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令和2年第5回定例会(4日目) 名簿 開催日:2020年12月09日
令和2年第5回定例会(4日目) 本文 開催日:2020年12月09日

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  1. 山口市議会 2020-12-09
    令和2年第5回定例会(4日目) 本文 開催日:2020年12月09日


    取得元: 山口市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-14
    2020年12月09日:令和2年第5回定例会(4日目) 本文 ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)    午前10時00分開議       ────────────・────・──────────── ◯ 議長(坂井芳浩議長) おはようございます。これより本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、お手元に配付のとおりであります。  日程第1、会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員は、13番、桜森順一議員及び20番、田中勇議員を指名いたします。  日程第2、一般質問並びに質疑を行います。  議案第1号から議案第4号まで及び議案第9号から議案第70号までを一括議題といたします。  順次発言を許します。20番、田中勇議員。               〔20番 田中 勇議員登壇〕 ◯ 20番 田中 勇議員 おはようございます。20番、自由民主党山口の田中勇です。議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして質問させていただきます。  本日は、我が会派の登壇が続きますが、まずは露払いということでございまして、大項目アの徳地地域の活性化についてお伺いいたします。徳地地域においては、徳地総合支所や徳地地域交流センターの建て替えなど、令和4年度の供用開始に向け複合型拠点施設の整備が進められており、行政機能、市民交流機能の充実が図られようとしています。また、本市の都市政策の柱の一つである「個性と安心の21地域づくり」のプロジェクトが進む中、平成30年度に策定された徳地地域ふるさとにぎわい計画に基づく重源の里とくぢプロジェクトも着実に動き出していると認識をしております。こうした中、歴史文化を兼ね備えた観光交流拠点としての重源の郷は、平安末期、当時61歳の老僧が源平の戦いで焼失した東大寺を再建するために、国家の威信をかけた大事業の、しかも大勧進職に任じられました。3度の中国留学と高野聖としての知識や人脈を駆使し、何より堅固な意思が認められたものと思いますが、その用材採集の舞台となった徳地においては、山を開き、谷を埋めて、林道を作り、川を直し、関を設けて水路と成して、巨木を輩出いたしましたが、その間に各地に寺を建て、石風呂を造るなど、その偉業は多くの史跡を残し伝説となって地域の隅々まで残っており、東大寺再興という経済的にも技術的にも困難な大事業を名プロデューサーで、しかもオールラウンドプレイヤーであった重源さんの卓越した力量により成し遂げられたドラマを再現したもので、今後の総合支所エリア地域経済活性化、さらにはコロナ禍においてアウトドアや自然環境を求める人の流れが強まると予測される中、その役割が改めて見直されるべき重要な拠点施設であると考えます。秋の行楽シーズン、とりわけ紅葉の時期は1年のうちでも最も集客が多く、今年は某放送局のドローンによる放映の効果も相まってか、コロナ禍で3密を避け自然を求める傾向がより強まる中、紅葉狩りで多くの観光客がお見えになっていました。また、周辺の自然景観とともに、田舎の原風景はコスプレの隠れ撮影スポットとして、若者を中心に穴場としても最近とみに人気を表しています。しかしながら、平成10年の整備から20年以上経過し、度々御指摘を受けているかやぶき屋根の老朽化などの不具合が生じており、このまま施設の老朽化が進めば、せっかくお越しいただいたお客様にその魅力を十分に伝えることができなくなってしまうのではと大変危惧しているところです。来年は県央7市町が連携し取り組まれる山口ゆめ回廊博覧会の本番を迎え、同時に重源上人生誕900年のメモリアルの年であります。また、新型コロナウイルス感染症の影響で本年開催予定であった東大寺サミットも再来年の令和4年に開催されることが決まり、冒頭に申し上げました複合型拠点施設も令和4年に完成予定と、徳地地域に注目が集まり、地域もまさに一大転換期を迎えていると申せましょう。そこで質問ですが、徳地地域の活性化は重源の郷のにぎわい再生なしには考えられないと考えますが、徳地地域のまちづくりの将来を見据えたこの重源の郷の位置づけ、役割をどのようにお考えか、また、この貴重な観光資源を生かすため、例えば徳地地域には地域おこし協力隊員のOBやOGが徳地手すき和紙やそば店、観光物産店などで活躍中です。また、新たな地域おこし協力隊員も赴任されたようにお聞きしてもいます。それら若い人の発想や、地域づくり協議会にも逸材が目白押しです。老若男女、徳地総合支所長も大変燃えておられる中、徳地の力を結集し、全集中のアイデアを使って、重源の郷の再生を図ることこそが、令和の徳地の復活の一丁目一番地と確信するところですが、にぎわい再生に向けたビジョンをサステーナブルツーリズムの目玉としてもお聞かせください。  以上、1回目の質問とさせていただきます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 有田交流創造部長。              〔交流創造部長 有田 剛君登壇〕 ◯ 交流創造部長(有田 剛君) おはようございます。田中議員の徳地地域の活性化についての御質問にお答えいたします。重源の郷体験交流公園は、過疎化と高齢化が進む旧徳地町において、地域の特性を生かした、人、自然、歴史とふれあう交流のまちをテーマに、人、物、文化、情報の交流を図り、地域の活性化並びに地域住民の福祉増進等に幅広い波及効果を生み出す、新たなまちづくりを推進する施設として平成10年4月に整備いたしておりまして、自然が織りなす四季折々の彩りや古民家などの里山の原風景を今に残す、徳地和紙の紙すき体験やそば打ち体験など、大人から子供まで幅広い世代で楽しめる体験工房を備えた体験学習型交流創出施設でございます。開園当初9万人を超えた入郷者数は、開園後5年間は5万人から6万人で推移しておりましたが、観光客の旅行形態やニーズの多様化の影響なども受けまして年々減少傾向にあり、令和元年度には約1万4,000人まで減少いたしており、また、開園から20年以上が経過し、施設の老朽化、とりわけかやぶき屋根は損傷が激しく、施設の魅力を引き下げる要因となっており、大規模な修繕・改修が必要な時期に来ているところでございます。こうした状況を踏まえ、入郷者数の回復、経営改善を図るため、平成29年度及び30年度に地域戦略経営等の課題解決に実績のある山口大学に調査・分析を依頼いたしたところでございます。この調査報告では、主に施設コンセプトの見直しも踏まえた、誘客のターゲットの設定、他地域との差別化戦略などの経営課題について御指摘をいただくとともに、体験交流公園としての施設機能を生かすこと、さらには地域ブランディングとなる重源上人を生かし、重源上人ゆかりの多様な地域資源に触れて、健康・文化・美容を体験する拠点として経営していくことなどの御提言をいただいたところでございます。また、平成30年度に策定いたしました徳地地域ふるさとにぎわい計画において、徳地地域ブランド奈良東大寺ゆかりの地重源の郷とくぢを設定するとともに、東大寺や重源上人をキーワードとして、人、物、文化、情報の交流を行うことといたしておりまして、山口市徳地高齢者若者活性化センター南大門や山口市徳地森林セラピー基地といった徳地地域の多彩な地域資源を活用し、癒しや健康、食をテーマに新たなブランド創出に取り組んでいるところでございます。中でも、重源の郷体験交流公園は重源上人にまつわる施設のうちの中核となる施設として位置づけており、徳地地域全体での交流人口の創出、地場産業の振興に寄与する重要な役割を担う施設と認識をいたしておりまして、改めまして、重源の郷の再生なくして徳地地域の活性化は図れないものと考えております。こうしたことから、徳地地域の活性化につながる重源の郷体験交流公園の再生には、観光目的地として選ばれる魅力を備えた施設のリニューアル整備と重源の郷体験交流公園を地域の交流のとして、人や物、お金が循環する地域内循環の仕組みの構築が必要と考えております。この施設のリニューアルに当たりましては、四季折々の草木や体験工房など、選ばれる施設として必要となる機能が十分に発揮される整備と、コスト管理を意識した持続可能性も踏まえた整備の2つの観点から、かやぶき屋根の在り方も含め検討していくこととしております。また、あわせて地域内循環の仕組みの構築については、地域内において食や商品の販売や素材の生産など経済活動を展開されている地元商工事業者や生産者の皆様との連携が重要でございまして、このたび地理的表示保護制度──GI制度に登録されました徳地のやまのいもやフランスの日本酒品評会で高い評価を受けましたわかむすめなどの地元特産品の活用が必要となるものと考えております。こうしたことから、実際に徳地地域において商工業や生産活動に営んでおられる方々のほか、地域づくり協議会地域おこし協力隊などに参画いただき、重源の郷体験交流公園を交流のとした徳地地域の活性化を目指す官民協働によるプロジェクトチームを立ち上げるとともに、この施設の整備と地域内循環の仕組みづくりを総合的にマネジメントするため、経営的な視点を持ち、観光を生かした地域づくりの実績を有する外部人材を本年10月から総合プロデューサーとして起用いたし、施設運営をはじめ地域内の様々な主体が相互に連携し、経済波及効果を生み出す環境づくりに動き始めたところでございます。先月──11月17日に第1回の会議を開催いたし、まずは施設の現状や課題など情報の共有を図るとともに、ワークショップを通じて様々な業種の皆様が共通の目的の下で、主体性や多様性を発揮しながら一丸となって成果達成を目指すチームビルディングに取り組んだところでございます。今後、毎月1回程度の会議を行いまして、来年度秋頃を目途に、いただいた御意見を踏まえながら市として施設のリニューアルに向けた方向性を取りまとめてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、この重源の郷体験交流公園の再生への取組を契機といたしまして、施設への誘客促進を図るとともに、施設にもたらされるにぎわいを徳地全体へ波及させる、好影響・好循環を創出するまちづくりの取組へとつなげ、重源の郷体験交流公園の再生と徳地地域の活性化の実現を図ってまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中勇議員。               〔20番 田中 勇議員登壇〕
    ◯ 20番 田中 勇議員 どうも熱い答弁ありがとうございました。市長も大変燃えていらっしゃいますサステーナブルツーリズム、これを目指して頑張っていただきたいと思います。  次に、林業の振興についてお伺いいたします。森は海を海は森を恋ながら悠久よりの愛紡ぎゆくとうたわれてもいるように、森林は国土の保全、水源の涵養、地球温暖化防止など多面的な機能を有しており、人々の安全で安心できる暮らしを支え、木材などの林産物を供給することで地域経済とも深く結びついています。本市は、合併を経て1,023.31平方キロメートルという広大な市域となり、その約76%──国有林を含めると約775平方キロメートルを森林が占める緑豊かなまちとなっています。私たちには先人たちが難儀を重ね、苦労して守り育ってきた豊かな森林を確実に未来へ継承していかなければならない責務があります。これまで森林を維持管理してきた担い手である森林所有者の高齢化や不在村化の進行、林業従事者の激減、さらには中山間地域での過疎化の進行などにより、公益的機能を持続的に発揮する森林の維持管理に支障を来しています。平成31年4月から森林経営管理制度が始まり、森林所有者が自ら管理することが難しい人工林については、市町村との間で契約期間、内容、収益の配分方法等の方針を決めた上で、森林の経営や管理を委託できるようになりました。また、その財源として国から森林環境譲与も譲与されています。本制度は管理が不足する人工林の所有者に対し、今後の所有森林に対する経営管理の意向を調査により確認し、その意向にできるだけ沿う方向で適切な森林管理に結びつけていくものであると認識をしております。これまで山口市の森林環境譲与の使途としては、15年をかけて市内を一巡する区域設定を行い、順次意向調査を進め、管理の委託を受ける期間は次の意向調査までの15年に設定し、それぞれの森林に必要な管理を行うこと、拡大する森林占有面積に対応するための林業経営体に対する各種支援などに活用されているとの見解を伺っております。そこで、制度開始から2年目を迎える現時点の進捗状況や森林環境譲与の活用状況、また、本制度により山口市が進めようとする森林の将来像について、改めて市のお考えをお聞かせください。  以上、1回目の質問とさせていただきます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 村田経済産業部長。              〔経済産業部長 村田尚士君登壇〕 ◯ 経済産業部長(村田尚士君) 林業の振興についての御質問にお答えいたします。御案内のとおり、平成31年4月から森林経営管理制度がスタートし、その財源として森林環境譲与が国から譲与されているところでございます。本制度は木材価格の低迷など様々な理由から私有林の人工林における管理不足が全国的な課題となる中で、適切な経営管理の責務が森林を所有される方にあることを法律で明確にした上で、所有者の新たな管理方法として市町村への委託を可能としたものでございまして、土砂災害の防止や被害の軽減、地球温暖化の防止といった森林の有する公益的機能の維持向上のため、森林環境譲与を活用しながら必要な森林施業を確実に実施していくことが求められているものでございます。本市における本制度の運用につきましては、市内の森林をまず15の地域に区分をいたし、所有されている森林の今後の管理についての意向調査を区分ごとに順次実施してまいることといたしております。こうした意向調査を通じまして経営管理を市に委託されることを希望された森林につきましては、市におきまして公益的機能の向上を重視した管理を進めていく森林、立木の販売を通じた経済活動を進めていく森林、将来的な経済活動を想定した育てる森林の3つに区分けを行った上で、それぞれに必要な森林施業及び管理を実施してまいります。令和元年度は、阿東蔵目喜地区におきまして274人、862ヘクタールの意向調査を実施いたしました結果、114人、率にして41.6%の方から回答があり、そのうち41人の方が既存の補助事業体系を活用し自らの判断で管理をする、55人の方が新たな制度で市に管理を委託する、18人の方が管理方法を決めかねているとの意向を示されており、調査対象面積全体の約4割に当たる96人の方の所有森林、約375ヘクタールについて何らかの管理が担保される結果となったところでございます。今後は、自らの判断で管理されると回答されました方に対しましては、森林組合が策定をされます森林経営計画への参加を働きかけ、計画に沿った施業を実施していただきますとともに、市に管理を委託されると回答された方には、制度に基づき経営管理権集積計画を作成することで、適正な森林管理につなげてまいります。なお、管理方法を決めかねている方、及び期限までに回答をいただけなかった約6割の所有者の皆様に対しましても、引き続き制度への参加を含めた周知等を行ってまいりたいと考えております。また、こうした取組を円滑に進めるため、森林環境譲与を活用することによりまして、立木の輸送コストに対する支援をはじめとした森林所有者への所得還元策や防護服等の安全性の向上策、機械が困難な作業に対する熱中症等の対策やICT化による労働負荷軽減策等の支援を行ってまいります。さらに、林業経営体の経営基盤強化にもつながる労働生産性の向上策にも並行して取り組んでまいりますことで、より実効性を高め、森林所有者が林業経営体へ再委託できる収益性のある森林を増やしてまいりたいと考えております。なお、本制度の推進につきましては、市町村が主体となり森林整備などを行ってまいるものでございますが、円滑な事業推進のためには、これまで以上に県及び森林組合、林業経営体など、地域の森林整備に携わる皆様との連携が必要不可欠でございます。今後もこれらの各関係機関と緊密に連携を図りながら、適正な森林整備等を着実に行ってまいりたいと考えております。こうした様々な取組によりまして、将来的には本市が有する私有林のうち、杉・ヒノキといった人工林1万4,300ヘクタールを対象として、条件不利地の半天然林化、条件の良いエリアの拡大造林による集約化等を進め、必要な森林施業を適期に低コストで実施できる人工林を増やしてまいたいと考えており、森林の有する公益的機能の維持向上と経済活動のバランスが取れた環境を作り上げてまいりたいと考えているところでございます。いずれにいたしましても、森林の有する災害の防止や地球温暖化の防止機能、水源涵養など、様々な公益的な機能を適切に発揮させていくことは、市民の皆様の快適な生活環境や安全安心の創出など、広い範囲に恩恵のあるものでございますことから、将来的に年間約1億6,000万円の譲与が見込まれます森林環境譲与を有益に活用いたし、本市の森林環境の保全と林業のさらなる活性化を図ってまいりたいと考えております。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、田中勇議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  1番、湊和久議員。                〔1番 湊 和久議員登壇〕 ◯ 1番 湊 和久議員 おはようございます。自由民主党山口の湊和久でございます。本日は通告に従いまして、大項目で3点のお尋ねをさせていただきたいと思いますが、時間の都合で本日は少し早口で質問させていただこうと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  それではまず、最初に大項目アのスマートシティの推進についてに関する質問でございます。中項目1)山口市が目指すまちづくりについてお伺いいたします。現在、国内では交通や医療、教育、防災など様々な分野で急速にスマートシティプロジェクトが進んでいて、国を挙げてこれを推し進めている状況です。AIやビッグデータなどを活用した先進的なサービスを実装したスーパーシティ構想というものを推進していて、2019年にはスーパーシティ・スマートシティフォーラムというものも開催されました。そこでお尋ねなのですが、現在、山口市においてもこのスマートシティ構想に向けた取組がなされていて、先日、第2回山口スマートシティ推進協議会が開催されましたが、その原動力となるSociety5.0に向けた動きというのは、光ファイバーや5Gの市内全域ネットワークの構築を含め、現在どのようなスケジュールで進んでいるのでしょうか。スマートシティスマート自治体へ向けた取組と進捗状況についてお伺いいたします。続いて、中項目2)のシェアサイクルと超小型モビリティ・小型自動運転バスの実証についてのお尋ねをいたします。費用対効果の良いラストワンマイルの移動手段として活用が期待されているシェアサイクルについては、現在、山口市において市内各地で実証実験が行われていますが、まだまだ市民がその存在や利用方法をあまり御存じないという向きもあるようです。この自転車によるまちなか移動は、脱炭素社会の実現や私たちの健康増進にも大変寄与するものと考え、私はサイクル県やまぐちの県都山口市ではまだまだこの自転車の安全利用、まちなか移動を推進すべきではないかと考えていて、これまでも度々執行部の皆さんには御提案をさせていただいたところであります。例えば、現在、山口市では令和2年度予算で歩行者に優しい歩道整備、生活道路の改良事業、山口瀬戸内魅力創出事業というものに取り組んでおられるわけですが、同時に安心して安全に通行できる自転車レーンの存在というものがなければ、このような道路整備は結果として非常にある意味中途半端なものになってしまうのではないかという懸念があります。この自転車レーンというのは必ずしも大掛かりな工事を伴うものでなくても、例えば、歩道の中の自転車が通るべき位置を少しだけマーキングして示すだけでも大変有効と考えます。現行のルールでは、自転車は歩道を通行する際に車道側を通り、歩行者は車道から離れた外側を通るということが決められていますので、自転車が通るべき車道側にちょっとしたペイントなどによる表示するだけでも歩行者との接触事故はかなり減り、歩行者が大変安心安全な歩道になるのではないかと思っております。そのような安全第一の観点からも、現在実証中のシェアサイクルのこれまで以上のPRと実証状況に加えて、湯田温泉をはじめとする観光地周辺の歩道とセットにした自転車レーンの整備について、山口市のお考えをお聞かせいただけたらと思います。また、先日12月7日からは市内で山口県と連携した──ちょっとこちらのフリップを見ていただきたいのですが──超小型モビリティーの実証がスタートしています。こちらが一人乗りのもので、次が二人乗りのものです。このような二次交通の移動の足について、私は観光客はもとより、ゆくゆくは地元住民のみなさんにとっても大変ありがたい移動の足になることは間違いないと確信をしていて、シェアサイクル同様、観光客や地元住民の皆さんにもこのような取組はもっとしっかり周知すべきではないかと思っているのですが、今後の効果的な実証とPR策について山口市のお考えをお尋ねいたします。次に、小型自動運転バスの早期導入支援についてお尋ねをいたします。多くの専門家の皆さんをはじめ私たちは、この自動運転バスの実用化、一般道路における本格運行はまだまだしばらく先の話と考えていたきらいがありますが、実は先月──11月25日に茨城県境町で国内初の公道での自動運転バス──こちらの写真ですが──一般公道における本格運行というのはまだまだ先と思っていたのですが、この11人乗りのモビリティーが定期運行としてスタートいたしました。