでやっと金メダルをかち取った柔道のヤワラちゃんこと、田村亮子選手、その他大勢の日本選手が世界のひのき舞台、シドニーオリンピックで頑張っております。最後の最後まで頑張れよと応援せずにはいられません。 それでは、世界から日本、上越市に話を切りかえていきましょう。前段述べたように、国民体育大会新潟開催も、平成21年に2巡目を迎えようといたしております。その中において、上越市としてどのような種目を誘致するかということであります。この質問につきましては、平成11年9月議会においても質問いたしております。上越市においては県立多目的スポーツ施設や水辺プラザ事業におけるスポーツゾーンなど、体育施設の構想が一段と現実のものとなりつつあり、明るい兆しが見えてまいりました。その施設を活用しながらの種目の誘致をお願いしたいものであります。 しかしながら、さきの新聞報道では、2009年に本県で開催される第64回国民体育大会夏、秋の2巡目国体の開催会場地の市町村希望調査が始まった。会場地市町村は、可能な限り県内各地に分散する方針の県は、8月までに市町村の意向をまとめ、来年7月には会場地決定の予定、しかし市町村の関心が予想外に低い上、人気競技に開催希望が集中した場合の調整が課題となっている。現段階で全国レベルの大会を開ける施設がない種目もあるなど、今後紆余曲折をたどりそうだと報じています。この報道のように、どこの市町村でも財政的にも大変厳しい状況であるが、我が上越市においては、それでも明るい兆しがあるんだろうということも踏まえて、誘致種目のお考えをお聞かせください。 小項目2点目の質問、指導者の採用についてであります。上越市の行政スタイルとして、オープンシステム、開かれた市政、マネジメントシステム、経営体としての市政、マーケティングシステム、市民ニーズにこたえる市政、テクノクラート、専門家集団としての市政、アカウンタビリティ、行政責任を持つ市政という五つの行政の実践に努めておりますが、その中において、テクノクラート、行政のプロ、専門家集団による市政、これを体育行政、体育指導者の採用に当てはめられないものかとお聞きしたいところであります。実際市行政では、専門分野の都市整備部門、産業部門、健康福祉部門などにおいては、専門職を配置しております。私もこの質問に先立ちお聞きしたところ、以前体育部門でも専門職員を採用していたとのことでありました。県もスポーツ部門において、かつての陸上走り高跳びのオリンピック選手、佐藤恵さんのころから採用を始めております。上越市にも全国レベルの選手が大勢活躍しておられます。将来スポーツ都市として視野に入れるならば、自前の専門職員を採用し、活躍の場を与えたらいかがでしょうか。スポーツ分野においても、男性、女性を問わず、クオータ制とまでは言いませんが、若干名の採用についての市長のお考えをお聞かせください。 以上、御答弁よろしくお願いいたします。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 それでは、私の方に御質問いただきましたことを先にお答え申し上げます。 最初に、高速交通体系完成に伴う主要アクセス道の整備を全体的なところを申し上げた上で、個々にお答え申し上げます。御案内のとおり、昨年10月30日には上信越自動車道が全線開通しました。また、ことしの10月3日には北陸自動車道の4車線化が全線にわたり完成する見通しになりました。首都圏及び関西圏、中京圏、東北圏との高速交通ネットワークがこれででき上がるわけでありまして、経済、文化の交流が今まで以上に進むものと大きな期待を寄せているところであります。 当市の基幹道路網は、南北軸の幹線道路として国道18号、上越脇野田新井線、山麓線の3路線があります。また、この南北軸の幹線道路を東西に結ぶ幹線道路として、県道の中屋敷藤野新田線、それから飯門田新田線、この飯門田新田線は、高規格道路の建設に伴って、従来飯寺線とこう言っていたものを高規格道路との整合の関係で、名称もこのように変わりました。飯門田新田線、そして中田原下箱井線の3路線があります。それぞれ既に事業化され、現在その早期完成を目指しているところであります。国道18号については、昨年12月に富岡-寺間が4車線化されまして、供用しております。平成13年度には三田交差点の立体化が完成することになっております。上越脇野田新井線については、これは新光町から土橋までの約3キロ間の歩道整備、県がふるさとづくり街路事業、これは私どもが提唱しました景観形成道路ということで、県は取り上げていただきまして、このようなふるさとづくり街路事業でやっております。また、バリアフリーまちづくり事業として、平成14年度完了をめどに整備をしております。 それから、中屋敷藤野新田線については、山麓線から上越大通りまでは昨年3月に開通しておりますが、上越大通りから国道18号までは、県事業として平成14年度の供用開始を目途に工事を進めております。今年度は謙信公大橋の上部工のけたが製作されることになっております。したがって、謙信公大橋が14年度に完成するという見通しでございます。 飯門田新田線につきましては、県事業で飯交差点から北本町3丁目地内の県道上越新井線までは関係者の御協力をいただいて、用地買収等もほぼ完了しております。今年度はJR信越本線の立体交差の設計委託を行って、平成17年度までには県道上越新井線までの供用開始を目指している事業でございます。 一方、中田原下箱井線については、市が上中田地内の県道上越新井線から上越大通りまでの980メートル間を平成15年度の供用開始を目指して工事を進めているところであります。先般9月7日には、青田川にかかる上中田橋が開通したばかりでございますことは、御案内のとおりであります。今年度は残る区間の用地買収に入って、来年度から着工したいと、こう思っております。 さて、山麓線中田原以南の今後の見通しについての御質問でありますが、山麓線は市の西部を南北に縦貫し、直江津地区から新井市を結び上越市周辺地域と新井頸南地域を結ぶ地域間道路であり、また上越高田インターチェンジへのアクセス道路でもあります。山麓線の整備によって、新井頸南地区から上越市への通勤通学などによる国道18号及び県道上越脇野田新井線の渋滞解消が図られるほか、国道18号上新バイパスと連携して新井頸南地域と上越市の交流促進に大きく貢献されるものと考えております。さらには、新幹線新駅へのアクセス道路として、また開発が予定されております駅周辺市街地への幹線道路としての重要性をも増すことが予想されております。 このようなことから、市としては本路線を南北軸の幹線道路として国道18号や県道上越脇野田新井線と同様に、重要な路線に位置づけており、その整備促進に向けて県に対して強力に運動を展開しているところであります。中田原から新井市乙吉までの間5キロメートル間は、県道上越新井線の読みかえ道路として県が事業主体として整備を進めております。そのうち地頭方から新井市乙吉までの間2.5キロ間につきましては、平成11年度に事業着手され、今年度は内川にかかる橋梁の左岸橋台1基並びに暫定盛り土540メートル、さらに内川右岸では道路の流末排水路200メートルなどの工事が行われ、平成16年度の供用開始をめどに工事が進められております。 また、中田原から地頭方までの2.5キロメートル間は、地元町内会の協力をいただき、丈量測量まで完了しております。上信越自動車道の全通に伴って、現道の上越新井線の交通量は、平成9年の道路交通センサスによると、新井市飛田地内で12時間交通量が7,511台、平成11年度では8,065台となり、7.4%増加しており、とりわけ上中田から青木間は道路が狭く、歩行者等の安全な通行に支障を来している状況であることを十分認識しております。これらのことから、未着工区間の一日も早い工事着工と整備区間の早期完成について、ことし6月16日に本路線の促進期成同盟会が県知事に要望されております。市といたしましても、高速交通網への主要なアクセス道路であるとともに、上越市と周辺地域とを結ぶ重要な地域間道路でもあるため、今後とも関係者と連携をとりながら、早期整備に向けて努力をしてまいりたいと考えています。 次に、飯から上教大前区間の4車線化についてでございますが、国道8号から上越教育大学前までの約3キロメートル間は、昭和62年に着工し、平成8年までに4車線化が完了しております。また、上教大前から中田原の県道上越高田インター線までの間約4.7キロ間は、昭和61年に着手され、平成10年に暫定2車線で供用開始し、引き続き平成11年5月からは飯交差点から県道上越高田インター線までの約3.6キロ間の4車線化工事に着手し、10月に整備完了し、供用されました。これで残る暫定2車線区間は、御質問の飯から上教大前区間約1キロメートルとなっております。山麓線の平成9年道路交通センサスでは、12時間交通量が9,882台でありましたが、平成11年には1万2,177台と、23.2%増加しております。このため当区間の起終点ではボトルネック状態になっておりまして、朝夕の通勤通学時には交通渋滞を来しております。沿線地区における上越総合運動公園の整備計画なども考え合わせますと、今後ますます交通量がふえるものと思われますが、まだこの総合運動公園の全体構想については、現在調整中でありますから、明らかにはできる段階ではありませんが、恐らく交通量が相当発生するというふうに思っております。 また、そういう方向で整備されますと、この暫定2車は早いうちに4車線化をしなきゃならんだろうと、こう思って、早目に県に対しても全体の構想の練り上げとともに、早く着手するようにこれからも要望をして取り組んでいきたいと、このように思っています。 次に、2009年の国体に向けて指導者の採用についての御質問でございますが、優秀な選手には必ず優秀なコーチがついており、スポーツの盛んな市町村には多くの指導者がおるわけであります。指導者によって選手が育てられ、そしてスポーツの振興が図られると言っても過言ではないと、こう考えております。当市では、従来より優秀な人材を確保するため、技術、技能面などの専門性をも配慮しながら、職員採用を行い、職員の能力、適性に応じた配置にも十分心を配っているところであります。9年後の国体開催を見据えた場合、御指摘のスポーツ技能のすぐれた職員や指導者としての資質を備えた職員採用については、今後期限つき採用などの条件が許されるならば、組織内における全体の配置も考えた上で検討してみたいと、このように思っています。 今国の方でも任期限定つきの採用の考え、制度化しようという動きになっておりますが、今般の秋の北信越市長会においても、そのような期間任用制度を地方自治体にも導入してほしいと、こういう要望を上越市から提案していこうと、こう思っております。 競技力向上にとって、最も重要なことはジュニア層の強化であります。そのためには優秀な指導者の掘り起こしが必要となります。市では、現在スポーツ指導者バンクの設立に向けての準備を進めているところであります。このほか質の高い人材をより多く確保するため、競技者として、また指導者として極めて高い能力と専門性を有し、かつ全県下を普遍的にカバーする教員の特性に着目し、優秀な能力を備えた教員の新規採用や市町村への派遣、人事交流など、県に対しても積極的に要望していきたいと考えております。さらに、市内の企業にもスポーツ選手の採用を働きかけ、行政、民間が一体となったシステムを構築する必要性を感じているところであります。 いずれにいたしましても、2年後には学校も完全週5日制が導入され、学校でのスポーツ活動の形態も大きく変わり、地域スポーツの重要性が増してまいると思っています。2巡目国体における競技力向上のための指導者の確保、育成、発掘について、市としても総合的な見地から多方面に働きかけて準備を進めていきたいと、このように考えております。 以上です。 ○石平春彦議長 斉藤教育長。          〔教 育 長 登 壇〕
    ◎斉藤弘教育長 初めに、グラウンド等の校地全般の整備についてお答えします。 現在上越市では、国際的な環境マネジメントシステムであるISO14001の認証を取得するとともに、地球環境都市宣言を行い、地球環境の保全、改善を目指したさまざまな施策に取り組んでいることは御承知のとおりであります。このため学校整備に際しても、子供たちの安全確保はもとより、環境教育、情操教育の一環として自然に優しい環境整備を図るために、除草剤を使用せず、草刈り、草取りをきめ細かく実施することで対応するように努めております。広大な校地整備に当たっては、用務員による日常管理に鋭意努力しておりますが、父母や後援会の皆様のボランティア活動にも大変な御支援をいただいているのが現状であり、心より感謝いたしております。 本年度は特に従来から進めてきた学校整備委託に加えて、国の緊急地域雇用特別交付金を活用して、シルバー人材センター草刈り委託を予算化し、小学校では4人1組、中学校では8人1組で年2回各学校に派遣しております。今月末までには、全学校で2回を終了する予定であり、非常に喜ばれているところであります。 さて、御質問の砂ぼこり被害対策についてでありますが、教育委員会としても強風時の砂じん対策には苦慮しており、近隣に人家の密集している地域の学校を中心に対策を講じてきております。例えば国府小学校や直江津中学校など6校にスプリンクラーを設置しているほか、高志小学校、春日小学校など4校にはグラウンド散水専用水栓を設置しております。あわせて水不足の中で、水道水を節約するため、プールの水を利用できるように配慮しているところであります。しかし、強風時ではスプリンクラーは一定方向にしか水が届かず、水の回らない乾燥した地面からは容赦なく砂じんが舞い上がってしまうという欠点もありました。 そこで、ことしに入り、そのような弱点を克服するため、手まき用の水栓を併設し、臨機応変にねらいを定め、散水できるように工夫したり、さらに民間の散水車10トンにより散水したりするなど、付近住民の迷惑を少しでも取り除きたいとの気持ちで精いっぱい努力しております。また、隣接の民家に降りかかる砂じんを和らげるために、防砂ネットを設置することも検討しております。 次に、フィールド内に芝やクローバーを植えてはどうかとの御指摘であります。教育委員会としても、従来から学校と協議しながら検討してきており、砂じん防止には極めて有効な措置であると思いますが、芝等の適正な管理には莫大な費用と労力を要することと、一つのグラウンドで陸上競技、野球、サッカーなど、さまざまな運動、競技を行う中で、競技指導者それぞれの考え方の違いもあり、さらに学校関係者の中には草一本でも生やしておきたくないとの意向を持たれる方もありますので、非常に難しい問題であると受けとめております。 いずれにいたしましても、著しく乾燥している状態のときには、散水した後何分もしないうちにまた乾燥して砂じんが舞い上がりますので、学校関係者と教育委員会で密接に連携をとり合い、周辺にもたらす被害、御迷惑を最小限に食いとめるよう万全の方策をとってまいりたいと考えております。 次に、ビオトープを取り入れた野外広場の設置についてお答えします。ビオトープとは、野生生物が共存共生できる生態系を持った場所という意味であり、自然そのものも大きな意味でビオトープと言うことができると考えております。近年自然保護提唱者の間で関心が高まり、都市の中の公園や河川敷にビオトープ造成が盛んに行われてきております。学校関係では、環境教育の一環として、生物の生態系の多様性を学ぶ方法として、ビオトープの造成が注目されております。 さて、豊かな自然に恵まれた当市では、環境教育推進事業を設置し、児童生徒が地域の川や海など身近で壮大な自然に親しみ、自然観察や環境保全活動に積極的に取り組む環境教育の支援を平成9年度から継続して実施いたしております。さらに、自然体験学習を中心とした総合環境学習施設として、地球環境学校中ノ俣学習施設を昨年開校いたしました。この施設は、まさに多様な生物の宝庫であり、自然体験学習に最適なビオトープとして多くの子供たちが活用しております。また、高田公園、金谷山、春日山などを初め、各種河川や農業用水、海を生かした自然体験学習が各学校の立地条件に合わせて盛んに行われているところであります。 一方、水路改修や河川改修などに際しては、従来型の三面コンクリート製中心の整備をやめ、自然石を配した親水護岸や複断面の蛍水路の建設が進められており、自然に親しむフィールドが拡大しつつあります。そのような中で、毎日の自然観察のフィールドとして、ビオトープを取り入れた野外広場を設置することも子供たちの関心、意欲を高めるためには大変貴重なことと思われます。市街地の学校や農村部の学校など、地域性がまちまちなことから、土地の確保、水の確保、さらにはビオトープ管理士の育成を初めとする維持管理の方策など、幾つかの課題もありますが、せっかくの御提案でもありますので、実現の可能性について検討してまいりたいと考えております。 次に、2009年の国体に向けて当市における誘致種目についての御質問でありますが、昨年の9月議会での御質問の際にもお答えいたしましたが、昭和39年に開催された第19回の新潟国体では、ソフトボール競技とフェンシング競技が旧高田市において、卓球競技が旧直江津市において実施されました。国体開催を機に、スポーツ熱も高まり、競技の普及、団体の結成、施設の充実など、数多くの面でスポーツ振興に果たした役割の大きかったことは御存じのとおりであります。2巡目国体の開催については、日本体育協会において新潟県開催の了解を受け、県は今年4月に第64回国民体育大会新潟県準備委員会を設置し、競技開催市町村の選定に入っております。上越市では、かねてから市体育協会と連携を図り、競技力の向上に努めてまいりましたが、国体誘致を契機として、さらにレベルアップを目指すとともに、誘致種目についても関係者の意見聴取を行い、積極的に協議を重ねてまいりました。その結果、上越市の現状を分析するとともに、将来ビジョンを踏まえ、財政・運営力、競技力、経済効果などを多角的に検討し、室内、屋外を含め、誘致効果の高く、市民に人気のある複数の競技開催を県に要望しているところであります。 過去数年の開催県の例を見ますと、厳しい財政下でもあり、広範囲の市町村に競技を割り振る傾向がありますが、近隣市町村の協力を得ながら、誘致活動を進めてまいりたいと考えています。誘致の条件として大切なことは、施設の整備であります。上越市と建設省が関川において共同で整備を進めております水辺プラザには、屋外施設を中心とした施設整備がなされるものと聞いております。また、着工がおくれております県営多目的スポーツ施設の早期着工、早期完成を強く県へ働きかけていただき、国体の会場としてぜひ使用できるようになることを期待しております。 以上です。 ○石平春彦議長 8番、近藤議員。          〔近 藤 彰 治 議 員 登 壇〕 ◆8番(近藤彰治議員) ただいま御答弁ありがとうございました。再質問をさせていただきます。 市長に1点、確認なんですけど、飯から上教大前私まだ市道だと思っておったんですけど、先ほどの御答弁お聞きいたしますと、県の方に要請していきたいと  これから県道に変わるんですか。そこの点、私も県の方にお聞きしましたら、今中田原から乙吉間、そっちを先にやらないとだめということを聞いて、これ県なのかな、市なのかな、ちょっとそこのところわからないもんで、もう一度御答弁お願い申し上げます。 教育長にお尋ねいたします。先ほど草取りの件、私も学校38校回りまして、校長先生、教頭先生からお話をお聞きしたんですけど、昨年かことしあたりから、除草剤を使用してはいけないと、そういうことで用務員さん、学校の先生方、また子供、PTA、この草取りが大変だというお話をどこの学校からもお聞きいたしました。おかげさんでシルバー人材センター4人1組で年2回学校の方へ回していただくということで、本当にありがたがっておりました。それにしても、今少子化で子供さんたちもいなくなる。またそれに比例しまして、PTAのお父さん、お母さん方も少なくなるということで、グラウンド自体は少子化がありません。そういうことも含めて、これから対応、来年あたりからシルバーさんも来ないようなお話もしておりました。そこの点をいま一度お尋ね申し上げます。 また、ちょっと通告外なんですけど、市長さんも言われたように、平成14年から学校も隔週ではなく、土曜日が全休ということで、その分今度は先生方夏休み学校へ詰めなくちゃいけないと、そういうお話も伺いました。今年次計画で学校にもクーラー、校長室、教務室、保健室、給食の休憩室ですか、そこに今クーラーを順次入れているそうでございます。しかしながら、早く入れていただければいいんですけど、また市の財政面もありますから、そういう点年次ごとにどういうふうになっておるか、大体この38校が入るのには、平成何年ごろまでに入るのか。その点をちょっと、私大きな項目の見出しだといいんですけど、小さい項目だとそれちょっと通告外みたいになるんですけど、それもしわかりましたら通告外ですから、御返答なかったらいいんですけど、その点よろしくお願いいたします。 ○石平春彦議長 永井副市長。          〔副 市 長 登 壇〕 ◎永井紘一副市長 お答えいたします。 飯門田新田線のあの工事区間でありますが、こちらにつきましては、今上正善寺高田線の読みかえで現在工事をしていただいております。工事完了後につきましては、一応県道として管理をしていただくということで話を進めております。 以上であります。 ◆8番(近藤彰治議員) 飯から上教大前の山麓線。結果して、県の方にいくんですか。 ◎永井紘一副市長 ああ、そちらですか。山麓線の飯の交差点から上教大までの間につきましては、現在それの読みかえで県道上越新井線があるわけですが、そちらの方とそれから市道の方で若干現在まだ用地の確定ができない部分がございまして、現在はまだ市道として管理をさせていただいておりますが、こちらについてもその辺の状況が確定次第県道として管理をしていただくということであります。 ○石平春彦議長 斉藤教育長。          〔教 育 長 登 壇〕 ◎斉藤弘教育長 お答えいたします。 グラウンドの整備、除草対策について御質問でございます。各学校が非常に御苦労されていること、またいろんな点で教育委員会へも要望が寄せられておりますが、教育委員は昨年から学校訪問をいたしまして、その状況等をつぶさに観察をし、また切実な管理者の訴えを率直に受けとめているところであります。年2回では不足であるという事態に対して、来年度どう対応しようかと、前向きに取り組むつもりでございます。先ほどシルバー人材センターの動き等もお話をいただきましたが、そういう事態にも備えるべく、抜本的に対策を考えなければいけないなと前向きに考えているところであります。これからの対応を見守っていただけたらと、こう思います。 それから、学校校長室、教務室、また調理員室、コンピューター室へのクーラーの配置についてでございますが、毎年3カ所から4カ所入れております。教務室関係ですと、非常に大型になります。また、調理員の控室ですと小型でございますので、それは調整をとりながら入れておりますが、平成15年をめどに一応完備をするつもりでおりますので、見守っていただけたらと思います。 以上です。 ○石平春彦議長 この際しばらく休憩いたします。          午前11時52分 休憩          午後 1時 0分 再開 ○石平春彦議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を続けます。 15番、坪井正澄議員。          〔坪 井 正 澄 議 員 登 壇〕 ◆15番(坪井正澄議員) 私は、さきに通告いたしました2点について質問をいたします。 初めに、火力発電所建設に関連して電源三法に係る電源立地促進対策交付金を財源として、どのように認識し、また中期財政計画の中で、どのように位置づけ立てておられるか。また、その財源によるまちの整備計画についてどうお考えか、今後のスケジュールとあわせ、市長にお尋ねをいたします。 国内最大級の火力発電所として建設構想が平成3年国から提示されて以来、地元の皆様を初め、多くの関係皆様の御理解のもと、今日までほぼ順調に事業の進展が図られてまいりました。さきの建設企業常任委員会の行政視察におきまして、その前段階における建設用地整備に係る桟橋や土取り場の作業現場等を視察し、現場担当者から工事の進捗状況を伺ってきたところであります。まさにビッグプロジェクトであり、本体建設の予定が平成16年中ごろとされておりますが、来年平成13年度の予算作成の準備時期でもありますので、土地利用計画の変更など、かなりの準備年次を必要とする事柄も多いことから、提言を含め、この機会にお尋ねいたす次第であります。この火力関連で、今日まで複数の同僚議員の質問に答えられている点については、極力重複を避けて質問をいたしたいと存じます。 まず、火力発電所建設に伴う電源立地促進対策交付金が発電所施設本体の工事着手の年、すなわち平成16年からとされており、交付最終年度は3期目の運転開始から5年後の平成32年までとされており、さらに交付額は計画されている397万キロワット掛けるキロワットの単価550円、さらに火力の係数3で算出される額65億5,000万円が交付総額として見込まれております。そしてまた、交付期間の各年度における交付金額は、可能な限り均等になるよう整備計画を作成するよう求められておりますことから、相当の年間安定した財源の増が見込まれるものと存じます。こうした直接的な火力効果として交付財源の歳入増などと発電開始後の固定資産税収、建設工事に伴うさまざまな経済波及効果なども合わせると、相当な額になるものと推測されます。 しかしながら、総括質疑などでも論じられておりますが、景気低迷の長期化による税収減は極めて厳しい状況にあり、当市の財政状況は、市長の卓越した手腕をもってして市政執行に精いっぱいの知恵と工夫を随所に織り込まれて健全化を図りつつも、おくれていた下水道を初め、高速交通体系の整備等喫緊の課題に百年の大計を誤ることなく、それらインフラ整備の拡充にやむなきをもって行う特別会計を中心とした市債増加は、その意を十分酌み取ることができます。 さて、そこでお尋ねいたしますのは、こうした厳しい財政状況下ではありますが、これら火力交付金を初めとした財源を加味した中で、中期財政計画をいかに立てておられるかお尋ねいたします。このことは、さきの総括質疑でも市長が申されておりますが、他の大型事業などによって大きくぶれやすく、またそのことにより要らぬ憶測や影響をもたらしてはとの配慮から、明言を避けたいと申されましたが、それらのことを十分理解をいたした中で現時点での見通しをお聞かせいただきたいと存じます。とりもなおさず中長期財政計画を的確に図り、立てておられると明言されておりますが、そのことを明らかにすることは財政調整基金や減債基金の積み立て、また取り崩し、運用など活用に当たっての市民説明の根拠となるものであると存じますし、市債残高への市民の理解、また経営体質の改善に向けた持続可能なまちのありようを記す健全行政への羅針盤として、行政、市民、議会が三位一体となることにより、真に市民参加のまちづくりへとつながるのではないでしょうか。 例えて申し上げるなら、超長期をも見据えた指標としてのびやかJプランは市民参加のもと、歳出面の各事業などを将来を遠望して提起されました。歳入面の予測に関しても、超長期の30年までの予測は当然無理でありましょうが、せめて中期計画は明らかにしていただきたいのであります。市民生活に直結する市行政の施策を支える財政、その方向性をアカウンタビリティのもと限られた時間でまことに恐縮ですが、当面する大きな財源の火力交付金を歳入に見て、どう見通しておられるかお伺いをいたします。 