次に、高岡御車山の祭り及び運営に対する助成についてお伺いいたします。
御車山は祭礼時はもちろん日ごろの
維持管理にも相当経費がかかり、各町で自主的管理しているため経費はすべて各戸の負担となっております。この5月の御車山祭の経費についても、各町 220万円から 280万円かかり、そのうち
町内負担は88万円から 160万円となっており、山町の中でも30
世帯余りしかないところもあり、苦慮しているのが現実であります。
本市においては、平成4年度において、昭和56年以来12年ぶりに市の助成金が引き上げられ、また、夜の
ライトアップ事業も好評であり、市の御車山祭に対する取り組む姿勢を一定の評価をするわけでありますが、
商工労働部長の御車山祭の助成に対する考え方をお尋ねいたします。
次に、祭の
はんてんについてでありますが、高岡の
はんてんは目の粗い木綿のあわせで、
すそ回りと袖口に綿が入り、丈が1メートル近くもあり、腰部で結ぶ帯も綿が入っており、3メーター以上の長さのものもあります、今日、他の地区に多く見られる
木綿ひとえの腰までのものと比べると、実に堂々たるものであるが、これらのものは少なくとも大正期以前につくられたものであり、古びてきていることから、ある山町ではそろそろ買いかえようと思うが、1着20万円以上かかる山町の
はんてんもあることから、買い控えているのが現状であります。
また、御車山の修繕費については、
重要有形民俗文化財に指定されてからは、国が50%、県・市が20%助成していただくことから、山町は10%と
経費負担が軽くなったものの、まだまだ
維持管理についても山町の負担がかかることから、修繕、
はんてんに対する市の積極的な助成について教育長のお考えをお尋ねいたします。
また、私は、御車山祭の際に、飾り山に乗る子供が山町及び山町関係の子供しか乗れない現状、曳き山の曳き手をある程度公募するなど、もっともっと開かれた祭りにするためにも、今後とも山町の方々の御理解を得ながら進めなければならないと思うが、この点についてもお伺いし、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
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答 弁
5 ◯議長(
沢田英明君) 当局の答弁を求めます。市長
佐藤孝志君。
〔市長(
佐藤孝志君)登壇〕
6 ◯市長(
佐藤孝志君) 1番 畠 議員の御質問にお答えいたします。
御指摘の高岡御車山は、御案内がありましたように、加賀藩二代藩主の
前田利長公から
高岡町民に下賜されて以来 380年の長きにわたりまして、これを所有されている山町の方々をはじめ大勢の皆様のお力によりまして、祭事とともに今日まで立派に保存・承継されてまいりました貴重な財産でございます。
この御車山に生かされました技術は、
高岡銅器・漆器などに代表される今日の高岡の
伝統産業を形成しましたし、また、「
デザイン・
工芸都市高岡」の象徴とも言うべきものでございまして、御車山とその祭事は
京都祇園祭、秩父祭、高山祭などとともに国の
重要有形無形民俗文化財に指定されているのでございます。
いずれの都市も
商業都市として繁栄した歴史を持っておりまして、それぞれ固有の文化を持ち、まちの活性化と深く結びついてきているのでございます。
高岡市におきましては、「万葉のふるさと」と「
デザイン・
工芸都市」としての
まちづくりを進める一方で、観光面でもこれら
伝統文化を素材とした御車山祭、七夕まつり、万葉まつり、
日本海なべまつりを四大祭りとして積極的にPRに努めながら、市民の御参加と御協力をお願いしてまいったのでございます。年々市民の皆様の積極的な御支援もありまして、市外や県外からの観光客もふえてまいりまして、大変御好評を得ていると思っております。
本年度の御車山祭は、天候に恵まれ、古式に従って無事奉曳され、また
平成元年より実施してきました
ライトアップにつきましても、山町や関係者の皆様の御協力で時間延長を行うことができ、より多くの市民の皆様や観光客の方々にこの
一大絵巻を十分堪能していただけたものと思っております。
高岡の誇りであり、貴重な財産であるけんらん豪華な御車山を一日限りの祭りの日だけではなくて、年間を通して展示することができれば、より多くの皆様にその魅力に触れていただけ、また、それによって年に一度の祭りの日への御来高を促進することができるものと思っております。さらには、高岡市の活性化にも大きく貢献するものと考えております。
こういう意味から、御
車山展示館の建設につきましては、前向きに検討すべきことと考えておりまして、実現できれば本市の重要な
観光拠点施設の一つになるものと考えております。
建設に当たりましては、用地、
建設規模、
運営主体、
運営方法、さらには催行事との
かかわりなど検討すべき多くの課題がありますことから、近く地元山町の方々をはじめ関係者、有識者、さらには
各界各層の方々にも
メンバーになっていただきまして、御車山祭の将来展望をも踏まえながら、御
車山展示館の建設について、御意見、御提言をいただくため、まだ仮称でございますけれども「高岡御車山祭を考える会」を発足させていただきたいと、こう考えております。
今後の
スケジュールにつきましては、
メンバーの皆様方にできればこの年度内に御提言いただきますようお願いし、そしてそれに基づいて展示館の具体化に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
以上をもちまして、畠 議員の私に対する御質問の答弁とさせていただきます。
7 ◯議長(
沢田英明君)
商工労働部長 向田幹夫君。
〔
商工労働部長(
向田幹夫君)登壇〕
8
◯商工労働部長(
向田幹夫君) 1番 畠 議員の御車山祭に対する助成の増額についてお答え申し上げます。
高岡の開町の祖である加賀藩二代
藩主前田利長公より、高岡の町民に下賜されたのが始まりとされるこの由緒ある御車山を長年にわたって維持・保存され、また祭事についても古式に従って継承されてこられましたことは、各山町や保存会の方々の大変な御苦労のたまものであると存じております。
また、この祭りは、山町を含む周辺53カ町の総鎮守である
関野神社の春のお祭りとして多くの市民から親しまれてきたものであり、5月1日の御車山祭がにぎにぎしくとり行われる際、
道路交通規制、
バス路線の変更、
路面電車の途中
折り返し運転や電線・電話線・放送局の
かさ上げなど、それぞれの分野でシフトをとり、
官民一体となり協力いたしているところであります。
御車山に対する本市の財政面の
かかわりといたしましては、御車山祭の
保存修理や実測などの
調査研究に対しても支出を行っておりますが、市が山町に直接助成をしているのは、4月30日の宵祭りから5月1日の曳き回し当日にかかわる経費でありまして、今年度は1つの山町当たり15万円を増額し、合わせて 665万円といたしたところであります。
今後の助成につきましては、各山町・保存会の皆様方の
運営実態を十分お聞きしながら、適切な対応をしてまいりたいと考えております。
次に、山町の理解を得ながら開かれた祭りにしてはどうかについてお答え申し上げます。
祭りの運営は、
重要無形民俗文化財としての
伝統行事であり、各山町の皆様方が古式に従い決定されているのであります。曳き手方や
飾り山の上に乗られる
子供たちのことは、各山町の皆様が今日まで大切に守り続けてこられた伝統と格式によるものでありまして、基本的には山町の判断によるものと考えるのであります。
近年、高岡御車山に対して、地元山町の方々をはじめ有識者、
市内各界各層の方々の関心が高まってきており、先ほど
市長答弁にもありましたように、仮称「高岡御車山祭を考える会」を発足することとしておりますが、御車山祭の将来展望についてもいろいろ
意見交換がなされるものと考えているのであります。
今後は、御車山祭が市民の貴重な財産としての理解が広まる中で、御車山祭に対する市民や有識者の期待等をも踏まえて、活力ある
まちづくりに反映する祭りとなる方向に向け、山町の方々で御協議されることを期待しているのであります。
以上をもちまして、畠 議員への答弁とさせていただきます。
9 ◯議長(
沢田英明君) 教育長 篠島 満君。
〔教育長(篠島 満君)登壇〕
10
◯教育長(篠島 満君) 1番 畠 議員の御車山の
はんてんに対する助成と御車山の修繕についての御質問にお答えいたします。
高岡の御車山は今ほどそれぞれ述べられたとおり、全国に数多くある山車のたぐいで、国の
重要有形民俗文化財に指定されている5つのうちの1つであり、昭和35年に指定を受けており、また、御
車山行事が昭和54年に
重要無形民俗文化財に指定されたものでありまして、まことに
高岡市民の誇りと言うべきものであります。
この御車山は、5月1日に挙行される華やかな山の巡行の日だけではありません。春寒いころから既に始まっております。毎年1月25日に
関野神社において御
車山保存会総会が開催され、山町10カ町より2カ町がその年の年番として決定され、祭礼当日に向けて準備が進められるのであります。そして、4月3日には与四兵祭が
関野神社境内の社の前で行われ、今年の祭りの詳細が決定されます。祭りの前日には、御車山は収蔵庫より山宿に移され、宵祭りが行われます。祭りの翌日、御車山は
飾り山部分を解体し、収蔵庫に戻され、翌年の祭日まで長い眠りにつくのであります。この御車山の
重要無形民俗文化財とはこのような
伝統行事全体を指しているのであります。
さて、御車山の
はんてんについてでありますが、御車山祭に着用される
はんてんは各町の曳き山の鉾どめと関連のある
デザインが使われているのであります。高岡御車山の
はんてんは目の粗い木綿のあわせで、
すそ回りと袖口に綿が入り、丈が1メートル近くで、帯も綿が入っており、3メートル以上のものもあり、実に堂々たるものであります。また、
はんてんには、綿入れあわせのほかにひとえのものもあり、前者は曳き手が、後者は山大工や輪棒役が着用するなど、役割によって分かれているのであります。
御車山の衣装については、近年、簡略化された羽織、はかまになっていたものが、昭和56年、57年度に国の補助を受けて、昔のかみしも
一文字笠の姿に戻ったのであります。
はんてんについても、山町によっては独自に買いかえられたところもあると伺っているわけでございますが、今後は買いかえについて山町の意向も伺いながら、国・県等の