これは自治体としては初の生活路線への導入実用化で、地元住民からは小回りの利く生活の足として大変歓迎されているとの報道がありました。私はかねてより運転手不足の解消にもつながるこの自動運転バスの、特にマイクロバスクラス小型モビリティーの導入が必要ではないかと提言をさせていただいてまいりましたが、山口のように狭い道が多い生活道路においては、今後このような小型モビリティーの導入支援は、行き違い時の渋滞緩和や費用対効果の観点からも大変重要ではないかと考えています。また、先月、山口市内では11月20日から29日の間、山口ゆめ回廊博覧会のプレイベントとしてまちなみアートというものが開催され、山口市菜香亭では山口萩焼や大内塗、徳地和紙の展示や販売が行われていました。このような山口が誇る伝統文化の紹介は、今後、山口市への観光誘客や地元の文化を伝承していくという観点からも大変重要な取組ではないかと思っています。そこで御提案なのですが、このような多くの伝統工芸や観光資源がある山口においては、MaaSなどを活用した山口の文化を巡る旅といったものをサポートする無人の自動運転車による小型モビリティーの活用を、ぜひとも早期に検討していただきたいと思っているのですがいかがでしょうか。現在、国内で急速に進んでいる民間の自動運転車の導入やマイクロバスクラス小型自動運転バスの導入支援について、山口市がどう考えておられるのか御所見をお伺いいたします。次に、中項目3)バスやタクシーを活用した観光周遊の取組と空港タクシー導入による誘客についてお尋ねいたします。現在、山口市ではコミュニティバスや周遊タクシーの1日乗り放題が可能となる観光周遊1日乗車券を使ったサービスを展開されていますが、観光誘客のみならず、私はこのような取組は時間的にゆとりのある地元の市民、高齢者にとっても大変ありがたいサービスになるのではないかと考えています。コロナ禍で低迷している地元の観光分野の活性化に向けては、まだまだPRも足りていないと感じる側面があり、これまで数年間取り組んでこられた実績を踏まえ、今後、山口市は一次交通、二次交通をうまく組み合わせたこのような観光周遊バスやタクシーについて、どのように取り組んでいかれるおつもりなのかお考えを伺いいたします。また、現在廃止されている山口宇部空港バスの代替策となるAIを使った乗り合い空港タクシーについても、持続可能な二次交通として、今後観光やビジネスで山口市を訪れる人たちの移動の足を──これは定期路線バスとは違ってより便利に効率よくサポートするという観点からも、県庁所在地である山口市にとっては必要不可欠な存在になるのではないかと考えていますが、山口市の御見解をお伺いいたします。次に、中項目4)スマート自治体におけるデジタル交通相談窓口の設置についてお伺いいたします。常日頃、私たち議員は、市民の皆さんから生活に密着した様々な相談を受けています。交通に関して言えば、私のところには運転の安心安全に関して、見にくい標識やカーブミラーなどについて市民の皆さんから改善の要望が寄せられてくることが多々あります。例えば、今年何度も私のところへお問い合わせ、要望があった交通に関する相談の一つとして、立っている標識が非常に見えにくいがためにうっかり一方通行の道路に進入してしまったとか、せっかく立っているカーブミラーの角度が悪くて肝心の見たいところがよく見えないというものがありました。例えば──こちらの写真を御覧ください。これは市内竪小路の十朋亭維新館そばの交差点なのですが、実は右前方の交差点入口の右上には進入禁止の標識が立っているのですが、なかなか手元からは見えにくい交差点の一つと言えます。見えにくいというかこの写真ではちょっと見えていないのですが、──こちらの写真ですが、手前に指定方向外進行禁止の標識──これは直進左折しかできないというものですが──こういったものが立ってはいますが、実際の進入禁止である交差点の入り口には、進行方向に向かって左側ではなく、反対車線側の右側、しかも高い位置に進入禁止の標識が建てられているために、地元の住民の皆さんからは標識が見にくくてうっかり見落として侵入してくる車が後を絶たないといった相談が何件もあり、先日、私は地元の県会議員の先生のところに御相談にうかがったという経緯もあります。このような問題は県警の仕事ではないかと思われるかもしれませんが、なかなか改善してもらえないからといって私たち議員のところに言ってこられるのです。そこで御提案なのですが、警察が取り扱う標識の位置変更等の要請ではなく──例えば、子供飛び出し注意でよく子供の絵が書いたこういうイラストのような看板が立っていたりするのですが──そのような標示板を市の地域交流センターなどと協力して市の予算で立てたり、貼り付けるという方法もあるのだと思います。今日は一つの事例をフリップでお示しをさせていただきましたが、見えにくいカーブミラー等に関して私自身市民からの要望をこれまでに幾度か市の道路管理担当課の方に御相談をさせていただいたことがありますが、即座に御対応いただき、翌日にはカーブミラーを調整していただき、大変迅速な対応に感動したという経緯もあります。そこで御提案なのですが、山口市には交通安全を所管する生活安全課という部署があるわけですが、このような市民からの安心安全に関する相談等に対して一つ一つ電話や市役所の窓口で対応するということは大変な時間と労力を要しますので、今後の新庁舎の建て替えと併せて、24時間自動受付できて、的確に問題の箇所が分かるデジタル市民窓口というものを設けてはどうかと思うのですがいかがでしょうか。私たちはコロナ禍の下でオンラインというものの価値を再発見することができました。そして、このデジタル化というものは、私たちの新たな生活様式に向けて3密を避けることができ、あらゆる手続を簡素化するという計り知れない可能性を持っていますので、役所に行かなくても大半の行政サービスや手続がリモートで完結できる、手間をかけず職員の皆さんの負担も軽減し、より効率よく市民の安心安全につなげていくという方法を考えていく必要があるのではないかと思います。このようなスマート自治体構築に向けたデジタル相談窓口の設置は大変有効であると思っております。このような地元住民からの交通に関する様々な要望や相談を、アナログではなくネットで地図を示し問題箇所を無人で自動的に受け付ける、そういったデジタル窓口をぜひとも設置し対応されてみてはいかがかと思うのですが、山口市の御所見をお伺いいたします。  以上で、大項目アの質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 湊議員のスマートシティの推進についての御質問のうち、山口市が目指すまちづくりについてお答えをいたします。御案内のとおり、本市におきましては本年3月に策定いたしました第2期山口市まち・ひと・しごと創生総合戦略におきまして、Society5.0を見据えた対応として、便利で豊かな創造社会の構築に向けましたスマートシティの推進を図ることといたしたところでございます。また、こうした中で、交通、観光、防災、教育、エネルギーなど生活全般にまたがる幅広い分野において、デジタル社会の進展などを踏まえた先端的なサービスの社会実装を進めているところでございます。今年度からはスマートシティの推進を本格化させるに当たり、内閣府の地方創生人材支援制度を活用いたし、4月にはLINE株式会社から、また、7月にはNTT西日本から職員を受け入れ、スマート自治体スマートシティの取組をスタートさせているところでございます。また、議員御案内のとおり、本年9月には山口市スマートシティ推進協議会を立ち上げたところでございまして、学識経験者をはじめ産業、交通、医療、地域づくり、子育てなどの各専門分野から15人の委員に御就任いただき、本市におけるスマートシティの構築に向けた方向性や取組に対して、専門的見地に基づく御提案や御意見をいただいているところでございます。本協議会はこれまで2回開催をいたしておりまして、スマートシティの推進に当たっては、行政や企業などのサービス供給側からの視点でシステムを押し付けるのではなく、市民の暮らしがどのように便利になるかという視点で検討を進めていく旨を共通認識としているところでございます。例えば、市役所に住所変更の手続きをするだけで、電気・ガス・水道・銀行・保険証などの手続きも自動的に完了するといったサービスデザインを描いた上で、その実現に向けて、交通、観光をはじめ、防災や教育・子育て、医療・健康、エネルギーなどの各分野において必要なデジタル化を進め、各分野のデータを互いに連携させるためのデータ基盤を構築し、必要に応じて近隣都市とのデータ連携を行うといった、段階的な取組を行っていくという考え方でございます。今後、協議会において本市が取り組むべきプロジェクトについての検討を重ね、本市におけるスマートシティの構築に向けた方向性や具体的な取組を示す山口市スマートシティ推進ビジョンを来年11月を目途に策定してまいりたいと考えております。また、こうした動きと並行して、現在進めております社会実装に向けた取組につきましては、まずスマートシティの推進に当たっての基礎的な都市基盤整備となります光ファイバー網の市内未整備地域での整備促進をいたしております。また、高速大容量の移動通信システムでございます5G基地局の整備促進につきましては、今年度、国や県に重点的な要望を行ってまいりました中で、先月──11月に株式会社NTTドコモが市内の複数エリアにおいて、今年度末を目途に5Gサービスを開始される予定を公表されたところでございます。また、本年5月には本市とNTT西日本山口支店及びNTTアノード・エナジー株式会社において覚書を締結したところでございまして、今年度、平川地域交流センターと大歳地域交流センターにおきまして、NTTが太陽光発電装置と蓄電池を設置いたし、平時におけるエネルギーの効率化と災害時における地域防災機能の強化などを検証する実証事業に取り組むことといたしております。今後は、再生可能エネルギーの地域内循環や地域全体での電源の分散化による地域防災力の強化などに向けた共同研究を進めてまいりたいと存じます。さらに、スマート自治体の取組状況といたしましては、今年度から職員採用試験の手続や行政手続のスマートフォンでのワンストップ化に向けた取組をスタートいたしました。また、行政窓口でのタブレットを活用した住民異動に係る届出や証明交付申請書の自動作成、また、証明発行手数料のキャッシュレス化に向けた取組を進め、さらには内部業務を効率化するためのデジタル技術の導入促進やリモート会議環境の整備を進めているところでございます。こうしたスマート自治体の取組を通じまして、市民や事業者の皆様の利便性を向上させつつ、職員には企画立案や対人サービスの提供など、職員でなければできない業務に特化していくことを目指してまいります。そして、こうした取組を引き続き進めつつ、令和3年度におきましては、農山村エリアや都市部において、先行的に、デジタル化や先端的なサービスの社会実装などに取り組むモデル的なフィールドを複数設定し、スマートシティの取組を加速化させてまいる考えでございます。とりわけ、人口減少が進む農山村エリアにおきましては、デジタル技術や先端的なサービスを実装することによる地域課題の解決を急ぐ必要があると考えておりますことから、農山村エリアにおける取組を先行させるため、先月──11月に庁内で職員プロジェクトチームを立ち上げたところでございます。なお、今後、都市部におけるプロジェクトチームについても立ち上げまして、同様に検討してまいりたいと考えております。そして、市内21地域のあらゆる地域において、生活に身近なあらゆる分野でデジタル技術などを活用した先端的なサービスが享受でき、将来にわたって安心して住み続けられるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 藤本都市整備部長。              〔都市整備部長 藤本浩充君登壇〕 ◯ 都市整備部長(藤本浩充君) 私からは、シェアサイクルと超小型モビリティ・小型自動運転バスの実証についてお答えいたします。まず、シェアサイクルについてでございます。本事業につきましては、観光客をはじめ、市民の皆様の日常生活にも御利用いただきますよう、9月から市内10か所でシェアサイクルの貸出しや返却が可能なステーショの利用を開始いたしており、これまで市報をはじめ、市の広報番組やラジオ等、様々なメディアにおいて周知を図ってきたところでございます。利用状況につきましては、事業開始から月を追うごとに利用者が伸びているところでございます。11月からはさらなる利便性の向上と利用促進を図るため、山口大学、アルク平川店、ファミリーマート山口泉都町店の3か所に新たにステーションを設置いたし、現在のステーション数は市内13か所となっております。このうち、山口大学におきましては、市公共交通委員会が実施いたしますモビリティ・マネジメント事業とも連携いたし、大学生の利用モニターを募集すること等により、大学生への周知や利用促進を図っているところでございます。また、県との連携事業である新たなモビリティサービス調査・実証事業の中で、MaaS用ウェブアプリの機能といたしまして、シェアサイクルの利用も組み込んでおりますことから、その中での周知も図ってまいりたいと考えているところでございます。こうした事業との連携の中で、市民の皆様にさらなる周知が図られるものと考えております。さらに、今後、GPSを利用した移動状況の分析を行うことといたしておりまして、得られた情報を関係部署と共有いたし、必要な環境整備も検討してまいりますとともに、ステーションの増設の検討におきましても活用いたしてまいりたいと存じます。次に、超小型モビリティについてでございます。今回の実証事業につきましては、観光周遊におけるラストワンマイル対策を目的に行うものでございまして、観光客を対象といたしておりますことから、ホテルや観光施設等にチラシを設置するとともに専用のウェブサイトを開設するなど、様々な媒体で周知を図っているところでございます。超小型モビリティの日常生活の移動手段としての利用につきましては、今回の実証の状況を見ながら、今後、県とも共同して研究してまいりたいと存じます。次に、小型自動運転バスについてでございます。議員御案内のとおり、小型自動運転バスの他市における導入事例はございますが、本市において導入する場合には、本市の道路環境や法律上、技術上の制約、また先ほど御紹介がございました自治体におきましては、ドライバーと補助員が1台に2人乗車するという交通事業者の人員体制の問題、あるいは費用対効果など、まだまだ整理・検証しなければならない多くの問題があるものと認識をいたしております。そのような中、小型自動運転バスの運行には5G環境の構築も必要となってまいりますことから、先日、基地局等の整備を県に要望いたしたところでございます。小型自動運転バスは、将来的には運転手不足の解消や観光における活用、MaaSとの連携など、様々なことに活用できるものと認識いたしておりますことから、今後、このような環境整備とともに、法整備や技術的進展を注視しながら本市への導入について見極めてまいりたいと存じます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 有田交流創造部長。              〔交流創造部長 有田 剛君登壇〕 ◯ 交流創造部長(有田 剛君) 私からは、まず、バスやタクシーを活用した観光周遊の取組についてお答えいたします。御案内のとおり、山口市観光周遊1日乗車券は、昨年度から山口市コミュニティバスと周遊タクシーを組み合わせて運行しているもので、湯田温泉や大内文化ゾーンへの誘客と回遊を促進するものでございます。本事業の特徴といたしましては、既存の公共交通であるコミュニティバスを活用することにより、一昨年度の観光周遊バス運行の際に要望の多かった山口駅や湯田温泉駅からの乗車を可能とし、また、コミュニティバスのルートがなく、アクセスに課題のあった雪舟庭などを機動性の高いタクシーでつなぐことによりまして、観光スポットの回遊性の向上を図った点でございます。また、今年度につきましては、山口ゆめ回廊博覧会プレ事業の期間に合わせまして、雪舟生誕600年関連事業やまちなみアートなど、期間中に開催される様々なイベントの開催場所に最寄りのバス停を御利用いただくことで、多彩なイベントに参加する機会の増加、ひいては滞在時間の増加を図っているところでございます。さらに、市の各観光案内所において乗車券をお求めいただけますよう、乗車券販売場所を拡充いたし、購入のため観光案内所に立ち寄られた方へのイベント等の御案内と併せ、大内文化ゾーンの魅力的な飲食店等を情報提供いたし、まち歩きの促進に取り組むことといたしたところでございます。本事業の周知につきましては、湯田温泉の旅館・ホテルや各施設等へのパンフレットの設置、市及び関係団体のウェブサイトへの掲載と併せ、山口ゆめ回廊博覧会のプレ事業と連携した広報誌への掲載を行うとともに、地元メディア等を活用した広報を実施してまいったところでございます。また、バスの到着時間等がスマートフォンで確認できるバスイットの活用も御案内することにより、バス停におけます密を避け、安心安全で快適に御利用いただくための取組を進めているところでございます。現在の利用状況につきまして、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、利用者数は昨年度には及ばないものの、近隣での旅行を楽しむマイクロツーリズムとして、県外並びに市民の皆様にも御利用いただいているなど、利用者層に変化が見られているとことでございます。今後の取組につきましては、来年度、山口ゆめ回廊博覧会本番を迎えますことから、今回の実証運行の実績等を踏まえまして、引き続き実施を検討いたしているところでございます。次に、空港タクシー導入による誘客についてお答えいたします。山口市空港直行便乗合タクシー──いわゆる空港タクシーは、現在、バスやタクシーでの乗り合いによる直行運行がない山口宇部空港と宿泊拠点である湯田温泉の間をスムーズにつなぐ二次交通を確保することで、利便性の向上とともに本市へのさらなる誘客促進が図れる重要な交通手段であると考えておりまして、来年度開催予定の山口ゆめ回廊博覧会を見据え、受入環境整備の観点から民間主導の取組に対し一定期間支援を行うものでございます。また、県都である本市は県庁をはじめとする行政機関のほか、大学等の高等教育機関が集積しており、観光客のみならず、ビジネス客や学生等にとりましても、空港からの直行便は必要不可欠な交通手段であると考えております。現在の進捗状況につきましては、本年9月、市内全てのタクシー事業者が参画されている山口地区タクシー協会からの複数事業者による共同運行という形での提案を基に、先月──11月27日の山口市地域公共交通会議において協議が整ったところでございまして、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を考慮いたしながら、1月下旬からのスタートを目指し準備を進めている状況でございます。この山口市空港直行便乗合タクシーは、以前、民間事業者により運行されておりました空港直行の連絡バスや乗合タクシーが平成30年度にいずれも廃止となった経緯を踏まえ、費用対効果を意識しながら、また運転士不足への対策の視点も持って、運行事業者の皆様が既存のスタッフや車両等の現有資源を有効活用する形での運行体制の構築に取り組んでおられまして、AIを活用した配車システムの導入やスマートフォンからの当日予約、キャッシュレス決済が可能となる形での実施を予定されております。将来的には飛行機や電車、バス、タクシーなど、全ての交通手段による移動を一つのサービスにまとめ、ルート検索から支払い決済までをスムーズにつなぐMaaSへの参画など、継続的な経済発展を目指すスマートシティの推進を見据えた取組となっているところでございます。本市といたしましては、このたびの空港タクシーは実証運行に対するスタート支援であり、将来的には行政からの支援に頼ることなく民間事業者の皆様による自主運行が可能となることを目的に、運行体制の構築を後押しするものでございますことから、観光周遊1日乗車券を含め、本市交通機関のさらなる利用促進につながり、持続的な運行となりますよう事業の周知を図りますとともに、観光客やビジネス客など多くの皆様に訪れていただけるまちづくり、魅力ある観光地づくりに引き続き取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 塩見地域生活部長。              〔地域生活部長 塩見富士雄君登壇〕 ◯ 地域生活部長(塩見富士雄君) 私からは、スマート自治体におけるデジタル交通相談窓口の設置についてお答えをいたします。現在、見えにくい道路標識や道路反射鏡、道路の陥没、横断歩道やセンターラインが消えているなどの不具合箇所についての市民の皆様からの情報提供、御相談につきましては、地域の身近な相談窓口である地域交流センターをはじめ、交通安全を所管する生活安全課や市道の維持管理を所管する道路河川管理課、総合支所土木課等の窓口や電話にて、また、市のウェブサイトのメールからも受け付けておりまして、それぞれの不具合箇所の所管を確認し、適切な対応につなげているところでございます。また、地域や交通安全関係団体におかれましては、飛び出し注意の看板やのぼり旗の設置などの注意喚起について実施されるなど、各行政機関、地域、関係団体が連携し、交通安全対策を実施しているところでございます。そのほか、市道の不具合箇所につきましては、常時、道路パトロール等を実施することにより早期発見とその対応に努めているところでございます。また、国土交通省におかれましては、道路緊急ダイヤル#9910において、国道、県道、市道に関する通報を一元的に24時間受け付け、それぞれの道路管理者に連絡するなどの体制がとられているところでございます。本市は市域が広く、市民の皆様から様々な交通安全に係る情報を多く御提供いただき迅速に対応していくことは交通事故防止につながるものであると考えておりまして、議員御提案のデジタルマップなど、デジタル技術を活用した市民からの情報提供システムにつきましては、一部の自治体においても導入されており、スマートフォンを使い道路等の不具合の見つかったその場所から土日祝日の閉庁時間においても情報発信が可能であり、また、受ける市側においても位置情報や写真での状況確認も可能となることから、有効な手段の一つであるものと認識をいたしております。