次に、お伺いいたしますのは、交付対象事業においてどのように施設整備を行っていかれるのか、現時点で重点施策のお考えや基金対応についてのお考えがありましたら、お聞かせいただきたいと存じます。通商産業省資源エネルギー庁の交付対象補助メニューを見ますと、行政事業のほとんどが対象になっております。そこで、通年事業促進を図っている事業のほかに、交付金としての性格から地域的にそれなりの重点施策を考えておられるおつもりなのかどうか。また、どのような事業を重点に考えておられるのか。さらに、市民の声を生かした事業の検討などはどのようにお考えでありましょうか、お伺いをいたします。また、補助金交付期間が打ちどめとなった後の後年負荷とならないような対策として認められている維持補修を使途とする基金造成に交付金充当額の10%以内、さらにまた平成11年度から認められました維持運営基金としての積み立てとして交付充当額の30%以内は積み立てることができるとされております。この積み立て制度の改正により、基金積み立て枠が大幅に拡大され、より健全な自治体経営への対策、配慮がなされたのであります。仮に40%枠内いっぱい積み立てるとしたら、26億2,000万円となります。事業によっては、個々には維持あるいは運営費のランニングコストはかなりの違いもありますが、いずれにいたしましても、他の先例からも十分な上にも慎重にならざるを得ないものと考えます。大変大きな額でもありますが、私は最大限配慮をしていくことを前提として、事業検討に取り組んでいかれることを望むものでありますが、いかがお考えでありましょうか。 さらには、市民の声を生かしたまちづくりの中での政策立案、合意形成、また土地の用途変更などが絡む事業なども出てまいるものと存じます。そうした点、とりわけ土地問題など調査手続期間のことなどを考慮すると、そろそろ庁内に火力に伴う総合プロジェクトの設置を検討する必要があると思いますが、そのお考えはありませんか、お伺いをいたします。 また、3点目といたしまして、これらの事業は県との協議を経て、国の承認を得ることとされておりますことから、十分な意思の疎通が求められますが、県から上越市の意向をスムーズに受け入れていただき、今後の整備計画を立てていく上で特別な対策などを検討するお考えはありませんか。交付金の性格からそれを支える電源三法、その中の発電用施設周辺地域整備法の目的は、発電用施設の周辺地域における公共施設の整備を促進し、地域住民の福祉の向上を図り、発電用施設の設置を円滑化することとなっており、原則的に電源施設設置自治体の意向が補助メニューの範囲から逸脱しない限りにおいては、最大限酌み取られるものと思いますが、そう解釈してよろしいのでしょうかどうか、お尋ねをいたします。 2点目の質問に入ります。中核コミュニティー施設の全市カバーに向けた取り組みについてお尋ねいたします。私がこのことに対して質問いたしますのは、まちづくりに果たす地域コミュニティー活動を行政としていかに側面支援し、最大の効果を引き上げるかという視点での質問であります。言うまでもなく、まちづくりの基本は人そのものであります。人々が自治の精神を互いに地域生活の中からはぐくみ、築き上げていってこそ安らぎと活力あふれるまちとして成長、発展していくものと思います。市内にある336のそれぞれの町内会においては、例えて環境課題ではごみの分別協力や集積所の維持管理、また治安防災対策や体育文化活動、行政事業の協力支援など、さまざまな活動を通じて行っております。こうした活動を支援、促進する上で、行政においてはさまざまな補助事業などの施策をもって行われているところでありますが、そうした活動にあわせ、地域協議会を単位とする地域活動もまた極めて重要な役割を受け持っているところであります。おおむね小学校区単位で形成されている協議会は、地域のコミュニティー活動を促進していく上で、その役割は極めて大なるものがあり、日ごろのそうした活動にまずもって敬意を表するものであります。地方分権時代の今日、自己責任のもと、真に活力あるまちづくりを進めていく上で、市民一人一人の自発性、主体性が極めて重要であり、それらが発揮されてこそまちをつくる原動力となってくるのであり、その活動を保証する上でも人々の交流の場は欠かすことができないのであります。 さて、そうした観点から市内協議会単位での施設整備状況を点検いたしますと、地域的にかなりの差がございます。現在そうした役割を果たす施設の整備結果を確認いたしますと、その多くは農林省の補助事業であったり、県の補助事業のものであったりしておりますが、現況はどちらかというと、村部は比較的に整備されつつあり、市街地の整備拡充が課題であろうかと存じます。今ある施設が計画的かつ総合的なまちづくり対策事業の一つととらえ、整備充実されてきた経過であり、また今後の計画が見えているのであれば、この私の質問はなくてよいのでありますが、結果してそうではなく、地域要望などを受けとめた上で、それらにあわせた補助メニューをつなげ、整備を図ってきたものと思われますが、いかがでしょうか。 下水道整備や学校施設整備と同様に、まちづくりの基本施策ととらえ、可能であればあらゆる補助メニューなどを活用し、また空き店舗の利活用なども選択肢の一つになってまいろうかと存じますが、全市的にカバーすべく中核的コミュニティー施設整備計画を立てられるお考えはありませんか。市長にお考えをお伺いいたします。私がこの質問を申し込んだ段階で、この質疑に対する所管部署はどこか、わずかなタイムラグが生まれました。すなわちそういうことでありまして、その視点が組織上明確に位置づけ、定められていないのであります。縦割り機構から見ると、行政のシステム上市長の政策判断の部分とならざるを得ないテーマとなっておりますが、どうか明快にまちづくり政策事業の一つとして位置づけられるようその方向性をお示しいただきたくお伺いいたすものであります。 以上、2点についてよろしくお願いいたします。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 順を追ってお答え申し上げます。 最初に、電源立地対策交付金の交付見込額と中期財政計画についてお答えします。火力発電所の立地につきましては、景気の低迷や電力供給事情によって、運転開始の時期が若干延伸いたしましたが、沖防波堤や火力発電所の護岸工事など、主要事業などについては、計画どおり順調に進められております。また、当市といたしまして取り組んでおります谷浜地区からの土砂採取につきましては、平成14年度から海上運送できる見通しとなっており、これまでの関係各位の御尽力に対し、この場をかりまして厚くお礼を申し上げる次第であります。とりわけ当市はもとより、上越地域発展のかなめとなります上越火力発電所の建設につきましては、八千浦地区、谷浜地区の有間川、桑谷地区の皆さんの温かい御理解と御協力をいただきながら電力会社を初め、国、県、市などの関係機関が一体となって取り組んでおりますが、引き続き一日も早い竣工を目指して渾身の力を傾注してまいりたいと、こう考えております。 続いて、交付金の諸制度についてお答え申し上げますが、発電所の建設計画地点の選定から運転開始に至る電源立地につきましては、近年ますますリードタイムが長期化する傾向にあり、立地を円滑に進めるために電源三法、すなわち電源開発促進法、電源開発促進対策特別会計法、発電用施設周辺地域整備法に基づいた交付金制度が創設されていることは既に御案内のとおりであります。当市の発電所計画と交付金の経過でありますが、上越火力発電所として平成6年5月に国の開発促進重要地点の指定からこれまでの間、例えば電源立地等初期対策交付金など、国のサポート策を活用しながら、電源立地に対する市民の理解を深めるための先進地視察や地域振興策の方向性などについての検討、研究を重ねてまいりました。 支援事業の選択に当たりましては、事業効果について全市的な視野からの検討を行うとともに、平成8年ののびやかJプラン策定後は当市の将来都市像とまちづくりの基本理念に沿いながら、例えば八千浦地区都市環境整備構想策定調査を行って、発電所周辺地域の道路網整備の方向性を定め、また企業団地基本計画策定調査を実施して、企業団地の計画的な整備を推進するとともに、漁業活性化策を講じるための漁業振興策定調査を行うなど、地域と共生する発電所を目指し、積極的かつ効果的にこの支援策を活用してまいりました。これら交付総額は平成11年度までの6年間でおよそ1億1,500万円となっております。御承知のように、発電所の施設建設が着工を迎える段階になりますと、本制度の中核であります電源立地促進対策交付金の交付を受けることが可能となります。道路や都市公園の整備、スポーツ施設や教育文化施設の建設のほか、社会福祉施設、環境施設、産業施設など、多様な公共用施設の整備が対象事業となっております。 交付額は、原子力発電、火力発電、水力発電など、発電態様によって算定の基礎が異なっており、また発電施設の出力、キロワット当たりの単価、係数基準に基づく算定方式が定まっております。ちなみに出力が397万キロワットの当火力発電所の場合は、1号系列から3号系列まですべての発電施設が着工されますと、約65億円の交付金を受けることができます。また、交付の時期、期間でありますが、発電所施設の着工年度から運転開始後5年までの間に交付されることになっており、例えば1号系列126.5万キロワットの着工が平成16年の予定であります。運転開始が平成19年の7月に予定されておりますので、1号系列分としては平成16年度から平成24年度までの9年間で約20億円の交付が行われるということになります。このように交付金は、当市が今後さまざまな基盤整備を推進し、みどりの生活快適都市・上越の実現に向けたまちづくりを進めていく上で、大変貴重な財源であるわけであります。 交付金を活用した事業計画につきましては、市のさまざまな事業計画について研究、検討を行う場として毎年開催しております行政研究会などを通じて既に検討に入っているところでありますし、また中長期財政計画、財政見通しにおいても、極めて重要な案件として位置づけ、行政研究会での検討などを踏まえてこれらを計画に織り込んでいるところであります。 また、参考までに申し上げますが、発電所建設後の固定資産、償却資産などが新たな電力資産の財政効果としてあらわれるわけでありますが、運転開始後15年間の試算を行いましたところ、これはすべて3号基まで含めて15年間の試算を行ったところ、15年間合計でおよそ800億円の固定資産税が増加する、これは償却資産税、土地両方でありますが、増加する見通しであります。ただ、この固定資産税は、地方交付税の基準財政収入額に算入されることになりますので、結果として増加分の75%相当額分については、地方交付税が減額となる仕組みになっていることから、実質的な手取りとなる増収は15年間で約200億円となり、年間当たりおよそ13億円の財政効果が予測されるところであります。25%しか入らないということです。ですから、余り思っているほど大きな期待を持ちますと、とんでもない財政運営になることを注意しなきゃならんと、こう思っております。 一方、上越火力発電所の立地によって、新潟県に対しても当市と同額の約65億円の電源立地促進対策交付金が交付され、県ではこれを当市に隣接する周辺市町村の公共施設整備に充てることになっております。また、東北電力、東京電力では、本県から他県に電力を移出しておりますが、上越火力発電所の運転開始によって県に交付されている電力移出県等交付金が年間およそ4億5,000万円増額することが見込まれております。 いずれにいたしましても、この貴重な交付金を当市発展のために有効に活用したいと考えておりますので、多大な御協力をいただいている関係地域の振興策はもとより、当市の社会基盤の充実を図るため、今後とも市民並びに関係者の御意見を十分に反映させながら検討を進めてまいりたいと考えています。 なお、当市の財政基盤をより一層充実させる上からも、1号系列の着工に続き、2号系列、3号系列につきましても、順次計画どおり建設されるよう電力会社など関係機関に強く働きかけていきたいと、このように思っています。このほか地元産業の振興、育成のために、電源地域振興促進事業費補助金が交付されておりますが、これまで補助採択件数が21件、約2億3,000万円となっております。地域経済の活性化に既に大きく貢献していることを申し添えさせていただきます。 なお、中期財政計画ということについてどういう考えかということでありますが、御案内のとおりこれから10年から15年の間は、大きなまちづくりの巨大な事業が続いてまいります。一つは、海洋森林公園があります。土取り場の跡地の整備が、これは引き続きやっていかなきゃならんと、こう思っていますし、それから新幹線の駅及びその周辺整備については、先般委員会でもお話し申し上げたように、230~40億円ぐらいかかるだろうという試算が既に示されておりますし、直江津の駅前の再開発、これも恐らく100億ぐらいかかるというふうには私どもは見込んでおりますし、何よりも火力発電所の立地の隣接する八千浦地区、ここにも相当の投資をしなきゃならんということでありますし、今調整を始めました県立の総合運動スポーツ公園、これは県の事業ばかりでなく、市がそれに連動して一体整備するということになっておりますもんで、それをどうするかということについては、今その構想を練っている最中でありますから、これはまだはっきりとしませんから、先ほども近藤議員にお答え申し上げたとおり、まだ細部については発表できる段階ではないんでありますが、これもしっかりと取り組んでいくことになりますと、相当の金額に上ります。流通業務団地とか、産業の育成等々を考えますと、ここ10年から15年の間は、相当の投資が予想されます。この手順を間違えますと、財政破綻になりかねないということでありますから、よっぽどこの辺の事情をよく熟知している私みたいなものがやっていかないととんでもないことになるぞと思っておりますから、私がやっている限りは心配ないというふうに思っていただければよろしいかと思います。 一方、また下水道整備等も借金をしてけしからんという話も一部ありますけど、これだってとんでもない話で、こういったことが評価されて改革度、サービス度1位になったわけでありますから、これは市民サービスの典型的なことでありますから、そういうところはどんどんやっていきますから、これは本当に難しい財政運営の局面に今立たされていると、こういうことでありますから、うかつに中期財政計画を私どもは行政研究会で今内部的にしっかりと研究しておりますけど、これをその都度出していって、大きな事業がぶれたりしますと、とんでもないことになりますから、これは本当に慎重にやっていかんと財政のかじ取りは難しいと、こういうことをよく承知しております。 そういうことが議論する中で、一つのまちづくりの方向性については、これはJプランがありますし、またその見直しを今始めました。Jプラン2001ということを始めましたから、それらについて中期財政計画ということを想定しながらまちをどういうふうに整備していくかということで整合性をとっていきたいと、こう思っております。 したがって、この中期財政計画については、財政規模が大きくなればなるほど一定のことを出していけるんですけど、結果的に余りそれは役立っていないということが実証されています。私も大蔵省にいるときに中期計画を、財政計画を出すためにお手伝いをしたわけでありますが、結果的にそれは何の意味もないということではありませんけど、いかに収支差が乖離して、財政が厳しいということを言う一つの道具にしかすぎないということで、御案内のとおり県も800億収支差があって大変だと、こう言っているとおり、全県的に節減してくれと、こう言っていながらああいう万代島をつくるから私はけしからんと、こう言っているんです。ですから、そういう話になってくるんです。 だから、これは財政計画というのは、いろんなことに配慮しながら出していかないと、混乱を招くだけに終わっちゃうケースが多いんでありますから、これは私は慎重に考えて対応していきたいと思っておりますが、こういった小さな財政規模になりますと、100億とか、50億とか、そういうものがやるやらんですぐにそれは赤字になるとかという話になりかねないわけでありますから、時間軸との調整、一つの事業を取り組んだら年次計画はもとより、1期、2期、3期とか、こういう時間軸でどういう形で整備しているかということの配慮が非常に大事になっていますから、今申し上げたように電源三法の交付金等については、そういう視点からそれに裏づけされるような財源、税源の使い方、こういうことを慎重に考えていきたいと、こう思っております。 次に、交付金を活用した公共施設の整備に当たり、早期に体制づくりを行うべきではないかとの点についてお答え申し上げます。申し上げるまでもなく、まちづくり、地域づくりの根幹は、長期的なビジョンを持ち、戦略的な手法を用い、さらに先を見据えた施策を企画、立案するという従来からの基本的な姿勢には何ら変わることはありません。今ほど申し上げましたように、発電所の建設もいよいよ間近になってまいりましたが、この交付金を活用した公共施設の整備計画の策定には、国、県との調整におよそ1年程度の期間がかかる見込みであります。これまでも交付金の活用方法について発電所周辺の地域づくりをどう進めるか、土砂採取後の海洋森林公園の整備のあり方、また直江津、高田の中心市街地の活性化、さらには新幹線新駅周辺整備など大規模なプロジェクトを視野に入れて私なりに思いをめぐらせておりますが、今後体制整備に合わせ、より具体的な検討に入ってまいりたいと考えています。 したがって、維持管理積立金等についても、早目に考えていくべきではないかとか、あるいはこのプロジェクトチームを立ち上げてどうのこうのということでありますが、今こういったことについても当然視野に入れておきますけど、まだその段階ではないかなという感じはいたしております。いずれそういう時期に来ましたら、そういう体制で取り組んでいきたいと、こう思っています。 また、公共施設の整備計画策定における重点方針とその方向性についてでありますが、このことについても先ほど申し上げましたように、当市の長期ビジョン、将来都市像などの理念を基本に据えながら、火力発電所立地周辺の八千浦地区や土砂採取後に海洋森林公園を計画している谷浜、有間川地区の関係地域の振興策を中心としながら全市的な視野からも検討して進めていきたいと、こう考えています。 次に、中核コミュニティー施設の全市カバーに向けた取り組みについてでございますが、青少年による凶悪犯罪や問題行動が連日マスコミで報じられているわけであります。その対応策の一つとして、地域コミュニティーの必要性が論じられております。また、今般の教育改革に関する議論においても、生きる力をはぐくむ場として、地域における教育力の重要性が再認識されておりますことは、御案内のとおりであります。私は、このような状況や社会環境が変化する中で、地域コミュニティーに最も期待されているのは、世代間交流の場であると考えています。近年核家族化が進むにつれて、子供たちは各家庭において祖父母などとのコミュニケーションの機会が極端に乏しくなっており、各家庭における触れ合いの場づくりとともに、地域というコミュニティーの中でいろいろな世代の人々と触れ合いを体験することが最も重要なものになってまいりました。また、これは同時に高齢者にとっても元気な子供たちとの日常的な触れ合いによって気持ちも若返り、はつらつとした人生が送られるものと考えております。 私は、このような世代間交流を基礎とした地域コミュニティーの重要性を十分に認識し、従来にない施設の複合化、多機能化を基調とした新しい施設整備のあり方にいち早く着手してきたところであります。この点においては、今年度南本町小学校区で整備を計画しております仮称でありますが、南本町こどもの家三世代交流プラザは、世代間交流をその整備コンセプトの中の中心に据えて各種機能の体系的な調和を図った、まさに21世紀の地域コミュニティー施設のあり方を示唆する画期的な施設であると思っています。また、今までも高士地区公民館にこどもの家を併設したり、南城こどもの家に老人憩いの家を併設したことなども、同様な考え方で行ったものであります。 一方、施設の配置につきましては、既存の配置状況を踏まえつつ、総合的、計画的な視野に立って整備を進めているところであります。なお、今後の中核的施設の整備のあり方といたしましては、施設の新設のみにとらわれることなく、既存施設の増築や改築による機能強化や空き教室の転用などに加えて、中心市街地において空き店舗の活用なども十分検討するとともに、既に実行しているところでございますが、さらに検討を加えて、関係機関との調整を図りながら、補助制度の効果的な活用や運用面における柔軟な対応などを進め、行政効果が効率的にあらわれるようより一層工夫を凝らしてまいりたいと考えています。 また、整備に当たりましては、地域事情を十分把握するとともに、各地域に必要な機能を充足できるよう地域住民の方々にも計画段階から参画していただくことは当然のことであります。地域コミュニティーの重要性とその活動の拠点ともなる施設の有益性を地域の皆さんから改めて深く御認識いただき、コミュニティー施設を大いに御活用いただきたいと考えているわけであります。現在進めておりますまちづくり協議会ということもそれらの趣旨に合致している動きだと思いますし、今ほど御提案ありました地域ごとの整備計画はいかがかという御提言でありますが、この辺については否定的に受けとめる必要ないだろうと、こう私は思っています。コミュニティーというと、大体小学校単位ぐらいに常識に生活とか、学校とか、いろんな行動様式が連帯性の中で動いているのが小学校単位が大体メルクマールだと私は考えております。したがって、そういう単位で地域整備、計画というか、緩やかでないとまた支障が出ますから、どちらかというとハードも、セミハード的なことは私はいいと思いますけど、ソフトとか、そういうヒューマンウエアと私言っているんですけど、ちょっと違った形のコミュニティーを形成するようなハード、ソフト、ヒューマン、デザイン、そういう形で向かっていくということは、私は大変有益ではないかなと、こう感じております。これらについては、今後研究課題にいたしまして、今現在の行政もかなりそういう方向性で一応やってはおりますけど、そういう概念づけを、意識づけをもうちょっとはっきりと出した方がいいという面も多少あるような感じします。これは、高齢化社会を迎えての例えばデイサービスセンターあたりを今設置しているのは中学校単位で考えておりますけど、こういったことを小学校単位なのか、中学校単位なのか、あるいはどういうコミュニティーなのかという、町場はどうかとか、あるいは農村部はどうかとか、いろいろコミュニティーのくくり方がこれはあるはずでありますから、こういったことも視野に入れながら、特に最近学校といっても、人口急増のところの学校と過疎とアンバラが出てきておりますし、そういうコミュニティーの動きが、変化が一方出てきていますから、そういった意味で将来のことを見据えながら、全体のJプランの中で地域コミュニティーの整備計画をどうするかということについては、大変これは有効ではないかなと、こう思いますので、今後また研究を重ねていきたいと、こう思います。 以上です。 ○石平春彦議長 15番、坪井議員。          〔坪 井 正 澄 議 員 登 壇〕 ◆15番(坪井正澄議員) 若干の点について再質問をさせていただきます。 先ほど電源立地促進対策交付金並びにまた固定資産税、いろいろなそういう増収状況について詳しく御説明をいただきました。その中で、私のお尋ねしている一つの方向性、財政計画の中で市長としてのまだまだ年次的にはまだ1年前くらいでいいんじゃないかという具体的な年次説明もいただいたわけなんですが、基本的な財政計画を考えていく上での市長の基本的なお考えのあり方という部分でいうと、維持運営基金あるいはそうした基金に対する考え方が今まで10%しか認められていなかったということなんですが、昨年からこれが地方の自治体でそういう電源交付金、原子力あるいは火力、いろいろなものの中で大きな金、ものがどんと来たと、だけどもやってみたけれども、後の維持ランニングが大変になって自治体が混乱しているというのが現実にあるという中から、この制度が国の方で出てきたんだと、こういうふうに思うわけでして、その中でまず基金に対する考え方、基本的な市長の財政哲学といいますか、そういう部分から見たときに、こうした中で65億5,000万という中から40%ということになってきますと、実際26億2,000万ほどですか、それくらいの金額になってまいります。そうすると、それをはねた分というと三十数億、こういうことになってまいりまして、実際に使える金額、じゃ少なくなるじゃないかと、こういうことなんですけれども、それでも石橋をたたいたそういう特別な収入分については、極力基金対応という考え方、これがおありかどうか、その辺の部分十分慎重に検討すべきという言葉のところなんですが、そこのお考えについていま少しお話しいただけるものがあるとしたならばお聞かせいただきたいと、こういうふうに思うところでございます。 それと、プロジェクトの設置についてなんでございますが、私総合的にこれらの事業がこれから電源交付金の補助事業メニューということになりますと、それこそ下水道から上水道、また福祉、教育あらゆる施設整備等がそのメニューに入っているわけでございますけれども、これらが例えば下水道というような形になると、もう既に事業をやっている。ただ、それも事業としてやる場合はどういうふうな形になってくるのか。施設、今議会で提案されていろいろ設計等に対する審議があった。例えば埋蔵文化財センターのようなもの、それらのようなものがもう既に事業着手しているものが仮にあったとしても、事業対象になるのかならないのか、その辺のところがちょっとわからないところでございまして、ただ今後の中期財政計画、いろいろな形の中でこういう電源交付金等を見た中で重点として海洋森林公園、あるいは新幹線周辺整備、直江津駅前、八千浦地区あるいは谷浜、有間川地区、県立総合運動公園、流通業務団地、具体的に重点的にこれら着手というような形の方向性がこれからの計画の中で出てくるということで明らかにされたわけでございますけれども、その辺のところ従来の事業、今現在進めている事業、それらについても可能なのかどうなのか、もしこれは具体的な事業内容ということで申し入れしていない時点でございますので、これはお答えがなくてもいたし方ないところでございますが、もしおわかりでしたら教えていただきたいと、こういうふうに思います。 それから、中核コミュニティー施設の関係につきましてでございますが、今現在地域コミュニティー活動のそうしたところにソフトの理解、これが必要になってくるということでありますが、私自身これは私がこの質問をすること自体が、例えば自分の地区に何かの中核施設が欲しいという陳情方で申し上げてるわけじゃございませんで、これは当然市長も御存じでございますが、私の地域はファームセンターというのがあって、これは市長さんが大蔵にいたときに実際手がけて予算をつけてくだすった、出した側の立場でいられたわけですが、そうしたものを受けて今地域ではあそこの活用といいますか、黒板見ると本当にぎっしり予定が詰まっております。 