補助制度の導入について
関係機関と協議を進めてまいりたいと考えております。
次に、御車山の修繕についてでありますが、御車山は貴重な文化財であり、中には今日の技術をもってしても到底及ばない部分もあり、これに手を加えることは山町にとって大変な出費であります。市としては、国・県等の補助を得て、過去3次にわたり
保存修理を実施してきたところでありますが、現在、平成2年度より5年計画で第4次の修理に取り組んでいるところであります。平成2年度は通町の標旗など2件、3年度は守山町の柱巻や御馬出町の車軸など5件について修理を実施してきたところでありますが、本年度は木舟町の胡蝶の大羽根など3件の修理を予定しているのであります。
文化庁の山・鉾・
屋台修理のための予算については、本市の市長が全国山・鉾・
屋台保存連合会の副会長をしていることもあって、
財政当局並びに文化庁に対して働きかけ、従来の予算に加えて、平成3年度から
特別修理予算が認められたところであります。このことから、本市の御
車山修理も増額して現在実施しているものであります。市としては、御車山の
保存継承のために今後とも力を注いでまいりますので、議員をはじめ山町や市民の皆様方の御協力をお願いするものであります。
以上、1番 畠 議員の御質問に対する答弁といたします。
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11 ◯議長(
沢田英明君) 26番 土谷 昭君。
〔26番(土谷 昭君)登壇〕
12 ◯26番(土谷 昭君) 私は、6月
定例会議会に当たって、2点にわたって質問と提言をいたすものであります。
第1に、
高岡駅前西街区再開発の
キーテナント問題について問いただすものであります。
高岡市の活性化を図る一つとしての再
開発事業の立ちおくれが指摘をされてきたところであります。
高岡駅前の西街区再開発は、当初の計画より事業の縮小が行われようとしていますが、
キーテナントとして百貨店の誘致が困難な見通しからホテルを
キーテナントにすることが決定をされ、過日、市長などが
ホテルニューオータニ高岡の
出店要請をなされたことを、マスコミを通じて初めて知らされたのであります。市長あなたも御存じの通り、高岡市は、
株式会社ホテルニューオータニ高岡の大株主9名の中に入り、市長あなた自身も
取締役相談役にもなっておられるのであります。にもかかわらず、市民の代表である議会に諮ることもなく、
ホテルニューオータニ高岡に
出店要請に当たられたのでありますが、私が聞き及んでおりますところによれば、東京などの例を除けば、同一市内に2店舗を持っている
ホテル会社はないとのことであります。
私は、去る1日の
都市開発特別委員会で、なぜ
ホテルニューオータニ高岡への
出店要請となったのかと質問をいたしましたところ、
事務当局は「高岡で
本格的都市型ホテルは
ニューオータニ高岡しかないので」との答弁がなされました。これに対して、「高岡だけでなく、日本的に見てどうか」と私は再度質問をいたしました。そうしますと、「本来ならば、切磋琢磨すればよいのだが」とも言われましたが、明快な答弁がなかったのであります。市民の中からは、
ホテルニューオータニ高岡側が駅前で他のホテルの進出があれば大きな影響を受けることは明らかであり、要請したのは
ホテルオータニ高岡側ではないかとのうがった見方すら寄せられています。
駅前での施設は、本市の顔にもなるものであり、それにふさわしいものが求められるのであります。市長は、市民の代表である議会に諮ることもなく、
ホテルニューオータニ高岡への
出店要請に当たられたのでありますが、なぜ
ホテルニューオータニ高岡でなければならないのか、市民にもわかりやすい説得力のある御答弁を求めるものであります。
次に、誘致に当たっては、市民の批判を受けるような助成を行わないよう、今から求めるものであります。
市長は、現在の
ホテルニューオータニ高岡を
キーテナントとする再
開発ビルの
建設経過について十分に御存じでないのではないかと思います。地権者などとの思惑の相違があり、建設が大幅におくれたのであります。そして、高岡市も資本参加するもとで建設の運びとなったのであります。この間約3年間ありましたが、当初計画どおり建設されていれば、考えられなかった
助成措置がとられたのであります。
その1つに、昭和61年3月議会で、再
開発ビルに不
均一課税をする条例を新たにつくり、公共性の強い市街地再
開発ビルとしてこのビルに5年間にわたり
固定資産税を50%免税することにしたのであります。
いま1つは、このビルには不特定多数の市民が利用するからと、理由にもならない理由のもとでビルの地下に建設した駐車場の補助として、総額1億 2,800万円の補助を行ったのであります。
固定資産税の減免額と
駐車場補助の合計は約3億円にも及ぶものとなったのであります。○○商店街などがつくる共同の駐車場に補助を各自治体が行うことは全国的にも数多くありますが、一私企業のものでは、市当局の調査でも、私たちの調査でも全国的にも例のないものでありました。私はさきの新横町の再
開発ビルのような要望がなされるのではないかと今から懸念をいたすものであります。市民はたび重なる
固定資産税の引き上げなどの重税に苦しんでいます。市民の側から見て、金持ちのための減税であり、補助であると不満、怒りが再び起こらないように求めるものであります。
私は、次に、休日、夜間の
窓口業務の本市の取り扱いについて質問を提言をいたすものであります。
日本の労働者の働き過ぎは世界でも例の見ないものであり、「過労死」が国際語になっているような状況であり、国の内外からその働き過ぎの是正が強く求められているのであります。
日本政府などもその声に押され、労働時間短縮のための一定の努力が図られてきているところであります。そして、この5月から
国家公務員の土曜閉庁が
完全実施となったのであります。富山県などもこの8月から実施するための準備がなされているようであります。過日の一部新聞によれば、氷見市などでも
行政サービスの低下など、市民に迷惑をかけないように、
各種団体代表を招いて「
完全週休2日制の導入に関する懇談会」を開いて、市当局から金曜日は午後7時まで
窓口業務の時間延長、また住民票に限り、電話での予約受け付け、土、日に
窓口交付の提案等があったと伝えています。本市においても、県下の市町村におくれをとることなく、
住民サービスの低下を来さないように準備を進めていただきたいのであります。土曜閉庁に当たってどのように取り組まれているのか、お尋ねいたすものであります。
次に、現在、本市は、休日、
夜間窓口業務を
警備保障会社の
委託方式をとっておりますが、私はこの際再検討すべきであると提言をいたすものであります。
私は、土曜日が完全に閉庁になると年間どれだけの日数が
閉庁扱いになるか、ことしの暦で計算をしてみましたが、121 日になったのであります。年間の3分の1に当たります。
休日でも市民の行政への需要が多く、中でも
固有事務である
戸籍業務があります。本市の場合、
警備保障会社の警備員による
委託業務となっているのであります。結婚届、離婚届、出生届などは一応預かる形でありますが、死亡届だけは月曜日または連休後に
担当戸籍課で正式受理というわけにはいかないのであります。
私は、過日、他市で死亡届を届け出た際、
死亡診断書が不備ということで再度診断書を書き添えた経験があります。本市の場合は、
死亡診断書さえあれば自動的に警備員が
高岡市長の
埋葬許可証を発行することになるのであります。今まで、特段のことはないとはいえ、休み明けで
住民基本台帳と照合するときには、既に埋葬が終わった後である場合も多いのであります。
本市の警備員は全員行政の経験者はいなく、会社の定年退職者、長年農業に従事していた方などであり、60歳以上の高齢者であります。教育を受けたこともない警備員が、死亡届を受理をし、
高岡市長の
埋葬許可証を発行されるのであります。1日に8体、9体も重なる場合もあり、火葬時間の調整などもなされており、高岡火葬場で措置ができない場合には、射水郷火葬場まで連絡調整が図られています。高岡火葬場とはファクシミリが2年前に設置をされ、間違いがなくなったそうでありますが、射水郷火葬場との連絡調整は電話連絡のため、名前などの呼び方などの困難さがあり、大変な御苦労もあるやに聞いています。射水郷火葬場にもファクシミリの設置が必要かと思います。
私は、県下8市の休日、夜間の
戸籍業務についてどのように取り扱われているか、調査をいたしてきたところであります。休日、夜間、土曜閉庁後の当直業務について、職員で対応している市が4市ありました。あとの4市は市職員のOBの
委託業務となっているのであります。
また、北陸3県の主要都市、金沢市、福井市、小松市などでも当直業務は職員で行われています。本市だけが
警備保障会社の警備員の委託となっているのであります。
この業務は、住民にとって、最も身近で大切なところであり、守秘義務が求められ、プライバシー保護の観点からも多々問題があると考えるものであります。休日、夜間の市の実質的な窓口は警備員となっているのであります。市内だけではなく、他府県からもいろいろな問い合わせが来るそうであります。転勤するので入学する小学校はどこであるか、市内の観光のこと、民宿の問い合わせまでさまざまであります。警備員は単なる警備だけだと言っても、なかなかお客さんに理解してもらえないそうであります。これには、NTTの「ハローページ」に高岡市の時間外受け付けの電話案内として警備室が記載されているのであり、夜の11時、12時でも問い合わせができるものとして市民の皆様方などが理解をされているようであります。今のままの警備員の
委託業務では、対応によっては、本市のイメージを損ねることにも通ずることにもなります。公務員として経験もない、教育を受けたこともない高齢者である現在の警備員の多くのことを要望することはできないと思うものであります。
富山市も本市と同様に
警備保障会社に警備を委託していますが、休日、夜間、土曜閉庁後は、市職員のOBでの委託がなされているのであります。私は、参考に値すると思います。土曜完全閉庁を直前にしている今、
窓口業務を今のままで警備員による
委託方式は私は再検討すべきものであると考えるものであります。
以上をもちまして、私の質問を終わります。
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答 弁