今後、本市におけるスマートシティの総合的な推進の中でどのような内容での実施が有効か、メリット・デメリット、費用対効果も含め、市にとって貴重な情報源の一つとして先進的な事例も研究し、部局横断的に検討してまいりまして、安全安心で快適に暮らせるまちづくりにつなげてまいりたいと考えております。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 湊和久議員。                〔1番 湊 和久議員登壇〕 ◯ 1番 湊 和久議員 ありがとうございました。続きまして、大項目イ、若手教員の人材育成についてお尋ねいたします。近年、グローバル化の進展やSociety5.0と言われる超スマート社会の到来、AIの急速な進化など著しい技術革新により私たちの暮らし、社会構造は目まぐるしく変化し、ますます予測が困難な時代となってきていると感じているところです。このような社会でこれからの未来を生き抜かなければならない子供たちには、自ら課題を見つけ、学び、考え、判断し、解決するために行動する力や自分とは異なる環境にある他者を理解し、協調するコミュニケーション能力、豊かな人間性を備え、たくましく生きる力など知・徳・体のバランスのとれた、いわゆる生きる力を身につけていくことが求められていると思います。そうした中で、教育の世界では時代の変化に沿った対応が求められていて、学校教育を支える先生方一人一人の役割はとても大きく、その使命や職責の遂行とともにいかに時代が変化しようとも、その時代の背景や要請を踏まえつつ、常にやりがいをもって子供たちの育ちや学びを支える先生方の存在というものが必要不可欠であると考えています。一方で、最近は教員の大量退職により世代交代が進み、学校現場においては若い先生方が急増しているなどという報道も耳にすることがありますが、そのような中で教育に関わる様々な経験や知見をどのように継承していくのかが今後の課題とも言われております。新型コロナウイルス感染症の影響もあって大変厳しい教育環境の下で、学校現場では働き方改革も叫ばれる中で、これからの時代の先生方に求められる資質能力、指導力向上に向けた若手教員の人材育成に関して山口市は今後どのように取り組んでいかれるおつもりなのか、教育長のお考えをお聞かせいただけたらと思います。  以上で、大項目イの質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 藤本教育長。                〔教育長 藤本孝治君登壇〕 ◯ 教育長(藤本孝治君) 若手教員の人材育成についての御質問にお答えします。議員御案内のとおり、今後の学校教育におきましては、変化が激しく予測困難な社会の中で次代を担う子供たちが生きる力を身につけることができるよう、教員一人一人の資質能力の向上を図り、様々な教育課題に対応していくことが求められているところでございます。加えて、近年ではベテラン教員の大量退職に伴い若手教員が増えており、人材育成が喫緊の課題であると認識いたしております。このような中、若手教員につきましては、一人一人のキャリアステージに応じて資質能力の向上を図ることが重要であると捉えており、各学校では校長のリーダーシップの下、計画的な人材育成に努めているところでございます。具体的には、若手教員1人に対し、中堅教員、ベテラン教員、管理職、さらに学校運営協議会の委員等をメンバーに加えたグループを編成し、主に授業づくりについての研究を進めるユニット型研修を実施し、チームとしての若手教員をサポートする体制を構築いたしております。また、管理職やミドルリーダーが講師となり、授業づくりなど若手教員が抱えている課題をテーマに自主勉強会を行う学校も増えてきているところでございます。特に、新規採用教員への支援につきましては、初任者研修指導教員が日々の学校生活の中で、様々な指導助言を行うとともに、教員生活を送る上での悩みや心配事を相談できるよき理解者、精神的な支えとなるよう努めております。市教育委員会におきましても、担当校の指導主事が継続的に学校に足を運び指導助言を行うとともに、本人が抱える悩みや心配事をしっかりと傾聴し、必要に応じて教育委員会内で今後の支援の在り方について情報共有を図り、メンタル面のケアを意識したフォローアップも続けております。また、本市独自の研修会も実施いたしているところでございます。1つ目は、フレッシュ教員研修会でございまして、採用3年目までの市内小・中学校教員を対象に実施いたしております。本年度実施した研修会では、私自らが講師となり、自身の教員生活や海外研修など多様な経験を基に教育への思いやこれからの教育の方向性、若手教員への期待について語ったところでございます。その中で、私も教員時代授業づくりに悩んだり、子供たちの頑張る姿に感動して何度も涙を流したりもしたが、何よりも子供たちの成長が一番の喜びであった。教員は子供たちの将来に影響を与えるやりがいのある職であり、ぜひ前向きに頑張ってほしいというメッセージを伝えました。また、その後のグループ協議にも参加し、学校現場での苦労など様々な声に耳を傾けることができました。研修会後の感想では、教育長の経験を踏まえた話から積み重ねること、子供たち一人一人に関わり続けることの大切さを改めて感じた。これからも子供たちを一番に考え、自分自身も学び続けていきたいと思うなど、前向きで頼もしい意見が聞かれ、本市の若手教員の今後の教員生活へのエールを送ることができたのではないかと考えております。2つ目は、山口授業づくりセミナーでございます。若手教員を含め希望する教員を対象とした研修会で、毎月1回を目途に開催いたしております。指導主事や市内の現職教員等が講師となり、授業づくりや学級経営、ICT教育についての研修を深めております。また、本セミナーは教員同士のネットワークを広げる役割も果たしており、今後も内容をブラッシュアップしながら、現場の教員のニーズに応じたセミナーを開催してまいりたいと考えております。こうした研修会のほかにも、各学期末には、本市教育委員会主催で人材育成スペシャリスト会議を開催いたしております。本会議では、本市指導主事に加え、初任者研修指導教員、学力向上推進リーダー、英語教育推進教員が集い、各学校の若手教員の状況や研修の進み具合等について熟議を行っているところでございます。最後に、コロナ禍において学校訪問や各種研修会で若手教員と接する機会がございましたが、どの教員も高い意欲を持って自己研鑽に励んでおり、子供たちのために力を尽くしていきたいという強い思いと情熱がひしひしと感じられました。これからも本市若手教員が心も体も健康で、そして教員としての使命感、情熱、子供たちへの愛情を持って教員生活を送ることができるよう、管理職と連携を図りながら、若手教員の人材育成に努めてまいる所存でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 湊和久議員。                〔1番 湊 和久議員登壇〕 ◯ 1番 湊 和久議員 御答弁ありがとうございました。それでは最後に、命の大切さを教える教育について、中項目1)子供たちとの関わりについてお尋ねをいたします。最近はコロナ禍の下で、女性や子供たちの自殺者が増えたという報道をよく耳にするようになったのですが、厚生労働省の自殺対策白書によれば、2018年の19歳以下の人口10万人当たりの自殺死亡者数は統計を取り始めた1978年以降最悪の数字となっていて、日本の10歳から39歳の死因の第1位は交通事故や病気によるものではなく、自殺であるという大変悲しい現実があります。実は毎年、文部科学省はこの児童生徒の自殺者数を公表しているのですが、本年──2020年の4月から10月までの小・中・高校生の全国の自殺者数は246人と、対前年比でみるとなんと約30%増となっています。日本全体の自殺者数が減少傾向にある中で、児童生徒の自殺者はむしろ増えているという現状があり、大変残念なことはその自殺の理由の6割が不明となっていることです。子供たちの自殺者増はコロナ禍よる学校の長期休業や家庭内の問題が影響しているのではないかとも推測できるわけですが、学校の先生方が大変お忙しいことは百も承知している中で、これまで以上に現場の先生方が子供たちの気持ちをしっかりと酌み取る必要があるのではないかと痛感しているところです。現在、山口市では今年度、児童生徒一人一人にタブレット端末の配置を進めておられ、今後はその活用をどうするのかということが重要なテーマとなっています。そこで御提案なのですが、活用策の一つとして、このような子供たちの心の悩みに関する定期的なアンケートをタブレット端末を使って実施してみられてはいかがかと思います。子供たちが口頭ではなかなか伝えにくい心の悩みをタブレットを使い酌み取るという取組ですが、今後、例えば──不登校の生徒さんとか色々あるわけですけど──そういった子供たちとのコミュニケーションをリモートでより円滑に行う上でも、現在配備中のタブレット端末の活用策をいろいろと御検討されてみるのも大事ではないかと思います。教育委員会の御見解をお伺いします。以上、いろいろとお話をさせていただきましたが、児童生徒を取り巻く心の悩みの世界は、近年コロナ禍の影響と相まって大変深刻化しているという状況が伺えます。先月──11月26日、山口市立小郡南小学校では、助産師さんによる命の教育という授業が実施されて、私は大変素晴らしい取組だと感じましたが、このような体験型の授業は、子供たちに周りの人に見守られて大事に育てられてきたことを分かってもらうこと、自分の命も他人の命も大事であることを学ばせるとてもよい機会になったのではないかと感じております。実はちょうど時を同じくして、私はその1日前の11月25日に市保健センターの所長さんらとともに地域の産婦人科医療を担う総合病院を訪問し、産婦人科部長の先生方や師長さんたちと意見交換する機会を持っておりました。その意見交換の中では、生命の大切さに関する数々の貴重な意見を拝聴することができ、改めて命の教育の重要性について実感をさせられた次第です。山口の将来を担う子供たちが元気で生き生きと成長する上で、今後はこのようなコロナ禍の時期だからこそ、命や性に関する教育の充実が求められているのではないかと思っております。産婦人科部長さんからは、学校現場の養護教諭との連携をこれまで以上に密にすると良いのではないか、そうであれば私たちもお手伝いができると思う。また、先生方が生徒の気持ちをしっかりと受け止めるための研修会等が必要であれば、そのような取組には私たちが出向いてお手伝いができるかもしれないといった、大変ありがたい御提言もいただきました。現在、教育民生委員を務めさせていただいている私自身としても大変嬉しくお話を聞かせていただいた次第です。コロナ禍の下で、学校現場には私たち大人が想像する以上に潜在的に多くの課題を抱えた子供たちがいることが予想されることはこれまで述べたとおりですが、このような状況下では先生方がどれだけ子供たちに関わったかがとても重要であると思っていて、このことは同時に先生方にとっても子供を教育し、育てることが本当にやりがいのある仕事であることが感じられる部分でもあるのではないかと思っております。学校現場の先生方には、私たちの目には見えない大変な御苦労が多々あることは百も承知しておりますが、今後しばらく続くであろうこのコロナ禍の中で、生活環境が多様化している子供たちとの関わりとサポートがどうあるべきなのか、教育委員会のお考えをお聞かせいただけたらと思います。  以上で、大項目ウの質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 藤本教育長。                〔教育長 藤本孝治君登壇〕 ◯ 教育長(藤本孝治君) 命の大切さを教える教育についての御質問の子供たちとの関わりについてお答えします。近年、子供を取り巻く社会環境や生活環境の急速な変化により、全国的にも児童生徒の心の健康問題について関心が高まっているところでございます。加えて、社会全体がこれまで経験したことのない新型コロナウイルスの対応に追われる中、文部科学省からは新型コロナウイルス感染症に関する適切な知識を基に、発達段階に応じた心のケアに努めるなど、生徒指導上の配慮を十分に行うよう通知されております。こうした中、各小・中学校におきましては、児童生徒の気持ちを酌み取るため、担任や養護教諭を中心に全教職員が日々の声かけや何気ない会話、毎日の生活のノートの記述、週1回の生活アンケート、日常的・定期的な教育相談等を通して、児童生徒の些細な変化に気づくことができるよう細心の注意を払っております。また、学校内における報告・連絡・相談の徹底を図り、管理職を中心とした日々の情報交換、定期的な生徒指導部会や教育相談部会等により情報共有を図るとともに、状況に応じて個別のケース会議を開催するなど、児童生徒の不安の解消に努めているところでございます。議員御案内の児童生徒の心の悩みを酌み取るための1人1台端末の活用につきましては、教育委員会といたしましても端末等を活用した心身の健康チェック等について、校長会の意見も参考にしながら検討してまいりたいと考えております。さらに、多くの悩みを抱える子供たちへの教育委員会としての関わりについてでございますが、教育相談室の教育相談員を中心として、子供たちの不安や悩みに対して相談に応じております。また、様々な悩みや不安を抱える児童生徒に対し、寄り添い、認め、励まし、成長を後押しすることができるような教職員の育成を目指し、各種研修会を行っているところでございます。例えば、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーといった専門家によるカウンセリング技術の向上を目的とした研修や、具体的な事例検討会等を行ってまいったところでございます。今後もさらに、関係機関との連携を密に図った研修会や事例検討会を通して、教職員の資質能力の向上につなげていきたいと考えております。次に、命の大切さを教える教育につきましては、私自身も大変重要であると認識しており、命の尊さ、大切さを子供たちに伝えていかなくてはならないと思っております。各小・中学校におきましては、児童生徒の発達段階に応じ、道徳科の授業はじめ、学校教育全体で命を大切にする心を育んでいるところでございます。例えば、多くの中学校では、家庭科の時間に思春期子育て体験を実施しております。保健師さんや助産師さんによる講話、乳児人形を使ってのおむつ替え体験、妊婦ジャケットを使っての妊婦体験、乳幼児との触れ合い体験等を通して、生徒からは、子育てがどんなに大変かよく分かった、生んでくれた母親に感謝しこれからも命を大切にしていこうと改めて思ったという感想が寄せられております。また、私が以前校長として勤務していた中学校では、本年度はコロナ禍において実習を控えておりますが、昨年度まで子育てひろばを毎週1回開催し、乳幼児と生徒との触れ合い体験活動を実施しております。子供たちは、乳児を直接抱っこしてぬくもりを肌で感じることで、優しさや他者への思いやりの心、自己有用感や自尊感情が醸成されているように感じられます。また、ある小学校では生活科の授業において、命の大切さをテーマとし、地域のお母さん方にゲストティーチャーとして授業に参画していただき、子育ての喜びや苦労等を語っていただく場面を設定されたと聞いております。これらの学習を通して、ある児童は、自分の命は自分だけのものではないことが分かった、自分は家族に大切にしてもらっていることが分かったという感想を述べていました。他にも、市内全市立小・中学校においてスクールカウンセラーを招聘し、困ったときやストレスを感じたときのSOSの出し方や受け止め方の具体的な対処方法を学習しており、自他の命を守るという意識の高揚につながっております。議員御案内の産婦人科医と養護教諭との連携につきましては、思春期特有の不安や悩みを理解していくためには、養護教諭をはじめ教職員の資質をより高めていくことも重要な視点の一つであると考えており、今後、学校と医療や福祉等の関係機関との連携の在り方を検討してまいりたいと考えております。教育委員会といたしましては、引き続き、児童生徒に生命に対する畏敬の念を育み、家族や友人、地域の方々を含め、多くの方々とのつながりの中で、共に支え合い、共に生きることの素晴らしさ、限りある命を懸命に生きることの尊さなど、自他の生命を大切にする心情や態度を育む教育の推進により一層努めてまいる所存でございます。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、湊和久議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  議場内の換気のため、暫時休憩いたします。                  午前11時22分休憩       ────────────・────・────────────                  午前11時29分再開 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。  9番、馬越帝介議員。                〔9番 馬越帝介議員登壇〕 ◯ 9番 馬越帝介議員 自由民主党山口の馬越帝介でございます。自由民主党山口、3連続登壇の最後となりました。通告に従いまして質問させていただきますので、市長並びに関係参与の皆様の簡潔かつ明快な御答弁をよろしくお願いいたします。  さて、企業経営を支える4つの経営資源として、ヒト、カネ、情報、モノが挙げられます。それは地方自治体においても同様であり、ヒト──すなわち人事、カネ──すなわち財務、情報──すなわち情報システム、モノ──すなわちファシリティーマネジメントになると言われています。ファシリティーマネジメントとは、設備、資源や空間などを最も合理的かつ効率的に管理し、運用するための経営手法のことで、その導入によりファシリティーが健全に活用され、機能が高まり、効率が上がるとされています。説明はさておき、今回はこの4つの経営資源のうち、2つの資源について質問させていただきます。  まず初めに、大項目ア、自主財源の確保についてお伺いします。御承知のように新型コロナウイルス感染症の影響で地元にある企業の業績が悪化し、法人市民を筆頭に税収が大幅に減少し、加えて、コロナ対策の一環である個人市民や固定資産の支払い猶予も税収の押し下げ要因になっていると言われています。あわせて、財政が厳しいときに出動させる財政調整基金を今年のコロナ対策で大幅に取り崩し、財政的に余裕が無くなっているとの報告もなされています。経済誌などでは、京都市が夕張市以来の財政再生団体になる可能性があるとの報道もあり、地方自治体を取り巻く経営状況は非常に厳しいと言わざるを得ません。本市においても、法人をはじめとした税収の減少が予想されており、これまで以上に自主財源を確保していく必要性が増してきているのではないでしょうか。こうしたことを踏まえ、数点質問させていただきます。まず、中項目1)自主財源の確保に関する市の基本的な考え方についてお聞かせください。次に、中項目2)ふるさと納税についてお伺いします。ふるさと納税に関しては、自治体による過度な返礼品競争を抑制するため昨年6月から新たな制度が導入され、一時4自治体が除外されましたが現状は復帰しており、全国の自治体がふるさと納税の獲得を目指してしのぎを削っているのは御承知のとおりです。また、今年度に入っては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛の影響により、自宅でインターネットを活用して物品を購入する──いわゆる巣ごもり需要が増加し、ふるさと納税ポータルサイトの利用者も増加している状況であると言われています。こうした機会を捉え、他の自治体では、例えば大手事業者が運営するふるさと納税ポータルサイトの活用に加え、市の特産品を購入できる独自のオンラインショッピングサイトを立ち上げている自治体や、以前視察にお伺いした宮崎県都城市のように、返礼品の提供業者が都城市ふるさと納税振興協議会を設立し、市と連携して特産品のPRや販売を行っている事例も紹介されています。ちなみに都城市は人口16万人の市ですが、2019年度のふるさと納税に関しては、寄付者約50万4,000人で全国1位、寄付額は106億4,500万円で大阪泉佐野市に次いで全国2位という実績を誇っています。また、返礼品にとらわれない取組で実績を残している例としては、町運営の日本語学校で有名な北海道東川町が行なっている、ひがしかわ株主制度があります。東川町独自のプロジェクトの中から投資したい事業を選び、ふるさと納税をすると特別町民の認定や株主証の発行、さらには宿泊優待も受けることができる制度で、町のPRと交流人口の拡大に大きく寄与しています。こうした取組はほんの一例ですが、本市においてもふるさと納税の推進がさらなる自主財源の確保と市産品の需要や販路の拡大、また、シティセールスにつながっていくとの観点から、アイデアを生かした積極的な取組が必要だと考えますが、ふるさと納税の現状と今後の取組について市のお考えをお聞かせください。中項目3)ネーミングライツについてお伺いします。市では、これまで西京スタジアムや山口市産業交流拠点施設のホール棟についてネーミングライツを導入し、自主財源の確保を図ってこられましたが、他の自治体に比べるとまだまだ取組を進める余地があるのではないかと考えます。山口リフレッシュパークなどのスポーツ施設や山口市民館などの文化施設をはじめ、公園などの様々な施設、また、通りやバス停などのスポットにもネーミングライツを導入することによって収入を確保し、市財政の一助とすべきと考えますが、市のお考えをお聞かせください。中項目4)広告についてお伺いします。市報や市からの刊行物、また、市ホームページ、封筒などへの広告を広く募集するほか、例えばコミュニティバスの車体に広告を掲載したり、市の施設の駐車場や市が所有する遊休地など、広告効果の見込めるところに広告看板や今流行りのデジタルサイネージを設置するなど、広告料収入を得る取組を進めていくべきではないかと考えますが、市のお考えをお聞かせください。最後に、中項目5)公的財産の有効活用についてお伺いします。