そんな形の中で、地域コミュニティー活動が交流の場があることによってまた鶏が先か卵が先かじゃございませんけれども、あることによって、物すごく活動の輪が広がって黒板が埋まっていくというような形になっておりまして、そういう状況からしますと、先ほど小学校区単位で、協議会単位、これが一番一つの形じゃないかな、そういう部分でいいますと、例えば先ほど説明ありましたような総合複合施設の高士分館でありますとか、戸野目土地区画整理事業の寄附採納をいただいた平成町の津有北部分館、あるいは津有でいったらファームセンターあるいは和田でいったらラーバンセンターと、こういうふうにして農村部の方各種施設がかなり整備された中で地域活動が非常に活発化してきている。その中で、先ほどそういうとらえ方、そういう視線に立って一つのポジション、位置づけ、これも重要なこととしてこれから位置づけるというありがたいお言葉いただいたわけでございますけども、例えば集落ミニ排水事業を2000年度末までに事業着手をして完備する一つの方向性、施策を持ってやるということで、そのように言われたわけでございますが、この中核施設も私はまちづくりのこれからの一番大事な根底機関、そういう部分でいいますと、本当に協議会長さん方、いろいろな形で苦労しておられるわけでございますけども、そうしたところにそういうものを持っていって、またさらにそれを促進するんだということで、何とか来年度上越市合併30周年記念事業が盛りだくさんにあるわけですけれども、何とか35年くらいまでにそういう方向性、まだ未整備のところ確認をいたしますと、何とかやっていけないものなのだろうかなと、こういうふうに思うところでございまして、その辺の年次計画、具体的に何年とははっきり言えないかもしれませんが、その辺の計画に対してもしお答えいただけるならというふうに思いまして、再質問をさせていただく次第でございます。どうかひとつよろしくお願いいたします。 また、学校施設等の開放も含めてということありますが、やっぱり地域のいろいろな活動、本当に実際じっくりということになると、一杯酌み交わしながらというようなこともどうしても地域の中の活動では非常にまたそれも大事な役割を担っております。そういう点から見まして、学校施設の中で酒のにおいを残していく、この辺に対してはやっぱり抵抗がございます。そういう絡みからして、やっぱり学校は学校でどうしてもし得ないこと、でき得ないことございますので、その辺も含めてお願いをしたいと、こういうふうに思うわけでございます。よろしくお願いいたします。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 電源立地交付金をいただくと、通常一般的にいろんな施設、箱物をつくってしまって、後始末に困っているがゆえにそういう維持管理、維持運営基金を積んでいこうじゃないかと、こういう話が後追い的に出てきたと思うんです。ならばそれは最初からそういうことにならないようにやっていけばいいんです。ですから、初めに基金ありきというのは、これは逆だと思うんです。基金がなくたって一般財源がきちっと対応できるような、そういう財政運営がより大事でありますから、最初から事業がスタートする前から基金をプールするというのは、アイデアとしてあるかもしれませんが、私はそれは余りいい考えではないなと、こう思っております。 それは、いっとき金利が高いときはその基金運用というのは割と有効だったんです。金利が7%とか、あるいは8%とかというときは、生む果実、利息が相当の効果を発揮してきましたから、例えば今リージョンプラザのあそこも設置するときに、基金を積みました。しかし、今運用益はほとんどないみたいな話でありますから、むしろ運用益と借りる利率と比較したら、逆の現象が出てくるんです。そういう財政運営をテクニカルの問題でむしろ基金がない方がいいということもあるんです。ですから、それは時々の金利とか、金融政策との絡みで基金はどうあるかということを考えていくんであって、その根底は過剰な投資、過剰な建物、維持管理ができるような、発生するようなものを極力抑えるということが基本だと思うんです。まずそれをやってからの話だと思うんです。ましてや電源交付金は、今お話し申し上げたように、そんなにたくさんイメージは恐らく膨らんでいると思うんです。だけど、実際はそんなに入らないということでありますから、そこをまず気持ちをフラットにしながらやっていかなきゃならないということでありますから、ましてや基金を先取りする余裕は恐らくないだろうと、こう私は思っています。 それから、中期財政計画については、実は私ども手元にこういう中期財政見通しというのを持っているんです。これは、毎年ローリングしてきちっと収支を見てやっておりますけど、相当これは赤字出ています。だから、これは出しても別に構いませんけど、構いませんというと、出せばいいじゃないかという話になりますけれども、これ出しますと、結局収支がバランスとれていない、いないだけが声高に言うだけの材料でしかないんです、これは。だから、こういうことを現実に踏まえて単年度の予算をどう組むかということをやっておりますから、それは私どもはきちんと責任を持って運営しているということでありますから、これ出しても正直言って県も800億足りないとかと言えばかなりセンセーショナルになりますから、じゃしようがないかなという、こういう気持ちにさせるためにというところが多いんです、これはテクニカルに。 ですから、そういうんじゃなくて、一つの今言った後の中核施設、コミュニティー施設をどうつくるかということについては、これは一定の年限でどう整備するかということはあってもいいと思いますが、今事例もお出しになったミニ下水、これについてもこれは下水道とか、ミニ下水というのは、上越市は特別におくれていたわけです。ですから、おくれていたものを計画的に前倒しでやるという計画性を持って出すという意味でのこの計画をつくるということは、これは極めて大事なんです。ですから、2000年、ことしまでは普及率4割に持っていこうということを私申し上げたとおりに、今進んでおりますが、こういったことの一つの政策目標を掲げて年次的にどうするかということはあってもいいかもしれませんが、あれもこれも織りまぜて言うことは、これは一部は可能になります。例えば新幹線の問題については、10年で見るか、8年で見るか、これは別になりますが、10年ぐらいで開業するということになれば、おのずと逆算してくると、どういう形の事業がどこに織り込んでいくかということになりますから、その部分については10年ぐらいまでには全体の計画の中の何割ぐらい持っていくと。二百三十、四十億は一挙にできませんから、これを第1次計画、第2次計画、第3次計画としてまちをつくっていくというこのつくり方をタイムスケジュールに落とし込んでいくという、こういったことは私は大変重要なことであります。それぞれがその計画を折り重なってみんなやるというとなると、簡単に財政はパンクします。ですから、こういうところは非常に難しいんであって、また相手のこともあったり、あるいは地域の実情とか、あるいは最近では特に国とか、県の、県自身がもうお金がないんですから、国も基本的にないんですから、だからこっちがあったとしたってできないという、向こうがあっても、こっちがついていけないという、こういうそれぞれの行政セクターの事情もありますから、ただこっちの都合で中期計画をつくればいいという、こういう話じゃないんです。裏打ちされて初めてこの計画が実効性が上がるということでございますから、余り絵にかいたもちのようなことをやらない方が私は混乱を生じさせないという方法だと思っていますから、慎重にやった方がいいだろうと。ただし、私どもはきちんとこういうふうに内部的には持って、いつも毎年ローリングしてやっているということだけは申し上げておきます。 それから、御案内のとおり645兆も借金をして、今回の補正についてもいろんな議論がなされております。つまり国の国債自身が価値がムーディーズによって下げられるという、こういう時代で、逆にインフレという懸念さえ出てきています。ですから、おのずと財政指数、財政に依存する方向性は縮小に向かっていかざるを得ないという面があります。そうなると、じゃどこにいくかというと、民間です。だから、今私どもはそういうことも視野に入れながらPFIというような新しい手法をどう取り入れるかということを今モデル的にやってはいるんです。これは、県下で初めてでありますし、建設省によっても全国的にも大変進んでいるということで、建設省等指導をいただきながら初めて今やっておりますが、こういったPFI方式をどう入れるかとか、いうことでいろんなニーズを実現するためにいろんな工夫をしていくという時代に入ってきたんではないかなと、余り公共公共という官依存型の話じゃないだろうと、こう私は思っていますし、景気もこれだけ100兆も景気対策に投入したことがようやくここのところにきてあらわれて、年間の今年度もGDPが1%はまず間違いないだろうという政府の見通しもほぼ達成できる見通しになってきました。そういうときにまだ官かいという話がやっぱり官から民へとシフトをしていくのが健全な経済運営あるいはまた社会の形成の方向性ではないかと、こういうふうに言われているとおりであると思います。 ですから、余り財政とか、官とかという、そういうところだけに依存するということは決していいとは思わないというふうには思っていますし、そういうことを言わなくても税収とか、そういうものは潤沢に入ってきていないわけです。ですから、これまでも借金がふえてきたところでありますが、それは中身は減税とか、そういう政策的な施策によって発行せざるを得ない市債がふえてきたわけです。だから、我々がコントロールするいわゆる一般歳出というか、普通の通常債、これについては抑制しているんですから、しかしそのほかに他動的要因があってふえざるを得ないということでふえてきたんでありますが、これをもっと私どもの通常債までふやしていったら、それこそ財政が破綻するのは目に見えておりますから、そういうところは私ども自身が抑制しながらやっているということで、限られた財源があってこういうことを各年の予算にどう反映するか、あるいは中長期的に見てJプランの理念に沿って計画的に進めていくかということでありますから、それに整合のとれた財政運営がより求められていくんではないかなと、こう思っております。 以上です。 ○石平春彦議長 4番、古澤弘議員。          〔古 澤 弘 議 員 登 壇〕 ◆4番(古澤弘議員) 私は、さきに通告いたしました雇用対策と産業の強化振興について幾つか具体的な施策に関する質問をさせていただきます。市長の御答弁をお願いいたします。 現在上越市は、第4次総合計画をもとに各分野にわたり多くの施策を積極的に執行され、中でも住環境の整備、中心市街地の活性化、道路や駅周辺、そして各種施設整備など、まちづくりは順調に進み、また産業の基盤であります港の整備、高速道路の全通、さらには近い将来実現が見込まれている新幹線を含め、地方の中核都市として基盤の整備は着実に進展していることは高く評価するところであります。しかし、多くの市民が今強く望んでいることは、日々の暮らしや生活の基盤であります雇用の安定であり、地域産業の振興ではないでしょうか。申し上げるまでもなく、我が国経済はバブルの崩壊、それに端を発した金融破綻、さらには国際的金融不安などにより、極めて深刻な状態に陥り、景気は長期にわたり低迷するもとで、多くの産業において事業の縮小や撤退、そして相次ぐ企業倒産などにより、経済はマイナス成長の厳しい状況にあったことは御承知のとおりであります。 このような厳しい産業経済情勢を踏まえ、政府は平成10年度と11年度にかけ、景気刺激策として大型財政投入を行い、これにより景気はようやく下げどまり、一部の産業に回復の兆しは見られますが、最近の大手スーパーそごうの経営破綻に見られるように、本格的な景気回復にはなお遠く、依然として厳しい情勢にあると言えます。 このような情勢のもとで、上越地域の産業経済も極度に冷え込み、各企業及び事業所においては、事業の縮小や撤退、さらには倒産など、厳しい選択を余儀なくされ、また生き残りをかけた合理化やリストラなどの対策を求められている状況にあります。一方、市民生活は賃上げの抑制や残業の激減による所得の減少、そして失業や雇用不安により日々の暮らしや生活の先行き不安など、深刻な状況にあることは申し上げるまでもありません。既に上越市は、こうした実態を踏まえ、平成10年5月から独自に上越市景気動向調査を実施されるとともに、他に先駆けてシティーワーク推進員の配置による求人開拓、各種の緊急雇用対策の実施、さらには低金利による事業資金など、各種の融資制度を実施され、雇用の安定と産業の振興に向けて積極的かつきめ細かに対策を講じられていることは十分承知しておるところであります。 しかし、昨年12月現在の県内工業統計調査の結果によりますと、平成10年と11年の調査項目の対比では、新井圏域及び糸魚川圏域は比較的好調でありましたが、上越圏域はいずれの項目も前年を下回る内容となっております。特に上越圏域の中で、影響の大きい上越市については、調査項目の事業所数、従業員数、製造品出荷額、付加価値額ともに前年を下回る内容で、依然として厳しい実態にあると思われます。私は、このような現状と厳しい実態を改善して、市民の暮らしと生活の安定向上を図り、上越市が真に地方の中核都市として発展するために、これまでの雇用対策や産業振興策を見直し、的確な情報収集と具体的な目標や目的のもとに一歩も二歩も踏み込んだ雇用対策及び産業の振興策を執行されますことを強く切望し、質問するものであります。 初めに、地域の雇用情勢と雇用対策について質問いたします。前段で申し上げましたとおり、長引く不況、深刻化する経済情勢のもとで、雇用情勢は平成10年から極度に悪化し、平成11年度は完全失業者数が320万人を超え、有効求人倍率は0.49倍と過去最悪の深刻な状況に陥ったことは、経済統計指標に示されているとおりであります。そして、これまでの国や地方自治体の経済産業政策により、最近の雇用動向は多少上向き、最悪を脱した感はありますが、今年7月の完全失業者数は307万人、失業率4.7%、平均有効求人倍率は0.6倍と雇用動向は依然として厳しい情勢にあることは変わりがないと考えられます。特に7月末現在の労働省によります推計調査結果では、来春高校卒の求人倍率は全国平均で0.64倍と、前年同期を0.02ポイント上回っているものの、求職希望の生徒3人に対して2人分の求人しかない極めて深刻な状況にあるとされています。 当上越地域の雇用動向については、上越公共職業安定所の集計結果では、平成9年度の有効求人倍率はパートを含む全数で1.17倍と、全国に比べ高い水準にありましたが、平成10年度は0.72倍、平成11年度は0.63倍、今年の1月、2月は0.54倍、常用では0.5倍と最悪の状態になりました。このような状況を踏まえ、上越市はシティーワーク推進員による求人開拓や緊急雇用対策実施の努力により、今年7月の実績で有効求人倍率は0.7倍、常用では0.62倍と、多少の上向きは見られますが、しかしこれは昨年の8月の0.73倍、12月の0.76倍の水準を考慮しますと、決して楽観のできる状況ではないと思います。今後、各事業所におけるリストラ策による雇用のミスマッチが想定されることから、依然として厳しい情勢にあると判断いたしております。 私は、このように厳しい情勢を踏まえ、この9月に上越公共職業安定所並びに市内10校の高校へ出向き、雇用情勢及び求人動向について調査させていただきましたところ、上越公共職業安定所の所長さんのお話では、管内の雇用動向は求人に多少の動きはあるものの、依然として厳しく、特に来春高校卒の求人については、8月の集計では全体で昨年の730人に対し、今年は565人、215人の減、管内では昨年の529人に対して357人と172人の減、県内の他の管内を含めても昨年の584人に対して393人であり、191人もの減という厳しい実態にあるとのことでありました。特に各高校の5月時点における求職希望と8月末の求人数から推計すると、求人倍率は0.69倍、県内求職希望では0.68倍とされています。昨年はかなり厳しかったわけでありますが、昨年同期の0.78倍を下回る状況にあることから、個別の求職開拓を積み重ね、一人でも多くの求人獲得に努めていきたいというようなお話がございました。 また、市内の高校10校のアンケート調査によりますと、これは9月上旬現在でありますが、来春平成13年3月卒業見込み者2,050人中650人が、約31.7%ですが、650人が就職希望で、そのうち450人、70%が上越地域での就職を希望され、その他の県内就職希望者124人を含めますと、579人、全体の90%の方が地元県内での就職を希望されておられます。しかし、求人数393人に対して求職者数が579人ということで、差が186人と大きいことから、相当数の方が就職できない状況が想定されています。さらに、各校の進路指導担当の先生のお話では、上越職業安定所の所長さんの見解とほぼ同様で、今年の求人状況については、昨年よりさらに動きが鈍く、一部製造業で求人がふえているものの、求人の絶対数が少なく、特に建設関連及び事務職関連の求人は激減しているとのことでありました。特に少子化のもとで、地元での就職を強く望まれており、1次試験での不合格者のための2次募集がどのようになるか、心配されておられました。また、求人数が少ないことから、親御さんに進学を勧めても、不況により経済的な余裕がなく、進学に踏み切れないとの切実なお話もありました。 以上申し上げましたとおり、雇用情勢は依然として厳しく、大変な状況にありますが、行政の最高責任者として、現在の雇用情勢をどのように御認識されておられるか。また、その対策として今後どのような施策を講じられるか。特に市民の暮らしと生活安定と、さらに若者が地元に希望を持って定着できる職場確保のために、これまでの雇用対策に加えて、緊急雇用対策として担当の副市長を初め、職制者が市内の主な事業所に出向き、各企業及び事業所の状況調査とあわせて、新規雇用の開拓に向け、積極的な働きかけを強く望むところでありますが、お考えをお尋ねいたします。 次に、地域産業の強化振興策について質問いたします。たくましい地域産業づくりを基本に掲げ、農業、商工業の振興のため、積極的な政策を執行されることについては、理解するところであります。特に食料の供給のみならず、国土保全のための重要な役割を果たしている農業の振興については、上越市食料・農業・農村基本条例を制定し、また商工業振興のため電力港湾の建設や港の整備、高速道路網の整備、工業団地の整備、さらには(仮称)上越市産業振興センター設置構想策定などの施策については、高く評価するとともに、今後大いに期待するところであります。しかし、低成長経済の定着、産業の国際化とスピード化など、変化の激しい環境のもとで地域産業の強化振興を図るためには、大変厳しい情勢や環境にあると考えております。また、国も地方も財政難の厳しい情勢のもとで、これまで地域経済の牽引役を担ってきた公共事業主導による地域経済の振興については限界があり、大きくは望めない情勢にあります。したがって、今後上越市が20万都市として発展するためには、港や高速交通網などの機能と上越市の持つ地域性や特徴を生かし、付加価値の高い新規企業や情報関連産業など、基幹産業の誘致を図り、民間企業の事業拡大とそれに伴う設備投資や物流業務の拡大、さらには個人消費による商業の振興など、民間活力による産業基盤全体の強化と底上げが必要と考えております。 そのためには、さきに設置構想を策定された(仮称)上越産業振興センターの機能を十分に発揮され、また国内の産業動向に関する的確な情報収集を行うとともに、上越市に適した産業は何か。また、企業誘致や産業の振興をどのように進めるか。そのための施策をどうするか。より的を絞った具体的な方針や政策のもとで進めることが重要と考えています。私は、地域産業の基盤強化と振興策として、既存企業における事業の強化拡大、また中堅大手の新規企業の誘致やベンチャー企業の育成、さらには物流業務や商業を中心とする産業の振興などが必要と考えております。そして、そのための環境整備、条件整備、さらには優遇措置など、具体的な施策の実施が必要であり、特に戦略的に重要な企業誘致や事業の拡大に当たっては、トップセールスが強く求められると考えております。 そこで、既に進められている物流業務関係の政策を除き、既存企業の周辺事業及び新規事業促進についての施策と、また新たな新規企業や新規事業の誘致推進による産業の強化策について御質問いたします。 第1は、既存企業における事業の強化拡大についてでありますが、新たな企業誘致を行うためには、環境の整備や条件整備が必要であり、早晩の実現は困難と思われます。したがって、まず既存企業の事業拡大と周辺の新規事業による産業の振興策が安全かつ早道と考えております。そのためには既存の事業拡大や周辺の新規事業化の働きかけを行うとともに、行政として可能な環境の整備や優遇措置を講ずることが必要と考えておりますが、どのように考えておられるか御質問いたします。 第2に、新規の企業誘致についてでありますが、産業経済の国際化のもとで、新規事業展開の戦略条件として、これまでは安価な労働力が大きなウエートを占め、国外、特にアジア地域での事業展開が多い状況にありましたが、付加価値の高い事業展開においては、国内外を問わず、安価な労働力よりマーケットや流通条件、原材料の調達やコスト、事業展開の優位性、良質な労働力、さらには政治的安定性などが求められております。このようなことから、上越市は新規企業や産業の誘致に関する条件はおおむね整っていると判断いたします。産業基盤の強化のためにぜひとも付加価値の高い中堅大手の企業、または事業の誘致を強くお願いするところであります。 そして、特にお願いしたいことは、企業や事業の誘致に当たっては、これまでの総花的な誘致活動や説明会を見直され、今後上越市が目指すビジョン、具体的な誘致企業や産業に目的を絞り、誘致していくことが必要だと思います。二つ目には、工業団地の造成については、誘致企業の要望を満たすため、オーダーメード型、すなわち要望型の工業団地を造成していくことも必要かと思います。特にかなりの大規模な企業を誘致する場合には、オーダーメード型でぜひ進めていただきたいというふうに考えております。それから次に、企業誘致活動でありますが、企業誘致活動は、企業のターゲット、的を絞って個別に出向いて粘り強く行っていただきたい。 以上のことについてお願いするわけでありますが、この辺についてのお考えと、特に企業誘致に望まれることは、行政のトップによる積極的な行動が重要と考えておりますが、トップセールスの必要性についてどのようにお考えかお尋ねいたします。 以上、雇用あるいはまた産業の振興について御質問いたしましたが、御答弁お願いいたします。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 お答え申し上げます。 まず、第1点目は地域の雇用情勢と雇用対策についてでございますが、上越公共職業安定所管内における有効求人倍率、パートを含む全数でありますが、平成10年1月に1倍を割ってから平成11年4月には過去最低の0.53倍を記録しましたが、その後徐々に回復してきておりまして、ことしの7月には全国の0.60倍、新潟県内の0.63倍に対し、当所管内では0.70倍となっております。なお、8月の有効求人倍率は速報値ではありますが、0.81倍と、先月よりもさらに改善をしております。 しかしながら、7月の管内の状況を職種別に見ますと、求職に対して求人が多い職種は、警備員や交通誘導員など保安職の6.61倍、建築士や看護士など専門・技術職の1.16倍などであるのに対して、求人が少ない職種としましては、事務職で0.15倍、タクシー運転手や貨物自動車運転手など運輸・通信職の0.37倍などとなっております。また、年齢別には45歳以上54歳以下で0.36倍、55歳以上が0.1倍となっておりまして、中高年齢離職者にとっては極めて厳しい状況になっております。雇用のミスマッチということが相変わらず強く数値的にも出ているんではないかなと思っております。また、議員の御指摘のとおり管内の来春高校卒業予定者についても8月末現在で求人倍率は0.69倍と、前年同期を0.09ポイント下回っております。このように回復基調にあるとはいえ、依然として有効求人倍率が1倍を割り、求人、求職のミスマッチという深刻な状況が続いておりまして、今後とも幅広い求人の開拓と人材教育を図っていくことが極めて重要であると認識をしております。 こうした中で、本来労働力の需要供給の適正な調整は国の業務とされておりますが、これまでも私はこのような厳しい雇用情勢に対応するために、各般の施策に積極的に取り組んでまいりました。まず、国の緊急雇用対策事業に先駆けまして、市職員の特別採用職員制度を創設しました。これは、平成10年度には15人、平成11年度には69人を採用しております。そして、昨年7月には全国でも初めての取り組みと言われておりますが、求人、求職の相談に当たるとともに、上越公共職業安定所と連携して、管内の事業所を直接訪問し、求人開拓を行うシティーワークサポートセンターを開設したことは、既に御案内のとおりだと思います。この結果、昨年の7月からことしの3月までに求人件数が670件、求人数で1,500人、上越公共職業安定所全体の求人数が1万908人のうち13.8%を開拓するなど、大きな成果を上げているところであります。 なお、議員も大変御心配されておりました高校卒業予定者については、厳しい雇用環境が続く中で、若者の職業観の変化も言われているところから、市としても関係機関と連携を図り、4月に地元企業のガイドブックを各高等学校に配布いたしました。7月には高校の就職指導担当教諭を交えて、高校生の職種に対する意識や資質、事業所側の期待感などについて意見交換をしました。そういったことをしながら地元の就職の促進を図っているところであります。高校卒業予定者の雇用環境は、昨年度に比べて厳しい状況にありますが、上越公共職業安定所では、最終的な求人倍率を1.3から1.5倍程度と見込んでいると言っております。また、雇用の確保の観点からも、中小企業の経営安定のための景気対策特別資金を初め、各種景気対策に機動的に取り組んでいるところであります。さらに、人材育成の観点から、県立上越テクノスクールとの連携を強化するとともに、上越人材ハイスクールにおける木造建築や配管などの技能者が不足している分野の強化を初め、社会構造の変化にも対応できるようパソコンや介護などの訓練の充実についても積極的に支援を行ってきております。 このように各般の施策を行っておりますが、若者も希望を持って定着できる雇用の場を確保するためには、議員も御指摘のとおりたくましい地域産業づくりを進め、多様な産業が地域に定着して活動することが基本であります。そして、こうした産業の伸びやかな地域展開のもとで雇用の需給調整が的確に行われ、勤労者の福利厚生を含めた総合的な雇用環境の改善を図っていくことが肝要であると考えています。 このため今後ともこれからお答え申し上げます産業の強化振興を図りつつ、関係機関と一層の連携を図りながら、一つは雇用のミスマッチの解消、さらにはニーズに即応した人材教育の進展、そしてことし4月に財団法人化した上越勤労者福祉サービスセンターの活用等による勤労者の福利厚生の向上などに努めるとともに、市を中心としたワークシェアの進展についても検討を進め、新規高卒者を含め、地域雇用の安定に最大限努力していきたいと、このように考えています。 次に、産業の強化策についてでございますが、市では産業構造の改革が求められている中、たくましい地域産業づくりを進めるために、一つとしまして、既存産業の高次化や新規創業者を含めた新産業の創出、そして直江津港のポートセールスとあわせた企業誘致などを積極的に進めているところであります。