13 ◯議長(
沢田英明君) 当局の答弁を求めます。市長
佐藤孝志君。
〔市長(
佐藤孝志君)登壇〕
14 ◯市長(
佐藤孝志君) 26番 土谷議員の御質問にお答えいたします。
高岡駅前西街区再
開発事業の
キーテナント問題につきましては、さきの社会クラブの代表質問の際にも御答弁申し上げたところでございます。
平成2年度に計画策定いたしました高岡駅周辺地区再生基本計画では、都市型ホテルと商業施設を中心とする当街区の整備方針が示され、これを踏まえて
高岡駅前西街区再開発促進協議会では数多くの協議・検討の結果、昨年末に都市型ホテルを中心とする事業計画案がまとめられたのでございます。この
キーテナントとして、
ホテルニューオータニ高岡に出店を要請いたしましたのは、地元促進協議会の御意向があったこと、国内屈指の国際ホテルであり、新横町再
開発事業の
キーテナントとして既に大きな実績を上げておられること、また、都市型ホテルの整備には多額の投資が必要であり、多くの方々の御協力を得なければならず、既に地元経済界の多数の資本参加によって堅実な経営の範を示されていること等によるものでございまして、このほど
ホテルニューオータニ高岡に対しまして、促進協議会の会長、商工会議所の代表、それと私の三者が一緒に本事業への参加協力をお願いしたものでございまして、現在、鋭意御検討をいただいているところでございます。
再
開発事業は、御存じのとおり、権利調整、
キーテナントの誘致、さらには多額の事業費を要するなど困難な事業でございますが、土地の健全な高度利用と都市機能の更新など、
まちづくりに与える機能は極めて大きいものがあるのでございます。
このため、既に完成しました新横町再
開発事業や着工を目前に控えている御旅屋第一街区市街地再
開発事業につきましては、中心市街地、ひいては高岡市全体の活性化を図るためにぜひとも必要な事業であるとの観点から、市としてこれらの事業に、人的、資金的に支援を行ってきたものでございます。
高岡駅前西街区の再
開発事業は、高岡市の顔としての駅前周辺再整備の重要な一画として、一日も早い事業化を期しているところでございます。今後、
キーテナントをはじめとする事業計画を詰め、事業着手となれば、事業推進に必要な助成、支援につきまして、議会とも御相談しながら対応してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
次に、
完全週休2日制の実施に伴う
戸籍業務の対応についてでございます。
近年、生活水準の向上によりまして、労働時間の短縮は時代の趣勢となっており、ことし5月から
国家公務員の
完全週休2日制が実施されたところでございます。本市におきましても、富山県並びに県内他市の状況を見ながら諸準備を進めておりますが、その際に、
窓口業務などにつきましては、市民サービスのことを十分に勘案しながら、その対策を検討していきたいと考えております。
次に、休日、
夜間窓口業務を警備会社に委託することについてでございますが、
窓口業務である各種戸籍届につきましては、平日は午後5時まで、土曜日は午後0時30分まで受け付けておるのでございます。死亡届につきましては、火葬許可の関係から、休日または窓口開設時間外にも届け出を受け付けております。
休日等におけるこれらの業務は、昭和55年の新庁舎移転以来、警備会社に委託しておりまして、当直業務を担当する者には、正式に「高岡市当直員」の辞令を交付して委嘱しておるのでございます。
議員御指摘の事務処理・接遇の面につきましては、契約に際しては十分協議し、対応いたしております。
申し上げるまでもなく、この業務は住民市民の方々の権利義務に直接関係する事務でございますので、当直員は地方公務員法に規定する守秘義務が適用され、届け書についてのプライバシーを守ることといたしております。
さらに、市役所業務概要の説明や戸籍書類取り扱い研修をするなど、指導を徹底し、適正な事務処理を行わせております。今後、さらに研修・指導を重ねて当直義務の充実に努めたいと考えております。
以上をもちまして、土谷議員の御質問に対する答弁とさせていてだきます。
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15 ◯議長(
沢田英明君) 7番 樋詰和子君。
〔7番(樋詰和子君)登壇〕
16 ◯7番(樋詰和子君) 質問に先立ちまして、このたび第28代
高岡市長に就任されました佐藤市長に公明党を代表して心よりお祝いを申し上げます。
この4年間、市民の先頭に立っての全力投球の実績が市民の皆様に大きく評価されての再選であります。第6次の総合計画がスタートし、スポーツゾーンまた市街地再開発など大型プロジェクトや課題も山積みしております。どうか御健康に留意されまして、高岡市発展のためにさらに尽力されますよう心よりお祈り申し上げます。
では、さきに通告してありました2項目について質問をさせていただきます。
初めに、「福祉の
まちづくり」と住民参加のボランティア活動の推進についてお尋ねいたします。
先日、「住みやすさ日本一」についての国民生活審議会の調査で、住む、働く、学ぶ、いやすの4領域で、北陸・富山が全国平均を大きく上回り「地域の豊かさトップ」と発表されました。住んでおります私たち自身が改めて「本当は高岡は住みやすいところなのだ」との認識を新たにしたわけでございます。
一方、高岡市は高齢化率でも全国9位、14.8%となっておりましたのは御承知のとおりでございます。当然、人口がどんどんふえてもいい条件がそろっているようですが、現実には毎月の人口を見ておりますと、昨年末17万 7,159人から毎月減少して、4月末17万 6,763人と、ことしに入り 396人も人口減になり、自然増を上回る社会減であり、人口問題はこの高岡市には厳しい状況でもあります。
そこで、さらに人の集まる魅力ある住みやすい高岡をつくるための特色のある福祉の
まちづくりに、本格的に取り組む必要があると痛感しております。「ふるさと21健康長寿の
まちづくり」の基本計画にありましたハード面では、高岡市市民総合福祉センターの基本計画の概要案も決まり、検討が進んでおります。
次に、求められるのは、ソフト面では人づくりであり、住民参加の福祉の
まちづくりが必要であると考えます。豊かな社会の人づくりとして、最近、各地でボランティア活動が活発化してきて、マスコミでも大きく取り上げられ、報道されております。先月、文部省の生涯学習審議会がまとめた中間報告でも、ボランティア活動を生涯学習としてとらえ直すとして前面に押し出してきております。行政の役割はサービス精神に基づいた支援にあるとの考えもうかがえます。ボランティア活動は福祉ばかりでなく、自然環境保護、教育、地域振興、国際交流など、範囲も広く、身の回りのほぼすべてを対象にしております。しかも、迫りくる高齢化社会はいや応なしにボランティア活動を必要としており、これなしでは乗り切れないとまで言われております。看護婦さん、保健婦さん、ホームヘルパーさんの人材確保や公的施設などの整備に力を入れることはもちろんのこと、住民の助け合いの組織ともいうべきボランティアグループを、地域や企業などあらゆるところにつくり活動させていくことが今、とても重要な課題であります。
今まで、ボランティア活動というと、主に子育てが一段落した主婦層が中心で進められ、「時間に余裕のある人が無償でする社会奉仕」というイメージがあったようです。大切なのはボランティア活動のイメージを社会奉仕から豊かな社会をつくり出すための活動へと認識の変更をさせることであります。環境問題、福祉などの問題が深刻になっている今、社会参加の意識をはぐくみ、それぞれの人が自分の状況や考え方に合ったボランティア活動を選択できる社会参加の意識を高めることも必要であります。
最近、主婦層に加えて、定年退職後の高齢者層が積極的参加世代として位置づけられております。会社人間から地域社会へ、生き方の充実と社会関係の広がりをつくり、人生を豊かにする一つの方法でもあります。
また、ボランティア休暇を取り入れている富士ゼロックス、松下電器、関西電力など、企業もふえております。
特に、人口の高齢化が全国平均より10年早いペ-スで進んでいる高岡市では、本格的高齢社会への突入を前に、老人の知識や技能、経験をいかに社会的エネルギーにして活性化するかが課題ではないでしょうか。
私自身もボランティアグループをつくって、
メンバーの皆さんと活動しておりますが、行動した中から視野が広がり、福祉に、環境にと理解が深まっていくようです。
先日、ボランティアグループが集まった折、老人の給食づくり、観光案内、シーツ交換など、いろいろなグループから話が出ておりました。隣に座っておられた高齢者の方が、老人のボランティアグループをつくり、以前から定期的に施設の草むしりや囲碁の大会など元気な老人パワーをボランティアに注いでいると生き生きと話され、とても80歳には見えない活発さに感嘆の声が回りから沸き上がりました。
市民の中に生き生きとした活動を推進していくために、さまざまな支援制度が法的にも、社会的にも、財源的にも整備していくことがさらに不可欠であります。高岡市では、61年から2年間、国の「福祉ボランティアの
まちづくり事業」の指定を受けたことを契機に、高岡社会福祉協議会に「高岡市ボランティアセンター」を設置され、さらに「高岡市ボランティア協議会」が組織され、活動の推進が図られております。その前向きな努力に敬意を表するものであります。現在、ボランティア26グループ、登録している
メンバーは約 1,000人、人口の1%です。
そこで、第1点目は、現在のボランティアセンターを、高岡市市民総合福祉センターに併設して、機能の充実、整備のため、業務の拡大とスタッフの増員を図ってはどうでしょうか。ボランティアセンターに対する今後の対策をお聞きしたいと思います。
第2点目は、豊かな福祉の
まちづくりのために、「市民総参加で1人・1ボランティア運動」を推進して、「ボランティアの日」を創設してはいかがでしょうか。近年、社会福祉総合施設「ケアポート庄川」をつくった庄川町では、「町民総ボランティア
まちづくり」など話題を呼んでおります。社会参加の入り口を広く整えるための行政の配慮がさらに必要ではないでしょうか。本市で計画しておられる推進策をお伺いいたします。