自主財源確保の手段として、第二次山口市行政改革大綱等にも掲げられておりますとおり、公共施設等として使用されていない土地建物や不要となった物品の売却処分等に積極的に取り組んでこられ、これまで一定の成果を上げてこられたと思いますが、現在のコロナ禍に伴う経済環境への影響によっては、今後は土地等の購入需要の低下も懸念される状況にあるのではないかと考えます。こうした中で、例えば土地等の販売方法一つをとってみても、入札公告や市報への掲載といったアナログ的な手法だけでなく、インターネットやSNSを活用することにより、より広範囲に、かつ1人でも多くの方に物件の存在を知ってもらう等の工夫が必要不可欠であると考えます。また、価値の多様化により、今までは廃棄処分していた備品等もサイトオークションで販売が可能になっています。自主財源確保の手法として、公的財産の有効活用について、現状と今後の取組姿勢について市のお考えをお聞かせください。  以上で、大項目アの1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 田中総合政策部長。              〔総合政策部長 田中和人君登壇〕 ◯ 総合政策部長(田中和人君) 馬越議員の御質問にお答えいたします。私からは、自主財源の確保についての数点の御質問のうち、市の基本的な考え方、ネーミングライツ、広告の3点についてお答えいたします。まず、市の基本的な考え方についてでございます。御案内のとおり、少子高齢化の進展に伴う社会保障関係費の増加や都市基盤整備などによる市債残高の増加に伴う公債費の増加、あるいは合併算定替といった普通交付の支援措置の終了などによりまして、本市における財政見通しは厳しい状況であると認識をしているところでございます。こうした状況を踏まえまして、将来に向けた持続可能な財政基盤の確立を図るため、平成30年3月に山口市財政運営健全化計画を改定し、これに基づく歳入の確保や歳出の抑制、適正化に向けた取組を進めているところでございます。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う今後の経済見通しは極めて不透明でございますことから、これまで以上に歳入確保の重要性が増しているものと認識をしているところでございます。こうした中で、本市は普通交付の交付団体でございますことから、国の地方財政計画の動向に大きく影響を受けるところでございまして、まずは地方交付や地方譲与、各種交付金などの確保をしっかりと図ってまいりますとともに、その上で市や使用料及び手数料、寄附金、諸収入といった本市が自主的に収入することのできる基本的な歳入であります自主財源につきましても、安定的な確保を図ってまいりたいと考えているところでございます。こうしたことから、この自主財源の大部分を占める市につきましては、口座振替やコンビニ収納の推進、コールセンターを通じました初期滞納者への対応のほか、令和元年12月からはスマートフォンアプリを活用した収納を開始するなど、徴収率のさらなる向上に努めているところでございます。また、あわせて、地価の上昇や民間投資の誘発を見据えました都市の基盤整備、地域経済の活性化に向けました産業交流拠点施設の整備や起業創業支援などの展開、あるいは企業誘致の推進に向けた鋳銭司第二団地の整備など、将来的な税収の拡大に向けた取組も進めているところでございます。また、その他の自主財源につきましても、使用料及び手数料の適時の見直しや、ふるさとやまぐち寄附金の増加に向け、本市の魅力発信の強化を図るなど、安定的な歳入確保に努めているところでございます。次に、ネーミングライツについてでございます。御案内のとおり、本市では西京スタジアム及び第2球場については、平成30年4月から5年間のネーミングライツパートナー契約を、また、産業交流拠点施設ホール棟につきましては、令和2年12月から5年4か月間のネーミングライツパートナー契約を締結しているところでございまして、令和3年度は1,430万円のネーミングライツ料収入を見込んでいるところでございます。こうした収入は施設の運営、維持管理に関わる貴重な財源となりますとともに、施設の知名度の向上、さらにはパートナー企業との官民連携によりますまちづくりにもつながっていく可能性を有しておりますことから、様々な面で効果的な手法であると認識をしているところでございます。一方で、ネーミングライツのニーズ──すなわち、民間企業などにとりまして、広告媒体としての価値がある施設は限られているものと認識をいたしております。他の自治体の事例におきましても、ネーミングライツの募集を行うものの応募がない案件も見受けられますことから、今後、ニーズ調査などを行いながら導入の検討を行ってまいりたいと考えております。次に、広告についてでございます。御案内のとおり、本市では山口市財政運営健全化計画や山口市広告掲載要綱及び山口市広告掲載基準に基づきまして、広告料収入の確保に向けた様々な取組を進めているところでございます。具体的に申し上げますと、ごみ資源物収集カレンダーや成人式式次第への広告掲載のほか、市公式ウェブサイトへのバナー広告や公用車への広告掲載を行っているところでございまして、本庁舎及び小郡総合支所における広告付き案内板の設置や新山口駅南北自由通路におけるデジタルサイネージによる収入も含め、令和元年度決算では約280万円を確保いたしたところでございます。また、このほかにも広告主の協賛により寄贈をいただいております窓口用封筒の活用を図ることで、経費削減にも努めているところでございます。今後もより多くの広告料収入が確保できますよう、こうした取組を継続してまいりますとともに、議員御案内の取組につきましても、関係部局とともに費用対効果等も勘案しながら検討を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 村田経済産業部長。              〔経済産業部長 村田尚士君登壇〕 ◯ 経済産業部長(村田尚士君) 私からは、自主財源の確保についての御質問のうち、ふるさと納税についてお答えいたします。御案内のとおり、ふるさと納税制度につきましては、昨年6月から返礼品割合を3割以下にすることや地場産品に限るなど、新たな基準での運用が開始をされ、約1年6か月が経過したところでございます。こうしたことから、現在はこれまでの自治体間の過剰な返礼品競争が抑えられ、各自治体が制度の趣旨に沿う中で取組を進めているものと認識をいたしているところでございます。こうした中、本市といたしましては、制度移行後におきましても過去に御寄附をいただいた方々に対しまして、ダイレクトメールによる定期的な情報発信やふるさと納税ポータルサイトの拡充、本市とのゆかりや寄附額の多い地域に絞った各種イベント、大企業の社員をターゲットにしたPRなど、引き続き積極的に取り組んでいるところでございます。しかしながら、今年度につきましては新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、首都圏等で開催をされますイベントが中止となり、PRする機会が減少している状況でございますが、本市のふるさと納税を取り扱う各ポータルサイト上の目立つ位置にその時期に応じた旬な情報や返礼品を提供する事業者のこだわり、熱い思いを掲載するなど、インターネットを活用したPRを積極的に行っているところでございます。また、コロナ禍において、自宅で気軽に和菓子作りが体験できる返礼品や県央連携都市圏域の市町の特産品、例えば本市と他市の地酒やお米などを組み合わせた共通返礼品など、魅力ある新たな返礼品の造成にも取り組んでいるところでございます。こうした取組によりまして、11月30日現在の寄附額は約2億900万円で、昨年同月と比べ12.4%の増額となっておりまして、例年、寄附が大幅に増える年末に向け、さらなる増加を期待いたしているところでございます。今後の取組といたしましては、市内の特産品の掘り起こしからブランディング、高付加価値化を進める観点から、首都圏の大手百貨店が運営するポータルサイトを新規導入いたしますほか、このたびフランスで開催をされた日本酒の品評会でプラチナ賞を受賞されました酒造会社のお酒など、付加価値の高い返礼品の登録にも取り組んでまいりたいと考えております。また、こうしたコロナ禍におきましては、イベント等に参加して直接本市の特産品の魅力をPRすることが難しい状況でございますことから、インターネットの活用が鍵になってくるものと考えております。こうしたことから、SNS等を活用した情報発信の拡充や、検索ワードでふるさと納税を検索した人に対しましてダイレクトに働きかけるデジタル広告の活用など、オンラインによる──いわゆるプッシュ型の情報発信に取り組んでまいりますとともに、議員御案内の先進的な自治体の事例を参考にいたしながら、より効果的な取組を検討してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、ふるさと納税は貴重な自主財源の確保につながりますとともに、ふるさと産品の振興を図る上で重要な取組でございますことから、これまで以上に戦略的かつ積極的に推進してまいる所存でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 宮崎総務部長。               〔総務部長 宮崎高行君登壇〕 ◯ 総務部長(宮崎高行君) 私からは、公的財産の有効活用についてお答えいたします。まず、有効活用の現状についてでございますが、物品や建物に関しましては、利用目的がなくなりました時点で老朽化が進んでいる場合が多くございますことから、主に土地を中心といたしまして、売却や貸付けに取り組んでいるところでございます。現在、本市が保有いたしております利用目的のない土地につきましては、令和元年度決算の時点で約251万平方メートルございますが、このうち約197万平方メートルは広大な山林等でございます。残る約54万平方メートルのうち、約50万平方メートルは貸付地として活用いたしておりまして、約4万平方メートルが今後、売却処分等の可能性を持った土地でございます。次に、販売促進の手法といたしましては、入札公告や市報への掲載のほか、市ウェブサイトへの掲載や現地に売却の案内看板を設置するなど周知を図ってまいったところでございまして、平成29年度から令和元年度までの過去3年間の成果といたしまして、土地等の売却に関しましては合わせて2億9,123万円の収入を得ているところでございます。また、貸付けに関しましては、年間約3,000万円の収入を得ており、堅調に成果を達成してきたと考えております。こうした中で、議員御提案のインターネットやSNSを活用した販売手法に関しましては、民間企業が運営されている官公庁向けのオークションサイトで土地売却における落札率が約6%であるのに対し、本市におきましては38%と実績で上回っておりましたことや、落札額の3%の手数料が必要となることなどコスト面でのデメリットもございますこと、また、収益性等の問題から官公庁向けオークションサイトの終了が予定されていることなどの運営者側の動向もございましたことから、現時点においては導入していないところでございます。しかしながら、これまでの成果を支えておりました立地条件に優れた──いわゆる優良物件が残り少なくなりましたことに加え、不動産市場におけるコロナ禍に伴う取引需要の減退なども考慮いたしますと、より広範囲に周知できる販売促進方法の導入も検討する必要があると考えているところでございます。また、特殊な車両や物品に関しましては、オークションサイトを閲覧した人々の間でSNSを通じて出品情報が広く知れ渡るなどといった従来の周知方法にはない広告効果も見受けられますことから、今後の官公庁向けオークションサイトの運営動向なども見極めつつ、新たな販売促進手法の導入についても調査研究を重ねてまいりまして、引き続き自主財源の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 馬越帝介議員。                〔9番 馬越帝介議員登壇〕 ◯ 9番 馬越帝介議員 御答弁ありがとうございました。各部門で非常に頑張っておられるのは知っているのですが、今から競争の時代で自治体経営も恐らく他の自治体との競争になっていくと思うので、その中でいかに独自のアイデアを出して他の自治体との競争に勝っていくのかというのが非常に大事だと思うのです。例えば、簡単な例で2回目の質問としてふるさと納税に関して質問させていただければ、本市のホームページとかポータルサイトを見ますと、よく売れるブドウ──おそらく巨峰なのですけれど、これについては品切れという表示がされております。他の、例えばシャインマスカットとかあまおうなどという非常に高級なフルーツに関しては、もう既に2021年の募集を始めております。半年後とか、7か月後とかいろいろと期間は別ですけれど、既に来年の部分のふるさと納税の受付をしていらっしゃると、この差は非常に大きいと思うわけです。今、非常にSNSが広がって情報が全国的に一瞬にして知れわたる時代で、あそこは品切れだったよねと、じゃあ来年のことだけれど岡山のマスカットを買おうかとか、絶えず他の自治体と比べられている状況というのがあると思うので、その辺に関して、ふるさと納税を一番分かりやすい例として挙げましたが、ちょっとのアイデアで相当変わると思いますので、もう一度御答弁をお願いいたします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 村田経済産業部長。              〔経済産業部長 村田尚士君登壇〕 ◯ 経済産業部長(村田尚士君) ふるさと納税について2回目の御質問にお答えをいたします。ブドウの例を引き合いに出していただきましたが、次年度産の返礼品ということで対応したらどうかという御質問だと思います。特に農産品等につきましては、次年度の販売先が確保され──予約販売という格好になるわけですけれども、生産・販売の平準化にもつながるということも考えられますことから、次年度産の返礼品につきまして、今後検討してまいりたいと考えております。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 午後1時まで休憩いたします。                  午前11時58分休憩       ────────────・────・────────────                  午後1時00分再開 ◯ 議長(入江幸江副議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。  馬越帝介議員。                 〔9番 馬越帝介議員登壇〕 ◯ 9番 馬越帝介議員 午前中に引き続き質問させていただきます。それでは、大項目イ、外部人材の活用についてお伺いします。ヒト──すなわち有能な人材確保は4つの経営資源の中でも最も重要なファクターと言えます。自治体は、総合行政の担い手として地域課題に対応してきていますが、課題が複雑化・多様化するにつれ、行政の専門性が求められるようになってきています。こうした中、超高齢・人口減少時代を迎え、コンパクトなまちづくりやインフラの維持管理の重要性が高まっており、また、ICTが地方自治体のガバナンスにおいて重要な位置づけを持ちつつある現在、こうした分野を担う専門人材の確保・育成が難しい課題となっており、また民間との役割分担や外部人材の確保、自治体間連携にも注目が集まっています。有能な人材の確保手段としては、専門知識を有する者を新規採用して育成する方法と、既に専門知識を有し実践している民間企業の人材──いわゆる外部人材を採用するという方法が考えられます。新規採用、内部育成については、これまでの自治体における人事がジェネラリストの養成を目的とし、比較的質の異なる職場をできるだけ多く、それも短い周期で経験させることによって達成されるという考え方により行われてきましたので、スペシャリストの養成は自治体においてはハードルが高いものと考えます。しかし、最近は教育、福祉、財務、土木、産業、情報・企画部門等については、スペシャリストタイプが優先的に配置されることが望ましいという風潮に変わってきています。こうしたことを踏まえた上で、高度な専門知識を有する外部人材の活用について、2点お伺いします。中項目の1)職員の採用について。市ではSociety5.0時代に向けたスマートシティスマート自治体を推進するため、LINE株式会社及びNTT西日本からデジタル専門人材派遣を受け入れているほか、平成30年度からは新山口駅拠点施設整備事業をはじめ、市の魅力や価値向上につながるまちづくりに向け、三井不動産株式会社の社員を参与として受け入れています。このように、専門的な知見を要する分野においては、適切な人材を外部から期限付きなどで採用していく方法は非常に有効と考えますが、本市における現状と課題、また、それらを踏まえた上で今後の方向性についてお聞かせください。中項目の2)クラウドソーシングの活用。高度な専門的知識と優れた技能を有する人材を確保するもう一つの方策として、業務委託の際にインターネット等を活用して全国から募集し、外部人材へ業務を委託するクラウドソーシングも有効な手段の1つであると考えます。市内においても、酒造会社がITを駆使した販売、広報戦略を導入するため、副業者をクラウドソーシングで募集し、大手IT企業の専門家とのマッチングにより大きな成果を上げられています。副業者とは耳慣れない言葉ですが、このたびの新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、一部の大手企業を中心に業務量、所得の減少を補填するため従業員に副業を認める企業が増えており、それを利用して個々の能力と余暇を生かして副業している人のことで、本年2月頃から急速に増えていると言われております。この現象は地方自治体にとって優秀な人材確保の大きなチャンスであると考えます。ついては、クラウドソーシングを活用して、民間の高度な専門的知識や優れた技能を有する外部人材を確保し、多様な市民ニーズへの対応につなげてはどうかと考えますが、市のお考えをお聞かせください。  以上で大項目イ、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 宮崎総務部長。               〔総務部長 宮崎高行君登壇〕 ◯ 総務部長(宮崎高行君) 外部人材の活用についての御質問にお答えいたします。まず、職員の採用についてでございます。近年、行政を取り巻く環境が刻々と変化する中で、本市では複雑・高度化する行政課題に的確に対応し、行政サービスの質を維持・向上させていくために外部人材の活用等、多様な人材の活用を進めているところでございます。こうした中、平成30年度からは地方への人の流れを創出することを目指し創設された総務省の地域おこし企業人交流プログラムを活用いたしまして、三井不動産株式会社から社員を本市の参与職に受け入れているところでございます。本プログラムを活用した外部人材の受入れは、令和元年度時点で全国では65団体でございまして、本市では新本庁舎整備や新山口駅拠点施設整備、中心市街地活性化の取組など、本市の魅力や価値向上につながる都市基盤整備等に関連する事業のほか、スマートシティの構築に向けた取組等に対して、そのノウハウや知見を生かしたアドバイス、さらには人的なネットワークの構築の支援をいただいているところでございます。加えて、人脈やまちづくりに関するノウハウを生かした職員研修も実施していただいているところでございまして、本市職員がこうした高度な専門的知識や経験を有する外部人材と協働する機会を通じまして、外部の視点や民間の経営感覚、スピード感覚を得ながら新しい視点で考え、働くことができる人材の育成にもつながっているところでございます。また、今年度はSociety5.0時代を見据えたまちづくりを推進するため、内閣府のデジタル専門人材派遣制度を活用いたし、本年4月にはLINE株式会社の社員をデジタル化推進マネージャーに委嘱し、また、7月にはNTT西日本の社員を本市の職員に迎え入れまして、デジタル変革やスマートシティの推進に尽力いただいているところでございます。デジタル化推進マネージャーにつきましては、1か月に2回程度、行政手続のデジタル化に向けたアドバイスをいただいているところでございまして、住民票など証明手数料のキャッシュレス決済の導入や本市のLINE公式アカウントの機能拡充、さらには各課の相談にも対応いただいており、全庁的な行政手続のデジタル化における大局的な視点のみならず、技術的な細かい部分について様々な角度から御意見をいただいている状況でございます。また、NTT西日本から派遣いただきました職員につきましては、現在、スマートシティ推進室に常勤していただいておりまして、スマートシティ推進ビジョンの策定に向けた関係者間の調整のほか、人脈を活用した民間企業とのネットワークの構築、さらには本市の課題に対してNTT西日本の技術やノウハウを紹介いただくなど、本市のスマート自治体の推進に向けた課題解決、改善に貢献いただいているところでございます。加えて、本市のまち・ひと・しごと創生総合戦略における施策の一層の推進に当たり、株式会社山口フィナンシャルグループや萩山口信用金庫、山口大学から職員を受け入れておりますほか、東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据えたスペイン出身の国際交流員の任用や、東アジアや東南アジア地域からの観光誘客促進のために台湾出身の国際交流員を任用するなど、多様な外部人材を活用し様々な行政課題やプロジェクトに対応できる体制を構築しているところでございます。議員御案内のとおり、こうした高度な専門的知識と経験を有する外部人材のニーズは全国的にも高く、多くの自治体において求められているところでございますことから、人材確保に向けた迅速な対応も必要となってまいります。本市といたしましては、これまでの地域おこし企業人プログラム等の国の制度を活用した外部人材の確保のみならず、職務内容と任用期間を定め、高度な専門的知識と豊富な経験を有した方を任期付職員として採用するなど、市職員のみでは困難な行政課題や新たな時代の流れに対し、迅速かつ戦略的に対応できるよう、人材確保に努めてまいりたいと考えております。次に、クラウドソーシングの活用についてでございます。本市では、外部委託等に積極的に取り組むことにより、高度化、複雑化する市民ニーズに対応した公共サービスの提供を推進するとともに、経費の縮減を図るため、平成19年5月に民間活用ガイドラインを策定いたしておりまして、民間を活用した方が効果的である専門的な知識、技術等を必要とする分野につきましては、積極的に民間への委託を進めてきたところでございます。