まず、既存産業の高次化、新産業の創出について、新地場産業の構築を推進するために、平成9年度に中小企業研究開発等支援資金融資制度や新産業創造支援事業補助制度を創設し、市内中小企業者の新製品並びに独創的技術の研究開発や事業化を積極的に支援してまいりました。また、平成10年度からは新規創業や新規事業分野へ進出しようとする方々を対象に、起業家養成塾を開設し、起業家が次々と輩出する環境づくりを実施したところであります。こうした施策が評価されまして、民間経済誌がまとめた全国起業しやすい都市ランキングでは、昨年の6月当市は全国693市区中堂々の3位になったことは既に御案内のとおりであります。 次に、企業誘致についてでありますが、私は新日本海時代のゲートウエーとして重要港湾直江津港を有し、昨年秋の上信越自動車道の全通や北陸新幹線工事の進捗によって、ますます交通の要衝としてのポテンシャルが高まっている上越を今こそ売り出していく時期だと確信し、直江津港のポートセールスとあわせ、企業誘致を積極的に進めてきたところであります。このため企業進出の受け皿となる産業団地の整備を計画的に進めているところであり、ことし6月には好評のうちに完売した下五貫野企業団地に隣接した下五貫野第2企業団地の分譲を開始するとともに、いよいよ上越インターチェンジの北側に緊急流通業務団地の造成を開始いたしました。これら団地への企業立地を促進するため、一昨年には企業振興条例を一部改正しまして、大規模投資や多くの雇用を行う企業への奨励金を増額いたしました。また、立地する企業の初期投資を抑え、進出しやすくするため、土地代金の10年間分割制度やリース制度の導入にも取り組んでいるところであります。さらに、土地の分譲に当たっては、上越市独自の方法として土地の区画を最初から決めるのではなく、立地企業の要望に応じた区画割とするオーダーメード制をとっているところであります。今後の産業団地整備に関し、御質問の上越高田インターチェンジ付近の山間丘陵地区については、のびやかJプランに掲げる研究開発・高次産業拠点のホワイトバレー構想の一環として検討を進めることとしております。 また、企業誘致活動では、当市の優位性をアピールするため、これまでも首都圏や長野県を中心に直江津港のポートセールスをあわせた企業誘致を精力的に展開しております。東京では、企業の本社が集中していることから、説明会では東京から一番近い日本海上越、東京から一番日本海に近いのが上越ということをキャッチフレーズにして企業誘致活動を中心としたシティーセールスを展開しておるところであります。また、隣県長野県に対しては近年外国貿易貨物取り扱い量が急激に伸びている直江津港を利用しての対岸諸国との貿易や日本海側で唯一の北海道・九州との縦貫フェリー航路を武器として、長野県貿易協会や長野県倉庫協会、食糧保管協会等の総会の場をかりての説明会や上越市での現地視察会を開催するなど、積極的なセールスを実施しているところであります。 市内産業団地の分譲状況を申し上げますと、全国的には企業立地が非常に厳しい状況が続き、県内の団地も苦戦している中で、県営南部工業団地では平成10年には4社、11年には4社、西田中企業団地では平成10年には2社、平成11年には2社が立地したところであります。もとより企業誘致の決め手はトップによるセールスであります。職員による企業訪問や説明会を通じての誘致活動によって、有力な情報が入った場合には、私を初め、副市長や現場を預かる課長が直接企業を訪問し、企業幹部との交渉を行っているところであります。こうしたトップセールスにおいて、直江津港を初めとした交通の要衝としての優位性が評価されるのはもちろんのこと、私が進めてまいりましたのびやかJプランに基づく、総合的、体系的、計画的なまちづくり、さらには地方自治体として全国の都市に先駆けてISO14001の認証を取得した先進的な地球環境都市であることが企業のトップの方々から高い評価を受けて当地域への企業進出の大きな力となっていることを見ますと、私といたしましても、意を強くしているところであります。先般荏原ユージライトさんが工場を竣工いたしましたが、これもトップセールスの結果として、このような企業誘致ができたということを御参考までに申し上げておきます。 最後に、私はこのような既存産業の高次化、新産業の創出を進め、企業誘致を有利に展開していくためには、強力な産業支援、コーディネート機能を地域として持つ必要があると考えています。このためことし3月には、仮称でありますが、上越市産業振興センター設置構想をまとめたところでありますが、この産業振興センターは、各種産業支援のワンストップサービス化、企業の情報化の促進やコンサルティング機能をあわせ持つ、上越地域における産業支援の拠点として7月に上越商工会議所内に誘致しました上越ローカル支援センターを将来的に包含する形で設置すべく検討を進めているところであります。 また、この検討とあわせまして、上越市の地域特性を踏まえた既存産業の高次化、新規産業の創出のため、今後さらにどのような環境整備や支援策が必要なのかを調査検討しているところであります。いずれにいたしましても、既存産業の高次化、新産業の創出、企業誘致等による地域産業の活性化は地域の発展のために不可欠なものであって、また税源涵養にも欠くことができない重要なものであり、21世紀の活力ある上越、住みよい上越の実現のためにも今後とも最大限の努力を続けてまいりたいと、こう思っておりますし、今ほどトップセールスの考え方についてはということでありますが、既にトップセールスを行っているわけでありますが、いわゆる自治体経営、トップマネジメントとして私はきちっとやっているということをこの際改めて認識をしていただければ幸いかと思います。よろしくお願いします。 ○石平春彦議長 4番、古澤議員。          〔古 澤 弘 議 員 登 壇〕 ◆4番(古澤弘議員) ただいまは御質問に対して詳細にわたって御回答ありがとうございました。その上に立って幾つか要望をさせていただきますが、私も民間企業に籍を置きまして、30代後半まで新規製品の研究に携わってまいりました。その後労働組合に転出して、雇用問題とか、そういった関係の仕事にも携わらせていただきました。その後会社の管理職あるいはまた中小企業でありますが、経営者ということで、いろいろな経験をした上でお願いをするわけでありますが、いずれにしてもこれまで多くの施策を講じられ、上越市の雇用動向なり、産業についても大変厳しい中で前進していることは事実でありますけれども、しかしながら雇用状況が0.6あるいは0.七、八倍という形で非常に厳しい状況にあるわけでありますから、この辺につきましても、今後とも十分認識されて、雇用の開拓に所轄が安定所ということでありますけれども、一歩も二歩も踏み込んで市民の雇用の安定のために、また生活向上のために、安定のために努力をお願いしたいと思います。特に既に高卒の入社試験は終わっておると思いますが、先ほど申し上げましたとおり、かなりの方が第1次試験では目的を達成できないというようなことも予想されますので、この辺についてもぜひとも担当部署で十分調査されて、今後の対応について御検討願いたいと思います。特に若い人たちがこの上越市に定着することがやはりこの上越市が発展することであり、また少子化を少しでも改善する早道でありますので、ぜひ雇用についてはお願いします。 それから、新規企業の誘致とか、産業の振興については、こういう国際化の中で大変厳しいことについては、私も認識しておりますし、またそういうことで市長初め担当部署で積極的な政策を展開され、ここ企業誘致も大変厳しい中で実っておるということについては、理解をしております。しかし、この上越地域がこれまでのおくれを取り戻した状態でありますので、今後さらに20万都市として発展していくためには、どうしても中核となるような中堅大手の産業なり、あるいはまた付加価値の高い事業展開が必要かと私は考えております。そういうことも十分今後検討されて、ぜひともその辺の努力をお願いをしたいと思いますし、企業団地を先に造成して、その後企業誘致をいたしますと、経費の負担だとか何とか、また導入する企業に適していない場合もありますので、大型の企業を誘致する場合には、企業誘致を先にやって、その後希望に沿った工業団地の造成ということもほかの自治体では成功している例もありますので、そういった点も参考にされて、ぜひ地域産業の全体の底上げを行っていただいて、この地域の産業を少しでもよくしていただきたいことを強くお願いする次第でございます。 いずれにしても、情勢が非常に厳しいわけでありますから、一長一短ではできないと思います。しかし、これまでいろんな政策を積極的に遂行されてきた宮越市政でありますから、産業の関係についてもほかの施策と同様でありますので、他に負けないように他に先んじるようにぜひともお願いをして、私の一般質問を終わります。どうもありがとうございました。 ○石平春彦議長 11番、杉本敏宏議員。          〔杉 本 敏 宏 議 員 登 壇〕 ◆11番(杉本敏宏議員) 通告に基づいて一般質問を行います。 昨年の7月、分権一括法が成立、施行されました。その中に、市町村の合併の特例に関する法律、いわゆる合併特例法の改定も含まれております。地方自治体数は1889年、明治22年の大合併でそれまで7万あった自治体が1万6,000弱になり、昭和30年前後の大合併で約1万の自治体が4,000を割るところまで減少し、その後のさまざまな合併により、現在3,200ほどに減少しております。それをさらに1,000程度にまで減らそうというのが今言われている平成の大合併のねらいとも言われております。前2回の大合併が国主導で行われたのと同様に、今回の合併もまた自治省の強力な指導のもとで進められているのが特徴です。自治省の指導のもとで新潟県もまた強力な指導を展開しようとしております。これらの動きに合わせて、上越地域でも幾つかの動きがあります。中でも、上越市と牧、清里、三和の3村が合併に向けて話し合う事務局レベルの勉強会が1月28日上越市内で開かれたことが報道されましたが、その後の動きについての報道は見られません。概して合併に慎重な首長が多い中で、合併推進論者と見受けられる宮越市長に市町村合併についての見解を伺いたいと思います。 憲法の地方自治の原則、それを具現化した地方自治法で明記された地方自治の本旨からすれば、地方分権は大いに推進しなければなりません。我が党は、地方自治は平和、国民主権などとともに、日本国憲法の重要な特徴と考え、将来にわたって拡充していく必要を強調しております。地方自治体は、国の出先機関ではありません。機関委任事務などの廃止は当然です。分権一括法では、自治体の仕事を法定受託事務、自治事務などに区分けしましたが、十分ではありませんでした。その上、税源移譲が行われなかったことが大きな問題となっております。本来地方分権と市町村合併とは全く別の問題です。しかし、今いろんなところで地方分権の受け皿としての市町村合併ということが言われています。市長も地方分権を推進するためには、市町村合併が必要と考えているのかどうかお聞きしたいと思います。 99年10月17日、昨年でありますが、10月17日付の朝日新聞によりますと、合併特例法の施行にあわせ、自治省は地方交付税の算定方法を見直し、人口が4,000人未満の町村への配分を削減していると報道されています。これは、権限と財源を地方にという地方分権に逆行するやり方であります。この記事では、全国町村会の前会長である群馬県上野村の黒澤丈夫村長は、きめ細やかな対応のために補正、これは中小自治体に厚く配分するという中身でありますけれども、こういう補正が必要と言い続けてきた自治省がなぜ急に変わったのか。一方では、政府は合併促進のための財政優遇措置を打ち出しており、あめとむちの両面から合併を進めるのがねらいとしか思えないと批判している。このように報道されておりますが、この批判は当然のことであります。どんな小さな市町村でも、十分な行政運営ができるように権限と財源を地方に移譲するのが地方分権の真のあり方ではないかと考えますが、市長の考えをお聞かせください。 例えば、自治省が国として作成する合併推進のための指針を作成するために設けました市町村合併研究会というのがありますが、ここの報告書は、地方分権の推進について次のように言っております。地方分権の推進は、いよいよ実行の段階を迎えている。自己決定、自己責任の原則のもと、住民に身近なサービスの提供は地域の責任ある選択により決定されるべく個々の市町村が自立することが求められる。そのためには、政策を立案し、それを議会、住民にわかりやすく提示しつつ、理解を求めることができる能力やみずから選択し、推進していく事業を裏づける税財政基盤など、市町村の行財政基盤の充実が喫緊の課題となっていると地方分権そのものについて述べておりますが、これは全く正しい指摘であります。この指摘からも明らかなように、地方分権と市町村合併とは本来別の問題であります。にもかかわらず、地方分権のためには市町村合併をと結びつけるのは、余りにも短絡的ではないでしょうか。市長の考えをお示しください。 広域で処理しなければならない仕事がふえてきております。市町村合併研究会報告書、先ほど示したものでありますが、ここでも市町村合併の広域化に当たっては、市町村の枠組みの変更を伴う市町村合併という方策によるほか、一部事務組合や広域連合などのような市町村の枠組みの変更を伴わない広域行政に関する諸制度を活用して、事務の共同処理を図ることも考えられると述べております。そして、実際一部事務組合などによる事務の共同処理は、既に幅広く行われ、一定の成果が上げられてきたところであると有効性が強調されております。ごみ処理問題などでは、広域行政組合などが活用されていますし、ことし4月から始まった介護保険でも広域連合が各地につくられております。平成11年8月6日に自治省から出された市町村の合併の推進についての指針などで、合併を通じて実現すべき目標に掲げられているさまざまな施策は、実際既に広域行政組織で十分実現されているものであります。したがって、広域行政ではなくなぜ合併をしなければならないのか、市長の考えをお聞きしたいと思います。 昨今の市町村合併の論議は、行政の効率化という視点からのみ論じられております。しかし、市町村を構成するのは住民であり、住民こそ主人公です。住民がいかにして行政に、また政策立案に参画できるかという住民参加、住民自治という観点からの接近が必要です。現在の市町村合併論議には、このことがすっぽり抜け落ちております。さきに示しました市町村合併研究会報告書でも、市町村と地域社会との関係について見れば、例えば人口が少ない小規模町村においては、市町村の区域と地域社会との区域とがほぼ重なり合っており、一人一人の顔が見える中でのぬくもりのある行政が展開されているとされ、そうした行政が市町村合併により実施できなくなるのではないかと懸念する声がしばしば聞かれる。あるいは市町村の規模の拡大により、行政との距離が遠くなるのではないかとの懸念が生じる場合があると述べているほどであります。住民参加という点からは、広域よりも狭域、狭い地域の方が効率的ではないかと思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか。 何度も取り上げますが、市町村合併研究会の報告書でありますが、この中では何よりも市町村合併は関係する市町村が決定していく問題であり、その決断は地元住民の考え方を十分踏まえて行われるべきであると述べているのは、これは当然のことであります。後に改めて見解をお聞きいたしますが、平成11年12月の全国町村長大会における緊急決議、あるいは本年7月に全国町村会が行った緊急要望でも、市町村合併について地域住民の意思を十分に尊重することを求めています。地方自治は、住民自治が基本であり、市町村合併に当たっては、住民意思を尊重すべきだと思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか。 住民の意思を尊重する上で、行政がやらなければならないことがあります。市町村合併研究会の報告書は、市町村が議会や住民に対して十分な情報提供を行うとともに、市町村はみずからの地域の現状及びあるべき姿について、その内容を住民にわかりやすく示すことが重要であると述べております。市町村合併は、住民にとってみれば、自分たちの住む自治体の形をどうするかということでありますから、住民が自主的に判断できるように、市町村合併についてのメリット、デメリットを含めたさまざまな情報を住民に提供すべきであります。市長にその考えがおありかどうかお示しいただきたいと思います。 先ほども申し上げましたが、住民こそ主人公であります。地方自治体の主人公は、決して首長や議会ではありません。その主人公である住民が意思を決定するためには、先ほど述べましたような十分な情報提供のもとで住民の意思を集約する機会が与えられなければなりません。その住民の意思を集約するために、住民投票を実施するべきではないかと思いますが、市長の考えをお聞きしたいと思います。 最初にも述べましたが、1月29日のマスコミで上越市と牧、清里、三和の3村が合併に向けて話し合う事務局レベルの勉強会が1月28日上越市内で開かれたことが報道されました。その中では、勉強会は今後1カ月置きに開かれるとされ、市長は話し合いの立ち上げまでは難しいが、火がついたら早いもの、21世紀に入ったらすぐに動けるようなスケジュールにしたいと述べたと書かれております。その後報道はされておりませんが、7月末までに実務担当者の会議である作業グループ会議が6回ほど、課長、係長レベルの会議が7回ほど開かれて、1市3村の事務上の比較が行われ、これらの結果を踏まえて助役が参加する第4回目の会議が7月17日に開かれていると言われております。これまで述べてきましたように、市町村合併については、住民の意思が十分反映されなければなりません。そのためには、積極的な情報公開が必要ですが、これまでの他の地域での合併協議では、協議が住民に秘密裏に行われ、協議内容が住民に全く知らされず、ある日突然合併協議会設立というパターンが多いようであります。開かれた市政を標榜する上越市です。これまでの勉強会でどのような協議が、議論が行われてきたのか明らかにしていただきたいと思います。 さきにも述べましたが、市町村合併は住民にとっては自分たちの住む自治体の形をどうするかという重大な問題です。住民が自主的に判断できるように、市町村合併についてのメリット、デメリットを含めたさまざまな情報を住民に提供すべきであります。それでこそ開かれた市政ではないでしょうか。これまで3村と協議してきた内容を、そして今後の協議についてもその内容を公表すべきと思いますが、市長にその考えがあるかどうかお尋ねいたします。 1月の報道では、21世紀に入ったらすぐ動けるようなスケジュールと言われておりますが、これは年内に一定の方向性を出すということになります。実際にそれが可能なのかどうか、現状どこまで進んでいるのか、明らかにしていただきたいと思います。 自治省は、平成11年8月6日付の市町村合併の推進についての指針で、市町村の合併の推進についての要綱を平成12年度中のできるだけ早い時期に策定することを都道府県に指示しています。大部分の都道府県でこの要綱が作成されましたが、いつもはイの一番に作成する新潟県でいまだ作成されておりません。今年末までに作成し、自治省に提出する方針と言われ、この策定に資するために県が市町村の意見を聞くヒアリングが8月末までに行われたと聞いております。市長は、このヒアリングでどのような回答を県にしたのでしょうか。明らかにしていただきたい。 98年4月、平成10年の4月でありますが、このときに出されました地方制度調査会の答申は、市町村の合併は地域のあり方にかかわることであり、地域の将来やアイデンティティー、住民の生活に大きな影響を及ぼす事柄であることから、その推進に当たっては、市町村及び住民が自主的に判断することが重要であると要求しています。地方自治の原則という点から見て、重要な指摘であります。これと同じ観点から、全国町村会は再三にわたって国に要望しております。最近では、平成11年12月に全国町村長大会で、市町村合併に関する緊急決議がなされ、それぞれの町村は歴史的な経緯、文化、風土や地理的条件等が異なっており、市町村合併は将来にわたる地域のあり方や住民生活に大きな影響を及ぼす事柄であるので、市町村合併について地域住民の意思を十分に尊重することを求めています。また、本年7月には市町村合併に関する緊急要望が決議され、そこでは市町村合併は自主的に行われるべきものであり、地域の実情を無視した性急な合併は絶対に行うべきではない。国においては、市町村合併を進めるに当たって、地域住民の意思を十分尊重し、真に自主的なものとなるよう強く要望すると述べております。このような全国町村会の緊急決議、緊急要望は、極めて当然のことを主張しているわけでありますけれども、これについての市長の考えをお聞かせいただきたいと思います。 以上、市町村合併の問題について幾つかの質問を行いましたけれども、ぜひとも御回答いただきますようお願い申し上げます。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 それでは、順を追ってお答え申し上げますが、市町村合併について地方分権を推進するために市町村合併が必要かということでありますが、地方分権が既に実行の段階に入っておることは御案内のとおりだと思います。自己決定、自己責任、自己負担を原則とする地方主権のもとで、我が国の地方自治体にとってまさに市民主義に根差した自治体経営が求められているわけであります。杉本議員は、どんな小さな市町村でも十分な行政運営ができるよう権限と財源を地方に移譲するのが地方分権の真のあり方ではないかとおっしゃっておりますが、自治体経営の基本はやはり財政基盤を確立することが必須条件であるということであります。その財政基盤については、既に国、地方合わせた債務が平成12年度末には645兆円もの巨額な水準に達しているわけであります。まさにそういった視点から財政破綻とも言える状況の中で、従来の中央集権型行政システムを維持していくことは極めて困難であり、限界となっていると言っても過言ではないと思います。行財政運営の構造改革が待ったなしの段階を迎えているのが現下の状況判断ではないかと思います。私は、この財政環境から脱却しつつ、住民、自治体が自主、自立のまちづくりを進めていく上で、市町村合併が最も有効な方法、手法であり、広く議論を深めていくことが極めて重要であると考えております。 したがって、理念はどんな小さな市町村でも十分な行政運営ができるよう権限と財源を地方に移譲するのが地方分権の真のあり方ではないかということは、考えとしては否定はしませんが、これは先立つものがということが抜けておりますから、こういったものを抜きにしてそういうことはあり得ないということが特に今日の国あるいは地方全体を通しての状況であるというふうに、そこの認識を違っていますと、これは土俵が違うわけでありますから、まずもってそういったところを申し上げておきます。 また、地方分権と市町村合併とは本来別のものではないかとのお尋ねでありますが、地方分権の推進によって、国と地方自治体の関係において、上下・主従から、対等・協力という新たな枠組みが樹立され、住民に最も身近な市町村には、地域の総合的な行政主体として自立性を発揮しながら、分権型社会における新しい役割を担うことができるような体質の強化が求められているのであります。その地方分権の成果を十分に生かすために、個々の市町村が自立することが求められ、市町村合併による行財政基盤の強化が必要となってきたのであります。さらに、合併せずとも広域行政で対応できるのではないかとのお尋ねでありますが、御案内のとおり上越地域におきましても、消防、救急、ごみ処理、し尿処理などの事務の共同処理が進められており、成果を上げているところであります。しかしながら、こうした事務の共同処理方式による場合には、ややもすると住民と行政との間の距離が遠くなることによって、責任の所在が不明確となりがちであります。また、関係団体との連絡調整に相当程度の時間や労力を要するために、迅速、的確な意思決定を行うことができず、事業実施などに支障を来す場合が見受けられます。これらを踏まえますと、総合的な行政主体として人材を確保し、かつ地域の課題を包括的に解決する観点からは、市町村合併によって意思決定、事業実施など単一の団体が行うことがより効果的であると考えられているのであります。 また、住民参加という観点から、狭域の方が効率的ではないかとのお尋ねでありますが、私は市民主義に根差した開かれた市政、ともに歩む市政を基本理念に掲げ、市民参加のまちづくりの手法として直接市民の皆さんから意見を伺うのびやかJトークを初め、各種の委員会、審議会への市民参加などを積極的に図りながら、市政運営に当たってまいりましたことは御承知のとおりであります。たとえ合併により市域が拡大しても、市民参加に基づく開かれた市政運営の基本は変わるものではないんです。また、昨年改正されました合併特例法で住民の意見の反映を担保するため、旧市町村の区域に地域審議会を設置することも可能となりました。このように狭ければ効率的な住民参加ができるといった単純な議論ではなく、住民との協働による行政運営を基本に据え、住民参加の仕組みや仕掛けづくりをしていくことが何よりも大切なことであって、それも可能であるというふうに思っております。 次に、地方自治は住民自治が基本であり、市町村合併に当たっては、住民意思を尊重すべきではないかとのお尋ねでございますが、市町村合併は地域の将来やアイデンティティー、そして市民の生活に大きな影響を及ぼすことであり、言いかえれば地域の新しいまちづくりであります。市町村合併は住民の意思によって決定されるべきものであることは十分認識いたしているところであり、のびやかJプランにおいても、市民と行政が一体となって自発的なまちづくりを進めること、さらに地方自治権に根差し、市民がみずから行う自前の主体的なまちづくりを目指すことを基本理念に据えておりますことは、御案内のとおりであります。 したがいまして、市町村合併に当たっては、住民意思を尊重すべきことは至極当然のことでありますし、そのためには地方自治体としては自治の担い手である市民の皆さんが合併の論議を十分行い、判断できるように的確な情報を提供することが大切であると考えております。 私は、メリット、デメリットのみの短絡的な議論にとどまることなく、地域や行政の置かれている現状、とりわけ国、地方とも厳しい財政環境のもとで、大胆な行財政改革を行わなければならない状況にあり、行政の根幹をなす財政基盤の強化が急務であることなど、大局的な判断が要求され、限られた財源の中で行政のミニマムサービスをどうすれば維持できるかについて市民に説明し、選択を求めていかなければならないと考えております。 また、住民投票の実施に関するお尋ねでありますが、さきに申し上げましたとおり、合併は住民の意思で行うことは当然のことであり、その意思、意見を問う方法につきましては、住民投票も一つの方法であると考えております。現在内閣総理大臣の諮問機関である地方制度調査会では、住民の一定割合以上の署名で住民投票を実施し、投票結果次第で合併協議会の設置を義務づけるなど、一定の法的拘束力を持つ制度として検討されておりますが、今後それらの動きも注視し、さまざまな角度から検討してまいりたいと考えております。 