3点目は、今後のボランティア活動の大きな力として期待されている高齢者による「シニアボランティア活動」をどのように位置づけられていかれるのでしょうか。援助の受け手であると同時に、援助の提供者である高齢者に生きがいを感じる方も少なくないと思われます。どのように位置づけされているのかお尋ねいたします。
4点目は、ボランティア活動意識を高めるための「ボランティア養成講座」を大幅にふやし、夜間、休日にも多く開催してはどうでしょうか。社会人や青少年も含め、どこで何が学べるかの情報を提供できるネットワークづくりと学んだことが社会的に評価されるシステムの確立が大切です。現在、ボランティアコーディネーターは1人で、ボランティア需給調整や広報啓発、養成研修をされておりますが、地域の隠れたニーズを掘り起こすためにも養成機関の強化が必要ではないでしょうか。計画をお伺いいたします。
5点目は、活動した時間を点数にして積み立てる「ボランティア介護預金制度」を取り入れ、住民参加型在宅福祉サービスシステムを取り入れてはどうでしょうか。現在、全国で63団体でこの制度を導入しており、昨年、福岡市で介護貯蓄の一つである点数預託制度が導入されました。その折に、ある老婦人が、「私たち元気な者が苦労している仲間を支える、そんな時代に来ている。
子供たちも遠くに離れて暮らすようになったし、自分が万が一のときにも役立つなら大変にうれしい。」との言葉が印象的でありました。将来的には、全国ネットワーク化も必要と思われます。元気なときのボランティア活動が点数化され、老後にそれが還元されるシステムの地域レベルの実現がマンパワーを確保し、福祉の問題を身近に感じていく効果も期待できると思います。本来、ボランティアとは無償が基本でありますが、単なる行政の補助としてとらえることなく、活動がマンネリ化しないために、新しい参加形態を考える必要があります。ボランティア預金の福祉システム化に対する考えをお聞きいたします。
続きまして、美しいまちの環境づくりについてお伺いいたします。
最近、人づくり、
まちづくりに漫画を生かそうという市町村がふえており、本市でも「高岡就職マガジン」などに取り入れられ、若い方に大変好評であります。子供にも、大人にもわかりやすく楽しめる漫画やキャラクターは、豊かな心と潤いが求められている現代にマッチしたものとして、地域活性化の目玉にして、住民も巻き込んだユニークな構想として使われております。
「創造と躍動のまち高岡」にも、ユーモア、明るさ、かわいさなどの発想で、地域にマッチしたオリジナルな特徴を強調して、まちを楽しくする工夫が取り入れられてもよいのではないでしょうか。特に、最近、環境問題に市民の関心も深く、意識も高まっております。ごみに挑む各家底、地域の意識の高揚を図り、子供からお年寄りまで「愛すべきごみ」と親しみと意識を改め、協力体制にもっていきたいものです。
また、今から夏場に入り、環境センターやゴミの収集に当たる人たちの御苦労は大変なものがあります。
そこで、第1点目は、楽しい漫画の発想を生かして、ごみの収集車(じんかい収集専用車両)にキャラクター化を取り入れ、ごみに対する意識の啓蒙と楽しい
まちづくりをしてはどうでしょうか。街角にキャラクター入りの収集車が走っておりますと、まち行く人の表情も和み、ごみに対する関心も深まり、協力度がかなり違ってくると思います。不燃焼物のステーションの立て札にも瓶、缶など、漫画風の絵をかけば一目瞭然、分別もスムーズにいき、はかり知れない効果が出ることは間違いありません。キャラクター化に対する取り組みの考え方をお伺いいたします。
2点目は、カラス公害に悩む住民のため積極的駆除対策をぜひとる必要があると考えますが、いかがでしょうか。
新装なった末広町通り、朝、出勤する人たちを横目にごみ袋を破り、えさをあさりごみを散乱させているカラス。さわやかな朝の風景がごみの散乱で台なしです。カラスよけのネットをかけてもお構いなしです。
また、夕方、まちの電線に数十羽ずらりと並び、一斉に飛び立った瞬間、あたりはカラスのふんで真っ白、駐車場の車も荷物を運ぶ人の頭にもふんの一斉射撃です。いつもカラスの集中被害を受けている地域の住民の方から何とかしてほしいという「フン害」の電話も市へ入っているようです。
また、幼児の持っているおもちゃを目がけて急降下するカラスもいて大変に危険であります。
農作物をつくっている方の被害もあります。畑のトウモロコシが一晩で全滅。聞くと1本のトウモロコシの枝に1羽ずつとまって、全部食べてしまったとの苦情でした。
カラスは、大変賢く、なかなか駆除できないようです。しかし、童謡で「カラスなぜ鳴くの、カラスは山にかわいい7つの子があるからね」と歌われた愛すべきカラスは、今は放置しておけば数がふえ、被害がふえるばかりであります。どうかカラスが人間より賢いとは思えませんので、ぜひ環境センターなどに研究スタッフなどを組まれて、工夫をお願いしたいものです。美しいまちの環境づくりのためのカラス公害に対する今後の対策をお伺いいたします。
以上をもちまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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答 弁
17 ◯議長(
沢田英明君) 当局の答弁を求めます。助役 藤井 孝君。
〔助役(藤井 孝君)登壇〕
18 ◯助役(藤井 孝君) 7番 樋詰議員のボランティア活動に関する御質問にお答えをいたします。
御質問の第1点は、市民総合福祉センターにボランティアセンターを併設して、事業の拡大とスタッフの増員を図ってはどうかという御質問でございます。
本市におきますボランティア活動の拠点である社会福祉センター内のボランティアセンターは、昭和52年の9月に、市社会福祉協議会に設置されたものでございます。以来、ボランティア連絡協議会を組織しながら、多くのボランティアグループの育成やボランティア個々の方々の養成事業を行ってきたところでございます。
また、昭和61年度、62年度には、国の「福祉ボランティアの
まちづくり事業」の指定を受けまして、常勤のスタッフ1名を配置いたしますとともに、ボランティア基金の造成でございますとか、児童・生徒のボランティア活動の普及を目的とするボランティア推進校の拡充、さらに情報紙の発行などを行いまして、全市的にボランティア活動の普及、奨励に努めてきたところでございます。また、努力していただいたところでございます。
この間、ボランティアの数も、御指摘もいただきましたが 1,000人を越えております。それぞれ大変幅広い活動を展開されておられますが、作業や活動の場として必要なボランティアルームは現在、大変狭く、活動者の皆様にも大変御不便をおかけしているのが現状でございます。
このため、先般策定をいたしました市民総合福祉センター基本計画におきまして、センターの主要機能である市民参加・交流機能を発揮するための基幹施設の一つとして、「ボランティア交流プラザ」の設置を予定しているところでございます。
この交流プラザでございますが、これからの福祉の重要課題である地域総合福祉活動推進のためにも、その担い手として期待されます市民各層のボランティアの育成並びに交流の場とするほか、点字や朗読、録音等の作業や活動の場を備えまして、広く市民の皆様に御利用いただく施設として整備を図り、ボランティアセンターの機能充実の一環として活用してまいりたいと考えております。その際に、事業の拡大及びスタッフ等については十分考慮してまいりたいと考えております。
次に、「市民総参加の1人・1ボランティア運動」の推進についてお答えをいたします。
議員、ただいま御提案の「市民総参加の1人・1ボランティア運動」の実践のための「ボランティアの日」の創設についてでありますが、本来、ボランティアは強制されることなしに、みずから進んで、ある仕事やお手伝いなどを申し出るものでありまして、これが大切なことは、その自発性であって、人のため、社会のためということだけではなく、自分の心の喜びとしても認識する精神であると思います。ボランティア活動を広げるためには、市民の方々が子供のころから福祉の心を養いまして、気楽にボランティア活動に取り組んでいく習慣を身につけることが極めて必要であると考えております。
このような考えに立った場合、「ボランティアの日」の創設は、市民啓発のための一つの方法とは思いますが、本市としてはまず福祉の心を育てるための環境づくりや福祉教育を、家庭や学校、地域社会の連携の中で取り組み、将来におけるボランティア活動のリーダー育成に意を用いてまいりたいと考えております。
一方、社会福祉協議会と一体となりまして、全市的に取り組んでいる地域総合福祉活動の推進に際しましても、市民の皆様のネットワークとボランティア活動の実践を欠かすことができないものであることから、例えば、「愛の一声運動」のように、近くのお年寄りの方に声をかけるなど、日常生活の中でボランティア活動のメニューは多種多様であることを広く市民の皆様にPRすることや、既に実践されておりますボランティア活動の発表機会の拡充等を図りながら、理解を深めてまいることから進めていきたいと考えております。
このほか、地域や学校、さらには社会教育団体や福祉団体等の参加を中心に、日を定めていろいろなボランティア活動が実践されており、また、近年は企業の側でも地域社会への参画や社員のボランティア活動への参加を促す日を設けることなどの提唱や実践も徐々に広まっているところであり、このような自主的な活動にできるだけ多くの市民の皆様が参加されるよう働きかけていきたいと考えております。
御質問の3点目、「シニアボランティア活動」の位置づけについてであります。
平成3年度の厚生白書によりますと、ボランティア活動の実践者を年齢別に見てみますと、40歳以上が圧倒的に多数を占めております。また、65歳以上の高齢者層によりますシニアボランティア活動は、個人活動者では全体の12.7%、グループ活動者では 4.7%を占めている状況となっております。このように定年退職を迎えた多くの高齢者の方々が、今までの会社や仕事を離れ、みずからの生き方の充実や社会関係の広がりという点で、ボランティア活動に参加していることが、全国社会福祉協議会の「シニアボランティア研究会」の調査の中間報告でも明らかにされております。
また、議員御指摘のように、文部省の生涯学習審議会においても、ボランティア活動が高く評価され、またその促進が重要視されております。本市におきましても、老人クラブの清掃奉仕活動をはじめとして、各地域で在宅高齢者に対する友愛訪問や給食サービスなどが行われております。