現在、新型コロナウイルス感染拡大防止対策としてデジタル化が急速に進み、リモートワークが普及するなど、どこにいても仕事ができ、コミュニケーションも取れる環境が整ってまいりました。また、企業においては一つの会社で仕事をする形態から副業を積極的に行うことを推奨する時代になりまして、高い専門的知識と優れた技術を有する外部人材がそのスキルを様々な分野で発揮できるようになってまいりました。議員御案内のクラウドソーシングは、インターネット等により広く業務受託者を募集し個人へ委託するもので、まさしく高い専門的知識と優れた技術を有する外部人材に直接アプローチできる手法であると認識いたしております。クラウドソーシングでは、デジタル技術を活用し、来庁せずにオンラインで業務が行え、また、副業としての参画を可能にすることで高い専門的知識、技術を都市圏で発揮している人材に業務委託できる可能性があり、コスト削減にも寄与するものと認識いたしております。さらには、地方へUターン、Iターンを考えている都市部の人たちに、まずは副業として活躍していただき、それをきっかけに移住をしていただくことにも期待できると評価されているものでございます。一方で、クラウドソーシングについて中小企業庁が発注者に実施した調査では、仕事の質が不安定、情報流出の危険性、アイデア盗用の危険性などといった課題が指摘されております。また、事業者登録や契約履行の担保といった本市の税務上の諸規定との整合性など、いくつかの検討課題もございまして、様々な視点でクラウドソーシングについて、今後、研究をしてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、市民ニーズはますます多様化し、変化のスピードも速くなっていくものと考えております。そうした時代にあっても、クラウドソーシング等の導入により様々な民間の英知・技術を活用いたしまして、市民サービスの向上につながりますよう、取り組んでまいりたいと考えております。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 馬越帝介議員。                〔9番 馬越帝介議員登壇〕 ◯ 9番 馬越帝介議員 ありがとうございました。よく分かったのですが、答弁で出るかと思っていましたが、新規採用と併せて中途採用というか、社会人枠の採用もされていると思うのですが、他の市町村といいますか──先進地で言えば千葉県などは、2013年から事務の中に情報という職枠を設けまして採用枠を作っておられます。具体的には、上級──大学卒業程度での採用と経験者採用の2つの区分を作り、その中に情報という職種を設けられております。これも企業から派遣とかという形もありますけど、先ほど答弁に出ましたUターンやIターンをされる方にとっては公務員になれるというメリットもありますし、ぜひ、この辺も御検討いただきたいと思うのですが、御答弁をよろしくお願いいたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 宮崎総務部長。               〔総務部長 宮崎高行君登壇〕 ◯ 総務部長(宮崎高行君) 外部人材の活用について、職員の採用ということで2回目の御質問でございます。ただいまございました社会人枠で、情報という分野における社会人枠がとれないかということでございます。そういうことも含めまして、市としても多様な人材を確保していきたいと考えておりますので、いろいろと検討してまいりたいと考えております。よろしくお願いします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、馬越帝介議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  18番、山見敏雄議員。               〔18番 山見敏雄議員登壇〕 ◯ 18番 山見敏雄議員 市民クラブの山見です。通告に従って、大項目3点についてお伺いをいたします。  まず大項目のア、定年延長についてお伺いをいたします。御案内のとおり、国家公務員の定年を65歳に段階的に引き上げる国家公務員法改正案につきましては、先の通常国会では廃案となり、10月の臨時国会への再提出も先送りとなり、現時点では来年1月の通常国会での成立、再来年である2022年──令和4年4月1日の施行を目指すこととされています。当初から国家公務員の定年延長につきましては、年金支給年齢の引上げという背景もあり国民理解が一定程度得られていたものの、コロナ禍における国民の感情に配慮したことが廃案となった理由と言われています。そうしたことに加えまして、話題となりました検察官の定年延長を盛り込んだ検察庁法改正法案との束ね法案であったため、検察庁法改正法案に対する世論の反発が大きかったことも一因と言われています。来年の通常国会にどういう形で法案が再提出されるかは不透明な点も多いところですが、国家公務員法改正案につきましては、これまで検討されてきた内容と同様の内容で再提出されるとの情報もあります。当初、国家公務員法等の一部を改正する法律案で検討されていた内容の主なものは、現行60歳の定年を段階的に引き上げ、2030年度に65歳とするものであり、再来年の2022年度に61歳に引き上げ、その後2年おきに1歳ずつ引き上げるものでした。それに伴い、定年到達者の再任用制度の廃止をはじめ、60歳での役職定年制、60歳に到達した職員の給与の7割水準、不利にならない退職手当などの制度設計といった措置も検討されていました。当初の制度設計どおり定年の延長が開始されるとすると、定年引上げに当たって任命権者は当分の間、職員が60歳になる前年度に60歳以降の制度に関する情報提供を行い、職員の意向を確認する必要があるとのことで、制度開始が再来年の2022年度──令和4年度からであればその準備として、当該年度に60歳になる職員に対して前年である来年の2021年度──令和3年度中に制度に関する情報提供、意思確認を行うことが附則で定められることになります。これは、該当者が定年延長と定年前再任用短時間職員のどちらかを選択できることから、早めに情報提供を行う必要があるためです。したがいまして、地方公務員についても国家公務員と同時期に定年延長制度を導入しようとする場合には、改正法案が来年の1月の通常国会で成立することを想定し準備を進める必要があり、2021年度──つまり来年度中に情報提供、意思確認ができるような制度構築に向けては非常にタイトなスケジュールとなり、法案成立を待たずになるべく早期に準備に取りかかる必要があるものと考えます。そこで伺いますが、現時点における定年延長に対する認識と国家公務員法改正法案成立を受けての条例改正等、制度導入に向けた準備の状況につきまして、市の御所見をお伺いいたします。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 宮崎総務部長。               〔総務部長 宮崎高行君登壇〕 ◯ 総務部長(宮崎高行君) 山見議員の定年延長についての御質問にお答えいたします。議員御案内のとおり、地方公務員の定年延長につきましては、国家公務員法の一部を改正する法律案と併せて地方公務員法の一部を改正する法律案が、早ければ来年1月の通常国会で審議されることが見込まれているところでございます。地公法の改正法案の施行期日は令和4年4月1日とされておりますことから、職員の定年が令和4年度には61歳となり、その後2年に1歳ずつ段階的に引き上げられ、令和12年度には65歳となることとされております。また、本改正法案では、定年の引上げ後も組織の新陳代謝を確保して組織活力を維持するために役職定年制を設けることとしておりまして、原則、役職定年の対象範囲を管理職とし、役職定年年齢は60歳を基本とすることが規定されております。さらに、60歳以降の多様な働き方を確保するために、60歳以後に退職した職員について、本人の希望により短時間勤務の職に再任用できる定年前再任用短時間勤務制が導入されるとともに、定年が段階的に引き上げられる経過期間におきましては、65歳まで再任用できるよう、現行の再任用制度と同様の仕組みを措置する暫定再任用制度を導入するための規定も盛り込まれているところでございます。そのほかにも、職員が60歳に達する日の前年度に60歳以後の任用、給与、退職手当に関する情報を提供いたしまして、職員の60歳以後の勤務の意思を確認するよう努める情報提供・意思確認制度が新設されます。このような定年延長に関する様々な制度を導入するに当たりましては、本市では給与・勤務条件等については、これまでも国・県に準拠した人事制度としているところでありますことから、定年延長につきましても国・県の方針に沿った制度を前提といたしまして、定年引上げに伴う関係条例の改正や人事管理の在り方の検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。こうしたことを踏まえ、今後、令和4年4月1日施行の改正法案が成立した場合には、遅くとも令和3年度の後半までには職員への制度説明や労使交渉・協議を実施いたしまして、円滑に定年の引上げが運用できるよう取り組んでまいりたいと考えているところでございます。いずれにいたしましても、近年、行政を取り巻く環境が刻々と変化する中、複雑高度化する行政課題に的確に対応し、行政サービスの質を維持・向上させていくためには、専門的な能力や経験を有する多様な人材の確保、活躍が一層必要となっております。このような中、職員の定年を引き上げることは現行の再任用制度以上に人事管理の一体性、連続性が確保できますことから、60歳を超えた職員の知識、技術、経験等を最大限に生かす組織体制を構築することで、良質な行政サービスを提供してまいりたいと考えているところでございます。
    ◯ 議長(入江幸江副議長) 山見敏雄議員。               〔18番 山見敏雄議員登壇〕 ◯ 18番 山見敏雄議員 次に、大項目のイ、林業の振興につきましてお伺いをいたします。菅総理大臣は就任後初の所信表明演説で、2050年までに温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにすると述べられました。これまで、地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定により多くの国で2050年までに実質ゼロを目指すこととされた中、当初、我が国は実質ゼロの具体的な時期を示さなかったことから消極的として国際的な批判を受けました。このたびの総理の表明を契機として、早急に実行ある取組を推進する必要があります。御案内のとおり、温室効果ガスゼロの取組は、排出自体を抑制するだけではなく、排出された二酸化炭素を回収するなどして差引きで実質的にゼロにするという考え方です。我が国の排出量は2013年度以降連続で減少していますが、今のペースでは2050年度にゼロにするのは極めて厳しいと言われておりまして、さらなる方策が必要な状況です。今後は、エネルギー部門はもとより様々な部門での取組強化が求められてくるものと考えます。そうした中、二酸化炭素の吸収に関しては、1997年に採択された京都議定書に植林や森林経営などの人為活動が行われた森林の吸収量に限り、温室効果ガスの削減目標への参入が可能となっておりまして、森林の整備のより一層の積極的な取組が求められます。一方で、森林・林業を取り巻く情勢は厳しく、放置された森林の取り扱いが大きな課題となっており、2019年4月からは新たに森林経営管理制度が始まり、林業の成長産業化の実現と森林資源の適正な管理の両立を図ることとなっています。本制度につきましては、午前中の先輩議員の質問にもあったところで詳しくは述べませんが、簡単に申しますと、経営管理が行われていない森林について市町村が仲介役となり、森林所有者と担い手をつなぐ仕組みを構築する制度で、推進に当たっては市町村が重要な役割を担っています。そこでお伺いをいたしますが、先ほど申し上げました昨今の脱炭素社会の動きや、新たな森林経営管理制度といったエネルギー・林業政策の両面から市町村の果たすべき役割が増加し、それに伴い新たな業務が生まれる中、森林・林業への今後の期待の高まりに応えていくことができる本市の林業振興体制の充実・強化が必要と考えますが、市の御所見をお伺いします。あわせまして、昨年6月に合併により設立された山口県中央森林組合は本市の林業振興・森林整備を図る上で最大の担い手であり、こうした動きの中で、市の体制強化と併せて山口県中央森林組合の経営基盤の強化が必要と考えますが、市の御所見をお伺いします。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 村田経済産業部長。              〔経済産業部長 村田尚士君登壇〕 ◯ 経済産業部長(村田尚士君) 林業の振興についての御質問にお答えいたします。まず、本市林業振興体制の充実・強化についてでございます。議員御案内のとおり、先の第203回臨時国会での内閣総理大臣の所信表明演説におかれましては、成長戦略の柱として経済と環境の好循環を掲げられ、2050年までに2013年と比較をして80%の温室効果ガス排出量削減を目指すとしたパリ協定に基づく当初の目標を前倒しし、同年までに100%──全体としてゼロにすることを宣言されたところでございます。ここで触れられました具体的な内容は、次世代型太陽電池、カーボンリサイクルをはじめとした革新的な新技術の実用化に向けた研究開発を加速度的に促進するという新たな策でございますが、これまで継続的に取り組んでまいりました人工林における間伐の促進や皆伐による老齢級森林の更新など、森林の適正な管理を確実に実施していくことも、国際社会に対し発信をした公約達成という観点からも大変重要であると認識をいたしております。こうした中、市町村が主体となり森林経営管理制度を中心に市内の森林を適正管理していくためには、所有者や管理者の状況把握のほか、森林の現況など森林情報の正確な把握と整理が必要であると考えております。具体的には、森林所有者や管理者情報の把握につきましては、現在実施しております森林境界明確化促進事業を着実に進めてまいりますとともに、森林の現況把握につきましては、新技術として確立が見込まれ、業務の効率化も期待をされております衛星写真による解析技術の導入等にも取り組んでまいりたいと考えております。また、こうした業務に携わる職員につきましては、これらの情報を基に10年先、20年先、あるいは50年先といった長期的な視点に立った森林管理を遂行する能力がこれまで以上に求められておりますことから、成熟度に応じた各種研修会への参加や県の林業普及指導員との連携等により必要となる技術や知識の習得に努めることといたしており、各種事業の効率化や新技術の積極導入による省力化、職員の専門性を含めた資質向上策に複合的に取り組みますことで、組織体制の充実・強化に努めてまいりたいと考えております。次に、山口県中央森林組合の経営基盤の強化についてでございます。議員御案内のとおり、山口県中央森林組合は、植栽から伐採まで全ての施業に対応可能な本市林業における最大の担い手でありますとともに、所有者から委託を受けた森林の森林経営計画を作成し、その認定を受けている市内で唯一の林業経営体でもございます。また、今後、森林施業面積を拡大していく中で、持続的・安定的な経営基盤を確立していただくことは、本市の林業振興を図る上で大変重要であると認識いたしているところでございます。こうしたことから、本市といたしましては森林組合をはじめとする林業経営体に対しまして、労働安全や労働力の確保に向けた支援策のほか、生産性の向上や雇用の安定化等の視点からICT機器の導入、重機オペレーター育成や下刈り従事者の熱中症対策費への支援など、解決すべき課題に対応した各種の支援策を展開しておりまして、森林環境譲与を財源としたこれらの支援策をしっかりと活用されることによりまして、経営基盤の強化につなげていただきたいと考えているところでございます。いずれにいたしましても、市域の3分の1を超える杉・ヒノキ等の人工林を適正に管理し、温室効果ガスの吸収量を増大させる環境を整えていくためには、本市の取組だけで達成できるものではございません。今後、産業構造や経済社会の変革は進み、各方面において新技術の実用化が見込まれる中、森林組合をはじめとする林業経営体、県などの関係機関とこれまで以上に連携を強め、脱炭素社会の実現に向けた動きに対応してまいりたいと考えております。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 山見敏雄議員。               〔18番 山見敏雄議員登壇〕 ◯ 18番 山見敏雄議員 次に、大項目のウ、過疎地域の振興につきましてお伺いをいたします。まず、中項目1)過疎地域自立促進特別措置法についてお伺いをいたします。来年3月末で現行の過疎地域自立促進特別措置法──いわゆる過疎法が失効となります。現行の過疎法におきましては、本市の徳地地域と阿東地域が山口市の一部過疎地域として指定を受け、これまで過疎対策事業債──いわゆる過疎債をはじめとする有利な財源を下に各種の施策が講じられ、過疎地域の振興が図られてきているものと認識をしております。国におきましては、過疎法の延長に当たっては平成の合併から相当の時間が経過していることもあって、本市のような一部過疎地域の特例について見直しを検討されていると聞いています。それに関しては、先の9月議会での先輩議員からの質問に対する答弁の中で、国の動向を注視するとされたところです。一部過疎地域に関して、私も平成30年9月議会で言及させていただきましたが、旧町時代は全域が過疎地域であったため、当時の町が行う施策全般においての財源措置として過疎債等を活用されることについての地域住民の理解が得られやすかったと考えていますが、一部過疎地域となった現在の本市におきましては、単なる財源措置ではなく過疎地域がそれ以外の地域との条件不利を解消するための制度であり、必要な財源であることに対して特段の配慮は必要と考えております。そこで、失効まで3か月余りとなった現時点において、新法における制度設計で検討されている一部過疎地域の見直しに関して、どのような認識を持たれているかお伺いをいたします。次に、中項目2)地域における過疎対策の状況についてお伺いをいたします。現在、本市では、各地域においてふるさとにぎわい計画を策定され、地域の特色に応じた各種の取組を進めておられ、先の答弁の中で市長も、過疎対策の柱を人口減少対策と高齢社会の対応として積極的な取組を進めることとしている。農山村の発展なくして中心部の発展はない、中心部の発展なくして農山村の発展もないという考えの下、徳地・阿東地域の過疎対策とその発展を実現することが本市全体の発展につながるまちづくりとの認識の下、全力の取組を進めるとされ、過疎債等を活用した各種事業の推進や地域再生プロジェクトについて言及されました。そうした市長の思いをしっかりと地域が受け止めることが新法における一部過疎地域のありようとして重要であると考えます。現行の過疎法の期限切れに伴う新しい過疎対策の制度設計に当たり、一部過疎地域の特例が見直されても過疎化が進む地域は現に存在し、そこで暮らす住民もおられます。過疎地域においてもふるさとにぎわい計画を策定され、様々な事業を計画されている中で、これまでの過疎法の枠組みの中でそれぞれの地域が過疎対策をどのように受け止められ、どのような取組を進めてこられたのか、また、今後どのように取組を進められようとしているのか検証するよい機会と考えます。地域で身近な総合支所の機能強化が図られたこともあり、地域の特色を踏まえた施策展開がより一層可能になっている現状もあります。そこでお伺いをいたしますが、同じ過疎地域とはいえ特色が異なる徳地・阿東それぞれの地域において、これまでの過疎対策がもたらした成果をどのように評価されているのか。あわせまして、新市における一部過疎地域となっているそれぞれの地域で策定されているふるさとにぎわい計画に込められた思いと、今後の取組をどのように展開しようと考えておられるのかお伺いをいたします。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 塩見地域生活部長。              〔地域生活部長 塩見富士雄君登壇〕 ◯ 地域生活部長(塩見富士雄君) 過疎地域の振興についての御質問にお答えをいたします。私からは、過疎地域自立促進特別措置法についてでございます。議員御案内のとおり、現行の過疎地域自立促進特別措置法──いわゆる過疎法が令和3年3月末で失効となります。現行の過疎法は、当初、平成12年4月から平成22年3月までの期間で制定をされましたが、過疎地域の人口減少や少子高齢化のさらなる進行が認められたことや、東日本大震災の発生により被災市町村において過疎地域自立促進市町村計画に基づく事業の進捗に遅れが生じることが想定されたことなどから、これまで2度期間延長されたところでございます。現行の過疎法におきましては、徳地地域と阿東地域が本市の一部過疎地域として指定を受けまして、過疎対策事業を実施してまいりました。主なハード事業といたしましては、徳地地域のやまぐちサッカー交流広場、重源の郷や大原湖キャンプ場の改修整備、阿東地域の道の駅願成寺温泉や道の駅長門峡の機能強化、阿東保健センターの整備、また、住民の皆様の生活環境に直接関係する道路、水路及び橋梁のインフラ整備などを実施し、また、ソフト事業につきましては、通院バス運行事業や学校給食配送事業、森林セラピー推進事業などに取り組んでまいりました。また、これらの事業を実施するに当たり、財源といたしまして過疎対策事業債──いわゆる過疎債を活用してまいったところでございます。こうした状況の中で、国におかれましては、現在、令和3年4月からの新たな過疎対策法制定に取り組まれているところでございます。この新たな過疎対策法制定の議論の中では、様々な提案が示されているところでございますが、一部過疎地域の指定につきまして、平成の合併後ある程度の年数が経過しておりますことから、旧市町村単位ではなく、現在の市町村単位の財政力等で指定の基準を検討すべきではないかということが協議されているところでございます。