次に、上越市、牧村、清里村、三和村の1市3村で行っている市町村合併に関する勉強会についてでございますが、この勉強会は本年1月28日に各市村の副市長、助役及び担当課長により発足したもので、上越農業協同組合組合長及び創造行政研究所所長からもオブザーバーとして参加していただいております。これは、自治体の職員として、上越地域の将来を考え、地方分権時代に対応する行政体制の確立に向けて、職員が市町村合併に関する問題や課題、合併の必要性などについて研究を行い、職員自身が理解と認識を深めることを目的としております。現在まで、首長サミットとの合同会議を含め、4回の勉強会を開催しておりますが、各市村の人口、財政、産業、福祉、教育等の各分野にわたる現況調査や行政サービスの比較や課題整理、広域行政組合等が実施した住民や職員に対するアンケート調査結果の分析なども行っているところであります。また、来る10月6日には自治省の担当室長を招き、各市村の職員を対象とした研修会の開催も予定しております。勉強会の成果がまとまった段階では、市民や議会の皆さんに報告し、広く情報提供するとともに、住民アンケートなどを実施したいと考えておりますし、またこの勉強会は1市3村の枠組みにとらわれることなく、広く門戸を開くことをも確認しており、今後とも市町村合併に関する的確な情報の収集、検討など、議論の場を広げていきたいと、このように考えています。なお、勉強会といたしましては、年内に一定の方向性を見出すべく研究、検討を進めていただいているところであります。 次に、市町村合併推進のための県のヒアリングに対し上越市はどのように答えたかということでありますが、新潟県では自主的な市町村合併を推進するため、具体的な市町村の合併パターンなどを盛り込んだ市町村合併促進要綱を平成12年度中に策定することとし、市町村長の意見を参考とするためヒアリングを実施しているところであります。しかし、私は市としての機関決定をした意見を述べたものではありませんので、ここにお答えすべきことではないものと思っております。しかし、せっかくの御質問でありますので、私の考え方を申し上げさせていただきます。市町村合併を推進するには、県自体が保有している情報を分析し、望ましい市町村のあり方について県が強力なリーダーシップを発揮するとともに、県の責任のもとで科学的、客観的な合併パターンを策定すべきであると考えております。 また、私はかねてより当市が実施している副市長制は、合併を推進する新しい手法として極めて有効に機能するものであると提唱してまいりました。すなわち副市長制が権限の分任であることに着目し、旧市町村区域においては、合併市のそれぞれの区域を統括する地区担当の副市長を置き、現場行政の徹底と行政運営の効率性を高め、行政サービスの質の向上を図るとともに、また旧市町村にはそれまでの議会にかわる地域審議会を設置し、それぞれの地区における住民の声の反映を担保しようとするものであります。行政のスリム化を実現するいわゆる全部事務組合的な行政執行体制を確立する中で、同時にこれまでのコミュニティーの存続も図り、住民の意思を十分に尊重しながら、住民が合併について抱いている懸念を払拭することによって、終局的には住民の目指す真の合併が可能となるものと考えているところであります。 なお、お尋ねの全国町村長大会における緊急決議や全国町村会の緊急要望の内容につきましては、私は承知しておりませんので、コメントもできません。 以上です。 ○石平春彦議長 11番、杉本議員。          〔杉 本 敏 宏 議 員 登 壇〕 ◆11番(杉本敏宏議員) 答弁いただきましたが、幾つかの点で再質問をさせていただきたいと思います。 まず、答弁の全体を聞いて感じたことでありますけれども、市町村合併というか、市町村の中心が住民でありまして、そこのところの住民の要望、意識、そこから出発するということが必要なんだと思うんですけれども、どうもその辺の認識が少し私とは違っているのかなと。行政の方の財政問題とか、効率の問題とか、どうもそういうところから出発されているような印象を受けましたけれども、もちろんそういう効率化も大切なことではありますけれども、やはりいろんな最初の質問でも引用を何度かいたしましたが、自治省の諮問機関での討議の中などでも、住民の意思表示ということが非常に強調されているわけであります。その住んでいる地域が変わってしまう。地域というか、枠組みが変わってしまうということに対して、そこのところのきちっとした説明責任といいますか、そういうことが強調されているわけです。そういう点で、先ほども言いましたけれども、少しそういう方向ではなくて、どうも聞いておりますと、財政とか、あるいはそういったところからの議論が中心になっているのかなというような印象を持ちましたけれども、もしそうじゃないんだということであれば、またお考えを示していただきたいと思います。 私は、市町村合併と地方分権というのは、別の問題ではないかというふうに最初にお聞きしたわけであります。今の自治省の指針などを見ていましても感ずるんですが、地方分権を進めることがイコール市町村合併であるかのような表現がたびたび出てきます。しかし、その前段の方で言っている地方分権のあり方についての自治省の見解などを見てみますと、どう見てもそれとは直接市町村合併が結びつかない展開がされているんです。そうでありながら、途中からころっと変わって、地方分権の受け皿のためには市町村合併が必要だという議論にすりかわっていく部分があるわけですけれども、今ほどの市長の答弁を聞いておりましても、地方分権を本当に進めていくということがなぜ市町村合併につながるのか、そこのところがいま一つ不明確な感じを受けました。地方分権は、当然進めていかなければなりませんし、私は地方分権の中心は権限と財源を地方に移譲することだというふうに考えております。自治省の報告などでも、基本はそのことが強調されております。財源と権限を地方に移すことが地方分権の中心だというような言われ方がされているわけです。ですから、それでどんな小さな市町村でもそういう形で権限と財源が移譲されればやっていけるはずなわけです。ところが、先ほども言いましたように、人口が4,000人未満の町村からは、国からの税源移譲の一つの形態である交付税を削減するというような逆のやり方が実際にはやられているわけです。ですから、国のやり方そのものが言っていることとやっていることとが違っている。税源移譲と権限を移譲しなければならないのに、権限もろくにおろさない。そして、財源は全く新たにおろさないどころか、逆に召し上げていくという、こういうことになっているわけでして、そういう実態を見ていきますと、ますます地方分権のあり方と市町村合併というのは、本来的にはやはり違うものではないかなと、違うものなんだろうというふうに思うわけですが、改めてその点での市長のお考えをお聞きしたいと思います。 それで、私がどんな小さな市町村でもという質問に対して、考え方としてはわかるというようなことを言われました。しかし、先立つものが問題なんだという言い方もされたかと思うんですが、その先立つものというのは、言ってみれば財源と権限の話だと思うんですが、この先立つもの、財源と権限が十分どんな小さな市町村にもおろされてくれば、まさに前提条件が実現するわけでありますから、あとの問題はおのずからやれるようになるというふうにも思うわけです。今問題は、中でもこの財源が小さな市町村におろされていないというところに、逆にそれを干上がらせてどうしても合併しなければならない方向に財政の面から誘導しているところにこそ一番大きな問題があるのではないだろうかというふうに思いますが、その先立つものというふうに言われたのは、多分財源のことを言われているんだろうと思いますが、そういう私が今言ったような形で財源がちゃんとおろされれば、その問題はクリアできる問題だと思うんですが、その点で市長の考えをもう一度お聞きしたいと思います。 広域行政の問題で、今ほどの答弁では広域行政では幾つかの弊害があるということが言われましたけれども、これは自治省の指針の中に書かれていることをそのままお読みになったようでありますけれども、広域行政の不都合な点として挙げられている部分です。それに対しては、今いろんなところから実際に幾つかの市町村などから異論が出されておりまして、特に今の介護保険にかかわって広域連合を発足させて運営しているようなところから必ずしもそんなことはないと、自治省の批判は当たらないというような反論が出されているわけであります。例えば広域行政だと住民との距離があくとか、決定するのに時間がかかるとかいうようなことが言われましたけれども、実際現在広域行政いろいろやっているわけでありまして、そこでそれでは先ほど言われたような弊害が実際に起こっているのかどうかということにもなるかと思います。それは、そうではないのではないかと。実際に自治省は先ほども言いましたように、全部合併ありきということを言っているわけではないわけです。一方では、広域行政というのがあるわけで、それを十分に活用すべきだということも並べて述べているわけでありますから、これを自治省もある意味では論理の矛盾をしていまして、一方でそういうふうに言っていながら、片方でそれを否定する論拠を挙げておりますから、そういう点ではおかしいことはおかしいんですが、しかしそういうものを大いに活用していく必要があると思うわけです。 それで、最初の質問でも言いましたけれども、なぜ広域行政ではだめなのか。合併しなければならないのかという点でありますけれども、改めて市長のお考えをお聞きしたいと思います。 合併が行われますと、旧来の市町村の枠組みがなくなってしまうということから、地域住民の方の中にもとの町や村の名前に対する愛着だとか、そういうものが非常に強くて、それが今の合併推進の障害になっているというふうに言われていますけれども、それを緩和するために、考え出されたのが先ほど市長が言われた地域審議会というやり方なわけです。しかし、この地域審議会というのは、まだ実態が十分明らかになっておりませんが、現在の市町村ですと、それぞれのところで選挙が行われて、議員が選ばれるわけです。しかし、どうも今言われている自治省なんかの研究会なんかの議論を見てみますと、この地域審議会というのは必ずしも選挙で選ばれるわけではないと。また、別のところで先ほど市長は県のヒアリングに対する答えのところで、副市長制を活用するようなことをおっしゃいましたけれども、それに近いようなことも実は自治省の方でも言っておりますが、しかしそれも今までですと、どんな小さな町村長であっても、住民の選挙で選ばれます。しかし、こういう地域審議会やあるいはそこの責任者というのは、どうもそういう選挙で選ばれるのではなくて、どこかでだれかが任命する。こういうことになるようでありまして、そういう点では、これは住民自治、地方自治が一歩形骸化するということになるんではないか、このようにも思われるわけですが、その点で地方自治の本旨ということが言われているわけですけれども、市長はこの点そういう仕組みや仕掛けが整備されるから可能だというふうなことを言われましたけれども、もう一度お考えを伺いたいと思います。 住民の意思を尊重するべきではないかという質問に、それは当然だという答弁がありました。当たり前だと思うんですが、そして情報提供も行っていくというふうにもおっしゃられましたけれども、住民の立場から見ますと、市町村合併でもって何が一番話題になるか、問題になるかというと、やはりメリット、デメリットなんだろうと思うんです。自分のところの今ある町の役場がなくなったらどうなってしまうのか。あるいは小学校は存続できるのかどうか。中学校はどうなのか。こういったことがどこでも問題になります。昭和30年代の合併では、そういう問題について支所というのがずっと設けられましたけれども、御承知のようにそれが現在残っているのは数えるほどしかありません。何年かの間にそういうふうに整理統合されて、いわゆる効率化が中心になって、整理統合されて、淘汰されていくわけです。例えば小学校や中学校の設置基準などからいいますと、今問題にされているというか、話題に上がっている三和村、牧村、清里村というのは果たして小学校が存続できるのか。中学校が存続できるのかという、こういうことにもなるわけで、住民の目から見れば、財政規模がどうなるこうなるという問題以前に、そういう問題の方がよほど大きなわけです。ですから、そういったところに目がいくわけで、そうしたメリット、デメリットを十分住民の皆さんに情報を提供するというのは、これは当然必要なことだと思います。そういう点で、メリット、デメリットだけではないんだみたいな言い方がありましたけれども、これはぜひもう一度お考えを伺いたいと思います。 住民投票の問題では、それも一つの方法だという話でありました。ただ単に一つの方法だということではなくて、これは合併を進める場合には、ぜひともやっていただきたいと思うんです。高田、直江津の合併のときにも、これが大きな議論になったかと思うんですが、我々の過去の経験から言っても、この住民投票というのは市町村合併ではただ単に一つの方法ということにとどまらず、絶対に必要な方法論の一つではないかというふうに思います。そうした上越市の過去の経験に照らしてみても、これを重視する必要があるのではないかと思いますが、市長の考えをお聞きしたいと思います。 ○石平春彦議長 杉本議員、時間もあれですし、それからちょっと質問の内容が幅広くて、もう少し絞ってやっていただきたいんですが、答えられる限りで。 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 10分以内で答えられるだけ答えます。 まず、合併のあり方についての発するところが違うということでありますが、それは恐らく共産党と私はもちろん違うとこありますから、これは違うということでありますが、あえてそういうことでなく、もっとわかりやすく申し上げますが、先ほども申し上げましたように、自己決定、自己責任、自己負担という地方分権社会をつくらなきゃならんということは、これは単にだれかが言ったからという話じゃなくて、明治以来100年以上続いた地方自治のあり方が中央集権体制が維持できないという大きな歴史の流れ、トレンド、変わってきたからそう言われているんであって、そのことがまた住民も含めてすべての分野で受け入れられる考えであるということで進んできているわけでありますから、ここで異論を挟める必要はないと、こう私は思っています。 そこで、いろんな小さな自治体でもすべて完結型にできるのが理想かもしれませんが、やっぱり行政サービスとか、そういうものを維持、運営するためには、先立つものが何かと言ったら、税金なんです。税金がなかったらこんなのあり得ないわけです。ですから、そのところが今おかしくなっているんです。ですから、そこのところをきちんと現状を把握しないと、これはミスマッチで過ぎていきますから、その辺のところを現状に合わせた形の認識をして、議論をしてほしいと、こう私は思います。 それから、もう一点は人口動態だと私は思います。これから少子高齢化が進んでいく中で、例えば上越市を中心とした周辺の町村の高齢化率も4割にも達しているというところを見れば、正直言いまして、25年、30年後どうなっているかと言ったら、これは中学生でも、高校生でも、ちょっと計算すればわかるくらいでありまして、恐らく言われているように今の人口の半分ぐらいになってしまうということが言われております。そういった大きな人口動態、こういったものを視野に入れながら合併のあり方を考えていかなきゃならんということを先般県の方々が見えたときにもそのことを私は申し上げました。これは、ですから私ども自治体の声をというよりも、むしろ大所高所からそういう科学的分析によって合併のあり方を整理していくべきではないですかということを私は指導させていただきました。 それから、時代が変わって、昔は徒歩、牛馬、そういう時代から、車社会と来て発展して、今やIT社会と、こういうことになっているんです、情報化社会。つまり実際上行政サービスを行うサイズがもっとふえても、広がっても別に何ら行政サービスが変わるものではないということを、これは見落としてはならんと思います。つまり情報化社会、IT国家をつくろうと言っているんですから、政府も。ですから、そういった意味で行政サービスが後ほどメリット、デメリットの話がありますが、これは決して行政サービスを低下させない方法を考えていくことがまず基本であります。そういうことで考えると、今ITという技術を駆使していくならば、サービスを低下しないで合併ということがやや可能性が高まってきたなということが実は時代背景の中にあるということを忘れてはならないと、こう私は思っています。 そして、常に地方分権とか、合併の話になるときは「三げん」といって、今財源と権限しかおっしゃいませんけど、やはり大事なことは人間なんです。人材なんです。それを運営するその人々が目覚め、自治意識に目覚め、あるいは自治体経営をできるかできないか、職員のスタッフも含めてこういった人材をどう確保するかというところが大事なことであって、金がある、権限があるけど、人がだめだったらそれこそとんでもない自治体経営になってしまうわけでありますから、そういういわば「三げん」の中で一番私は重要なのは、人間だと思っているんです。すなわち人材をどう育成するか。あるいは人材をどう持つかということを考えれば、より広い視野の中で求める方が当然それはいいに決まっているわけでありまして、そこの中に切磋琢磨し、人が育っていくという、こういう環境を小さくなればなるほどこれはできなくなると、これは当たり前の話です。ですから、大海を知らずというところがまさにそういったところであって、人の問題を抜きにはできないだろうというふうに思っております。 ですから、先立つものということを私言っているのは、単に財源的な問題ばかりじゃないんです。もちろん権限もそうでありますが、人間、この人材をどうそろえるか、得るかということが分権社会を築くための一番の大事なところであると思っています。 そして、財源が湯水のごとく出るようなことではないんです、これ。その一局面、狭いとこだけ見れば、その財源さえ用意すればいいかもしれませんけど、その全国的なこの地方自治の財政を、基盤を確立するために、じゃどこから財源を生み出すのかというところが、ここが抜けているならば、これは頭隠してしり隠さずということになりますから、全体を見て考えていかないと、正しい答えが出ないだろうと、こういうふうに思います。 それから、広域行政の弊害でありますが、先ほど申し上げたとおり、御案内のとおり弊害幾つもありますけど、我々今抱えている弊害が一つあると思いませんか。クリーンセンターの問題です。これは広域行政から発したものがいつの間にか上越市市長あるいは私宮越馨個人を訴えられていることを見れば、これは広域行政組合が発したものが何で最後私のとこに来るんですか。おかしいじゃありませんか、これは。何で個人だけを訴えるというふうに、そういうふうにすりかえられて、都合の悪いやつをおろしていくという、いい迷惑です、これは。つまり広域行政組合の代表理事というのは、これは市長ということでないわけです。各首長が12市町村長が集まって構成されている理事会が権限を持っていると、このことを知らないで訴えている。だから、後で何か謝りもせずに訴訟を取り下げている。取り下げるときは、ひとつ申しわけなかったというふうに謝ればいいんでありますけど、そんなこともしないで、勝手に下げて、それで最後は私個人を訴えているんじゃないですか。これが一番広域行政の弊害です、これは。だから、そういうことをぬくぬくとやらせているというところにこの広域行政の組織の問題があるわけでありますから、やっぱり責任を持った形の、そういう形をとるということは、何よりも責任と権限、こういうことが明らかにできるようなシステムが一番いいんです。ですから、こういった中二階的な中途半端的なことはなるたけやっても、かえって迷惑ばかりかかって、かえってつまらないコストがかかって、裁判費用というのは大変です、これは。一々職員もあなた毎回毎回裁判に行かなきゃならんという、本当にこれはばかばかしいことをやっているんです。だから、ミステークだったらミステークで謝ると言ってるんじゃないですか、私も。それを裁判までわざわざ行って、こういうことが広域行政の最たるものです、これは。だから、もっとまじめにやってくれと言いたいです。 それから、住民投票については、これは私は先ほど否定もしませんということは申し上げましたとおりです、これは。やっぱり合併という大きな問題は、ある意味では国をどうするかというか、それに近い話でありますから、当然これは国民投票あるいは住民投票に値するものと私思っておりますが、ただ絶対的に必要かということとなると、私はそうではない面もあろうかと思います。それは、社会情勢が変わってきています。つまり投票までしてやらなきゃならない、そういう困難性をきわめるという場合は、私はあっていいと思いますが、かなり合併の問題については、勉強されてきていますし、あるいは住民意識調査等もやる中でかなりわかってきています。ですから、そういった中で、必要だということが住民の方々が御判断されるという結果になる、そういう環境となったら、それは否定はしませんが、合併問題については必ず住民投票ということではないと、こう私は思っておりますが、ここは余り私はこだわらないというふうに思っております。 それから、自治省も最近少し合併の手法について考えが変わってきたというふうな話の中で、地域審議会とか、あるいは副市長制の援用という、こういったものは逆に住民自治の形骸化ですか、こういったことにつながっていくんではないかというふうにおっしゃいましたけど、私はこれは仮に地域審議会としても審議会の委員の選び方の問題をきちっとすればいいんではないかなと、こう私は思っています。例えば今既にある教育委員会とか、そういったところについては選び方もきちっとなっておりますように、審議会の設置とそのメンバーの選び方、そこが民主的に住民の意識が反映されておれば、決してそんな大きな問題ではないんではないかなと、こう私は思っています。 それから、合併については、メリット、デメリット論が常につきまとうわけでありますが、これはやっぱり仕方ないと思います。ですから、これはそういう中で極力デメリットをなくしながら、メリットがあるということで向かう姿勢は正しいと思いますが、デメリットを感ずるからすべてだめという話ではないと、こう私は思っております。ですから、もっと大局的な視点をとらまえながら、こういった議論についてはさらに議論を深めていくということで、きょうは時間がありませんから、ちょっと口早に申し上げましたけど、また再質問等いつか機会で質問していただければお答え申し上げます。 ○石平春彦議長 この際、しばらく休憩いたします。          午後3時37分 休憩          午後3時55分 再開 ○石平春彦議長 休憩前に引き続き会議を開きます。 なお、本日の会議時間は議事の都合によりあらかじめこれを延長いたします。 一般質問を続けます。 1番、栗田英明議員。          〔栗 田 英 明 議 員 登 壇〕 ◆1番(栗田英明議員) 私は、この4月の市会議員選挙において初当選をさせていただき、本日が一般質問のデビュー戦となります。多少緊張いたしておりますが、一生懸命努めたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 きょうは、男女共同参画社会実現に向けた市の取り組みについてということで質問をさせていただきます。正直言いますと、この9月議会が始まるまでは別の質問を考えていたわけですが、総括質疑で六つの会派からクオータ制の導入を視野に入れた男女共同参画社会基本条例の検討委員会設置についての質疑がありましたので、せっかく注目を浴びている事項なので、黙っている手はないと思いまして、急遽方向転換をさせていただいた次第であります。 私は、上越市の女性大学第1期の企画運営委員でもあり、卒業生でもあります。また、昨年、一昨年と開かれました男性講座「男も変わろうセミナー」の修了生ということでもあります。昨年の3月までは4年間にわたり新潟県女性財団の委員もしていたという関係上、この問題には目をつぶってやり過ごすというわけにはいかない立場にあります。余りうるさい質問はするつもりはありませんが、議会も市民も論議をしているときですので、しっかりと質問をしていきたいと思います。よろしくお願いします。 市長は、いまだに男女共同参画型社会という言葉を使っていらっしゃいますが、私たちが勉強を始めたころはまだそう言っていました。しかし、平成6年ごろだったと思いますが、型がとれて、今の男女共同参画社会という言葉になりました。今は、お守りのようにどの政治家もどの政党も必ずこの言葉を入れて推進をうたっていますが、市長はその型のついたころから既に勉強をしていたのかと、大変敬服をいたしております。 しかし、この女性問題とか、男女共生、男女平等、男女共同参画というのは、頭で必要が理解できていても、簡単には感覚的にわかるものではありません。ですから、これを進めるのには大変時間がかかることになります。私は、社会全般にこの感覚が理解できるには、次の世代が必要だと思っています。今の世代がなすことは、きちんと方向性と具体性を示した政策としての運動を推進していくことだろうと思います。私たちのこの上越市は、平成7年3月に平成12年度までの女性行動計画を策定し、じょうえつ女性アクションプランとしてこれまで数々の施策に取り組んでこられたと思います。五つの基本的課題、24の目標、61の施策だったと思いますが、最終年度を迎えて現在計画がどのように進んでいて、どんな成果があったのか。また、反省点も多々あると思いますが、それもお聞かせ願えればと思います。 そして、第2次計画として昨年法制化された男女共同参画社会基本法にのっとり、男女共同参画計画を策定していくことになると思いますが、こちらの方は条例と違って、市独自の基本計画となりますが、どんな内容を重点として持っていこうとお考えなのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。 次に、当市では今男女・老参画社会推進課という何ともへんてこりんな名称の課があります。もちろん業務の内容や事業、職員がへんてこりんだと言っているわけではありません。市民の社会活動全般を掌握している大事な課であると私は思っています。しかし、この名称については大いに違和感を覚えています。既に昨年の組織改革の前から市民の中から、そして議会でもしっかりと審議をされて決まっていることですから、今さら何を言っても始まらないのかもしれませんが、どうしても一言言いたい。 男女共同参画社会の推進というのは、元気老人の社会参画やボランティア活動とは違います。市長は、型のつくころから勉強されているかもしれないのですが、感覚がおわかりにならないかもしれないと申したのは、やはりこのことなのです。今市長の目がいっているところは、きっとその女性問題を学習したり、啓蒙活動をしたり、男女共同参画社会の推進運動をしている人やグループの方に目がいっているのではないでしょうか。それならば、私が6月議会の総務常任委員会で番外発言をさせていただきました市民活動推進課にされたらいいと思います。宮越市長が初当選をされたころは、まだ女性政策をきちんと考える部局はなかったかと思います。女性係というようなものだったと聞いたことがありますが、宮越市長になられて専門の女性政策室ができ、昨年の組織改革の前までは、女性政策課がありました。