このように、豊かな人生経験や知識・技術をお持ちのお元気な高齢者の方々に、すぐれた能力や技術などを発揮してボランティア活動を積極的に行っていただくことは、高齢者御自身の生きがいの充実や豊かな地域社会の創出につながり、ひいては活力ある高齢社会の形成のためにも望ましいあり方の一つであると考えております。
4点目のお尋ねは、ボランティア養成講座の増設等についてでございます。
平成3年度に、市の社会福祉協議会が中心となって開催したボランティア養成講座は、手話、音訳、高校生のサマーボランティアスクールなど10講座でございます。これらの講座の開講時期や時間については、講座の内容に応じて設定する必要がございます。例えば、介護教室や子育てセミナーなどの主婦の方々を対象とする場合は、受講者の方々から日中の開催を望まれることが多く、また、回を重ねるごとに市内外の高校生や大学生からの問い合わせも寄せられておりますサマーボランティアスクールや親子の参加によりますボランティア活動体験普及事業などは、夏休み中の開催が効果的でございます。
一方、夜間に開講しているものとしては、手話講座があるほか、現在、企業ボランティア講座なども夜間の開講を検討しているところでございます。
このほか、公民館活動におきましても、婦人ボランティア活動講座を開設し、多くのボランティアリーダーの育成に努めております。
これらにつきましては、講師などの都合で夜間、休日の開講が難しいものもございます。今後、日程調整や対象者の設定に十分配慮するとともに、講座の増設を図るほか、周知方法なども工夫をし、少しでも多くの方々に参加していただけるよう努力することによりまして、対処してまいりたいと考えております。
また、ボランティア活動に対して関心を持っている方々の相談などにも適切に対応できるよう、担当職員の研修の充実を図り、地域における新たなボランティアの発掘に心がけていきたいと思っております。
次に、5点目の、「ボランティア預金制度」を取り入れた福祉システム化についてのお尋ねにお答えをいたします。
ただいま、議員御提案のいわゆる有償ボランティアの一つと言われております住民参加型福祉サービスシステムについては、導入している都市によって、時間預託、点数預託、報酬預託など、呼び方もさまざまなようでございます。一般的にボランティア切符制度と言われております。現在、切符のみを単独で採用している団体は約10%程度で、半数以上は金銭の受領と併用型のようであります。住民相互の自発的な援助による活動ということで、福祉意識の向上の面からも高く評価されるべき制度であると考えられますが、幾つかの問題点もあると伺っております。
その第1は、運営財源の確保が困難なことから、組織そのものの永続性への不安があること。その2つとしまして、サービス提供者が、利用者の3倍から4倍を必要とするということも伺っております。第3に、この制度はまだ──転勤した場合等でございますが、居住地域以外では通用しないことなどが挙げられております。これらの問題点の解消に向けまして、民間の「さわやか福祉推進センター」が全国ネットワーク化構想を打ち出しまして、先月、「ボランティア切符研究会」が発足されたところでございます。
また、厚生省におきましても、本格的な高齢社会の到来に備えまして、全国ネットワークの構築に着目しており、「介護ボランティア等の時間貯蓄制度に関する研究会」を設置し、国民の意識調査や情報提供を含めた行政の支援策などを検討するための実態調査に乗り出す予定と伺っております。
こうした全国的な流れを受けまして、本年度、本市におきましても、「福祉ボランティア活動支援システム研究事業」を実施することにしており、近く研究委員会を設置して、有償ボランティア制度等につきまして考案、研究することにしており、現在、事前調査を行っているところでございます。
樋詰議員、御自身におかれましても、ボランティアセンターに登録されております「レモングループ」の代表としてボランティア活動に参加していらっしゃるところでございます。深く感謝申し上げますとともに、今後とも御意見、御指導を賜りますようお願いいたします。
以上で、樋詰議員の御質問に対する答弁といたします。
19 ◯議長(
沢田英明君) 生活環境部長 中川恭一君。
〔生活環境部長(中川恭一君)登壇〕
20 ◯生活環境部長(中川恭一君) 7番 樋詰議員の美しいまちの環境づくりについて、まず初めに、楽しい漫画の発想を生かして、ごみの収集車にキャラクター化を取り入れ、ごみに対する意識の啓蒙を図ってはどうかとの御質問にお答え申し上げます。
ごみ収集車両などにキャラクター化を取り入れてはどうかとの御提案でございますが、清掃業務のイメージアップを図り、市民の皆様にごみ問題について関心を持っていただくための貴重な御提案であると考えております。
ごみ問題や環境美化については、市民の皆様や各種団体と一体になって取り組むことが必要であるということから、市としてもシンボルマークの採用やごみ収集車両の色彩、
デザインなど前向きに検討を行い、清掃業務のイメージアップを図るための方策について、実施都市の事例を十分調査・研究し、ごみ問題に対する意識の啓蒙に取り組んでまいりたいと思います。
次に、カラス公害に対して、住民のために市が積極的に駆除対策をとる必要があると考えるがどうかとの御質問にお答え申し上げます。
本市におけるカラス公害は、捕食によるごみの散乱、農作物の被害等がございます。このことは、本市のみならず全国的な問題となっているわけでございます。市といたしましては、この対策として、電線への薬剤の塗布、電柱へのレフランプの取りつけや地元関係自治会、商店街及び市の関係各課と再三にわたり協議を進め、まず1つには、ごみ搬出の時間を守る、2つには、防鳥ネットやシートなどでごみを覆う、3つ目には、ごみの中に殺虫剤等を吹きつけ密封して搬出する、4つ目には、カラスに破られないような強度のある袋を使用するなど、いろいろ試みてまいったわけでございます。一方、農作物の被害については、農家の依頼があれば、有害鳥獣駆除隊員の協力によりまして駆除に努めてきたところでございます。いずれにしましても、決定的な方策がないのが現状でございます。
このことから、カラス公害の被害を最小限度に抑えるため、引き続き関係団体と連絡をとりながら、より効果的な方策を検討し、対処していきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
21 ◯議長(
沢田英明君) この際、しばらく休憩いたします。
休 憩
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休憩 午後2時17分
再開 午後2時31分
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再 開
22 ◯議長(
沢田英明君) 休憩前に引き続き、本会議を再開いたします。
個別質問、質疑を続行いたします。2番 藤田大了君。
〔2番(藤田大了君)登壇〕
23 ◯2番(藤田大了君) 6月定例会に当たり、通告いたしました観光行政について、
商工労働部長にお伺いいたします。
私は、訪れた人々のだれもが、本市を去るときに「もう一度来てみたい」と感ずる魅力ある
まちづくりを進めていくには、観光施策の充実が最も重要な施策の一つであると考えるのであります。
本市は、「万葉のふるさと」と称されるように、古い歴史を持ち、高岡の開祖・
前田利長公の菩提寺である瑞龍寺に代表される文化財や史跡をはじめ二上山や雨晴海岸などの美しい自然環境、銅器・漆器などの伝統工芸、国の
重要無形民俗文化財に指定されている御車山など多彩な
観光資源を有する全国に誇るべきすばらしいまちであります。市当局が、これまでこの高岡の
観光資源の保存、整備に努められているところは高く評価をするものであります。
さて、今後、労働時間の短縮に伴う自由時間の大幅な増大、長寿社会の到来とともに、人々の活動やレクリエーション活動に対する要求はますます増大し、多様化するものと予測されるのであります。こうした中で観光ニーズも単に見て回るものから、自然と触れ合うスポーツ、文化など健康増進、自己啓発等への移行が一層高まるものと考えられます。このような観光ニーズの変化に対応しつつ、本市観光の振興を図るためには、本市の持つ豊富な
観光資源や観光施設を整備するだけではなく、若者や観光客が全国から集まり、楽しめるような、特性を生かした地域全体の景観や雰囲気を含めた総合的な観光づくりが必要であります。
そこで、以下2点について基本的な考え方をお尋ねをいたします。
まず第1点は、過去の観光客入り込み数の推移を踏まえ、今後の本市観光客入り込み数をどのように予測をし、また、より一層増大するために具体的にどのように取り組んでいかれるのかお尋ねをするのであります。
第2点目は、ただ単に他の観光地を目的とする道すがらという意味の通過型の観光ではなく、高岡そのものを目的とする滞在型観光を、また、冒頭に述べましたように、訪れた人々が重ねて訪れたいと思う反復性のある魅力的な観光を目指さなければならないと考えます。このためには、行政・民間が一体となって独自性のある計画的、総合的な施策を進めなければなりません。その方策をお尋ねをいたすのであります。
去る4月12日、私は石川県小松市の安宅の関へ行ってまいりました。その日はあいにくの肌寒い気候にもかかわらず、何と観光バスだけでも8台駐車し、400 人以上の多くの観光客で賑わっており、義経と弁慶の銅像の前では次から次へと記念写真を撮っておるのであります。また、その横に義経と弁慶が関所を通過するとき、弁慶が義経の身がわりになるいわれが記してある掲示板にも多くの観光客が集まっておりました。それに対して、国定公園雨晴海岸は余りにも寂しいではありませんか。安宅の関に比べると、いつ行っても客はまばらであり、それどころか、客のない日が多く、閑散としております。しかし、雨晴海岸はNHK連続テレビ小説「凛凛と」で紹介された世界的景勝地雨晴海岸から臨む立山連峰は、東方に 3,015メートルの北アルプスが浮かび上がって見え、海越しに山々を仰ぐ景勝は世界の中でも、雨晴海岸とチリ共和国バルパライソ市海岸のアンデス山脈の2カ所しかないと言われている名勝であります。