この見直しによりまして一部過疎地域の指定から外れた場合、過疎対策事業の貴重な財源でございます過疎債をこれまでどおり活用することができなくなる可能性がございます。しかしながら、本市の過疎地域におきましてはいまだ著しい人口減少や少子高齢化が進展し、担い手不足による地場産業の衰退など、課題が山積しておりますことから、今後も過疎地域の振興のための事業に取り組んでいかなければならない状況であると認識いたしておりまして、一部過疎地域の指定から外れることがあってはならないと考えております。このことから、これまでも山口県市長会や中国市長会、全国市長会を通じまして、新たな過疎対策法におきましても現行の過疎法と同様の要件、同様の地域で継続すること、あわせまして過疎対策事業債の対象事業の拡大、また、これまで時限立法で制定されてまいりました過疎法を恒久的な法律として制定することなどを繰り返し強く要望してまいったところでございます。本市といたしましては、第二次山口市総合計画の都市部と農山村も共に発展するまちづくりの共通理念のとおり、徳地、阿東両地域の過疎対策とその持続的な発展を実現することが本市全体の発展につながるものと認識しておりますことから、国において新たな過疎対策法を制定していただき、その新法の下で、引き続き過疎地域の振興、持続的発展に向けさらなる取組を進めてまいりたいと考えております。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 濱田徳地総合支所長。              〔徳地総合支所長 濱田和昌君登壇〕 ◯ 徳地総合支所長(濱田和昌君) 私からは、地域における過疎対策の状況の御質問のうち、徳地地域の過疎対策についてお答えいたします。議員御案内のとおり、徳地地域は阿東地域と同様に合併前の旧町時代から過疎地域としての指定を受けまして、過疎対策事業債等を活用し、特色のあるまちづくりに取り組んできたところでございます。新市におきましても、第二次山口市総合計画において、重層的コンパクトシティを目指すべき都市構造とし、「個性と安心の21地域づくり」を政策の柱の1つとして位置づけまして、あらゆる地域で将来にわたって安心して住み続けられるまちづくりを目指し、様々な取組を進めているところでございます。徳地地域においては、これまで地域資源を活用し、地域づくりの拠点となる島地温泉ふれあいセンターややまぐちサッカー交流広場、地域の安心安全を支える消防ポンプ車や防火水槽、さらには生活基盤を支える市道などのハード整備を進めるとともに、森林セラピー事業や大原湖キャンプ場などの施設運営といったソフト事業に対しましても過疎対策債等を活用し、積極的に事業を推進してまいったところでございます。これらの事業を通じまして、生活基盤の整備による地域コミュニティーの維持と地域経済の活性化に寄与してきたものと考えております。しかしながら、多くの過疎地域同様、人口の減少と高齢化による地域活力の低下を十分に食い止めることができていない現状を鑑みまして、今一度過疎地域の諸課題に対処し、地域の活力を取り戻すことを目的とした徳地地域ふるさとにぎわい計画を策定いたしまして、その中で奈良東大寺ゆかりの地「重源の里とくぢ」を地域ブランドとして設定し、徳地地域の魅力ある地域資源を活用することで地域経済の活性化を図ることといたしたところでございます。まず、諸活動の拠点と位置づける郷の整備事業としましては、徳地地域の玄関口と位置づけております特産品販売所南大門の改修や滑松活用事業、また、特産品振興事業としては、特用林産物の担い手の育成や先般GI登録されました徳地やまのいもの高付加価値化、さらには地域ブランド確立事業としては、東大寺サミット開催事業や岸見の石風呂利活用事業など、多種多様な事業に取り組んでいるところでございます。これらの取組を通じまして、交流人口の創出と農林業をはじめとした地場産業の振興を図りまして、さらなる地域経済の活性化や雇用の創出につなげてまいりたいと考えております。また、徳地地域複合型拠点施設の整備につきましては、徳地総合支所、地域交流センター、保健センター、消防団の機能を一体化することで公共サービスのワンストップ化を図り、また、地域活動の中核施設としての小さな拠点づくり事業を進め、拠点施設を中心に一定のエリア内に商店や診療所などの生活関連機能の維持・集積を図るとともに、各集落間をネットワーク化することで、高齢者をはじめあらゆる世代の方が安心して暮らせるまちづくりを進めているところでございます。さらに、今年度に入りまして、重源上人関連の中核施設に位置づける重源の郷体験交流公園ににぎわいを取り戻し、地域経済を活性化するために地域の皆様と協働して再生に向けた取組を始めたところでございます。重源の郷体験交流公園の再生を通じて、今一度徳地地域の数多くの魅力ある地域資源を見つめ直し、徳地地域の強みを生かし、行政と民間が協働して新たな取組を進めることで徳地地域の全体の活力の向上を図ることといたしております。そして、その活力ある農山村地域としての徳地地域と都市部が互いの特徴を連携することで新たな価値を見い出し、地域経済に好影響・好循環をもたらし、ひいては本市全体の発展に寄与してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、徳地地域に住んでよかった、住み続けたい、また、住んでみたいと思っていただける魅力あるまちづくりを進めるため、引き続き、過疎債をはじめとする有利な財源を有効に活用しながら徳地地域の諸課題に対応してまいりますので御理解と御協力を賜りたいと存じます。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 福永阿東総合支所長。              〔阿東総合支所長 福永 卓君登壇〕 ◯ 阿東総合支所長(福永 卓君) 私からは、地域における過疎対策の状況のうち、阿東地域に関する御質問にお答えいたします。議員御案内のとおり、阿東地域は本市の一部過疎地域としての指定を受けておりまして、有利な財源である──いわゆる過疎債をもとに積極的に未来への投資──すなわち、あらゆる世代が将来にわたって安心して住み続けることができる地域づくりにつながる投資を行うことができたと認識いたしております。また、過疎債のソフト事業等も活用しながら、積極的な地域の振興を図る取組や関係者の皆様の御尽力もいただき、近年では人口の転出超過が抑制傾向に転じるなど、一定の実績と成果が出ているものと評価いたしております。一方で、自然減を主たる原因とした全体的な人口減少の流れは顕著でございまして、昨年6月に国から提供されたデータに基づき推計したところ、40年後の2060年には人口が約1,000人となる予測がされたところでございます。したがいまして、今後とも地域づくりにおける諸課題への対応をしっかりと進めるため、第二次山口市総合計画前期基本計画の8つの重点プロジェクトの1つでございます、協働による「個性と安心の21地域づくり」の具体的な形として、阿東地域の活力や魅力の向上、安心して住み続けられる取組を実行してまいります阿東地域ふるさとにぎわい計画を策定し、あとう農山村いきいきプロジェクトを事業展開しているところでございます。本計画では、阿東地域の魅力を感じていただき、交流人口の増加、地域経済の活性化を図るため、本地域の豊かな地域資源をつなぐ、磨く、発信するの3つの取組を一体的に展開いたしているところでございます。まず、資源をつなぐ取組では、阿東地域のモノやヒトなどの個々の地域資源をネットワーク化、共有化し、また、それらを活用し付加価値化することで新たな特産品等を発案する組織、阿東地域特産品開発ネットワーク会議を発足いたしました。本会議体は、阿東地域の生産者や販売者、経済関係団体で構成し、会員相互のコミュニケーションを通じて価値観や郷土愛を共有しながら理念やビジョンに対する意識統一を図り、地域のコミュニティーと地域振興を共に創造することを目的とされ、毎月1回の定例会やSNSのLINEグループを活用し、特産品開発の議論、果樹園やあとう和牛振興センター等の現地視察など、個々の事業者の取組や活動等の情報共有を行っております。また、本業務を委託し、事務局を担っていただいておりますNPOあとうにおかれましては、本計画終了後も活動が継続できるように、自主性・主体性を持った組織運営を進めていただいており、人口減少が続く中、行政主導ではなく地域主導による人材の発掘・育成を実施することにより、地域の活力や魅力アップにつなげてまいりたいと考えております。次に、資源を磨く取組では、地域の皆様の新しい特産品の開発や地域資源の付加価値化を支援いたしており、本計画がスタートした平成31年度以降、本年10月末までに15の商品が開発、付加価値化されております。特に、平均年齢70歳を超える長門峡梨組合の皆様におかれましては、定例会議やSNSのLINEを駆使された情報共有化による会員相互のコミュニケーションを活発にされ、長門峡梨を使用した付加価値化商品を多く輩出されているところでございます。最後に、資源を発信する取組では、様々なプロモーションを行うことで交流人口の増加や地域経済活性化の効果向上を図るものでございます。具体的には、リニューアルした道の駅長門峡を活用したイベントの実施、各種ツールを活用した宣伝広報や地域資源を魅力的に紹介するビデオの制作等を行い、阿東地域ならではの魅力を視覚的かつ聴覚的に伝え、効果的な情報発信を図ることといたしております。また、このような取組による令和元年度の状況として、本計画のKPI項目──阿東地域の交流人口につきましては、前年比約14万人、約34%の増加、また、もう一つのKPI項目──道の駅長門峡と願成就温泉を合わせた売上額につきましても、前年比約8,900万円、約30%の増加となっております。これは、地域資源をつなぐ、磨く、発信するの一連の取組により阿東地域への来訪者及び販売額が上昇したものと評価いたしており、今後も引き続き、この3つの取組を着実に進め、交流人口の増加と地域経済の活性化を図ることで、阿東地域の活力向上、にぎわいの創出につなげてまいる所存でございます。いずれにいたしましても、平成30年度より予算・権限等の機能が強化された総合支所として、また、深刻な人口減少と少子高齢化問題を抱える過疎地域の総合支所として、ふるさとにぎわい計画を着実に実行するとともに、国・県等の事業活用も検討しながら、農山村地域の発展を目指した過疎対策をしっかりと進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、山見敏雄議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  議場内の換気のため、暫時休憩いたします。                  午後2時1分休憩       ────────────・────・────────────                  午後2時10分再開 ◯ 議長(入江幸江副議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。  13番、桜森順一議員。               〔13番 桜森順一議員登壇〕 ◯ 13番 桜森順一議員 公明党の桜森順一です。通告に従いまして、大項目で3点質問いたします。関係参与の皆様方の明快な御答弁をお願いいたします。  最初に、大項目ア、脱炭素社会について、中項目1)温室効果ガス削減についてお伺いいたします。近年、我が国をはじめ、世界各地でこれまでに経験したことのない猛暑や豪雨、台風等の異常気象により大規模な自然災害が頻発、激甚化しています。平成28年11月に発効した地球温暖化の防止を目指す国際的な枠組みであるパリ協定は、世界の平均気温の上昇を2度未満、可能であれば1.5度に抑えるという目標を掲げています。政府は昨年6月、パリ協定を受けて、温室効果ガスの排出量を大幅削減するための長期戦略を閣議決定いたしました。この中で、温室効果ガスの排出を実質ゼロとする脱炭素社会を初めて掲げ、今世紀後半のできるだけ早期に実現する計画が示されました。そして、先般の臨時国会において脱炭素社会の目標の達成期限を2050年と明確にし、年末にも行動計画が策定される予定であります。これまで本市では、山口市地球温暖化対策実行計画に基づいて、市域の温室効果ガス排出量の削減目標を定めるとともに、市民や事業者、行政が担う役割や取組の方向性を示されています。そこで、本市における温室効果ガスの排出量削減の現状や市施設における削減に向けた取組状況をお伺いいたします。また、国において再生可能エネルギーの主力電源化を進めていかれるものと考えていますが、本市では、今後どのようにして再生可能エネルギーの普及を促進していかれるのかお伺いいたします。次に、中項目2)次世代エネルギーについてお伺いいたします。脱炭素社会の実現に向けたエネルギーの選択肢として、水素に注目が集まっています。2018年に閣議決定された第5次エネルギー基本計画では、2030年までの中期目標である温室効果ガス26%削減に向けて、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取組や省エネルギー社会の構築などとともに、水素社会実現に向けた取組の抜本強化が挙げられています。水素が次世代のエネルギーとしてこれほどまでに注目されるのはなぜでしょうか。それは、水素が地球環境問題と資源エネルギー問題を同時に解決できる可能性を持つエネルギーであるためです。水素の優れた特徴は、水素は水や化合物の状態で地球上に無尽蔵に存在し枯渇することがない、酸素との反応により発電したり、燃焼させて熱エネルギーとして利用する際にCO2や大気汚染物質を全く排出しないし、ロケット燃料に使われるほど大きなパワーを持つエネルギーであります。また、長期大量貯蔵が難しい電気を水素の形に変えて、貯めて運んで使える。さらに、様々な方法により製造可能であります。エネルギーの大半を輸入に依存する日本が温暖化対策を迫られる中、水素は資源エネルギー問題と地球環境問題という2つの課題を同時に解決できる、クリーンで汎用性の高いエネルギーとして脚光を浴びています。現在、低炭素な水素サプライチェーンモデルの構築を図る実証整備の運用が始まっています。実証プロジェクトでは、横浜市風力発電所──ハマウィングでの敷地内で風力発電を利用して水を電気分解して水素を製造し、貯蔵、圧縮、この水素を輸送し、青果市場や工場、倉庫で水素を燃料としたフォークリフトを使用しています。また、県でも水素社会の取組が進められておられ、本市でも水素の利活用に関する研究を行っているものとお聞きしております。水素社会についてどのように認識しているのかお聞きいたします。また、電気自動車のパッカー車を導入されてはいかがかお伺いいたします。さらに、環境に優しい太陽光や風力などの再生可能エネルギーを地域で消費する地産地消の自治体電力の設立が他市で拡大していますが、本市でも自治体が関与する地域新電力を設立してはいかがか、御所見をお伺いいたします。  この項1回目の質問といたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 山田環境部長。               〔環境部長 山田喜一郎君登壇〕 ◯ 環境部長(山田喜一郎君) 桜森議員の脱炭素社会についての御質問にお答えいたします。まず、温室効果ガス削減についてでございます。本市における温室効果ガス排出量の削減につきましては、平成30年3月に策定をいたしました山口市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)におきまして、平成25年度を基準年度として、令和9年度までに20.4%以上削減する目標を掲げているところでございます。排出量の状況といたしまして、平成23年度以降減少傾向で推移してきたところではございますが、最新の実績値となります平成29年度の排出量は207万2,300トン、基準年度と比べ1.4%の微減にとどまっておりますことから、より積極的な地球温暖化対策に取り組む必要があると認識をいたしているところでございます。次に、本市施設における取組状況でございますが、市役所が一事業所として排出量の削減や環境に配慮した行動に率先して取り組むため、地球温暖化対策実行計画(事務事業編)となるエコフレンドリーオフィスプランを平成28年12月に策定いたしたところでございます。このプランでは、排出量の削減目標として、平成23年度を基準年度に令和2年度までに9%以上削減する目標を掲げているところでございます。具体的な取組といたしましては、電気・燃料使用量の削減はもとより、再生可能エネルギー設備等の導入といたしまして、昨年度は地域交流センターに太陽光発電設備を4件設置いたしますとともに、48の所属において職場点検を実施し、節電やエコドライブ、ごみの減量化などの徹底のほか、職員研修も実施したところでございまして、排出量は12.5%削減できたところでございます。次に、今後の再生可能エネルギーの普及に向けた取組についてでございますが、本市では、太陽光発電に関する相談窓口の案内や事業者向けウェブページの開設などの情報提供に努めますとともに、民間企業等と連携した災害時に活用するための太陽光発電講座や、図書館と連携した親子向け再生可能エネルギー講座の開催、市有施設への太陽光発電設備の導入などを通しまして、再生可能エネルギーの普及促進に取り組んでいるところでございます。また、毎年度アンケート調査を実施いたし、市民や事業者の皆様から設備導入の意向や課題認識などについての把握を進めまして、講座や相談対応などの普及啓発活動に反映しているところでございます。今後も引き続き、こうした取組を着実に進めまして、市民や事業者の皆様に再生可能エネルギー設備の導入がさらに広がりますよう普及啓発に努めてまいりたいと考えております。次に、次世代エネルギーについてでございます。水素につきましては、先ほど御紹介いただきましたとおり利用段階で二酸化炭素を出さず、様々な製造原料で生成できることなどから、化石燃料に代わるクリーンなエネルギーとして注目されているところでございます。脱炭素社会を目指す上で重要なものと考えておりまして、本市におきましては、水素社会の実現に向けた全県的な推進組織──やまぐち水素成長戦略推進協議会へ参画をいたし、意見交換や情報収集等に努めますとともに、工場等から発生する水素を利活用する先進的な取組が各地で進められておりますことから、昨年度、こうした先進事例を関係部局とともに視察をし、本市における今後の事業展開の可能性等を検討しているところでございます。水素の利活用を進めていくための課題として、需要の拡大や調達に係るコスト、供給のためのインフラ整備などがございますが、国はこのたび、脱炭素社会を成長戦略の実行計画としてまとめられ、今後、技術革新を加速させる取組を進めるとされておりますことから、こうした動向を期待を持って注視し、本市にふさわしい水素社会の実現に向けて取り組んでまいる所存でございます。次に、電気自動車のパッカー車についてでございます。電気自動車のパッカー車は、都市部の数か所の自治体がモデル的に導入をされております。収集作業において停車と発信、低速走行を行うパッカー車を電気自動車にすることは環境面で大きなメリットがある一方で、通常のパッカー車と比較して車両本体価格が3倍程度と高額であるとともに、交換電池の購入や電池を充電するための電池ステーションの新設など、車両本体以外にも多額の費用が必要となってまいります。また、この電池は1回の充電で60キロメートル程度の収集作業で消耗いたしますため、1日平均100キロメートル程度を走行する本市の場合、収集業務を中断して電池交換をするといった必要もございます。こうした導入費用、あるいは電池等の課題が解決いたしましたら、導入に向けた検討を進めてまいる考えでございますので、今後もこうした状況を注視してまいりたいと思っております。次に、電力の地産地消でございます。議員御提案の自治体が関与する地域新電力は、新たに電気事業者を設立して地域で発電した電力を地域に供給する──いわゆる地産地消をしようとするものでございます。本市では、山口市環境基本計画におきまして、地域で発電された再生可能エネルギーを集約して地域で循環させる、エネルギーの地域内好循環を目指すことといたしております。電力の地産地消は地域新電力の設立のほか、既存の電気事業者が電力を地域に供給する事例や、蓄電池を活用して電力供給システムを構築する事例など様々な取組がございます。本市では、今年度からスマートエネルギー推進事業として、清掃工場で発電した余剰電力を市施設へ供給するより効率的な電力の利活用を進めていくことといたしております。そのため、まずは市有施設における電力の利活用システムを構築いたしまして、その後、山口市環境基本計画にも掲げておりますエネルギーの地域内好循環──つまり電力の地産地消に向けまして、本市とって有効な取組について検討を進めてまいる所存でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 桜森順一議員。               〔13番 桜森順一議員登壇〕 ◯ 13番 桜森順一議員 次世代エネルギーについての2回目の質問をさせていただきます。先ほど、清掃工場で出た熱エネルギーを再利用していくという答弁があったと思うのですけれど、このエネルギーを電気自動車の動力にも活用できるのではないかというふうに思いますがいかがでしょうか。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 山田環境部長。               〔環境部長 山田喜一郎君登壇〕 ◯ 環境部長(山田喜一郎君) 桜森議員の次世代エネルギーについての再度のお尋ねでございまして、清掃工場で発電した電力を電気自動車のほうにも活用できるという御指摘といいますか、御質問でございます。先ほど申し上げましたパッカー車の先進導入事例の自治体の様子を見ますと、単に電気自動車を導入するだけでなく、今おっしゃいましたごみの焼却で発生した熱を電気に変える、その電気を充電施設に送り、そしてそこで電気自動車が充電をしたバッテリーを積んで走るといった一つの全体のシステムとして導入されているようでございます。そういった点も引き続き、各自治体の広がりなり、あるいは今実証実験として取り組んでおられる側面もございますので、そういった検証結果も踏まえて検討してまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 桜森順一議員。               