その中で女性大学の開校やアクションプランの策定もなされてきたわけでありますが、なぜそれをなくしてしまい、先ほど私の言った市民活動推進課のようなところに組み込まれてしまったのでしょう。今ここで世間や議会をも巻き込んで男女共同参画を推進していこうとしている方と同じ人の発想とは思えないのですが、いかがでしょうか。お答えください。 私は、男女共同参画室は、政策審議局内に持っていくべきだと考えています。以前庁内に全部長を委員にした女性政策行政推進委員会というのがあり、連絡調整をしているという話を聞いたことがあります。今はその委員会がどうなっているのか知りませんが、政府においても、総理府の中に男女共同参画室が置かれており、来年1月の省庁改編後も内閣府に置かれると聞いています。すなわち男女共同参画社会の実現というのは、単なる政治家や政党のお守りではなく、21世紀の日本のあり方を決める最も重要な課題と位置づけられていると思います。上越市も男女共同参画室の政策審議局内の設置と、担当副市長の指名を考えてみてください。 さて次に、よく問題にされることに、各種審議会や委員会等の女性の登用率というのがあります。上越市は、今24.1%であると言われています。本当は、今年度中に30%を目標にしてやってきたのではないかと思いますが、ちなみに4年前の平成8年4月では16.7%、そのさらに4年前には8.2%だったようですから、平成4年の8%から比べると、4年ごとに16%、24%と2倍、3倍と順調に伸びてきたと思われます。この調子でいけば今から4年後は32%、8年後は40%、クオータ制を導入しなくても4割はいけるという計算になります。しかし、議会の方はそんなわけにはいきません。8年前女性議員はお一人だったのですが、4年前にはお二人、そしてことしは3人になりました。こちらも4年ごとに2倍、3倍と伸びてはきていますが、このまま4年ごとに1人ずつふえていっても、定数の3分の1の10人になるまではあと28年もかかってしまいます。やはりこちらはクオータ制を導入しなければならないのかもしれません。 私は、昨年の今ごろまで真剣に議会のクオータ制導入を考えていました。その発想は、純粋に男女共同参画を目指すということからの発想ではなかったのですが、私の持論の中に議員定数を削減してはいけない。できればより多くの人に議員になってもらいたいという考えがあります。私は、上越市の議員定数を地方自治法規定の36名に戻したいと考えていました。実際には改正法で34名以下になるというわけですけれども、当時は36名と思っていました。今30名の議員定数にプラスされる6名分を、例えば2期8年という期限をつけて女性特別枠にできないかというふうに考えていたものであります。今回の議論の中で最も問題視をされていることは、憲法を初めとする上位法に抵触するのではないかということだと思いますが、今私が憲法論議をここでしても仕方がないのですが、皆さんがよく引き合いに出す憲法14条は、法のもとの平等がうたわれており、性別によっても政治的、経済的、または社会的関係において差別されないと規定しているだけであって、それは議会にクオータ制が導入されることを押し返すだけの根拠となるとは思いません。それどころか、その中には差別をされないと言っているわけでありますから、今差別をしているとか、差別をされているとかと言っているのではありませんので、誤解をしないでください。差別的な状況にある現状を何とか打開していこうという施策として、クオータ制を導入することは、逆に言えば憲法の理念に沿っていると思うわけであります。 公職選挙法等にも抵触するおそれがあると言われていますが、どれもクオータ制を阻むものではないと思います。あとは、技術的な問題として対応が考えられると思います。助役を副市長にかえた宮越市長の能力をもってすれば、越えられないハードルではないと思います。今議会の総括質疑において、我が会派の古澤議員が述べたことは、議会のクオータ制の導入についてまでなぜ行政の側から検討委員会に示唆するような発言をするのかということでありました。検討委員会が設置をされれば、当然のことながらクオータ制も論議されることでありましょう。その際、議会に導入が可能かどうかも話し合われるはずです。市長のおっしゃるとおり聖域を設けない検討をしていただくのがいいと私も思っていますが、初めからクオータ制の導入も視野に入れてと提案理由書にも書いています。また、報道機関を通じて議会への導入も含むなどと発言をしてしまっては、逆に検討委員会にたがをはめることにはならないでしょうか。それが問題ではないかということを古澤議員は質問したのであって、我が会派は決してクオータ制導入を頭から反対だと言っているわけではありません。ただ、このクオータ制をあらゆる分野にすぐに導入を図るには、時期尚早ではないかと思います。なぜ男女共同参画社会というわかりにくい表現を使うのかというと、今の社会が男性中心、男性主導社会であるという認識の上に立っているからであります。えーっと思う向きもあろうかと思いますが、それがわざわざ男女という当たり前の表現を無理やりそこに押し込めているゆえんであります。 私たちが本来求めているのは、男だ、女だということではなく、一人一人が自分らしく生きることのできる社会です。でも、その前に立ちはだかっている女性問題、不平等な性差意識、男性中心の社会システムがあるからこそ、まずはここから、すなわち性差社会問題から始めようということであります。ですから、そういう面からクオータ制の有効な手段ではあると思いますが、今この上越市において、また市内部や議会においてそれを導入して、十分な機能を果たすことができるか、それを機能させるだけの環境が整っているのかということになると、いささか疑問を感じるのであります。まだ市の組織そのものも、市民活動と政策論議がごっちゃになっているような状況であります。 政策審議官には女性がお一人しかいませんし、課長職も50人近くいる中で、女性は4名しかいません。私は、現在それだけしかいないということがおかしいと言っているのではありません。しかし、クオータ制が導入されて、政策審議官や課長の女性割合を3分の1にしましょうという条例ができても、すぐには対応ができないでしょう。また、そのための教育を女性だけにしていくというのは、機会均等の原則から外れるわけであります。私は、まだまだ環境が整っていないと思っています。採用においても、登用においても、女はだめだ、女にやれる仕事ではないという決めつけをすることなく、女性であっても差別することなく、能力に応じて育てていってほしいと願うものであって、女性だからだれでもいいという数合わせ的な採用、登用をしてもらいたくはないと思っています。最初に数ありき、率ありきではまた一人一人を大切にした社会づくりを目指そうとしているのに、それに逆行をしていってしまいます。男社会に女をまぜて中和をさせるいう手法は愚であります。バランス感覚のある人たちをたくさん育てていくことが今は大切と考えますが、市長のお考えをお聞かせください。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 初陣をさわやかに登壇された印象を強く持っております。これからの御活躍を期待をしております。こういった議論は、ぜひお待ちしているわけでありまして、何か間違っているとか、疑惑とかという、そういうことはなるたけしないでほしいというのが私の偽らざる気持ちでありまして、ここは議会の場でありますから、大変結構な御質問をいただきまして、誠意を持ってお答え申し上げたいと思います。 最初に、現在アクションプランがどのように進んでいるか、その成果と反省点についてどう考えているかというところからお答え申し上げますが、私は市長に就任以来、女性の積極的な社会進出を促すために女性助役の登用という公約を実現したことを初め、さまざまな施策を展開してまいりました。当時女性助役のことについては、かなりセンセーショナル的な受けとめ方をされておったことを覚えておりますが、後ほどまたお答えするわけでありますが、最初の一歩をどう踏み出すかというところが大変これ勇気の要るものでありますし、そのことが後の意識形成とか、いろんな啓発につながっていくということでありますから、後でお話し申し上げますが、クオータ制については、そういった意味も実は持っているということを申し上げてみたいと思いますし、先ほど近藤議員がこのシドニーオリンピックの女性の活躍ぶりを見たら、何か21世紀を予兆するような感じを私自身も受けております。日本の女性陣もあのように活躍されていることを見ると、むしろ男性が頑張らなきゃならんなという感じすらいたしておりまして、男女共同参画社会はいろんな形の態様があろうかと思いますが、もう既にかなり女性においては、すごく意識が高まってきているように感じております。そんなことをまずもってちょっと申し上げまして、お答えを続けますが、平成7年3月には、平成12年度までを期間とした上越市女性行動計画、じょうえつ女性アクションプランを策定しました。これも県下では早いタイミングでつくらせていただきました。男女の基本的人権の尊重、両性の平等、主体性の確立等を基本理念として計画を推進してまいったわけであります。 その結果、さきの総括質疑でも申し上げましたとおり、上越市の行政委員会や審議会における女性委員の割合は、平成6年3月末で13.6%でありましたが、ことし3月末には24.1%、10ポイント以上登用率が向上いたしました。これは、決して今ほど話がありましたように、私どもはこの登用率が目的じゃないんです。目的じゃないということを、これは百も承知でやっております。その他の成果といたしましては、学校教育現場での混合名簿の実施、女性講座等を通じての啓発活動、女性活動を支援するためのネットワーキングルームの設置、さらには来年1月ごろに整備されます市民プラザ内にオープン予定の女性センターの開設などがあります。また、女性の社会参画を推進するための施策として、延長保育や一時保育、介護体制や介護施設の充実など、数々の施策を推し進めてまいりました。その結果、男女共同参画社会の形成、とりわけ女性の社会参画を促す上で一定の成果をおさめてきたものと少なからず自負をいたしております。 しかし、その一方で今後積極的に取り組むべき課題が残されていることも承知しております。ここ数年来表面化してきております夫やパートナーからの暴力問題、いわゆるドメスティック・バイオレンス問題や女性の社会参画を阻害するさまざまな慣習、いまだ十分達成されていない家庭内における家事、育児の役割分担問題などであります。私といたしましては、今後とも男女共同参画社会実現に向けてこうした問題の解決にさらに力を注いでまいりたいと、こう考えております。 次に、第2次計画の予定とその重点内容でございますが、今年度が第1次行動計画の最終年度に当たることから、来年度以降、つまり平成13年度以降の男女共同参画社会実現の指針となる新しい基本計画、すなわち第2次計画の策定が待たれております。国においては、男女共同参画社会基本法に基づいて審議会における男女共同参画社会形成の促進に関する施策の基本的な方向に関する論点整理がことしの5月に公表され、年内中に基本計画が策定される予定であります。新潟県におきましても、女性問題協議会による新女性プランの基本的な考え方、素案でありますが、ことし8月に公表されまして、現在県民の皆さんの意見を集約し、平成13年3月の基本計画策定に向けて作業を進めております。当市におきましても、ことし5月に第2次基本計画策定のための委員会を立ち上げました。現在策定委員会では、第1次計画で実施したさまざまな施策の検証を進めております。また、この検証結果と今後市で実施する市民意識調査を踏まえ第2次基本計画を策定する予定であります。現段階での第2次基本計画の方向性につきましては、第1次計画で達成できなかった事項及び近年表面化してきたドメスティック・バイオレンスへの対策などが大きな柱となると想定されますが、具体的には前に述べた策定委員会で委員の皆さんから十分御論議をいただくこととしております。 なお、今議会に提案の男女共同参画基本条例制定検討委員会の設置を御承認いただいた場合には、その委員会の御意見等も伺いながら、第2次基本計画について平成13年3月を目途にその内容等を詰めてまいりたいと考えております。 次に、行政組織の中で女性政策部門の位置づけについてでございますが、まず組織改革の中で女性政策課がなくなったことは後退ではないかとのお尋ねでありますが、私は女性政策を極めて重要かつ緊急性の高い政策課題と認識しておりましたので、第1点目の御質問にお答え申し上げたとおり、上越市女性行動計画の策定を初めとするさまざまな施策を実施、成果を上げてきたことについては十分御理解いただけたものと存じます。このことを踏まえ、改めて組織、機構面から女性政策推進体制の整備について振り返れば、平成6年度に女性政策室を設置し、平成7年度には女性政策課へ移行させる一方、専門の嘱託職員を採用するなど、人材確保にも意を用いてまいりました。さらに、平成9年度には女性政策課を福祉環境部から企画政策部へ移行させ、政策立案機能の強化を図るなど、的確に対応してきたところであります。これらの組織体制の整備が女性政策の成果や足跡と、まさに軌を一にするものであることは御理解いただけるものと思います。御案内のとおり、昨年7月自己決定、自己責任、自己負担の原則のもとで自治体経営の基本理念と哲学に基づく安・近・短行政を推進するため、権限と責任を明確化した複数担当副市長制の導入や組織、職制の簡素化など、21世紀型行政システムの構築を図る一大改革を実施したところであります。この組織改革に伴い、男女共同参画推進政策の所管部署を文化部門の男女老参画社会推進課に属する課内室、女性政策室、平成12年7月で男女共同参画室に改称してございます。として位置づけたところであります。 これらについては、昨年来の議会においても十分論議いただいたところでありますが、いずれにしても一連の組織改編は、男女共同参画社会基本法の趣旨を十分踏まえた上で、性別や年齢などにかかわりなく、すべての人々の人権が尊重される活力ある共同参画社会を創出するため、行政改革の視点から実施したものであり、御理解をいただきたいと存じます。 御存じのとおり昨年の組織改革は、意思決定の迅速化を図り、効率的な行政サービスを提供するために、できるだけ簡素な体系を整えることを前提に部制廃止や課の統廃合を行ったものであります。その際他課に統合されたり、係に位置づけられたケースもありますが、このことのみをもってその行政分野を軽視したとか、後退させたと結論づけるのはいささか早計かと存じます。この際重要なものは施策や行政サービスの質、すなわちその内容であります。市民ニーズを参酌した上で、組織全体がいかに機能し、実効性を上げているかということであります。組織管理のあり方は、その時々の基本的な現状認識をもとに大局的展望をも視野に入れ、長期的、総合的な配慮を加味しながら行うことが肝要であります。女性政策に関して言えば男女の別なく、さらには高齢者を含む多くの人の参画によりまちづくりを進めていくという視点に立脚することが不可欠であります。その意味からすれば、現状の組織、機構は効果的、効率的な行政執行の機能を十分確保しているものと判断しておりますし、従来よりも考え方の基本には普遍性を持たせることが大事であるという、だんだんと最初は狭い範囲から取っかかっていきましたが、より広く視野を広げていくという普遍的な形へと持っていくということであるということを認識をしていただきたいと思います。 次に、政策審議局内に男女共同参画室を設ける考えはないかということでありますが、御案内のとおり政策審議局は、総合的、体系的、計画的行政運営の必要性を考慮し、市長直属のセクションとして設置したものであります。現場行政における政策立案及び各部門間の効率的な連絡調整を図るほか、市民ニーズを的確に把握し、かつ迅速に施策へ反映させるなど、トップマネジメント機能を戦術的に支援、強化する性格を有しております。男女共同参画の課題は、多くの施策とのかかわりも深く、また総合的に政策立案すべき分野でありますが、上越市女性行動計画に基づくさまざまな施策を展開し、多くの成果をおさめた経緯を踏まえれば、現時点では専門的知識や経験を有する担当副市長のもとで、より現実に近い組織として位置づけた方が一層効果的であると考えています。また、施策の総合的かつ効果的な推進を図るため、井上副市長を委員長として各副市長や関係課の課長、副課長及び係長から成る女性政策行政推進委員会において施策の企画や関係課との連絡調整を進めるなど、横の連携にも十分配慮しているところであります。今ほど申し上げましたように、広がりを持たせた普遍的な仕組みを全庁的に展開しているということであります。このような考え方は、上越市の重要な課題の一つとして、今申し上げたとおり全庁的に取り組んでいるわけです。 環境分野におきましても、同様であります。ISO14001認証取得は、導入検討から認証取得までの政策的要素を重視すべき時期においては、当時の企画政策課を中心に関連事務を推進いたしましたが、認証取得後は具体的な施策の立案、実施が重要となることから、環境部門の地球環境課へ移行させております。その後も円滑に事務が行われ、所期の目的を達していることからも、御理解いただけるものと存じます。今後とも政策審議局が重要施策の企画及び事業の調整等の機能を果たしていくことは、あえて申し上げるまでもありませんが、もとより各課においても、個々の政策立案機能が本来的に求められているものであり、要はそれぞれが有機的な関連性を保ち、実効性の高い施策やサービスを確立することであります。 いずれにいたしましても、本格的な地方分権の時代を迎え、行政が日々進化している状況にあっては、行政組織はおのおのの行政課題のその時々の状況や進捗の程度等を踏まえた上で、総合的な視点から構築されるべきものであると考えています。 ところで、私がこれまで一貫して行政改革に取り組んでまいりましたことは、議員におかれましても十分御理解をいただいているものと存じますが、このたび日本経済新聞社と日経産業消費研究所が全国671市及び東京23区を対象にした行政サービス調査の行政運営、改革度において上越市が見事第1位にランクされました。この調査は、平成10年以来今回が2回目となる、いわば自治体の通信簿であります。調査は、行政の改革度、サービス度に大別されますが、このうち行政の改革度においては、透明性、効率性、市民参加度、利便性の4分野合わせて35項目の指標を得点化したものであります。上越市は、ISO14001の認証取得を初め、事務事業評価システム、そしてバランスシートの導入などに積極的に取り組んだことが高く評価され、120点満点中99.2点という2位の武蔵野市におよそ5点差をつけた堂々のトップであります。前回の調査結果は、報告に誤りがあったため、68位で発表されておりますが、実際は1位という確認をいただいておりました。 また、今回の調査では上位団体に対して担当記者による直接詳細な補足調査と取材が行われ、調査の精度及び信頼度は格段に高まっております。さらに、全国の都市がいずれも行政改革に努力を払い、相対的にレベルアップしている中で連続して1位にランクされたことは、上越市の行政改革がいかに先進的で確かな歩みであるかを如実にあらわすとともに、個々の分野においても可燃ごみの民間委託など、効率性は第1位、施設の開館時間などの利便性は第3位、非営利組織への支援など、市民参加度は第18位に位置するなど、4分野中3分野において上位20団体に名を連ね、その総合力は高く評価されたものであります。さらに、前回調査では107位であった行政のサービス度においても、今回の調査では57位に躍進しております。福祉、医療、教育など行政サービスの充実も高い評価を得ております。調査結果では、上位団体の大半が各種インフラ整備などの点で優位にある東京、神奈川、千葉、埼玉など、首都圏周辺の自治体や県庁所在地などの大規模市に集中しておりますが、これらの都市に伍してこの位置にランクされたことは、特筆すべき成果であり、行政サービスの充実度においても上越市は実質上最上位のクラスに位置するものであります。今後ともこの評価におごることなく、行政のイノベーションを図り、より品質の高い行政サービスを市民に提供するため、自治体経営の理念に基づき、効率的、合理的な組織体制づくりに努めてまいりたいと決意を新たにしているところであります。 次に、制度導入に関し、環境が整っていると認識しているかとの御質問でありますが、さきに総括質疑でも答弁いたしました少子高齢化の進展や国内経済の成熟化など、急速な変化に対応していく上で、女性と男性が互いにその人権を尊重し、性別にとらわれることなく、その個性と能力を十分発揮できる男女共同参画社会の実現を図るためには、21世紀における我が国の重要課題の一つであると認識をいたしております。私は、市長に就任以来、女性の積極的な社会進出を促すため、前にも述べましたように、講座等を通じての啓発活動、ネットワーキングルームの設置、来年1月の女性センターの開設、保育や介護体制の充実など、さまざまな施策を進めてまいりました。さらに、市政モニターを選任するときに男女同数とするとともに、第2次基本計画策定委員会の委員の選任に当たりましては、男女のいずれか一方の委員の数は委員総数の10分の4未満であってはならないとするなど、女性の登用に努めてまいりました。その結果、女性の社会参画をめぐる環境は従前と比較して大幅に改善されたと自負いたしております。しかしながら、当市の現状を客観的に分析すれば、まだ一部に女性の社会参画を阻害する慣習などもあり、さらに改善すべき課題が残されていると考えますので、今後とも男女共同参画社会の形成、とりわけ女性の社会参画を促すべく環境整備に意を用いてまいります。そのためには普遍的でなおかつ体系的な仕組みでありますクオータ制の導入に取り組んで、女性の社会参画をより確かなものにしてまいりたいと考えております。 ちなみに女性職員の採用及び登用についての具体例を幾つか申し上げますと、採用では私が市長に就任する前の平成5年度では女性職員の採用率は32.1%でありましたが、平成6年度から12年度までの平均は47.2%と、ほぼ男女同数が実現いたしております。また、登用では係長以上の女性職員についても、平成5年度と現時点、すなわち平成12年度を比較してみますと、平成5年度では女性職員の占める割合は11.3%であったのに対して、平成12年度では16.2%に向上いたしました。課長、副課長級の管理職だけに限定してみますと、平成5年度では4.3%だったのに対して、平成12年度では8.3%と、倍近くに向上いたしました。こうした数字から見ても、私は市役所内における女性登用に関しては成果が上がっており、その登用にかかわる環境整備は着々と進んでいるものと思っております。 全般的に考えて、女性の社会進出、男女共同参画社会の形成には、いろんなインセンティブが必要であろうと、こう私は思っております。そして、難しいものも第一歩を踏み出すか出さないかということでありまして、踏み出してみたら意外にうまくいくと、コロンブスの卵というふうに受けとめていただければよろしい面もあろうかと思います。そして、すぐにはなかなかこれは目標は達成できるものではないわけでありますが、しかし第一歩を踏み出さない限りは、2歩目も3歩目もないんでありまして、そういった時間軸でいろいろ考えて取り組んでいく性格のものではないかなと、こう思っていますし、そういう方向性が打ち出されることによって、女性も意識改革が伴ってきますし、同時にまた男性も意識改革が図られていくものと思っております。 特に管理職等については、官職人をつくるということわざがあるとおり、やはりそういうポジションに、そういう環境に置くというところから始まっていかないと、そのためにはやっぱり人事権を持っている私の立場から勇気ある判断、これが第一歩になるわけでありますから、そういった意味でいろんな視点から検討を加えて、このクオータ制を視野に入れたということ、議会のこと云々についても先刻総務委員会でお話ししたとおり、そういうことで議会を決して特別視しているわけではないということを申し上げたとおり、あまた各分野すべての分野においてまず議論をして、それからどういうことに進めていくかということを  進めていくのが民主的な大事な方法ではないかなと、こう思っていますので、御理解を賜りたいと思います。 ○石平春彦議長 1番、栗田議員。          〔栗 田 英 明 議 員 登 壇〕 ◆1番(栗田英明議員) 御答弁ありがとうございました。幾つか再質問したいところなんでありますが、ぐっと絞って一つだけにしたいと思います。 たっぷり時間を使って行政改革についてお話をしていただいたんですが、私が今質問をしているところは、行政改革の方の問題ではなくて、あくまでも男女共同参画社会の方の問題でありまして、行政改革の面から安・近・短行政ということで女性政策課が男女・老何とかですか、になったということはわかったんですけれども、それであれば、ではやはり女性政策部門はどうなってしまったんでしょうということになってくるわけであります。 実際には、先ほども少し話をさせていただきましたが、今市民の方の女性グループとか、それから多くの女性の方たち、そして男性の方も巻き込んで、少しずつ市民の中に男女共同参画社会に対しての認識がなされてきてはいますが、その活動の方にばかり目がいくと、どうしても活動をどうするかという、活動をどうやって支えるかという方の行政サービスの方に力がいってしまうのだと思います。先ほど市長からお話しいただきましたとおり、市民ニーズとしてはそういうことではありますが、市民ニーズの方から物を考えてもらいたいと思っているわけではなくて、この男女共同参画社会というそっちを推進するにはどうするかという全般的な方の、要するに政策をどうするのかという方から物を考えてもらったときには、できればきちんとした参画室というのを政策審議局内に置いてもらいたい。そして、政策審議局は市長直属と言っているわけですから、国においても内閣総理大臣の直属機関として総理府の方に参画室があると同じように、上越市にもそういうふうに置いてもらいたいと思っています。 先ほどの答弁の中にもございましたとおり、男女の性にとらわれない、そういう基本的な人権を大事にしたという言葉、それはただ話を聞いていると、素直にすっと入ってきてしまうんですが、これは本当は素直に入ってきてもらっていいんですが、本当はそこの部分が一番大事な部分ですんで、そこはただ口だけで、要するに言葉の中だけで通り過ぎてしまうと、一番大事な部分がわからなくなってしまうと思うんです。時々市長のお話を聞くことがあるんですが、女性の特性を生かしてというような表現を時々お使いになられるんですが、女性の特性を生かしてということでは全然男女共同参画とは違う話でありまして、女性の特性ではなくて、女性の感性とか、そういうのであればまだあれなんですが、一人一人のその人たちの能力を生かす、そのときに男も女もないでしょうというのがこの考え方でありますので、そこら辺も含めてもう一度御答弁いただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 男女共同参画社会の形成は、官制型とか、だれかに押しつけられてということで実現できるものではないという根本的な問題があると思うんです、これは。だから、男性も女性もそれぞれ気づいて、意識を改革していかないとできないわけでありますが、それはその国の生成過程によって多少違ってくるんです。例えば女性参政権も戦後憲法において付与されたというふうな我が国の実情がありますし、いろんな大きな節目に国々によっても違いがあるとおり、やっぱりそういう歴史性あるいは国の生成過程によって、それぞれの違い方があるわけでありますが、基本的にはそうじゃないと、こう私は思っているんです。