それならば、なぜ世界の雨晴が北陸の安宅にどうして劣るのか。出演者はどちらも義経と弁慶であり、どうして差がついておるのか、自分なりに考えてみました。安宅の関は、義経と弁慶の対話、コミュニケーションを現実によくとらえている。関所を無事通過したいために、首をかけて弁慶が自分の上司である義経を部下にしてまで演出し、体をたたいてクライマックスを系統的に精神的に表現し、書きあらわし、何百年前の出来事を表現しているのに対して、奥州へ逃れる義経主従一行が、雨晴のどの場所で雨を宿ったか、どの程度の雨が降っていたのか明確ではありません。
如意の渡しには、義経と弁慶の銅像が建立され、義経記をもとに案内板が整備されていますが、世界の景勝地雨晴海岸を一段と魅力あふれるものにするためには、義経伝説をもっとPRしなければ観光ニーズには合わない、安宅の関には勝てないと思うのであります。
平成2年に、地元の協力によりトイレを整えた駐車場が設置されるなど整備に努められているところですが、本市の有数の
観光資源であります雨晴海岸の整備に対する取り組み方をお尋ねをし、あくまでも安宅の関を目標として、どのような対策をとれば安宅に近づけるのか、具体的な取り組み方をお尋ねするものであります。
次に、高岡大仏の駐車場についてお尋ねをいたします。
奈良、鎌倉と歴史の上では日本三大仏の一つに数えられる高岡大仏は庶民の平和を祈願して、1745年に木製大仏として建立されました。
文政、明治と2度にわたり焼失したため、30年もの歳月をかけて、昭和8年に現在の銅製の高岡大仏が完成をいたしました。高さ15.8メートル、重さ65トンというスケールは、まさに高岡の一番誇り高い象徴であります。この高岡大仏の参詣に観光客が訪れたとき、古城公園の小竹藪の駐車場に観光バスを駐車して、約1キロの道を歩いてお参りする姿を見受けるのであります。このようなことでは、一度はあっても二度とは観光客は高岡に来ないと思うのであります。高岡で一番誇り高い大仏が、お参りしたくても参れない、拝みたくても拝まれないとは、まことにもったいない話ではないでしょうか。今さら駐車場問題の話は、10年も、20年も時代おくれの問題であり、そうであればこそ声を大にして申し上げるのであります。当局も駐車場対策に苦慮されていることは承知しておりますが、観光ニーズに対応するため、駐車場の整備に対する考え方をお伺いいたしまして、私の質問を終わらさせていただきます。
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答 弁
24 ◯議長(
沢田英明君) 当局の答弁を求めます。
商工労働部長 向田幹夫君。
〔
商工労働部長(
向田幹夫君)登壇〕
25
◯商工労働部長(
向田幹夫君) 2番 藤田議員の質問の1項目のうち、観光振興を図るための基本的な考え方について、お答えを述べたいと思います。
第1点の今後の観光客入り込み数の予測と、より一層の増大を図るための具体的取り組みについてお答え申し上げます。
近年、観光・レクリエーションに対する人々の関心は、余暇時間の増大、高速交通網体系の整備等によりますます高まってきております。本市の観光客入り込み数は、昭和57年まで 250万人から 300万人台で推移しておりましたが、万葉まつり、
日本海なべまつりなど、各イベントの積極的な展開や昭和58年のいきいき富山観光キャンペーンの推進によりまして、ますます増加してきているのであります。
今後、万葉歴史観や瑞龍寺等の
観光資源の整備、宿泊施設の充実、積極的な観光PR、そして高速交通網体系の確立による交通条件の整備を進めていくことにより、観光活動が一層活発化し、入り込み数は増加していくものと予測いたしております。
その受け入れ体制については、観光客のニーズの多様化に対応した施策として、観光駐車場の確保、都市型ホテルの整備、地場産業と一体となった土産品の開発、都市の景観保全にあわせた観光誘導板、案内標識等の設置による施設整備を進める一方、関係諸団体の育成を推進する中で、市民意識の高揚も積極的に図ってまいりたいと考えております。
また、2点目の、通過型観光ではなく、滞在型観光をどうとらえているか。また、反復性のある魅力的な観光を目指さなければならないと思うが、その方策はどうかについてお答えいたします。
本市には、御承知のとおり、古城公園、二上山、雨晴海岸に見られるような恵まれた自然景観と伝統的町並みや歴史をはじめとした数多くの文化遺産の存在など豊富な
観光資源があります。これらの貴重な
観光資源の保全と活用を積極的に図り、高岡の個性と魅力ある特色を生かした
観光資源の整備を進めるとともに、近隣市町村との連携をとりながら広域観光ネットワークの確立を図り、その拠点都市として多くの観光客が繰り返し訪れ、自然や文化に触れることのできる通年・滞在型観光地を目指し、努力を重ねてまいりたいと思っております。
次に、質問の2項目目でございますが、義経伝説をもっとPRするなど、雨晴海岸の整備の充実についてお答えいたします。
義経伝説については、観光パンフレットや観光ガイドで紹介するなど従来から積極的にPRしてまいったところでございます。今後とも機会あるごとにそのPRに精いっぱい努めてまいりたいと考えております。
近年、雨晴海岸を訪れる観光客が年々増加しておりますことから、その周辺施設の整備を図ってきたところでもあります。今後、さらに国・県の理解と協力を得、魅力ある海洋性スポーツレクリエーション拠点づくりを目指して、国定公園雨晴海岸園地整備事業や「ふれあいの海岸整備事業」の取り組みにより、観光客に親しまれる観光地づくりを積極的に推進してまいりたいと考えております。
最後の、観光ニーズに対応するための大仏の駐車場対策についてお答え申し上げます。
議員御指摘のとおり、駐車場の必要性については十分認識しているところでございます。今後は、抜本的な対策はもちろん、暫定的なものについてもさらに地元関係者と熱意ある協議をしながら、駐車場の確保・充実に努力してまいりたいと思っております。
いずれにしましても、本市が観光都市としての
まちづくりを目指すためには、市民の主体性ある参加と市民自身による連帯感の醸成が不可欠であり、市民の意欲と活力を最大限に引き出すことが重要であると考えております。
このことから、現在、観光協会の運営について組織強化の観点から、
官民一体となった創意と情熱が結集できる体制づくりを検討しているところでございます。今後とも、各議員のより一層の、そして限りない御理解と御支援を賜りたいのであります。
これをもちまして、藤田議員への答弁とさせていただきます。
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26 ◯議長(
沢田英明君) 3番 二上桂介君。
〔3番(二上桂介君)登壇〕
27 ◯3番(二上桂介君) 初めに、青少年の健全育成を目指した環境づくりについて、教育長さんにお伺いをいたします。
次代の担い手である青少年の健全育成を目指す教育とその指導者の育成は、いつの時代のおいても最も力を注がなければならない重要な課題であると言えます。学校教育が制度的にも確立され、今日の成果を見るに至ったことは今さら申し上げることではありませんが、一方、社会教育の分野ではその重要性を叫ばれながらも、その体制・基盤は決して十分とは言えない現況にあります。
しかも、昨今は、その社会教育における体制や基盤がしっかりとしていないままで、学校教育では週休2日制が模索されております。しかし、児童・生徒が家庭や地域社会との触れ合いを深め、遊びや各種の活動を主体的に選択をして、創造的に取り組める余暇時間としての土曜、日曜の連休は、自発性や自主性をはぐくむ上でも大いに期待されているところであります。
青少年を取り巻く社会環境について多くを語る必要はないと思いますが、青少年の健全育成を目指す各種社会教育団体のそれぞれに課せられた重大な役割と活発な活動によって育てられる成果に、大きな期待が寄せられている時代であると思われます。
本市においても、青少年の健全育成を目指して活動しているいわゆる青少年団体は、児童クラブをはじめボーイスカウトとガールスカウト、児童文化協会、青年団、青年学級など多年にわたり多くの方々の理解と支援に支えられて、それぞれの活動を展開をしております。
また、本市においては、社会教育団体連絡協議会をテーブルとして、それぞれの団体の事業目標や活動方針が話し合われ、あるいは活動を阻害する問題点について研究などもされ、団体相互の連携・連絡協調・協力体制の確立に多大な尽力がなされてきたのであります。
しかし、各団体間では活動の対象が違っていたり、あるいは事業の内容が重複していたりして、必ずしもその事業が円滑かつ効果的に実施されていないのが現状であると思います。
また、財政上の問題から、その活動の継続性についても危惧され、財政基盤の確立についても共通の課題があると言えます。
また、指導者の育成や確保も団体育成に当たって共通する問題点であると言えます。人材の育成は財政の確立と並ぶ大きな課題であると思います。
ほとんどの団体は、活動にしても、組織運営にしても、ボランティアの指導者によって支えられております。一部では委員会丸抱えの組織もありますが、それはそれで別の問題があり、ボランティア指導者によって支えられている組織は、ある程度の大きさまではその方々の熱意によって進捗していきますが、どんなに熱心な指導者がいらっしゃっても、個々の能力を超えて活動も組織も発展し得ません。青少年団体の活動がより発展していくためには、財政基盤の確立をした事務局体制が必要だと言えます。
さらに、共通する活動の阻害要素としては、活動中に起きるのではないかと心配される不慮の事故やそれに起因する傷害の責任と保障の問題があります。保険制度や見舞い金制度も団体育成の重要な課題であると言えます。
ここで、青少年団体活動発展のための横断的な統括組織を設立し、その成果を十二分に発揮されている事例がありますので、紹介をいたします。
愛知県豊田市は、昭和63年10月、市よりの出資金5億円と既存の各団体からの出資金約 1,000万円を財政基盤として、財団法人豊田市青少年活動協会を設立され、豊田市青少年センターに事務局を置き、今年度は4年目を迎え、次代を担う青少年の健全育成のための青少年活動の活性化を図り、幅広い協会活動を展開されております。
協会は、子供会部門──これは我が市における児童クラブに当たるわけですが──子供会部門、ボーイスカウト部門、ガールスカウト部門、青年団部門、若人の森部門、指導者クラブ部門及び傷害互助会部門から成り、それぞれのグループは主体性を持って独自のプログラムを展開するとともに、新たに設立されるグループや少人数の青少年団体にも育成の手を差し伸べています。