〔13番 桜森順一議員登壇〕 ◯ 13番 桜森順一議員 次に、大項目イ、「暮らしを守り 未来を築く」予算についてお聞きいたします。中項目1)ですが、通告、聞き取りの過程で少子化政策とさせていただきました。しかし、このまま文字だけを追っていきますと、少子化を推進する政策と捉えられかねません。質問は、少子化に歯止めをかけたいという思いからの少子化対策の内容になりますのでよろしくお願いいたします。子供や若い世代の人口が減少する中、本市が将来にわたって活力あるまちであり続けるため、誰もがその希望に応じて安心して結婚、出産、子育てができる環境が望まれます。本市の結婚、出産、子育て環境については、幼児教育・保育の無償化、こども医療費の自己負担分の軽減、高校授業料無償化など、子育て支援に関する環境は充実してきていますが、結婚に関しては支援がない状況です。国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、結婚意思のある未婚者に1年以内に結婚するとしたら何が障害となるだろうかと尋ねたところ、男女とも結婚資金を挙げた人が最も多かったとの調査結果があります。また、内閣府の調査でも、結婚を希望する人に対し行政に実施してほしい取組について、結婚や住宅に対する資金貸与や補助支援を挙げた人が4割に達しています。このことから、新婚家庭を経済面からサポートすることは大きな意味があると考えます。そこで、結婚に伴う住宅取得費用、住宅賃貸費用、引っ越し費用等を支援する結婚新生活支援事業が拡大されました。また、年齢、収入要件が緩和される予定であることから、本市においても事業を実施してはいかがか、御所見をお伺いいたします。次に、デジタル申請についてお聞きします。菅総理は初の所信表明演説で、今回の感染症では行政サービスや民間におけるデジタル化の遅れサプライチェーンの偏りなど、様々な課題が浮き彫りになりました。デジタル化をはじめ大胆な規制緩和を実現し、ウィズコロナ、ポストコロナの新しい社会をつくります。役所に行かずともあらゆる手続きができる、地方に暮らしていてもテレワークで都会と同じ仕事ができる。都会と同様の医療や教育が受けられる。こうした社会を実現します。そのために、各省庁や自治体の縦割りを打破し、行政のデジタル化を進めますと語られ、デジタル社会の実現に向けて力強い決意をされました。本市においても、新たなデジタル技術の活用を図り、令和の時代にふさわしいスマート自治体スマートシティの取組も進めていくとされ、マイナンバーカードの普及や電子入札システムの導入を図るとされています。電子入札の導入に関しては、応札者の利便性向上、入札事務の効率化・透明性・公平性の向上などが挙げられており、令和3年度から電子入札を開始されるとお聞きしております。そこで、最初に電子入札に向けた取組の進捗状況をお伺いいたします。また、現在、行政手続の電子申請も進めておられます。その一つに人間ドックの受診申込みがあり、私自身も初めて電子申請で申込みをしました。今までであれば、医療機関に申込みをしてから総合支所に言わなければならず面倒な思いをしましたが、今回は受診手続が簡素にでき、時間短縮にもなりました。また、マイナポータルぴったりサービスを積極的に活用している自治体もあります。新潟県三条市は、平成30年4月からぴったりサービスの利用拡大に取り組み、国が指定する15種類の手続に加え、児童クラブの入会申請、こども医療費受給者証の交付申請、国民年金被保険者資格の取得等、市の判断で新たに23項目にわたる様々な分野を追加してオンライン申請を可能としています。そこで、現在、行政手続等の電子申請を運用されていますが、その対象手続などをお伺いするとともに、デジタル申請の推進にはマイナンバーカードやぴったりサービスをさらに有効活用してはどうかと考えますが、御所見をお伺いいたします。また、このような中、デジタル化を進める一方で、高齢者や障がい者をはじめとするデジタル格差の対策も重要です。行政のオンラインサービスが全ての人にとって利用しやすいものとなり、デジタル化の恩恵から誰一人取り残されることがないようにすることが肝要であると考えますことから、国のデジタル活用支援員推進事業を活用してはどうでしょうか。御所見をお伺いします。  以上で、この項の1回目の質問といたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 楳本こども未来部長。             〔こども未来部長 楳本美由紀君登壇〕 ◯ こども未来部長(楳本美由紀君) 「暮らしを守り 未来を築く予算」についての御質問にお答えいたします。私からは、少子化政策についてでございます。御案内の結婚新生活支援事業につきましては、国の地域少子化対策重点推進交付金の事業でございまして、新規に婚姻した世帯を対象として、婚姻に伴う住宅取得費用、住宅賃借費用、引っ越し費用の一部を地方自治体が支援する事業に対しまして、現在、1世帯当たり30万円を上限にその支援額の2分の1について国から補助金が交付されるものでございます。現在、国におかれましては、この結婚新生活支援事業の拡充を図ることとして、令和3年度予算の概算要求がなされているところでございます。拡充の内容につきましては、現時点ではまだ国から具体的な内容が示されておりませんが、1世帯当たりの上限額を60万円に引き上げ、また、婚姻日における夫婦の対象年齢を34歳以下から39歳以下に、世帯の所得を340万円未満から400万円未満に要件が緩和されると聞き及んでいるところでございます。現行制度において、県内で結婚新生活支援事業を実施している、または実施しておられた市町に状況をお伺いしたところ、所得要件を満たす世帯が少ないこと、移住・定住する新婚夫婦の増加という目指す効果が得られなかったこと、この事業により結婚を後押しするような効果がなかったことなどの理由により事業を休止されたところもございましたことから、本市におきましては事業の実施を見送っていたところでございます。国の制度改正により、結婚新生活支援事業が拡充された場合、年齢、所得要件等を考慮いたしますと、本市におきましても対象となる世帯は一定数あると見込まれるところでございます。事業の実施につきましては、県内はもとより県外他市での実施状況や効果等を踏まえまして、本市の事業として効果的な事業となるよう、引き続き研究してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 宮崎総務部長。               〔総務部長 宮崎高行君登壇〕 ◯ 総務部長(宮崎高行君) 私からは、デジタル申請についてお答えいたします。まず、電子入札の導入についてでございますが、電子入札とは、従来、入札会場で、あるいは郵便において行なっていた入札をインターネットを介して行うものでございます。本市におきましては、令和3年4月から建設工事において、令和4年4月から建設コンサルタント業務等において順次導入をいたす計画といたしております。導入に向けた進捗につきましては、本年8月に公募型プロポーザル方式により電子入札システムの受注業者を決定し、現在、当該業者においてシステム構築作業を進めているところでございます。11月から入札公告への資料添付やウェブサイトへの情報掲載等、導入についての周知を図っておりまして、来年2月には市内工事業者を対象とした説明会を予定いたしているところでございます。次に、電子申請についてお答えいたします。御案内のとおり、本市では市民の皆様の利便性向上を図るため、平成18年からオンラインで行政手続ができる電子申請サービスを運用しているところでございます。この電子申請サービスは、現在、住民票の写しの交付請求や水道の開閉栓届出など、12の手続を対象としております。また、利用状況は年々増加しておりますものの、令和元年度の年間利用件数は約1,700件にとどまっておりまして、手続によっては別途窓口で手数料の納付を要するなど、オンラインで完結しない手続もございまして、利用件数が十分に伸びていないとの認識を持っております。この電子申請サービスにつきましては、本年9月にリニューアルを行い、添付書類などの画像データを送信する機能を加えましたほか、今後、手数料をオンラインで決済できる機能の追加も検討しておりまして、こうした機能を活用しながら、便利な行政手続のオンライン化を確実に推進してまいりたいと考えております。また、議員御提案のぴったりサービスにつきましては、地方自治体が任意に新たな手続を追加するなどの汎用的な利用にやや制限がございますものの、マイナンバーカードの本人認証機能を活用して、ニーズの高い子育てや介護をはじめとする行政サービスの検索やオンライン申請、届出ができる基盤でございますことから、マイナンバーカードの取得・利活用の推進の観点からも、PR等を通じて利用を促してまいりたいと考えております。次に、デジタル活用支援員推進事業についてお答えいたします。議員御指摘のとおり、行政サービスのデジタル化を進めていくと同時に、市民の皆様がデジタル技術がもたらす利便性を等しく享受できる環境を整えていくことが重要と認識しております。このため、例えば、年齢などの個々の状況によりデジタル技術を活用できる方と活用できない方との間に生じる格差──いわゆるデジタル・ディバイドの解消に向けた取組を進めていく必要があると認識を持っております。こうした中で、議員御案内の国の実証事業でありますデジタル活用支援員推進事業は、地域において支援員を集め育成し、高齢者に対してデジタルの活用について学ぶことのできる場を提供するなど、一連の流れを実証的に確立していく事業でございまして、デジタル・ディバイド解消の一つのモデル的な取組であると認識をしております。本市といたしましては、こうした取組を参考にしながら、地域性や人材確保の難しさなど様々な状況を考慮する中で、スマートフォンなどのデジタル機器の操作方法やオンライン申請などのデジタルサービスの利用方法について、あらゆる利用者に学ぶことができる環境を提供できるよう、例えば、民間の通信事業者との連携や本市のリカレント教育での展開など、様々な方法を研究していく中で、本市にふさわしい取組の在り方を検討してまいりたいと考えております。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 桜森順一議員。               〔13番 桜森順一議員登壇〕 ◯ 13番 桜森順一議員 最後に、大項目ウ、新本庁舎の整備についてお聞きいたします。現在、新本庁舎の建設規模や概算事業費など、事業実施のための設計の指針となる山口市新本庁舎整備基本計画に基づき、新たな本庁舎の姿を描く基本設計の策定に向けて作業を進められておられます。先の特別委員会では、ユニバーサルデザインの考え方、サイン計画の考え方、BCP計画、環境配慮計画が示されたところです。また、立体駐車場の規模についても課題として取り上げられました。山口市新本庁舎整備基本計画の策定に際して実施された市民アンケートでは、駐車場に関しては駐車スペース不足や車路が狭い等の声が多くあり、駐車場の規模拡大の要望がありました。しかし、今後のデジタル化の進展に伴い、市民の方が市役所に行かなくても手続が可能となるなど、窓口業務をはじめとする市役所業務全般の在り方が大きく変化していくものと思われます。このことから、来庁者が減少していくことが見込まれる中、駐車場の有効活用についても考える必要があるのではないでしょうか。こうした中で、駐車場規模の縮小や観光客等の利用を想定した利便性の確保などを検討すべきと考えますが、本市の御所見をお伺いいたします。さらに、駐車スペースについても同様にデジタル化の進展に伴い、将来的に余剰スペースが発生することが予見されます。そうした際に、市の関係団体の入居にも対応可能とするなど、将来の用途変更等にも柔軟に対応できる庁舎を目指すべきではないかと考えますが、本市の御所見をお伺いいたします。  以上で、この項1回目の質問といたします。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 田中総務部本庁舎整備推進担当部長。          〔総務部本庁舎整備推進担当部長 田中広興君登壇〕 ◯ 総務部本庁舎整備推進担当部長(田中広興君) 新本庁舎の整備についての御質問にお答えいたします。議員御案内のとおり、全国的に行政のデジタル化が進められており、その流れは昨今の新型コロナウイルスの感染拡大を契機に一層加速化するものと予見されております。本市におきましても、スマートフォンなどの情報通信端末を活用した電子申請サービスの提供や、タブレットなどを活用した書かない窓口の実現等を目指した取組を進めているところでございまして、新本庁舎の整備を契機といたしまして、スマート自治体への取組を加速してまいることといたしております。こうした中、現在進めております新本庁舎等の基本設計におきましては、新たな駐車場の規模として、収容台数約550台を整備いたすことを基本に検討を進めております。これは、基本計画の策定段階で実施いたしました市民アンケートにおきまして、回答いただいた方の46.7%の方が駐車場等が少ないことに関して不便や不満を感じておられ、57.5%の方が利用しやすい庁舎とするためには駐車場等にゆとりがあることと回答しておられること、さらには、新本庁舎では新たな機能として、市民交流スペースや多人数での利用が可能な会議室スペースを設けることといたしており、現状よりも多くの市民の皆様がお越しになることを想定しておりますことなどを考慮したものでございます。具体的には、現状86台分の来庁者用駐車場を約200台分に増加させ、これに都市計画において決定された中央駐車場の350台分を合わせ、約550台としているものでございます。議員御指摘のとおり、将来的にはデジタル化の進展に伴い、来庁者が減少する可能性も予見されますが、まずは新本庁舎の完成を迎えた時点での市民の皆様の利便性をしっかり確保することといたしております。また、新本庁舎が立地するエリア周辺には、市民会館や美術館、博物館、そして亀山公園をはじめとする都市公園等が連続し、さらにはサビエル記念聖堂といった観光施設も立地しておりますことから、新たな本庁舎が周辺のにぎわいや交流の拠点としての機能を担う上でも、このたび整備いたす駐車場の果たす役割は大きいものと考えております。こうした考えの下、引き続き、設計の中におきまして、周辺施設も含めた安全で明快、便利な移動空間の構築を図り、訪れられた市民の皆様や観光客の皆様にとって利便性の高い駐車施設となりますよう、その整備に努めてまいりたいと考えております。また、将来的に発生する可能性がある執務室内の余剰スペースについてでございますが、昨年6月に決定いたしました山口市新本庁舎整備基本計画では、整備方針の一つに将来を見据えた柔軟な庁舎を掲げまして、AI、ICTの活用によるスマート自治体への取組や、オフィス改革等に臨機応変に対応できる庁舎機能など、将来の変化に対応できる行政サービス機能を重視した庁舎整備を進めることといたしております。この中では、全国的な少子高齢化の一層の進展に伴う人口減少社会の到来やAI等の革新的な科学技術の進歩、あるいは業務の標準化や共通化による行政事務の効率化など、将来的な社会経済情勢や自治体機能を見通す中で、新本庁舎が過大な施設とならないように留意してまいりました。こうした考えの下、事業費抑制の視点も含め、新本庁舎の延床面積は総務省起債対象事業費算定基準に比べ、より縮減された庁舎規模となる国土交通省新営一般庁舎面積算定基準を用いて算出した面積を基準といたすなど、コンパクトで機能的な庁舎となりますよう努めてまいったところでございます。現在、検討を進めております基本設計における平面計画の検討におきましても、将来を見据えた庁舎造りという視点は欠かすことなく、規模抑制をはじめといたしまして、新本庁舎棟の南北両端に階段やエレベーター、水回りなど構造や設備のとなる部分を集約させることにより、中央部に柔軟性、可変性のあるオフィス空間を確保することといたしております。こうした空間は、将来の行政需要や組織体制の変化に柔軟に対応し、さらにはフロア全体を他の用途へ転換することも可能となるものと考えているところでございます。引き続き、将来の変化に柔軟に対応できる庁舎造りを念頭に事業を進めてまいりたいと考えております。 ◯ 議長(入江幸江副議長) 以上で、桜森順一議員の一般質問並びに質疑が終わりました。  15分間休憩いたします。                  午後2時51分休憩       ────────────・────・────────────                  午後3時3分再開 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 休憩前に引き続き会議を開きます。  3番、野島義正議員。                〔3番 野島義正議員登壇〕 ◯ 3番 野島義正議員 県都創生山口の野島義正でございます。通告に従いまして、大項目2点についてお尋ねをいたします。参与の皆様の明快で力強い御答弁をよろしくお願いいたします。  まずは、大項目ア、農作物被害に対する支援についてでございます。中項目1)継続的な生産者への支援ということでお尋ねをしたいと思います。これまでも先輩議員のほうから、この問題については質問をさせていただいておりますけれども、改めてまたお尋ねをさせていただきます。御案内のとおり、本市の面積は大変広うございまして1,023平方キロメートル、このうちの農地が約9,200ヘクタールございます。この農地のうちの70%が主に水稲、主食用米等に作付されておりまして、産出額は53億円と県内で1位でございます。先般から言われておりますとおり、この水稲が山口市、県も含めて大変な被害にあっております。昭和33年に作況指数というものが国のほうで取り入れられまして、出来高を指数化しております。それが67ということで、過去最悪でございます。この最悪の数字の内容がどういうものかと言いますと、原因はもう先般から言われておりますように北部を中心としたトビイロウンカ、南部は9月、10月に発生いたしました台風、これによる塩害・風害というものが原因でございます。トビイロウンカ、大変な被害を出しておりますけれども、最近にない被害でございます。これがどういうものかというものをちょっと説明させていただきますと、主に中国の南部、あるいはベトナムとかそういうふうな国境地帯からジェット気流──偏西風に乗って大体1日から1日半ぐらいかけて九州のほうに上陸いたします。大体体長4ミリメートルぐらいの本当に小さい昆虫でありますけれども、これが爆発的に増えてこのたびの被害を出したということでございます。この爆発的に増えたという原因はやはり最近の異常気象──6月ぐらいが大変高温であったと、ちょうど日本に着いた頃にこの高温──ウンカが繁殖するのに適した気候条件が整っておったと、これ1代ではなくて世代交代を繰り返します。2代、3代と繰り返しまして、その数を莫大増やしてまいります。もっと悪いのは、幼虫のときも稲の水分とか栄養を吸い取ります。これは稲だけにしかつかない害虫ということでございます。もう一つ、台風でありますけれども、被害が広がって非常に悪かったというのは、一番稲の弱い、開花して受粉、入熟──実が一番柔らかい時期、これに強い風を受けて、しかも潮風を伴った風であったと、その後、降水量が大変少なかったということもあってこういう状態になったと思っております。その結果、各地の被害状況、これがどういうふうになったかというのを調べてまいりました。農家、お百姓が今年お米を農協に何俵出荷しますというのは、出荷契約という形で各JAと会員が契約をされます。それに対しての集荷──JAに集まったお米の最終結果というものがあります。それを対比してみるとどのくらいの被害が出たかというものが分かっていただけるかなと思っております。今お話にもありました北部の阿東地区でございます。これが年間の計画が大体5万俵、これに対して実際に集まったのが1万俵減の4万俵ということです。阿東地区以外の山口市については、毎年8万俵計画をされております。これに対して約30%、35%くらいが減ということで、3万俵の減ということでございました。この結果、約5万俵の集荷ということでございます。徳地地区でありますけれども、これも1万1,000俵の計画に対して大体ほぼ半分の4,948俵というところであります。結果、60%ちょっと切るぐらい、6,050俵というところが集荷されたということでございます。阿知須でございますけれども、一応計画は7,556俵という計画でありましたけれども、これもかなりダメージがあって2,860俵が減って、最終的には4,696俵と5,000俵を切ってしまったということであります。地域差はございますけれども、一応20%から40%の減ということであります。もう一つ悪いのは、これは米の品種──皆さんよく御存じのコシヒカリ、あるいはヒノヒカリとかいろいろあります。この品種によって収量の増減の幅が大変多かったということがあります。比較的安定したのがコシヒカリとか、そういう早物は良かった、ただ遅物でありますヒノヒカリ──南部中心に作られておりますヒノヒカリ等は、本当に一反当たり2俵、平均で8俵以上取れるところが2俵程度しか取れないというような田んぼもたくさん出ております。ちなみにうちのほうもその平均の2俵でございました。さらに追い打ちをかけるように等級の低下、よく御存じのとおり、出荷した段階で1等、2等、3等とお米に等級がつきます。私が聞いた範囲でありますけれども、本来なら大体90%ぐらいが1等米であるものが、今年度の平均が大体50%。残りの25%が2等米、3等米が25%という、大変品質的にも低下した結果となっております。また、さらに、こういうふうな異常気象による気温の上昇や長雨の影響というものは、米以外にも野菜価格の暴落ということになっております。これにあわせて、今本当に新型コロナウイルス感染症ということで、外食産業が大変低迷しております。特に南部地区はキャベツの生産地でございます。これは主に広島のほうに出荷されておりますけれども、やはり消費が伸びないということもあって大変低迷しております。直近の市場価格でありますけれども、キャベツで600円を切るぐらいの勢いです。600円を切りますとこれはすき込んだ方が早いという状態であります。これとあわせてブロッコリー、これが温暖化──最近、大変暖かくございますので早く成長した、一挙に市場に出てきたということで、本来なら大体2,000円ぐらいするものが1,000円を切るぐらいの市場価格になっております。