今また女性の特性ということを私言ったのかもしれませんが、感性とも言っています、私も。ですから、じゃ感性は特性、どっちが上なのかという話です。それは、女性の特性でもあるし、男性の特性でもあるわけです。これは、言葉じりみたいな話であって、やっぱり女性のいいところ、女性の特性、感性、男性も同じようにそういうものがあるわけです。これを決めつけるということを定義づけるというところから始まっていくんじゃなくて、ジェンダーという言葉があるとおり、もともと根源的に存在するところをどう整理して、どうクローズアップして、問題点を整理していくかということが一番大きな問題ではないかなと、こう私は受けとめておるんです。 ただ、そのプロセスとして過程として、行政なり、国なり、こういう法律つくったり、条例つくったりしていかなきゃならない時代背景、こういう環境が特別にあるという、これがなければ別にこんなことをすることないわけです。あるからそういうインセンティブを考えていくということでありまして、何もインセンティブが目的じゃないです。クオータ制を入れて3分の1とか、3割以上とかということが目的じゃないんです、これは。そこを間違っちゃうといけないんですね。だから、インセンティブ、つまり私どもの与えられている責務というのは、法律にも書いてあるとおり、国のやる責務、地方公共団体の責務、あるいは国民あるいは住民の責務、あるいは事業者等々、みんながそろってそれぞれの立場立場、持ち場持ち場においてやっていきましょうというのがこれが基本法の精神であります。ですから、私どもが行政の地方公共団体の立場として何ができるかというところを整理して進むということでしょう。それを人の分野まで突っ込んでやるということは、これは論点整理をしなきゃならんし、やるところは何だというところの線引きをしていくことが私どもに課せられたものであるんです。 ですから、地方公共団体において、簡単に言えばいわばそういう男女共同参画社会を形成する環境づくりです。つまり仕掛けづくりです。それが我々の責務なんです。その一環として、今クオータ制を視野に入れたと、いろんな方法はあるんです、ほかにも。そのことを勉強していきましょうということを言っているんであって、ここで例えば今の機構改革についてもそうです。どこに担当セクションを置くかということも、それも大事であるかもしれませんが、それが目的じゃないわけです。どこに置こうと、ちゃんと全庁的に機能していればいいんであって、それは例えば私どもの13万4,000の全国ちょうど中間の規模の行政機構を持っているものは、いろいろなことができるサイズであります。ところが、小さくなればなるほどまさにそういった課を置けるところもない、それは行政サイズも何も変わってきますから、そういったことを言っているんじゃないと思いますが、つまりどこにあろうと、しっかりと機能ができるかできないかということだと思います。 ただ、国によって、今度は韓国でしたか、女性省をつくるという話もちょっと聞いたことがありますが、要するに国によっても、今度は総務省になって、女性政策局ですか、局をつくるということで、今までそうじゃなかったのが政府も本腰を入れて局をつくるということになっているという話も聞きましたが、これは局というと、私どもの市に当てはめるならば、これは課に相当するんでしょうね、単純にいきますと。しかし、そのサイズが全国的な話でありますから、そういうことになっているという面もあろうかと思いますが、今私は市長直属という話が出ました。これは、私はあながち否定するものではないなと思っているんです。それは、政策審議局でいいのかという話とまた別な話です。だから、市長直属で云々という話については、私はこれは一考に値するかなという感じはしているんです。ただ、それをどういう組織的に置くかということもありますけど、実際私が担当副市長をして、そこをきちっと指導するということで補えばいいという当面の問題もありますから、それはそれで当面はそれでいいと思いますが、これは何かの機会のときにそういう直属という視点については、勉強してもいいかなというふうに思っております。 いずれにいたしましても、こういう経過的な状況の中でどういう形で対応するかということは、いろんなケースが考えられるということは、これは当然であると思っていますし、有効な参画社会をつくるための手法等については、工夫、努力をしていきたいと、こう思っていますので、よろしくお願いします。 ○石平春彦議長 14番、山岸行則議員。          〔山 岸 行 則 議 員 登 壇〕 ◆14番(山岸行則議員) 私は、さきに通告いたしました地方分権一括法を踏まえて、上越市行政のさらなる分権行政の姿勢について3点に絞って質問いたしたいと思います。なお、先ほど杉本議員の質問もございましたけれども、私の質問については若干関連性はございますけれども、行政の皆さん、市長、直ちに1年以内にやれる中身の質問でございますので、抽象的な部分ではないということでよろしくお願いをいたします。 3点の内容は、市長の附属機関を初めとする各種委員の選出方法と一般公募制度の導入についてと、直接民主主義制度と市民参加条例の制定についてと、広域連合の制定についてのお尋ねであります。なお、この広域連合については、先ほどの論議もありましたけれども、今ある広域行政ではなくして、あくまでも広域連合的な部分での質問でございますので、よろしくお願いをいたします。なお、この質問はことしの4月より実施をされた地方分権一括法に基づくものであり、過去これらの問題で今ほども質問がありましたように、多くの同僚議員の皆さんも合併問題も含めて論議をされておられますし、私自身も過去各種委員の選出方法についても質問してきたところでございますので、これらの経過をも織りまぜながら質問をさせていただきます。 今回の地方分権一括法は、行政担当者任せでは前進しないというふうに思っておりますし、そういうふうにも多く言われております。むしろ私ども議員、議会側の姿勢でもあり、市民意識も大変重要な問題であるというふうに思っておりますので、行政側だけの提起ではなくして、むしろ私ども議員側や市民の方からの積極的な提言もあってこそ、この地方分権の本来のあるべき姿がより有効になっていくんだろうというふうにも思っております。したがって、私自身も議員の一人でありますので、私どもは行政に提起するだけではなくして、私ども議員側からもアクションを起こしていかなければならない問題であるというふうにも思っております。今回の一括法でも中央段階では議会の改正の中身としては、先ほども論議をされておりましたけれども、議員定数の問題や議案提出要件など一部は緩和をされましたけれども、本来これからの議会のあるべき姿である私どもやっぱり議員の本質でもあるチェックと提言の要件だとか、議会の定例会や常任委員会制度のあり方や各種専決処分の問題点や議長の附属機関を含めた私ども議会の政策形成などの問題がほとんどこれらの改革では具体的な答申がされてこなかったという状況にございます。 しかし、そういう状況にあったとしても、私どもやっぱり議員も積極的に上越市なら上越市の中でこの地方分権を踏まえて議会がどうやってやっぱり活性化をしていくか。議会もどうやって市民の意見を踏まえた行政運営と対応しながら議会の活性化を図っていくかという、その意味でのこの間の議会運営や議会の中身に基づくさらなる拡大を含めた対応を私ども議会も追求をしていかなければならないということを私ども自身としても、また私自身としても十分認識をしているところでございます。 そういう中において、本日の質問の本題であります地方分権とは何かという問題でございますけども、私から見れば、市長も再三言っておられますけれども、まさに当たり前のことであって、市民に開かれた、市民中心の市民の皆さんが参画をしながら、市民と行政が一体となりながら自己決定と自己責任をもってそれぞれの自分たちの住んでいるまちをどうやってつくり上げていくかという行政と市民との共同作業であると、地方分権というのは国や県から権限や財源を移譲されることだけが主力ではない。むしろやっぱり主力になるのは、そこに住んでいる住民の皆さんと一体となった身近な開かれた住民本位の行政をどうやって行政と住民が一緒になってつくっていくかというところがこの地方分権の本来のあるべき姿だろうというふうに思っております。 したがいまして、そこには情報公開条例の拡充強化やあらゆる行政運営や行政の政策推進に参画する市民参加制度や市民の立場からの行政に対する監視や改善や、また今まで既に上越市で実施をしております行政手続条例などの円滑な運営や各種機関に対する透明で公平な制度の確立が必要であろうというふうに思います。上越市は、既に先ほどからお話がありますように、昨年からの副市長制の導入を初めとする行政の効率化や迅速化を初め、情報公開条例や行政手続条例の制定や各種委員の一般公募やJトークや市民モニターなど、まさに全国に先駆けた積極的市民参加を追求してきていることも事実でありまして、このことは十分承知をしておりますし、内容面においても、大きく評価されるものも多くあることは事実であります。しかし、私はこの地方分権の時代の中にあって、まだまだ上越市も追求していかなければならない部分ももう一方では多くあるということでありまして、その中の3点きょうは質問をさせていただきます。 まず第1点は、各種委員の選出方法についてであります。上越市は現在市長の私的諮問機関を初め、自治法に基づく法的な諮問機関や各種の検討委員会や協議機関、審議会などが非常に多くありまして、確かに今の市長になって以降、これらの市民参加の委員会制度が多くなって、今現在98か、99の委員会があろうと思います。ただ、残念ながらこれらの委員会の中に一般公募による委員制度は六つぐらいでしかなくて、約100近くある中の六つぐらいが一般公募であって、あとはほとんどが行政サイドによる任命による委員の選出であると。確かにその中では、専門的知識を持たなければならない、それらの方々からも入っていただかなければならない委員会制度なども非常に多くありますので、それらの部分は除いたとしても、この99あるうちの約半分、それぞれの委員会の中の半分以上は市民の方々が参画をされておりますけれども、残念ながらこの99ある委員会、審議会の中で、町内会長さんなどを含めて一部の委員に偏っている部分が非常に多くある。 1人の方が31もの委員を兼務をしたり、14だとか、18だとか、十幾つだとかといって、委員を兼務をされている方々が10人以上おられるという状況であって、むしろ私はこれらについては、一般市民の公募体制をさらに広めていくことが必要なんではないかなと。市民参加のところは、もっともっとやっぱり一般市民からの公募によって市民の皆さんから参加される委員会制度を確立していくことが最もやっぱり今の時代の中において望ましいことではないかなというふうにも思っておりますので、一番最初にも言わさせていただきましたように、これらはまさに向こう1年とは言わずに直ちにこれから改正されていく委員の中でもって、例えば10人の委員であったら、10人の委員のうち3分の1ぐらいの3人ぐらいは公募の枠でやれるものがあるならば、3人ぐらいは公募の枠でするとか、全部が全部公募だなんていうことは決して言えるわけではないし、やれる状況ではございませんけれども、一般公募で市民の枠の中で参加をしていただけるものが大いにあろうと思いますので、それらの問題について直ちに実施をしていくべきではないかというふうに思っておりますので、これらの見解をまず1点お聞きをいたします。 次に、直接民主主義制度でありまして、先ほども論議がございましたけれども、私は事あるごとに直接民主主義制度をやれという意味ではなくして、むしろこれからの時代の中においては、恒常的に直接民主主義制度である住民投票条例などを条例化をしておくべきだというのが今回の質問の趣旨であります。これは、今回の地方分権審議会の中でも論議がありましたけれども、最終結論には至らずに終わっているという今現在の状況でございます。これらの問題は、行政のみではなくして、場合によっては、行政から提起をされるんではなくして、先ほど私も言いましたように、条例の制定でありますので、私ども議会の発案でやろうと思えば確かにできるという問題でもございますけれども、しかしこれからの行政を担っていく大きなウエートの問題でもございますので、できましたらまずはやっぱり行政の立場での見解をお聞きをしたいなというふうに思っております。 先ほど合併問題については、住民投票というのも一つの方法としてあるんではないかという市長の答弁もございましたけれども、私は先ほど言いましたように、これらの問題をもう既に恒常的に設置をしていく条例をつくっていくべきではないかというふうに思っております。私自身の持論としては、今後の地方自治の中で地方分権の究極は、やっぱり直接民主主義制度の拡充による住民一人一人の参加、住民一人一人の判断によって自己決定と自己責任を明確にしていくことだというふうに考えております。 したがって、今ある50分の1の直接請求のみではなくて、自治体に住民参加条例を制定をして、そして先ほども論議がありましたけれども、事あったごとに対してそれを住民の直接投票にしていくかどうかは、行政や議会でもってまたその場で判断をしていくということにしていくべきであって、恒常的に住民参加のこのような条例をやっぱり確立をしていくのが今の時代ではないかなというふうに思っているところでございます。特に一段と厳しくなる財政状況のもとで、市民意識が多様化し、かつ複雑化する社会情勢の中で、市民を二分する政策や多大な市財政を投入するような事業だとか、先ほどの合併問題だとか、いろいろの問題がこれからも出てこようかと思いますので、それらについては、行政と議会だとか、また各種の公聴会や市民代表による検討委員会などというそれらの問題だけではなくして、今ほどから言っておりますように、直接市民一人一人にやっぱり問いかける住民直接の投票条例制定をしておくべきではないかなというふうに思っております。 全国の状況を見ますと、ここ五、六年前から原発の問題や産業廃棄物の問題や軍事基地などの問題で直接請求の運動が住民側から起こっているという状況でございます。ただ、残念ながら今の現状を見ますと、それら住民側からの直接民主主義を排除しているような格好になっているのが行政であったり、議会であるという状況であって、この制度確立によって私は間接民主主義が形骸化されて、議会が形骸化されるという意見もありますけれども、私から言わせれば全くむしろ逆ではないかと。この直接民主主義制度による住民投票を確立することを通して、議会と住民、議会と行政との間をもっとやっぱり身近にしていくという中身になってくるんだろうというふうにも思っておりますので、決して議会を形骸化させるんではなくして、むしろ行政も議会も積極的にこの住民直接投票条例制度を活用していくべきではないかというふうに考えておりますので、この辺について行政の考えをお聞きをしたいと思います。 最後に、広域連合についてであります。宮越市長の3月の一般質問の答弁を拝見いたしますと、むしろ広域連合というよりも、先ほどから論議がありましたように、合併の促進を打ち出す方向の姿勢の方が強いようであります。私も最終段階ではこれも大いに論議をしていかなければならないというふうには思っておりますけれども、今私どもの立場でむしろそれよりも広域連合を追求すべきなのではないかなというふうに考えております。本来先ほども論議がありましたように、地方分権というのは、国、県、市町村という縦系列の指揮命令の行政システムを市民が中心となった横系列に変えていく。国、県、市町村の縦系列を横系列に変えながら、まさに行政と住民が共同と協調のもとで、それぞれの行政運営を行っていくというのがこの地方分権のシステムだと。ただ、この地方分権のシステムの中で、先ほど杉本議員も若干言われておりましたけれども、この合併問題だけが中央の地方分権の中で突出してきているという状況があるんではないのかなという感じがいたしますので、むしろ合併問題については、最終的には住民の側からの住民の意向に基づいてやっていくものであって、上から頭からあめ玉を与えるからさあ、やりなさいなどというやっぱり制度というのはおかしいのではないのかなという感じがいたします。 先ほど市長も言われておりましたように、確かに今日の時代からするならば、道路網が整備をされ、情報化の時代を迎えて、昼夜の交通を含めた人口の流動化も多発であり、少子高齢化の時代を迎え、かつ地方財政が大変厳しい状況になっていると。これらの打開のために合併しかもうないかなということも一つはあろうとは思いますけれども、しかし今ここで合併というものを先にとらえるんではなくして、それよりもむしろ広域行政、広域連合をもっとやっぱり追求すべきではないかなというふうに思っています。というのは、先ほど市長も言われておりましたけれども、今ある広域行政、し尿処理や消防署や水道供給企業団などの一部事務組合や広域事務組合や企業団の運営管理であったならば、どうしても管理職もそこにある議員も間接的であって、先ほど市長の答弁ではないですけども、住民から見ればますます市民から見れば距離が離れているというのが今の制度であって、なかなか住民がそれらの広域行政の今の中身がわかっていないという状況でございますので、町村が若干違っていますので、すべてを直ちにやれということはできないかもしれませんけど、むしろ広域連合の組織化を中心としながら、先ほど市長も言っておりましたように、しっかりとした代表制なり、理事長制をすべての有権者で選べるのか。これは、またいろいろな方法がありますけれども、そういうことを通していわゆる責任を明確にした指導体制を選ぶと同時に、その議員もその関連する町村全体から選んでいって、議員の中からさらに選んでいく今の制度ではなくして、まさに責任を明確にして、そしてそこに参画する市民が明確にこれらの広域の事業についてはっきりとわかっていく。そのことを通して住民の皆さんはこの広域連合を通して、これならばもう広域連合ではなくして、合併をいっそのことやったらどうなんだというところになってこそ初めて合併という問題が出てくるんだろうと思いますので、その合併の前にこれらの広域連合の対応をやっぱりきちっとやりながらすべての住民に開かれた、すべての皆さんが透明化された広域連合を追求していくのが今最も求められているのではないかなという感じがいたしますので、これらについて市長の御答弁をお願いいたします。 以上です。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 まず最初に、各種委員会、審議会の委員の選出についてでございますが、私は市長就任以来開かれた市政を基本理念として、各種計画の策定、施設の建設あるいはイベントの開催など、計画づくりの段階からあらゆる機会を通じて市民との対話を行うとともに、市民参加のまちづくりあるいは市民参加型のまちづくりを推進してきたわけであります。また、これまで進めてまいりましたのびやかJトーク、のびやかJウオーク、さらには市政モニター、Jトークポストなどは、まさに直接的に市民の声を聞こうとする民主主義の原点とも言える極めて有効な施策だと確信をいたしております。このことについては、市の事務事業を検証・評価し、行政運営上の諸課題について提言をいただく行政監理委員会において昨年1年をかけて検証が行われ、ことし3月に高い評価をいただいたところであります。 そして、今年度2巡目が終了するのびやかJトークやのびやかJウオークについて所期の目的は十分果たしていることなどから、現場の執行責任者としての副市長もテーマごとに担当すること、またバランスシートについては、市税未収金の貸倒引当金や退職給与引当金の設定など、6項目について新たに表示などを行い、市民に一層わかりやすく工夫してはどうかといったような御提言もありました。これらの提言につきましては、早速実行に移し、行政運営に役立てているところであります。 地方分権時代を迎えて、自治体が真の自主、自立を果たし、豊かな地域づくりを実現していくためには、市民参加を基本として行政運営が当然のことながら強く求められているところであります。このような中で、さまざまな行政課題を解決するため、市民参加の有効な手段の一つとして、各種委員会、審議会等も積極的に利用して、ともに考え、ともに歩む市政の実現に努めてまいったわけであります。現在委員会、審議会等109、さっき99とおっしゃっておりますが、109というふうに直していただけませんか。の機関を設置しておりますが、委員には各界の専門家を初め、広く一般市民の参加や、特に女性のより一層の社会進出を図るために参加を積極的にお願いしておるところであります。そして、委員の皆さんからは、高度に専門化しつつある行政に的確に対応し、柔軟でまた新しい風を吹き込み、行政の発想を転換させる有用な御意見、御提言をいただいているところであります。全国の自治体に先駆けて制定した上越市食料・農業・農村基本条例、いわゆる農都市条例についての上越市食料・農業・農村基本条例検討委員会や市民主体による美しい景観形成を図るための上越市景観条例について、上越市景観条例検討委員会で検討していただいたことなどは、まさに双方向の中で広く市民の意見を反映した条例づくりではなかったかなと、こう思っております。 さて、委員会、審議会等の委員の公募制を広く導入してはどうかという御提案でございますが、住民参加による自前のまちづくりの推進に有効な手段の一つとしてとらえ、既に取り組んでいるところであります。今後も公募制の妥当性や募集、選考方法等もさらに検討を加えながら、可能な限り公募制の拡大に努めてまいりたいと考えております。 なお、現在公募を行っている委員会、審議会等は、6機関となっております。ちなみに情報公開・個人情報保護制度審議会、これは委員9人中3人を公募しています。上越市市政モニターは、委員30人のうち全員公募であります。上越市介護保険サービス評価会議、これは委員10人中3人公募でございます。美しいまちづくり環境モニター、これは委員10人中全員公募であります。上越市男女共同参画基本計画策定委員会、委員20人中6人を公募でございます。のびやかJプラン2001策定市民懇談会、委員24人中10人を公募であることを申し添えさせていただきます。 次に、直接民主主義制度を高めるため、住民参加条例、住民投票制度ということですか、を確立すべきではないかということでありますが、ことし4月からいわゆる地方分権一括法の施行によって、地方分権が現実のものとなり、地方自治体はより一層の自己責任、自己決定、自己負担が求められておりますが、私はかねてより地方分権をより確実なものとし、地方からの国づくりを推し進めるためには、自立性を高めた地方の自主性と個性豊かな活力に満ちた地方社会の実現を目指し、市民参加による開かれた市政を進めていくことが何よりも重要であると考え、その実現に最大限努めながら市政運営を進めてまいりましたことは御承知のとおりであります。具体的には、Jプラン策定時の自前のまちづくり会議に代表されるような市民との協働によるまちづくりを実践し、またJトーク、Jウオークの実施など、市民の声に基づいた現場主義の行政を実践してきたところであります。 地方分権の流れの中で、より一層の住民参加を確立するために、市民による直接投票制が必要とのことでありますが、地方公共団体の計画策定や行政施策への住民参加の機会を拡大するための方策として直接投票制は確かに一つの方法であると思います。しかし、住民投票では投票結果は賛成か反対しか出せないという限界があり、中間的な意見が反映されない。また、十分な資料や情報に基づく冷静かつ多面的な討議が浸透しにくく、短絡的な結果につながるおそれがある等の問題点も指摘されております。さらに、結果が僅差であった場合の判断基準の設定が困難であり、これを回避するために諮問型の住民投票とすると、住民投票自体の位置づけが不安定なものとなることも事実であります。私が先ほども説明申し上げましたとおり、これまでも開かれた市政を目指し、平成8年に他に先駆けて情報公開条例の制定を行うなど、市民参加に基づいた行政運営を果敢に実践してまいりましたし、これからもさらに積極的に市民協働型の行政運営を行っていく所存であります。 一方、現行地方自治法においては、間接民主政治の制度的欠陥を補うための住民直接参政制度として、直接請求制度が保障されているものでありますし、現在国においては、地方制度調査会で直接請求制度の見直しにあわせて、住民投票制度の検討も進められておりますことから、今後の議論の推移を見守りながら研究をしてまいりたいと考えております。 なお、さきに行われた直接請求に関連して、幾つかの運用上の問題が、これは私に対するリコール運動であります。幾つかの運用上の問題点が浮かび上がりましたので、これらの点については近く国等に対して提言いたすべく現在調整中であることを申し添えさせていただきますが、山岸議員のおっしゃることは、非常に前向きで建設的な御意見だということを受けとめますが、春のリコール運動を見ても、この程度のことをやられてしまっては、そこまではとてもじゃないけど、いかない状況が現存するということであります。あの直接請求の内容はひどいものであるということは、論をまちませんが、そのようなことは少し意識がきちんと整理されないと、こういうところに前へ進んでいかないだろうと、こう私は考えておりますから、この問題点を指摘しながら、さらにまた研究を進めていきたいと、こう思っています。 次に、地方分権の立場から直ちに合併促進ではなく、広域連合を追求すべきではないかとの御質問にお答えいたします。先ほども杉本議員にお答えいたしましたとおり、地方分権が既に実行の段階に入り、自己決定、自己責任、自己負担を原則とする地方主権のもとで、我が国の地方自治体にとって、まさに市民主義に根差した自治体経営が求められているわけであります。自治体経営の基本は、やはり財政基盤の確立でありますが、既に国、地方ともに財政破綻とも言える状況の中で、従来の中央集権型行政システムを維持することが極めて限界となっており、行財政運営の構造改革が待ったなしの段階を迎えているのが現状であります。私は、かねてから申し上げておりますとおり、この厳しい財政環境を脱却しつつ、自主、自立のまちづくりを進めていくためには、市町村合併こそが最も有効な方法、手法であると考えているところを申し上げているわけであります。 広域連合制度につきましては、多様化する広域行政需要に対応する新しい制度として、平成7年6月から施行されているものであります。広域連合制度と一部事務組合を比較した場合、現行の一部事務組合は構成団体の事務の一部を共同処理するだけであるのに対して、国からの権限移譲の受け入れ体制を持たせ、また広域連合の長と議員を住民が直接選出することができ、さらに広域連合には広域市町村圏と異なり、住民が存在し、その住民は直接請求権を持つなど、自治体並みの権限を持たせるのが特徴であります。しかしながら、現在全国で設置されている67の広域連合の現状を見ますと、長や議員が住民の直接選挙によって選出されている例はなく、また処理する事務も一部事務組合と大差ないなど、今申し上げました3点が生かされていない実情であります。単に現行の自治体の枠組みに屋上屋を重ねるようなものではないかと考えております。 また、一部事務組合や広域連合などのような市町村の枠組みの変更を伴わない広域行政に関する制度は、ややもすると責任の所在が不明確となって、また関係団体との連絡調整に相当程度の時間や労力を要するために迅速、的確な意思決定を行うことができず、事業実施などに支障を来す場合も見受けられます。