また、各グループの総合プログラムとして、青少年活動における指導者の育成と確保に力を注ぎ、各グループ間の連携を図りながらさまざまな全体行事をも行われております。
財団法人豊田市青少年活動協会は、平成3年6月の「経営状況の報告について」の中で、「1、総括、財団法人豊田市青少年活動協会は、公益性を持った社会教育を推進している青少年団体の活性化、発展を重点目標として、全国でも例を見ない公益法人として発足をして以来、初年度・今年度はまず内部の充実と各部門間の相互理解、協力体制の確立に意を注いでまいりました。今年度においては、その趣旨が浸透し、各団体・部門、それぞれの特性の中で活発な活動がなされてまいりました。また、指導者の育成や資質の向上を図るため、各団体・部門独自の研修と並行して、広く青少年育成活動全般にわたる知識や技能の修得に向けて、研修の場を提供すべくプログラムの展開を図ってまいりました。初年度より継続の協会公認一級指導者養成講座では、60単位、2カ年にわたる長時間の相互研修の終了の時期を迎えるグループもあり、終了者の今後の活躍が期待されるところであります。なお、各団体部門の活動を支援する協会事務局の体制強化に努めてまいりましたが、ようやく機能も整いつつあり、次年度に向けてさらに充実を図ります。」と報告しています。
また、今年4月までに第9号が発刊された青少年活動協会の広報誌「WA」──恐らく「ワ」と読むんだろうと思います──広報誌「WA」でも、確立された財政基盤に基づき、多彩な事業と運営によるそれぞれの部門の青少年活動が伸び伸びと活発に展開されている様子がうかがえます。本市においても、心豊かな青少年の育成を目指して、横断的な統括組織の公益法人化を検討すべき時期であろうと思います。
次に、さきの3月定例会でも質問をいたしましたが、生活環境の保全と資源リサイクルの問題について、質問をいたしました日からたくさんの方からこの問題について御意見をお伺いいたしましたので、中から2点のことについて生活環境部長さんの御見解をお伺いいたします。
初めに、廃棄物処理に係る社会問題についてであります。
近年は、環境問題に関心が高まり、今月は国際環境月間であること、あるいはブラジルで開催されている環境サミットでは、21世紀に向けた地球環境保全の憲法となるリオ宣言が採択されるなど、国際社会においても市民生活の中でもこの環境問題が一大関心事であることは反面喜ばしいことであります。
廃棄物対策の中で、最も市民に大きな関心を集めていますのは、ごみの減量化と資源リサイクルの問題です。実は、このことに市民の関心が集まっていること自体大変意義深いことなのであります。本市は、昭和54年から資源の有効利用を図るため、他市に先駆けて分別収集に取り組んできた実績を自負しております。このことは、市民の資源リサイクルに対する理解と町内会など各種団体の協力の成果であろうと思います。また、市内各所で自主的集団資源回収運動が展開されているなど、本市における資源リサイクルに対する市民意識は相当に高いものがあります。
3月定例会では、13種類に分別収集をしている福島県二本松広域行政組合の事例を紹介いたしましたが、その後、ヨーロッパの事情に明るい友人から16種類に分別収集をして、その成果を発揮しているオランダ・アムステルダムの近況を聞きました。市民のだれもがこのことに理解をし、分別に協力的であること、分別に当たっては、ボランティア指導員が協力していることなど、市民意識の高いことをお伺いいたしました。また、このことは、今月早々にNHKでも紹介されましたので、御存じの方も多いかと思います。
そこで、今日の2系統6分類の分別収集から、13ないし16分類以上の細分別収集を検討してみてはいかがでしょうか。燃える、埋める、資源化するの単純分別から、廃棄する市民レベルで徹底的に分別すれば、すべてが資源リサイクルをするとの考え方に意識改革をする時期であろうとの提言であります。
例えば、紙質により細分する、新聞、広告紙、雑誌なども分けていく、しかも書類についているステップラーの針を外すとか、あるいは空き封筒の粘着テープをはがすとかということはもちろんのことであります。ガラス瓶では、リサイクルボトルを分別するだけではなく、ガラスの色ごとに分別する。また、あらゆるものに部品としてついているような小さなプラスチックを外して収集する。生活の中から廃棄をするとき、市民一人ひとりが心がけること、市民運動としてのモラルまで高めていくことが重要だと思います。
我が市においては、これまでの分別収集先進都市としての自負もありますし、ノウハウもあります。しかも市民の協力によって分別収集を進めてきた実績があります。市民の意識も細分別収集に協力的であろうと思います。
次に、アルミリサイクル、特にアルミ缶の回収リサイクルシステムについてお伺いをいたします。
さきの定例会において、アルミ缶の生産量に比べてその回収率が42.6%と意外に少ないこと、アルミ缶先進国のアメリカ合衆国では63.6%の回収率があること、通産省は、平成6年末に60%の回収率を目指していることを申し上げました。また、1トンのアルミの地金の生産に必要な電力は2万 1,000キロワットと膨大であるのに比べ、アルミ再生地金の生産には3分の1のエネルギーで済むことも申し上げました。あるいは、我が国で生産される飲料用の缶は年間 300億缶もあり、1人当たり年間 250缶をも消費していることなども申し上げました。つきましては、この問題提起に対してたくさんの方から貴重な意見をたくさんお聞きいたしましたので、2点ほどにまとめて御紹介をいたします。
一方の意見は、使い捨て商品やワンウェイ容器のはんらんがごみの増大を招く原因として大きな社会問題になっているということ、消費者のライフスタイルの改革はもとより、製造者にも最後までごみにならないように回収努力をする責任があるというようなこと、飲料容器などがリサイクルされる有効な方法としてデポジット方式があり、空き缶など散乱防止と資源の有効利用に役立つシステムであるならば、もっと積極的に問題研究をして取り組むべきではないかということ、経済構造や流通機構が複雑で、デポジットを実施するための必要条件はなかなかそろわないというように消極的になっている間はよいアイデアは生まれないのではないかというような意見であり、これとともに、現実的なもの、あるいはそうでないもの、ユニークなもの、強硬なものなど、数多くのアイデアもお聞きをいたしました。
もう1つの意見は、高岡らしさを訴えるもので、これに私も大賛成であり、さらに多くの方々の御検討もいただきたいと思い、御紹介をいたします。
私たちの住む郷土富山県は、水力発電を中心とした電力生産を誇るところであります。また、本市はアルミ産業において、原料でも製品生産高でも我が国の中心的な立場を誇る都市であると言えます。アルミのまち高岡に住む我々
高岡市民はアルミリサイクル、特にアルミ缶の回収リサイクルに全市を挙げて取り組んでみてもいいのではないでしょうか。アルミリサイクルは、電力消費の面でも環境に優しいプログラムであると言えます。これら両方の面で我がまち高岡のキャンペ-ンとして、シンボリックな運動になり得ると言えます。「アルミのまち高岡のアルミ缶リサイクル」を市民運動として育てていく上でのシステムの構築やボランティア活動への支援、助成など、行政として果たせる役割もたくさんあると思いますが、いかがでしょうか。当局の積極的な御意見をお伺いをして、質問といたします。
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答 弁
28 ◯議長(
沢田英明君) 当局の答弁を求めます。生活環境部長 中川恭一君。
〔生活環境部長(中川恭一君)登壇〕
29 ◯生活環境部長(中川恭一君) 3番 二上議員の環境保全と資源リサイクルについて、まず初めに、分別収集から細分別収集についての質問にお答え申し上げます。
本市は、県内他都市に先駆けまして、昭和54年からごみの減量化・資源化を図るために、2系統6分類の分別収集に取り組んできたところでございます。
13から16分類以上の細分別収集を検討してはどうかとの御提言でございますが、このことはごみの減量化・資源化を図るための確かに有効な手段であると思いますものの、再資源の安定的な受け皿の確保、ステーション及びストックスペースの確保、さらには市民のこれまで以上の協力体制など、解決しなければならない問題が多くあるのでございます。また、収集車の配置や収集コスト、さらには経済効率の問題などもあり、現在のところでは、この実施については困難であると考えているわけでございますが、将来の検討課題といたしたいと思っているわけでございます。
次に、アルミ産業の中心都市としての責務の問題でございます。
本市では、スチール缶・アルミ缶などの飲料缶を含め、金属を収集し、、アルミ缶はもとより、金属はリサイクルルートに乗せて資源化に努めているところでございます。
また、自治会など各種団体でも市の資源再生品集団回収事業奨励金制度を利用し、ごみの資源化・減量化を行っており、現在、この制度によります資源の回収量は、年間 3,546トンで、古紙が大部分を占めているわけでございますが、アルミ缶についても15トンも占めているわけでございます。
また、資源回収団体として登録されている団体は、自治会、婦人会、PTAなど 212団体となっておりますが、これは本市の自治会数 560から見ればまだ半数に達してない現状であり、今後、これらの未登録の団体に対し登録化を積極的に進め、省資源、省エネルギー性にすぐれるリサイクル効果の大きいアルミ缶回収に特に関心を持っていただくよう働きかけていきたいと思っているわけでございます。
また、回収・製造・販売の各業界とも連携をとりながら、アルミ缶リサイクルが広く市民運動につながりますよう今後も努力していきたいと思っている次第でございます。
以上、二上議員の質問に対する答弁といたします。
30 ◯議長(
沢田英明君) 教育長 篠島 満君。
〔教育長(篠島 満君)登壇〕
31
◯教育長(篠島 満君) 3番 二上議員の青少年の健全育成を目指した環境づくりについての御質問にお答えいたします。
今日、青少年を取り巻く社会環境は、小子化、核家族化、共稼ぎ家庭の増加、都市化等、まことに目まぐるしく変化し、家庭や地域の共同体的な結びつきが弱まりつつあり、青少年の日常的な生活体験の機会が極めて少なくなってきており、その結果、青少年が自由な時間を活用し、社会性をみずからはぐくみ、たくましく生きる力を身につけることが難しくなっているのであります。