このような水稲被害、野菜価格の低迷に対する補償、あるいは価格差補填というものは、水稲共済、あるいは収入保険、野菜基金というもので行われておりますけれども、やはり加入率としては全体にそれほど高くないという現状になっております。いずれにせよ収入が減少し、それに対する補償も僅かということになれば農業者の生産意識というものは大変大きく失われているのが現状であります。特に、農業に多く携わっていただいております高齢者の方の喪失感というものは大変著しいものがあると感じております。さらに、気象庁の発表によりますと1日に200ミリ以上の集中豪雨が降る場合、あるいは局地的なゲリラ豪雨、あるいは台風の大型化というものは、今後2.3倍になるであろうという予想も出されております。これからも同様の被害が決して出ない──かえって出るケースを予想したほうがよいだろうということであります。いずれにせよ、本市の基幹産業であります農業、あるいは一次産業、この活力というのが、やはりほかの産業の源というふうに私も考えております。一次産業の力がないと地域の力につながらないと、いろいろなところの意味で大きなものを担っているのが一次産業、農業であろうと思っております。こういう中で、農業者の中核を担う集落営農法人の皆様とか若手の生産者の方が、よし来年も頑張ってやってみようというふうな力を少しでも後ろから押せるような対応を早急にやっていただきたい。それと今申し上げたような、こういうふうな状況が続きますので、中長期的な支援対策というものが必要と考えております。ぜひ、この辺についてお尋ねをしたいと思います。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 村田経済産業部長。              〔経済産業部長 村田尚士君登壇〕 ◯ 経済産業部長(村田尚士君) 野島議員の農作物被害に対する支援についての御質問にお答えいたします。御案内のとおり、本市の令和2年産の水稲栽培につきましては、トビイロウンカの大量発生によりまして大きな被害が生じたところでございます。例年、トビイロウンカは梅雨の時期に中国大陸から偏西風に乗って飛来するものでございますが、今年は中国大陸での発生数が非常に多かったことや梅雨前線が日本付近に長く居座ったことなどから、例年よりも早い時期に大量の個体が日本に飛来をいたしました。さらに、その後の高温少雨といった天候によりまして、トビイロウンカの増殖が通常よりも早いサイクルで繰り返されたことによりまして、阿東地域や徳地地域といった本市の北部地域を中心に、坪枯れや全面枯れといった大きな被害が生じたものでございます。加えまして、南部地域におきましては、9月に発生いたしました台風9号及び10号による影響を受けまして、広範囲にわたって農産物への風害、塩害といった被害が生じまして、トビイロウンカの被害と重なり、市内全域で大きな損失となったところでございます。こうしたことを要因といたしまして、10月30日に発表されました山口県内の水稲の作況指数は73、とりわけ本市を含む西部地域におきましては67の不良と、統計を取り始めた1958年──先ほどもございました昭和33年以降、過去最低の予測とされたところでございます。また、10アール当たりの予想収穫量を365キログラムと過去に例のない不作となったものでございます。こうしたことから、本市の水稲生産農家の皆様におかれましては、米の品質低下や収穫量の減少により農業所得が大きく減少したところでございまして、加えて、トビイロウンカの防除におきましても、例年以上の多額の経費を必要とされましたことから大変厳しい状況であり、農家の皆様の生産意欲の減退が危惧されているところでございます。また、JA山口県におかれましても、こうした被害の状況を踏まえまして、生産者に対する経営支援をはじめとして、技術対策や病害虫の注意喚起の在り方など、各分野にわたる対応や支援を本市に要望されたところでございます。こうしたことから、本市といたしましても、農家の皆様の生産意欲の向上と今後の経営の継続を図ることを目的といたしまして、被害を受けられた農家の皆様に対しましては、令和2年産の水稲作付面積に応じた支援制度を創設いたし、補正予算として本議会に議案を提出いたしたところでございます。支援の内容といたしましては、農業所得が減少されました農業者のうち、令和3年におきましても水稲生産を継続される方を対象といたしまして、50万円を上限として令和2年産の作付面積10アール当たりに対しまして1,000円の支援金を給付するものでございます。また、昨日の御質問の中でもさらなる支援についての御意見をいただき御答弁申し上げましたように、県におかれましては次年度作付に要する種子の購入経費について、その2分の1を助成するやまぐち米次年度生産応援事業を創設することとされており、現在、市におきましても県内他市町の支援の状況を把握する中で、こうした県の施策と一体になった支援などについて検討を行っております。いずれにいたしましても、来年度の当初予算編成作業の中で、3月補正予算も視野に入れながら支援策についてしっかりと検討してまいる所存でございます。このほか、山口県内の他市町におかれましても、本市と同様に大きな被害が出ておりますことから、山口県に対しましては市長会を通じまして、被害を受けられた農家の皆様へ経済的、技術的な支援をしていただくよう要望もいたしたところでございます。今後も県やJA、関係機関と連携をいたし、防除に対する技術指導もしっかりと行いながら、水稲生産農家の皆様の生産意欲が向上するよう取組を進めてまいりたいと考えております。次に、野菜の価格の下落に関する対策についてでございます。御案内のとおり、野菜の生産につきましては、気温や降水量の変動といった天候の状況によりまして、その生産量や品質が大きく左右され出荷量を調整することも難しいことから、卸売市場などに供給される量の多寡によりまして、価格が変動しやすいのが特徴でございます。とりわけ、本年は新型コロナウイルス感染症拡大によりまして、外食産業の需要が減少いたしましたことから、議員から御案内がありましたキャベツの出荷量にも影響を与え、市場価格が大きく下落したものと認識しているところでございます。こうした中、現在、国におかれましては、指定される産地で対象野菜の価格が著しく下落した場合には、生産者に対して補給金を交付する野菜価格安定制度を創設され、生産者の経営支援をしておられますとともに、平成31年1月からは価格低下だけではなく、自然災害や新型コロナウイルスの影響なども含めまして、生産者の収入の減少を補填する収入保険も導入をされたところでございます。また、新型コロナウイルスの感染拡大によりまして大きな影響を受けられました農業者等の皆様に対しましては、持続化給付金制度を創設され、個人事業者では最大で100万円まで給付金を受け取れることとされたところでございます。本市といたしましては、新型コロナウイルスの感染拡大が今後も様々な影響を及ぼす可能性がございますことから、国に対しまして持続化給付金制度と同様に、来年度以降も中小企業や個人事業者を支援する新たな制度を創設していただくよう、市長会を通じまして要望をいたしたところでございます。また、野菜生産農家の皆様に対しましては、農業用機械等の施設整備を助成する中核経営体育成支援事業や、ビニールハウスなどの園芸施設を助成する新規就業者等産地拡大促進事業など、国や県による複数の支援事業があり、農家の皆様へは既にJAを通じまして来年度の事業要望調査を実施いたしたところでございます。今後もこうした国や県の支援策とも連携をいたしながら、継続した農業支援の方策にも力を注いでまいりたいと考えておりまして、農家の皆様にとりまして、総合的な農業政策を引き続き実施してまいる所存でございます。いずれにいたしましても、農家の皆様が今後も引き続き農業に対しまして、生産意欲を持って農業経営が継続されますよう、県やJAとも連携をいたしながら効果的な支援を講じてまいりたいと考えております。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 野島義正議員。                〔3番 野島義正議員登壇〕 ◯ 3番 野島義正議員 御答弁ありがとうございました。率直にお伺いいたしたいことがありますので、2回目の質問をさせていただきます。今お話がありました3月の補正、あるいは来年度の予算ということは、このたびの補正で組んでいただいているものについては主にトビイロウンカの被害に特化したものということで理解しているわけですけれども、次の3月、次年度予算ということになれば、今ある台風被害というものがどういうふうになるか、その辺も確認として質問させていただきたいということであります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 村田経済産業部長。              〔経済産業部長 村田尚士君登壇〕 ◯ 経済産業部長(村田尚士君) 農作物被害に対する支援についての2回目の御質問にお答えいたします。台風被害に対する支援の御質問だと思いますが、台風被害もかなりの部分、南部地域で被害を受けていらっしゃいます。そういったことも含めまして、どういった支援ができるのかということで、今後の予算編成作業の中で検討をしてまいりたいと考えております。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 野島義正議員。                〔3番 野島義正議員登壇〕 ◯ 3番 野島義正議員 ありがとうございました。その辺もしっかりお願いしたいと思います。それと最後、もう一度、3回目の質問でございます。山口市、本当に農業が基幹産業ということで143億円くらいあるわけでして、これを継続していくために、今、食料・農業・農村振興プランということで大変御支援をいただいているわけでありますけれども、やはりこの中に単市ではなくて、いろいろな事業を仕組まれております。これができるような形で、継続支援ができる体制というのができるかというのを最後の質問としたいと思います。よろしくお願いします。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 村田経済産業部長。              〔経済産業部長 村田尚士君登壇〕 ◯ 経済産業部長(村田尚士君) 農作物被害に対する支援についての3回目の質問にお答えいたします。農作物被害を受けられた農家の皆様に対する継続をしていくための支援についてでございます。先ほどからるる御頂戴いただきました野島議員の御指摘や、昨日頂戴いたしました指摘等を踏まえまして、令和3年度当初予算の編成作業の中で、また、3月補正予算も視野に入れながら、支援につきましてしっかりと検討してまいる所存でございます。御理解を賜りたいと存じます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 野島義正議員。                〔3番 野島義正議員登壇〕 ◯ 3番 野島義正議員 それでは、大項目イ、指定管理施設・制度についてということで質問をさせていただきます。まず、中項目の1点目でございます。指定管理施設の現状と今後ということでお尋ねをしたいと思います。平成15年にこの制度が設けられまして市の公共施設が管理されております。この内容ですが、平成27年に91──私が市のホームページで見た資料でありますと91あった施設が、令和元年度には101と増加をしております。施設のメンテナンスにかかる経費は市の負担となっており、見ますとかなり──昨日も話がありましたように古い、耐用年数が過ぎたような施設も多くございます。今後は老朽化が進む施設が増える中、この維持管理費がこれまで以上に大きな財政負担になるということは目に見えているわけです。これは、いずれの地方自治体でも深刻な問題として今捉えられております。一概にこの施設、費用対効果だけで判断できないというものが多くあることは当然理解をしておりますが、今後この施設の老朽化が進む中で、市民サービスの向上も含めて評価・検証し、今後の在り方を早急に検討することが必要と考えております。検討する内容としては2点あると思っています。まず第1に、今の施設の利用者を子供、高齢者と限定している施設が多くございますけれども、この制限をなくして全ての市民の皆さんを対象にして運用、あるいは利用していただけるように目的と対象を見直すということであります。次に、利用料、入館料、あるいはキャンセル料などの受益者負担の在り方、この見直しというのは大変必要ではないかと思っております。ここまで申し上げましたような総合的な観点で見直しという作業を行う必要があると考えております。そこで一つお尋ねをいたします。設置後、数年経ちまして、市民ニーズや環境、あるいは人口の減少等、大きな変化が見られる施設の目的、対象の見直しは可能かお伺いをいたします。続いて、中項目2点目の指定管理者制度の運営についてお尋ねをいたします。指定管理施設は安全・適正に管理することが最重要課題でありますが、多くの人に利用してもらうための意識を持つということも大変必要な要素であると考えております。さらに、一歩踏み込んで言えば、利用者が訪れたくなるような施設の運営と、これが理想ではないかと思っております。この指定管理施設の評価をモニタリングという形で毎年実施されております。その調査結果を平成27年と令和元年ということで比較をさせていただきました。その中で目についたところが、平成27年のものと令和元年、その中で非常に評価が上がったものが幾つかあります。その一つがスポーツ施設と放課後児童クラブ、この辺の利用者に出せるサービス、あるいは地域の皆さんに対するPRの評点が上がったものが幾つか多くあったということで印象に残っております。いずれにせよ、施設のPR等は運営される方の意識、意欲というものが非常に反映されるところであります。そのいい例として、先月28日でしたか、仁保にあります嘉村礒多の生家帰郷庵のほうで10周年の記念式典がございましたので出席をさせていただきました。まず、非常によく管理がされておるということは当然ありますけれど、地元の方が中心となっていろいろな企画等を立案されて、いろいろ多方面の方が参加されていらっしゃったということであります。地元の地域資源として、大変いい活用がされておったなというのが私の総合的な感想であります。こういうふうな施設、南部地区の岩屋半島というところに最近では美濃ヶ浜海浜広場というものを造っていただいております。地区内外から利用者も多くて、地元のにぎわいのスポットの一つとなっております。これにあわせて、10年来、付近にあります兜山古墳とかそういうものを地元の皆さんと整備しております。あわせて、この山口湾なり秋穂湾のよい景観を皆さんにぜひ楽しんでいただきましょうということで、今遊歩道の整備も進んでおります。こういう周辺の整備が進んでいる中、既存施設の活用が進むことで交流人口の創出につながり、一層の相乗効果が期待できると考えております。そこで、指定管理施設を地域振興のために積極的に活用したいという希望が地元から上がった場合、指定管理者と協議の場を持つということは可能なのか、また、あるいは将来指定管理者の選定に当たって、その運営そのものを地域組織で行うということが可能であるかお尋ねをしたいと思います。  以上で、1回目の質問を終わります。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 宮崎総務部長。               〔総務部長 宮崎高行君登壇〕 ◯ 総務部長(宮崎高行君) 指定管理施設・制度についての御質問にお答えいたします。まず、指定管理施設の現状と今後についてでございます。本市の指定管理施設につきましては、平成18年に指定管理者制度運用ガイドラインを策定し、制度の導入を積極的に進めた結果、令和2年4月1日現在では106施設に指定管理者制度を導入しております。また、同ガイドラインに基づきまして、指定管理者に対して毎年度モニタリング評価を実施いたしまして、市民サービスの質の向上及びコストの縮減などについて評価・検証を行い、公表を行っているところでございます。こうした取組によりましてサービスの向上が図られ、また、管理運営経費につきましてもコスト縮減が進むなど、制度の導入効果があったものと認識をしているところでございます。一方、老朽化に伴う改修や大規模修繕などについては、市が実施していくこととなりますので、平成27年8月に策定した山口市公共施設等総合管理計画の公共建築物保全方針に従い、ライフサイクルコストを最小化するための対策の検討を行っているところでございます。今年3月には、個別施設計画を策定し、本指針及び計画に基づきまして、建物を長く使用するための予防保全の観点から、適切な時期に中規模・大規模改修を実施するなど、トータルコストを抑えながら、施設が長く安心して御利用いただけるよう維持してまいりますとともに、安定的な運営が行えるよう指定管理者等と情報交換を行いながら、必要な施設面、運用面での改善、見直しを行ってまいりたいと考えております。次に、議員御指摘の設置後年数がたち市民ニーズや環境等の大きな変化が見られる施設について、設置目的や対象の見直しをすべきではないかとのお尋ねでございます。公共施設の在り方や必要性につきましては、あらゆる面から総合的な検討を行う必要があると考えているところでございます。施設の設置目的が市民サービスの向上につながるものなのか、現場の利用者数の状況、現在の市民ニーズの変化などを分析した上で、現行の施設の設置目的が妥当なものなのかを検証いたすことになりますが、対象を限定したものではなく、より多くの方に利用される施設にしていくという方向性を持って検討してまいりたいと考えております。その結果として、目的・対象を変更することが適切である場合もあるものと考えております。次に、指定管理者制度の運用についてでございます。指定管理者制度の運用につきましては、議員御指摘のとおり、地域との連携・協働が大変重要であると認識しております。指定管理者の取組を評価するモニタリング評価におきましても、地域や関係団体との連携で協働が行われているかという評価項目を設定し、毎年確認をしているところでございます。また、本市の指定管理者制度運用ガイドラインにおきましては、地域に密着した施設について、当該地域の住民や利用者で組織し、活動している団体が管理運営を行ったほうが効率的で施設の設置目的を有効に達成できると認められる場合には、非公募で指定管理者として選定することを可能といたしておりまして、御紹介いただきました嘉村礒多生家帰郷庵につきましても、地元住民等で構成した団体を指定管理者に選定いたしているところでございます。帰郷庵の指定管理者であります嘉村礒多生家の会につきましては、かまどや囲炉裏を利用した古民家体験をはじめとして、礒多ゆかりの地を巡るウォーキングイベントを開催されるなど、地域の皆様のアイデアによる特色ある体験メニューの開発やイベントの開催に取り組んでおられるところでございます。また、自治会と連携した取組も進めておられまして、指定管理施設を活用して地域の活性化や交流人口の拡大に大きく貢献されているところでございます。また、徳地高齢者・若者活性化センター徳地特産品販売所南大門では、地域住民で組織された徳地ふるさと資源活用協会が指定管理者として管理運営を行っておられますが、徳地地域のイベント情報の収集や各種団体との連携を図られ、観光案内所としても役割を果たされているほか、生産者と共同で特産品の販売促進につなげるため、PRなど積極的に取り組まれているところでございます。また、今年度からは新たに大原湖キャンプ場の管理運営を開始され、これまでのノウハウを生かして森林セラピー事業などとの連携の強化を図られているところでございます。その他の指定管理施設におきましても、地元地域と共同での朝市の開催や各種競技団体と連携したスポーツの大会や教室の開催など、様々な取組を指定管理者が行なっておられるところでございます。このように、公共施設を各地域の地域資源の一つとして捉え、利用促進を図ることで地域振興や交流人口の創出につながるものと考えており、その運用に当たりましては、地域、施設利用者、指定管理者との連携・協働が重要であり、それぞれが持つアイデア・ノウハウ・ネットワークを共有し、一緒に取り組むことにより新たな効果や価値を創出できるものと考えております。議員お尋ねの地域が施設を地域振興のために積極的に活用したいときに、指定管理者と連携するための協議の場を設置することにつきましては、施設所管課や総合支所、地域交流センター等に御相談いただくことで、対応の検討を行うことができるものと考えております。さらに、地域の運営組織により自らが運営をしたいという希望があった場合におきましても、その組織が要件を満たし施設の運営を行う体制が整えば、指定管理者の設定の際に新たな指定管理者の候補者として応募することは可能でございまして、地域組織が運営されることで他の地域資源との複合的な取組や様々なイベントの開催等により利用促進につながることが期待できるものと考えております。今後とも指定管理者制度の運用につきまして、必要に応じて見直しを行いまして、各施設の設置目的を達成し、さらに有効に活用されますよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯ 議長(坂井芳浩議長) 以上で、野島義正議員の一般質問並びに質疑が終わりました。
     本日の一般質問並びに質疑はこれをもって終了いたします。  以上で、本日の日程は全て終了いたしました。  本日はこれをもって散会いたします。再開は明10日午前10時であります。                  午後3時45分散会       ────────────・────・────────────        地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。                    議     長  坂 井 芳 浩                    副  議  長  入 江 幸 江                    会議録署名議員  桜 森 順 一                    会議録署名議員  田 中   勇 Copyright (c) YAMAGUCHI CITY ASSEMBLY MINUTES, All rights reserved....