先ほど杉本議員にもお答えしたとおりの現状にもそういった我々が今抱えている問題もあります。したがいまして、総合的な政策行政主体として人材を確保し、かつ地域の課題を包括的に解決する観点からは、市町村合併により意思決定、事業実施などを単一の団体が行うことがより効果的であることは論をまたないところであります。 これらを踏まえますと、広域連合制度を導入した後に合併の議論を進めるのではなく、財政基盤を確立し、地方主権に根差した自主、自立のまちづくりを進めていく上で、最も有効な市町村合併について市民の皆さんとの議論を一層広げ、深めていきたいと考えておりますが、この広域連合の考え方は、これは私は否定するものではないんです。しかし、実際一番大事な広域連合の長や議員を住民が直接選出されていないというところに大きな問題があって、仮にこれが今はないから広域行政組合、一部事務組合みたいになっているんです。これが広域連合長とか、議員が議会があって、直接選挙されるようなことになれば、これはもう合併ということです。だから、どっちつかずになって玉虫的になっているところに問題があるんです、広域連合というのは。だから、ここは余り議論をしていっても、どっちかに分類されるんです、これは。 ですから、今全国見ても、連合長とか、議会も置いて、議員を直接選挙はしていないんです。つまりそれは、広域行政の一つの形として、そこを認めちゃったからこの広域連合は有名無実みたいなところが実はあるんであって、この広域連合制度を導入するときは、必ず連合長と議員を選任すべきだと、直接選出すべきだということを突っぱねていけば、広域連合は私はあったと思いますが、それを推し進めていけば、これは合併の方に近づいてくるわけでありますから、その辺のところはよく承知であろうかと思いますが、いずれにしても、こういったものについては、広く議論を深めながら、住民の意識をしっかりととらまえながら進めていかないと、トップダウン方式ではなくて、やっぱりボトムアップということが一つの基本的な考えではないかなと、こう思っておりますし、私ども今1市3村で職員が勉強してもらっておりますが、これはいろんなことを想定している中でかなり重要な部分は、合併しますと、自治体職員が相当これは削減というか、縮減になるんです。そういったところをまずどうするかというところも踏まえながら、いろんなシミュレーションをして勉強していかんと、合併したがさあさあということになってはならないことから、まさにボトムアップ的に今勉強しているということをつけ加えさせていただきます。 ○石平春彦議長 14番、山岸議員。          〔山 岸 行 則 議 員 登 壇〕 ◆14番(山岸行則議員) 答弁ありがとうございました。 1番の各種委員会、審議会については、今後公募制を拡大していくということでございますので、よろしくお願いをいたします。 もう一つの直接民主主義制度の問題でありますけども、確かに今市長が指摘をされておりますように白黒をはっきりとつけるという意味があって、軽々にやっぱり導入すべきではないということは、私は十分承知をしております。しかし、これからのやっぱり地方分権の中において、あらゆる問題がやっぱり出てくるときに、私ども議員もそうでありますし、行政もそうでありますけれども、果たしてその決めたことが本当に住民の合意にかなっているかどうかといって、相当やっぱり不安視をしなければならない問題もこれからの中では数多く出てくるのではないかなという感じがいたしますので、49対51という得票の比率になるかもしれない。そういう部分もあるかもしれない。 しかし、そこは最終的には住民の皆さんの直接の制度で決めたんであって、その皆さんの意向を受けて大体そうだろうと思っている議会や行政で決めたんではなくして、住民の皆さんの最終的判断で決めたんだという状況であるならば、これは住民の中にきちっとやっぱりすっきりとしたものが落ちるだろうと思っていますので、むしろそういう瀬戸際の政策のときなどは、私は行政や議会だけの段階で決めるんではなくして、むしろ積極的に住民一人一人のやっぱり判断で決めていくというこれからの時代があっていいだろうと思っておりますので、そういう制度としてむしろ逆にこの住民の直接請求制度というものを確立しておくべきだと。 そして、私は先ほど言いましたように、確立しておくからといって、直ちにそれをすべてのところに当てはめていくというんではなくして、それを条例化しておきながら、やる段階ではもう一度やっぱり行政や議会で大いに論議をしながら、それはどういう投票のあり方でやっていくべきか、どういうやっぱり論議をという、その間での論議がやっぱり出てくる問題でありますので、これは市民を巻き込んだ相当な論議になっていくだろうと思うんで、今全国で出されている問題は、産廃や原発の一つの課題に対して住民側から出されてきて、それを直接投票にかけるかどうかという論議だけであるという状況であるけれども、今私が言っているのは、もうそういう制度を恒常的につくっておきながら、その出されてくる課題に対して再度また議会や行政と住民を巻き込んで論議をしていく、その中でそれを直接投票にかけるかかけないかという論議をしながら整理をしていくという状況でございますので、私はこれは確かに49対51などという短絡的な結果になる部分もあるのかもしれないけれども、これからの地方分権の中においては、一つの手法としてやむを得ない制度だろうし、むしろこの制度を積極的に使っていくべきではないかと。 既に大阪の箕面市か何かがこういう条例などを具体的につくって、まだ実施はしておりませんけれども、いつでも対応できる状況などをつくってきているという状況もございますので、上越市でもぜひやっぱり追求をしていただきたいなというふうに思っております。 それから、三つ目の広域連合の問題は、今ほど市長の答弁にありましたように、まさにそのとおりであります。今全国で置かれている、全国でやっているものも、介護保険制度などを中心とする部分が圧倒的に多くて、ほとんどが現状の一部事務組合的な形式でしかないという状況でございますけれども、私は最終的に合併になるのかもしれませんけれども、先ほどから言っておりますように、住民の不安を取り除いていくために、今ある一部事務組合や広域連合や水道供給企業団などのこれらの事業内容や財政内容などもさらにやっぱり市民に透明化をさせていく、市民にやっぱり開かれていく、そういうものを全体でつくってこそ初めて合併の機運というのもすとんと落ちてくるんだろうというふうにも思いますので、その辺が今現状の中では一部事務組合形式の中では十分やっぱり透明化されていない。 むしろ私はこの辺のところに問題があるんだと思っておりますので、この辺がもっと透明化をされていくならば、確かに先ほどから言われておりますように、今日の地方の財政の状況からして、そして今言った少子高齢化などにおける介護保険制度の問題だとか、これから少子化の問題もこの次また必ず出てくるだろうし、農業の問題も当然出てくるだろうと思いますけれども、いわゆる町村段階ではとてもではないけれども、合併をしてもらわなければ財政的には成り立たないという状況は確かに来るんだろうというふうにも思いますけれども、しかしそういう中にあっても、それらの方々が本当にこの町村やこの市と合併していくことでもって、先ほどの話がありましたけれども、おれたちはここのデメリットはあるかもしれないけれども、しかしこういうメリットもあると、やっぱりその方を選択しなければならないんだというところに気持ちとして落とせるだけの透明性ややっぱり情報などの公開なども含めて、開かれた今の現状の体制をつくっていかなかったら、なかなかうまくいかないのではないかなという感じがいたしますので、むしろそういうためにも私は先ほど言った広域連合などを通しながら、その上での延長上として考えるんならいいけど、今この段階で直ちに合併ということを言うならば、どうしてもやっぱり市民のところには納得がいかない部分が相当多く出るんではないかなという感じがいたすもんで、広域連合制度という問題を提起をさせていただいたという中身でありますので、その本分としては透明性や情報公開なども開かれた、いわゆる行政運営を一単位の行政ではなくして、この事務組合的な中身であっても、その辺をもっとやっぱりやっていかなかったら全体の町村として、住民として納得のいく行政運営の方向にはならないんではないかということでございますので、その辺を重ねて御質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 住民投票制については、全国で今山岸議員がおっしゃったような事案であるわけでありますが、はっきりと賛否が分かれている場合、9対1とか、8対2とか、こういうときは恐らくやっても意味ないんです。議会で十分であるし、私ども行政でも提案して市民に申し上げれば納得ということでありますが、結局は住民投票をする場合は、賛否が際どい状況だと思うんです。だから、際どい状況でありますから、よりそれを理解する住民の側の情報を初め、それを理解する熟度とか、そういう程度、これがきちっとされていませんと、下手するとまた政治的に利用するとか、こういう話が出てくるんです。だから、政治的なことがあって、私は決してあってはならんということは言いませんが、やっぱりそこは本当の真実が伝わっていって、判断できる状態をつくりながらやれるかというところが実は大事なところだと思うんです。そこは、私はまだまだ日本社会においては熟度が上がっていない部分があるだろうと、こう思っていますし、また事柄、原発の問題とか、産廃の問題とか、それぞれ違うんでありますけど、例えば原発の問題については、これは国策でもありますし、また県としてもやらなきゃならない問題でもある。 しかし、現状は一自治体、設置自治体の小さな自治体が割と多いですね、そういうケースは。つまりそういうところに設置するというケースが多いんですから、大都市に設置するということは余り聞いたことないですね。本当に安全ならば東京電力は東京につくったらいいじゃないかと、こういうことが極論としてあるんです、これ。絶対安全だったら国会議事堂の隣につくってもいいぐらいなんです。 ところが、実際はそうじゃなくて、過疎とか、山村とか、あるいは海岸ぶちとか、そういうところを選んで設置するという、こういったことはそれ一自治体で判断できるものではないです、これは、もともと。ですから、こういったことの課題によって、実際上今行われているものの中にもかなり無理した住民投票を行っているところがあるように私は見受けられます。それは、制度がそうだからやっているという面もあるんです。ですから、その自治体に任せて、それを様子見て県で判断するとか、あるいは国が判断するとかという、これ逆の話です、これは。だから、そういう課題によってもかなりこれは選択の余地が大変ぶれると思いますし、数千人しかいないところに、住民。住民投票して賛否を問うて、賛成だ反対だとして、結果的にその周辺に危険を及ぼすようなものが立地されたら、周辺の住民がそれこそ大変なことであります。 ですから、その住民投票というのは、制度自身はこれは否定するものではないんです。そこは、非常に難しいところでありますから、まだまだ研究しなきゃならんし、仮にやるとしても、そういう熟度というか、認識度が高まっていかないと、絵にかいたもちになるおそれが私はあると思います。そういう意味で、時期尚早という感じは私は否めないということを改めて申し上げます。 それから、広域連合についても、これは一つの方法であろうかと思いますが、今先ほど申し上げたように運用上実際に広域連合やっているところを見ても、また新しい何か自治体ができて、公共団体ができてみると、住民から見たら、何だかわけわからんということが実際私はあるような感じします。そこで、一部事務組合についても、本来私は実際にいろんな問題抱えてやっていることを感じておるのは、こんなのもうやめちゃえというふうに私は思っているんです。つまりそんなことがあるから、権限と責任が明確になっているにもかかわらず、意図的にうまくそれを利用するとか、そういうつまらんところにエネルギーがかかって、本来の一部事務組合の機能がしていないという、こういう面を私は感じているんです。ですから、むしろ構成市町村はそれぞれの自治体の責任においてやったらいいじゃないかというふうに私は正直そんなばかばかしいことで訴訟だ、何とかといってやるよりもはるかにそういうふうに責任と権限を明確にしてやった方がいいじゃないかという、こういう感じになっているんですね。なっちゃったのが何だかというところをよく勉強してほしいと、こう私思っているんです。 ですから、地方分権というのは、まさに権限と責任ということが明確になって、自主自立、自己負担、自己決定、自己責任と、こういうことになっているんでありますから、それはできなければじゃ別のことを考えればいい、それじゃ合併かとかいう話が出てくるんです。だから、そういう意味で今おっしゃったように一部事務組合にしますと、透明性とか、公開性がやや低下しますよ、これ間違いなく。ですから、そういうことであってはならないわけです。だから、そこに問題が出てくるという、余計な問題が出るということで、大変我々も迷惑を受けているわけでありますが、実際にこの一部事務組合というのは、まさに単純な均一化された行政事務を何ら問題なく処理できるような、そういった課題を一括処理するというのが一部事務組合の本旨でありますが、そういうところをしっかりとまず共通認識をしていくということです。それを逆に変に利用されているから、それを何というか、悪用するというそういうことがあって、せっかくのこういう制度もだめになっていくという、こういったことが実際あるわけでありますから、ましてや広域連合の方に一歩また進めていこうといっても、これはなかなか現実的に難しいと、こう私は思います。やっぱりそこはきちんとした制度を運用することの能力をまず持ち合わせることから次に進化していくという、こういうことではないかなと、こう私は思っております。どうかそのことについては、山岸議員は十分承知かと思いますけど、時代はまた変わってきますから、いろんな熟度がまた上がっていくわけでありますから、決してきょうこの時点で断定的に私は申し上げるつもりはないんでありますけれども、状況変化に的確に対応するような制度の改善あるいは運用に努めていきたいと、こう思っております。 ○石平春彦議長 6番、森田貞一議員。          〔森 田 貞 一 議 員 登 壇〕 ◆6番(森田貞一議員) 改めてごあいさつさせていただきます。4年間皆様と一緒に仕事をさせていただきます。頑張りますので、よろしくお願いします。 私は、さきに通告させていただきました63寺院ある寺町の整備計画について市長の御答弁をお願いいたします。なお、質問に先立ちテーマとしました63寺院でありますが、寺町全体では66寺院となっております。あえて63寺院としましたのは、寺町まちづくり協議会での寺院数でありますので、その点よろしくお願いいたします。 それでは、質問に入ります。まず、現在行われています国指定重要文化財浄興寺本堂保存修復工事でありますが、平成7年から上越市はもとより、県、国からの補助を受け、歴史的文化財保存の大変重要な事業として着手し、ようやく平成15年に完成を迎える運びとなりましたことは、私はもとより大勢の皆様が待ち望んでいることとお察しいたします。この完成は、歴史と文化の薫る寺町の寺院の一つとして今後上越市の観光に大きく貢献していくものと期待されるものです。また、寺町の66寺院は、全国でも例がないと言われる寺院の密集したまちとして歴史的価値が高く評価され、あわせて観光資源の一つとして発信できる貴重な存在であります。 私は、こうした寺町の環境をどこまで保存し、風土に合ったまちづくり整備が必要なのか考えるところであります。そこで、南北2列となった表寺町通りと裏寺町通りでありますが、城下町の持つ独特な形成であるにもかかわらず、そのよさが生かされておりません。寺院めぐりや散策など、目的に合ったわかりやすい歩道の確保が求められています。そこで、まず一番目につくのは電柱です。歩道はもとより、道路幅や交差点をより狭くしているため、移設することにより少しでも幅を広げることが必要です。 次に、外部からの入り方を考えますと、東側からの進入はとても複雑で危険性が多く、また西側の山麓線からを考えますと、現状では駐車場までスムーズとは言えない状況であります。やはり最短コースで一番効果的な場所に駐車場を用意し、山麓線から直接入れる道路が必要であります。市長はこの道路アクセスをどのように考えているか、お聞かせください。 次に、寺町、そして浄興寺を基点とした観光整備でありますが、門前通りの景観が本町まで続き、さらに現在整備され、生まれ変わりつつある高田駅前通りへのつながりを考え合わせれば、観光客が楽しく散策でき、なおかつ滞在時間を長くすることができ、中心市街地活性化へと弾みがつくものと考えられます。寺町から高田駅前通り、そして本町商店街や仲町通り、さらには朝市の大町へと広がる観光地であることが必要であります。そこで、効果的な整備構想について市長の考えをお聞かせください。 短い質問でありますが、自分の描いているイメージや考えがうまく表現できていませんが、よろしく御答弁をくださいますようお願いいたします。 ○石平春彦議長 宮越市長。          〔市  長  登  壇〕 ◎宮越馨市長 お答え申し上げますが、まず初めに浄興寺本堂の保存修復工事の完成に合わせた寺町地区の効果的な整備構想などについてでありますが、寺町は全国的にもまれな66カ寺の寺院が集中している町並みに加えて、これらの寺院の敷地内に民家が立て込んでいるまれな景観であることから、平成7年に寺町サミットを開催するなど、全国にその存在を発信してまいりました。これは、寺町サミットは御案内のとおり最初に金沢市長と私がある陳情というか、中央要望しているときに語らう中で、寺町という名称と群をなしているという、そういう都市が全国に何カ所かあるはずだと、こう調べた中で、今7市ですか、大体似たようなまちの名前とそれから寺院群を形成している、そういうことがあるまちがサミットを開いております。第2回がここで開いたわけでありますが、このように全国に誇れる町並みの景観形成を考えていこうという目的で地区の住民も巻き込みながら景観形成に努めていこうということで立ち上げたわけです。 そして、その後に平成7年の12月にこの寺町まちづくり協議会が発足いたしまして、寺町まちづくりプランが策定されたわけであります。今年度には寺町の入り口であるみつけ常国寺地内においてポケットパークが整備されたことは既に御案内のとおりだと思います。このように寺町においては、寺町まちづくり協議会を中心として、まさに住民主体による自前のまちづくりが進められておるわけであります。 さて、浄興寺は親鸞聖人を開祖とする寺院で、中でも本堂は江戸時代の延宝年間1673年から1681年ごろに建てられた大変貴重な遺産として国の重要文化財にも指定されているところであります。建築から300年を経過していることから、抜本的な修理を施す必要が指摘されまして、現在平成15年度の完成を目途に市も事業費に補助しながら、本堂の半解体修理事業が実施されているところであります。修理事業が完成すれば、江戸時代に建てられた本堂が再現されることになり、文化財としてだけではなく、観光資源として大きくクローズアップされるものと期待をいたしております。このように貴重な文化遺産の保存という観点からの十分な配慮も大切でありますが、上信越自動車道が全線開通し、山麓線の整備が進んだ現在、親鸞聖人上陸の地から国分寺や居多神社、春日山城跡を経て浄興寺に至るコースは、いよいよ観光ルートとしてその重要性が高まってきているわけであります。 このような状況を見通し、市では親鸞聖人の足跡を訪ねる史跡の積極的な観光資源化を図るため、親鸞聖人上陸の地、鏡ケ池、蓮池の整備を進めております。平成19年には親鸞聖人が越後に配流されてから800年の節目の年に当たります。浄興寺を初め、親鸞聖人ゆかりの寺院に多くの参拝客が訪れることが予想されております。こうしたことから、寺町地区の整備に当たっては、ことし10月1日から施行となる上越市景観条例の目的である市民参加のもとでの景観形成の推進や寺町まちづくり協議会を中心とした町並みの保存、形成、そして親鸞聖人ゆかりの観光ルートの確立に十分配慮しつつ、現在建設省と当市が合同で進めております歩いて暮らせる街づくりモデルプロジェクトの整備計画の対象地区でもあることから、歩行環境を初め、道路、駐車場などの整備を進め、貴重な文化遺産の保存と観光資源としての活用の両面から地域の一層の活性化を図ってまいりたいと思っております。 なお、浄興寺門前通りにつきましては、仲町を挟み、寺町と本町を結ぶ重要な路線でもあることから、歩いて暮らせる街づくりプロジェクトなどの中で地域全体の自動車と歩行者双方のネットワークを検討した上で、景観に十分配慮した整備計画を策定したいと、こう考えております。 次に、西側山麓線、東側高田駅方面からの道路アクセス計画についてでありますが、現在高田駅前整備については、平成13年度の完成を目途に、駅周辺の交通をさらに円滑にし、歩行者、買い物客の快適性、安全性の向上を図るとともに、中心市街地にふさわしい町並みの形成を目指して進めております。このような高田駅前広場と雁木の整備にあわせまして、駅周辺地区及び高田中心市街地の道路網の整備についても検討いたしているところであります。6月上旬に駅周辺の現地調査を行い、都市計画道路2路線や他の市道の拡幅、歩道設置、踏切・交差点・側溝等の改良、電柱の移設等々整備しなければならない事項について現在それらを整理し、検討いたしているところであります。また、8月11日には商工会議所、町内会、寺町まちづくり協議会、商店連合会及び駅振興会の方々と市の担当者が大型バスで観光客の目線で駅周辺及び中心市街地への道路の現況を再確認し、意見交換も行っております。その際、踏切の計画的な改良、電柱の移設による道路拡幅、交差点改良、道路白線などの路面表示の維持修繕、一方通行などの交通規制の再検討、案内看板・道路標識の見直しなどの意見が出されました。 さて、現在西側山麓線側からの中心市街地へのアクセス道路としては、市道別院金谷線、県道横畑高田線及び県道上正善寺高田線の3路線があります。市道別院金谷線については、山麓線から関根学園高校までの190メートル間は車道の拡幅が既に完了し、大型車の通行が可能となり、今後は南側に歩道も設置することにいたしております。県道横畑高田線については、裏寺線との交差点付近が改良され、大型車がスムーズに左右折れができるようになりました。また、裏寺線交差点付近からJR信越本線までの410メートル間は、県がふるさと新潟顔づくり事業として、路面、側溝、照明灯等のグレードアップのための調査が今年度行われます。県道上正善寺高田線については、JR信越本線の踏切から裏寺線までの310メートル間で、来年度から寺町の玄関口にふさわしい路面、照明灯等の整備が県で始められることになっております。 このほか、将来寺町地区の幹線道路となる都市計画道路寺町真虫線については、山麓線と裏寺線を結ぶ補助幹線として、また本町大貫線については、上越高田インターから山麓線を通り、高田中心市街地へアクセスする路線として考えております。一方、東側からのアクセス道路につきましては、市道稲田橋東本町2丁目線、都市計画道路本町鴨島線及び県道青柳高田線の3路線があります。市道稲田橋東本町2丁目線については、青田川にかかる上往下橋が新設されたことで、国道18号からのアクセスが強化されました。都市計画道路本町鴨島線については、市が大手町地内の道路拡幅や電線類の地中化等の整備を行っており、平成16年度の完成を目途に工事を進めております。県道青柳高田線については、平成11年12月に今池橋がかけかえされ、国道18号から市街地へのアクセスがスムーズになりました。また、現在駅を中心とする回遊道路整備の一環として、高田駅前線の整備を進めておりますが、東側に4メートルの歩道を設置し、ことし9月1日から交互通行で供用しているところであります。今後は西側にも歩道を整備することにいたしております。 平成15年度を目途として、浄興寺の修復工事が完成し、全国各地から多くの観光客が訪れることが予想されております。このため浄興寺への参道でもある市道西城町3丁目裏寺線については、電柱の移設や交差点の改良等を行うことで有効に道路幅員がとれることから、整備可能な箇所から着手してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、中心市街地への新たな道路網の整備を検討し、観光客を誘導するという観点からも、浄興寺などの多くの寺院と高田駅及び本町商店街、さらには高田公園を含めた回遊性のある道路網の整備を図ってまいりたいと考えております。 TMOはいいんですか。 ◆6番(森田貞一議員) あわせて。 ◎宮越馨市長 じゃ、事前通告をいただいておりますから、この中心市街地活性化事業(TMO)との関連についてもお答え申し上げます。 市では、平成10年度に中心市街地活性化法の施行を受け、いち早く高田地区と直江津地区の2カ所で中心市街地エリアの整備改善と商業等の活性化を一体的に推進していくことを目的に、中心市街地活性化基本計画を策定したところであります。この基本計画において、高田地区の中心市街地は高田駅を中心におおむね徒歩で20分から30分、半径1キロの区域で東側から上越大通り、大町、本町、仲町、JR信越本線を挟んで寺町を一体的にとらえ、約166ヘクタールが範囲となっております。そして、寺町の関連については、平成雁木を初めとした高田駅前周辺整備や雁木の保存、整備などと先ほど申し上げました寺町の整備、活用との連携を図り、城下町としての面影や歴史を満喫できる都市内観光の展開を目指すことといたしております。この基本計画に基づいて、昨年度上越商工会議所は具体的な取り組みを進めるため、各種活性化策を整理するとともに、その実行組織について上越市タウンマネジメント構想として取りまとめました。市では、ことし3月31日にこれを認定し、県内初のタウンマネジメント機関(上越TMO)が発足いたしました。 上越TMOでは、当面空き店舗対策やイベント事業等を中心としたソフト事業を手がけることにいたしておりまして、ことし10月には昨年に引き続き城下町高田花ロードを開催する予定となっております。この取り組みは、城下町高田の道筋を舞台に、住民参加のもと花をテーマとしたアートを発信するもので、ことしから開催エリアも寺町地区にまで拡大し、実施されることになっております。さらに、来年8月4日には上越市発足30周年記念事業として開催が予定されている第44回全日本花いっぱい上越大会との同時開催が計画されており、市といたしましても、積極的な支援を考えているところであります。今後ともこうした上越TMOの取り組みを積極的に支援しつつ、まちづくりの観点から検討を進めている歩いて暮らせる街づくりの取り組みも含め、高田中心市街地活性化にとっても重要な寺町地区の整備、活性化を進めていく考えであります。 ○石平春彦議長 以上で本日の一般質問を終了いたします。 本日はこれにて散会いたします。                                      午後5時55分 散会   地方自治法第123条第2項の規定により署名する。            上越市議会議長     石  平  春  彦            上越市議会議員     森  田  貞  一            上越市議会議員     永  島  義  雄...