このことは、学校週5日制を導入することにより、
子供たちの社会参加やスポーツ、文化活動、奉仕活動等学校外における活動を今まで以上に充実して
子供たちがみずからの自発性、自主性を高めていくことが求められていることでも明らかであります。
このときに当たり、青少年の健全育成を目指して活動しているボーイスカウト、ガールスカウト、児童クラブ、スポーツ少年団等のいわゆる青少年教育団体の活発な活動に寄せる期待はますます大きくなっているものと認識しているのであります。したがいまして、本市ではこのことを目的に活動している青年団体、少年団体の育成には、各団体の実情を勘案して、財政援助をはじめそれぞれの団体における事業活動や団体運営にも御協力いたしているところであります。
そこで、議員御提案の豊田市青少年活動協会に見られる青少年教育団体の横断的な統括組織の法人化の検討については、
調査研究の機会を持ちたいと考えているところでありますが、本市におけるそれぞれの団体にありましては、おのおの歴史的な経過や目的があり、特徴を持って青少年の健全育成に取り組んでおられるところであり、その独自性を尊重することもまた必要なことであるというふうに考えております。
このようなことから、健全で豊かな心と体を持つ自立した青少年の育成を図るため、家庭、学校、地域社会、行政が連携して、青少年の健全育成にふさわしい環境づくりを目指すことを共通目的に、指導者の育成のための研修や活動中における事故に対する保険制度のあり方、また全市的な活動への協力体制等、これまでにも増して横断的な取り組みが求められるものについては、各団体の共通の認識のもとに協議を進めてまいりたいというふうに考えております。
以上、3番 二上議員の御質問に対する答弁といたします。
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再 質 問
32 ◯議長(
沢田英明君) 3番 二上桂介君。
〔3番(二上桂介君)登壇〕
33 ◯3番(二上桂介君) 再質問を1点だけさせていただきたいと思います。
これは、アルミリサイクルに関する目標のことについて、再質問をさせていただきたいと思います。
ただいまは、生活環境部長から、アルミのまち高岡としてアルミ缶に対する市民意識を高めていくように努力をしたいという大変力強い御答弁をいただきました。そして、また、このことに対する期待は大きいわけでありますが、実は通産省がアルミ缶のリサイクル、資源回収率を平成6年の末に60%を目指しているというふうに申し上げました。このことについては、3月にも申し上げたわけでありますが、この通産省の目標とするアルミ缶の資源回収率60%という数字に対して、本市はこの平成6年の末、つまり再来年でありますが、再来年のその目標をですねどの程度に置いておられるのか、あるいは現況の数字に比較してその目標達成が可能なのかどうか、1点だけお伺いをいたしたいと思います。よろしく御答弁ください。
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答 弁
34 ◯議長(
沢田英明君) ただいまの再質問に対する答弁を求めます。生活環境部長 中川恭一君。
〔生活環境部長(中川恭一君)登壇〕
35 ◯生活環境部長(中川恭一君) 厚生省の方は、平成6年を60%と、そういうふうに定めているということでございますが、これはあくまで企業に対する努力目標ということでございます。私たちも、高岡市のごみの減量をどのように図っていくか、また、資源化をどのように図っていくか。大体ごみの現在の伸び率は私たちは 2.3%ぐらいだと見込んでおるわけでございます。私たちはその中で、ごみ全体を少しでも少なくもっていこう、抑制しようと、そういうことがまず1点でございますし、そのほかに出たごみについては、資源化できるものは資源化しましょうと、こういうようなことで、その資源化の中でアルミ等をとらえているわけでございます。相対的なものといたしまして、何%とは今、ここでは言えませんけれども、全体のものとして十分それらの減量化・資源化を図っていくよう、そういう対策委員会もありますので、今ほどの貴重な御意見を十分お伝えし、一緒にひとつ減量化を図っていきたいと思っております。
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36 ◯議長(
沢田英明君) 10番 中島 司君。
〔10番 (中島 司君)登壇〕
37 ◯10番(中島 司君) 今、環境問題は、世界的に最重要課題となっています。そして、先日来、リオデジャネイロでは地球サミットが開催され、さまざまな分野から環境問題が検討されているところであります。私たちにとっても今こそ環境問題を一人ひとりのこととして真剣に考えなければならないと思います。
水や空気、緑や自然、そしてごみ問題など、いろんな角度から環境問題を考え、対応策を講じていかなければなりません。とりわけ、近年、産業廃棄物の処理問題は、その量の多さや廃棄物の中身の危険性などから、社会的にも多くの問題となっているところであります。
さて、私の仄聞するところでは、隣の福岡町花尾地区で、ある民間会社が廃棄物処理場の建設を予定しているとのことであります。この花尾地区は、皆さんも御存じの花尾カントリークラブのある大変有名なところであります。予定している会社は主にレストランなどの残り物、つまり残飯を処理しているのでありますが、食べ物の残り物であるだけに悪臭や汚水の懸念がされますし、そしてまた、この会社は全国的な規模の関連会社であり、将来、県外などからも大量に持ち込まれることなども十分予想されるのであります。
そして、処理場の予定されている地域は、一級河川谷内川の上流ですので、処理場の排水問題が心配をされるのであります。
この谷内川は、小矢部川左岸の農業用水の重要な一翼を担っているのであります。つまり花尾付近を水源とする谷内川は、高岡市の石堤地区と福岡町の境目を流れ、六日市地内で小矢部川三日市頭首口から取り入れられた合口幹線用水路と合流し、その後、佐加野用水と中部幹線排水に分かれ、また、国吉四日市地内で下八ヶ用水と分流するのであります。この下八ヶ用水路は、現在、県営かんがい排水事業が行われていますが、いずれにしても、佐加野用水と下八ヶ用水は小矢部川左岸の重要な農業用水であり、石堤、国吉、守山、二上地区、推定で約 350ヘクタールの水田を潤しているのであります。このような重要な農業用水の上流に廃棄物の処理場が建設されれば、農家の不安はもちろん、将来どのような問題が起きるとも限りません。また、別の廃棄物処理業者も検討しているのではないかと思われます。市としては、このようなことについて情報はもちろん、対応策や
関係機関との協議などをされているのかどうか、そして、これからこのような問題にどのような取り組みをなされているのか、そのことについてお伺いをいたしたいのであります。
さて、次に、歴史的建造物保存のことについてお伺いいたします。
市では、今後、伏木の北前船の回船問屋であった秋元家を歴史的建造物保存整備事業として調査すべく、今6月議会の補正予算にその費用を計上されたところであります。私は、3月議会でも埋蔵文化財のことについて質問をしましたが、いずれにしても歴史的に重要な文化財や史跡、建造物などは積極的に保存し、活用すべきだと思っています。
ところで、秋元家の望楼は今日的の大変珍しいものですが、市内にも同様の望楼を備えた民家があります。利屋町の旧佐渡養順堂であります。この佐渡養順家は江戸時代からの産道家、現在の産婦人科の家として医学に努められてきた家柄であります。
また、戦前戦後にわたり、産前・産後の薬、乳のたる薬として「さどさん」の愛称で親しまれてきた婦人薬を販売もされてきました。
そして、明治時代の画商 林 忠正氏ゆかりの家でもあり、このことは木々康子さんの著書「蒼龍の系譜」でも紹介されています。
現在、佐渡家の人は住んでおらず、薬品会社の倉庫として使われていますが、明治時代の建築様式を伝える貴重な存在だと思われます。
「蒼龍の系譜」の蒼龍は佐渡家にあった私設図書館である蒼龍館からとられたものと言われ、蒼龍館には蘭学書や東洋医学の書物が約 4,000冊蔵書されていましたが、今は金沢市立図書館に「蒼龍館文庫」として保存されていると聞いています。そこで、この佐渡養順家の保存・活用について市はどのように考えておられるかについてお伺いをしたいのであります。
まず、第1に、佐渡養順家を保存・活用する計画はあるのかどうかです。
第2に、産道家でもあり、婦人薬の販売の家でもあることから、薬業関係の展示資料館的なものを考えてみてもいいのではないかと思われますが、どうでしょうか。
そして、第3に、市長は最近、金沢市長とイベントを通じて交流を深められていますが、この際、金沢市立図書館に保存されている 4,000冊にも及ぶ蒼龍館文庫の図書の返還について取り組んでいただきたいと思います。
本来ならば、高岡市に存在していたであろうと思われる図書が、どのような歴史的経過で金沢市に移ったかは明確ではありませんが、本市においても重要な財産になると思われますので、ぜひ市の積極的な取り組みを要望いたし、質問を終わります。
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答 弁
38 ◯議長(
沢田英明君) 当局の答弁を求めます。助役 藤井 孝君。
〔助役(藤井 孝君)登壇〕
39 ◯助役(藤井 孝君) 10番 中島議員の御質問にお答えをいたします。
お尋ねは、福岡町花尾地内における産業廃棄物処理場の建設の件でございます。
早速、県及び地元福岡町に問い合わせをいたしました。いまだ正式な所定の手続がなされていないということでございまして、現在のところ、確定したものとは私どもは見ておりません。確定の段階ではないと考えております。当面、情報収集に努めてまいりたいと考えております。
建設が当然、具体化されました場合、施設の規模でございますとか、あるいは構造、廃棄物の種類、その量、質並びに処理の方法等が明確になってくるものと思われます。
関係機関あるいは関係業者から、高岡市は隣接の関係市でございますので、当然、本市へも協議されるものと考えております。その時点で、関係団体等とも十分に御協議を申し上げ、適切な対応をしてまいりたいと考えております。
以上で答弁とさせていただきます。